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通販番組に大御所や人気芸人が続々出演!なんでか知ってますか??

長らく苦境が続くテレビ業界において、“稼ぎ頭”となっている感もある通販番組。かつては深夜に、「最近見なくなったタレントが出演している…」というのが定番で、通販番組に出ている芸能人には“都落ち”感が漂っていたが、今では土日の昼間に放送するのも当たり前。船越英一郎や泉ピン子といった大御所俳優から、人気お笑い芸人の出川哲朗やナイツなども出演している。なぜ通販番組はこれほどメジャーになったのか? そして、保阪尚希のように通販事業で大逆転を果たすタレントが登場する背景とは?

■TV局を支える『通販番組』 タレントにとっても“意外と”美味しい!?

今、通販番組は数字的にもテレビ業界を“席巻”。民放とBS各局が2011年に公表した「番組種別放送時間」によれば、BS系は30%以上が通販番組、民放でもTV東京が12%、TBS、テレビ朝日も5%以上となっている。このデータが示す通り、深夜帯はほぼどの局でも通販番組が放送されているが、最近は昼間の情報番組のワンコーナーを担っていたりもする。日本テレビ系では『芸能人通販王決定戦』が不定期ながら土曜日午後の時間帯に放送され、3月17日に放送された第11弾では、お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建に小倉優子、滝沢カレン、横山だいすけ、ギャル曽根、そして保阪尚希といった人気タレントが多数登場。通常の情報番組にもまったく引けは取らない陣容だった。同番組もそうだが、テレビ局みずからが通販事業を手がけるというパターンもお馴染みの光景だ。

 通販番組がここまで成長した背景のひとつに、テレビ局側にとってはローコストですむという利点がある。通販会社のオーナーがお気に入りのタレントを起用することも多く、それなりのビッグネームが集まるうえに出演料は通販会社が負担。そして、番組制作は下請けのプロダクションに格安で丸投げ。出演する芸能人側にしても、何本かまとめ撮りするので拘束時間も長くない。ギャラも大物俳優クラスだと1本200万円という話もあるから、通常のバラエティ番組に出演より相場も高い。つまり、出演する芸能人にとっても通販番組は“美味しい”わけである。

■アンミカや保阪尚希、通販番組で新たな道を切り開くタレントたち

 そんな通販番組全盛期の今、通販番組で“復活”や“ブレイク”を果たすタレントも登場。その代表例はやはり保阪尚希だろう。保阪と言えば、90年代にトレンディ俳優として人気を博した後、結婚、離婚、さらには出家するなど、その波乱万丈な人生で知られている。しかし、大病を患ったことをきっかけに“健康”に開眼。「健康によい料理が簡単に作れる」と電子レンジ用調理器具を開発・販売したところ大ヒット。今では年商10億円とも言われる“通販事業及び通販コンサルタント”として大成功を収めているのである。

 また、90年代に一世を風靡したTRFのSAMも通販番組に乗り込み、ダンスエクササイズDVD『TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ』を大ヒットさせ、再びTRFの知名度アップに貢献。そして、通販番組によく登場するアンミカは、「通販タレント=二流タレントという世間のイメージを払拭して、通販タレントの地位を向上させたい」と、通販番組に対する“こだわり”と“プライド”を番組内で発するほど。

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■都落ち感はゼロ! 船越英一郎、出川哲朗、ナイツなど人気芸能人も多数出演

 通販番組には「まさかあの俳優が!?」と驚くような大物芸能人が登場する場合もある。例えば、俳優の黒沢年男や、女優の島田陽子のほか、前述した“2時間ドラマの帝王”船越英一郎、そして“元妻”松居一代も頻繁に出演。かつてはおしどり“通販夫婦”として活躍していたケースも。

 さらに、深夜の通販番組『カイモノラボ』(TBS系)では、お笑い芸人のナイツのほか道端カレンや人気女子アナの宇垣美里が出演している。一方で、さりげなく山川恵里佳が出演するあたりは、“昔ながら”の通販番組の匂いを感じさせなくもない。実際、こうしたかつての通販番組のノリは今でも健在で、故・松方弘樹さんなども晩年はもっぱら通販番組でよく見かけたものだ。

 かつてのトレンディードラマ俳優やミリオンヒットアーティスト、さらに大物俳優までが深夜に限らず昼間も登場し、満面の笑みで商品をアピールしてくる通販番組。見ているほうもついつい注文したくなるが、そこにはやはり商品の魅力のみならず、出演する芸能人たちの“磁力”に引きつけられるからだ。

 それも“あの人は今”的な懐かしさだけでないのは、タレントたち自体が通販番組を新たなポテンシャリティーとして捉え直しているからだろう。事実、保阪のように新たな活躍の場として活かしたタレントが、再びチャンスを掴むケースも増えている。考えてみればジャパネットたかたの高田元社長などは、“元祖通販タレント”として成功したと言えるかもしれない。

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■タレントの人間ドラマがにじみ出る『通販番組』の“エンタメ性”

 TV視聴者の年齢層が高くなっている点も重要だ。外出せずに買い物ができる通販の需要が高まっているのはもちろん、高齢者に対するインターネットの普及もあり、現代では家にいながらの買い物は当たり前。もはや、日常生活に欠かせない重要な“ライフライン”となっている面もある。

 こうした要因も加味され、通販番組に対する“都落ち”的なマイナスイメージも薄くなっており、むしろ通販番組でしか見られないタレントなどはそれぞれに往年の栄光も垣間見えることから、視聴者のほうもタレントからにじみ出る“人間ドラマ”も楽しんでいるのではないだろうか。

 欲しいアイテムが手に入るのはもちろん、出演する芸能人たちの悲喜こもごもの人生模様までが透けて見える通販番組は、今や立派なエンタメコンテンツ。今後も、通販番組をきっかけに飛躍を遂げる芸能人たちが続々と現れてくることだろう。