数世代前の人々にとって、現代の暮らしは夢のようなもの。そんなことを感じさせてくれるのが、人類史を簡単にまとめた動画『What Happened Before History? Human Origins』。最後にはこんなメッセージが。
「電車を乗り過ごしたからといって、横入りされたからといって、カリカリしてはいけません。人間がどれだけのものごとを発明してきたのか考えてみてください。そのほうがずっと価値があります」。
では、人類がどれほど進化したのか見てみましょう。動画は日本語字幕もあります。
その内容をかいつまんで紹介します。
【600万年前】
猿を卒業しました
ヒト族が登場し、猿から分かれて行動するようになりました。
【280万年前】
道具を使い始めました
この頃、人類が登場。6種類ほど確認されているそうです。
石器などを使い始めたものの、200万年ほどは進歩なし。火を使うようになってから人間は食べるものからより多くの栄養を取り入れられるようになり、脳が進化。
明かりを使うようになったことから、1日の行動時間が増え、冬も活動できるように。
【30万年前】
言葉を使い始めました
ハンターたちは徐々に小さなコミュニティを形成するようになりました。計画を立てたり、お葬式を始めたり、カルチャーが生まれてきたのもこの頃だそう。
言葉でコミュニケーションをとるものの、今よりももっと単純で、いま一般的に使われているような複雑な言語を理解したり、抽象的な考えを持つための脳がまだなかったとも。
【20万年前】
まだまだコミュ障
ホモ・サピエンスの登場。人類にも種類はいくつか存在していましたが、それぞれが出会ってもまるで宇宙人に遭遇したかのような感覚だっただろうとのこと。タイムマシンで現代人がこの時代を訪れたとしても、意思疎通はうまくできないと言われています。
現代の人々と同じような行動をとっていたのは、7万年前からなのだそう。
【5万年前】
複数の目的を持つようになり
動物たちと一線を画す
この頃から、脳は複数の目的を持てるようになったそうです。使う道具や武器、文化が複雑化し、言葉やコミュニケーションもより円滑に、効率化されていきました。
この進化が他の動物と人間を決定的に分ける要因になったとか。
戦略を立てて集団で狩りを行い、動物との体格差などを乗り越えました。物事を言い伝え、教えていくことで、次世代へと知識を蓄積できるように。また、過去に学んでより深い視点を持てるようになりました。
この頃の人類は馬鹿にできません。自分たちのテリトリーがどこまで広がっているのかを感覚的に捉え、地理を把握し、物音などから危険を察知する能力を持っていたため、みんなサバイバルの達人だったようです。
動植物に関する知識も豊富にあり、日々のルーティンによって、体格がアスリートのように鍛えられていました。覚えなければいけないスキルが急増したために、脳はさらに進化。
【1万年前】
農業・畜産のはじまり
文明の発達
1万2000年前頃には、農業がいくつもの場所で始まったことがわかっているそう。
これまで必要とされてきたタフな身体能力や精神力がなくとも、誰でも生き延びるための仕事に貢献できるようになりました。分業です。
もっと便利な道具が必要になり、発明が始まります。効率化が進むと、動物を狩るより簡単に、穀物や家畜が育てられるようになりました。食料庫は保護され、人々はより狭いエリアに集まって暮らすようになりました。文明が生まれました。
組織を強化するために、防護壁や運営組織が作られました。村はやがて街になり、それから王国や帝国が生まれていきました。各国を行き来して文化交流が始まり、爆発的に進歩していきます。
【500年前】
科学を学び始めた
こうして考えると、科学が始まったのはまだまだ最近のことなんですね。それから、急速に文明は発展。産業革命が起こり、人間はいまの社会の基礎を築きました。
ここからのスピード感も半端じゃありません。
インターネットが生まれ
人類は宇宙へと行動範囲を拡大
コンピューターやインターネットが一般的になったのはここ数十年の間のこと。それから、風景を作り変え、新種の動植物を生み出し、月を歩き、惑星探査ロボットまで設置。宇宙を観察し、さらに行動範囲を広げようとしています。
現代の高校生は、数世紀前の学者より博識と言われています。人間は、70,000年前からほとんど変わっていませんが、今の暮らしは人類史の0.001%でしかありません。
ヒト族の暮らしは、125,000世代続きました。
現生人類の暮らしは、7,500世代続きました。
文明ができたのは、今から500世代前。
科学を覚えたのはたった20世代前。
そして、インターネットが始まったのはわずか1世代前のこと。