サンサーラ速報❗️

【まじかよ。。】ピッチ女子「私と付き合って欲しいんだけど」 非リア「ぼ、僕と?」→クラスのピッチ女子高生が体に抱えた秘密を知った結果。。。

私立Vip高校 体育館裏

ビッチA「付き合ってぇ・・・欲しいんだけどぉ。」

非リア「ぼぼ、僕と?」オドオド

ビッチA「うん。」

非リア「えっ? ななな、なん、何で?」オドオド

ビッチA「え~・・・何つうかぁ、一目惚れぇ? みたいなぁ。運命じゃん? みたいなぁ。」

非リア「・・・・・・い、良いの? 僕で・・・」オドオド

ビッチA「良いよ、ってかぁ・・・アンタじゃなきゃぁ、嫌だぁ・・・みたいな。」

非リア「は、はぁ・・・」

ビッチA「・・・好きです。」ボソッ

非リア「!!」ドキッ

非リア「えっ・・・あっ、その・・・・・・よよよ、よろしくお願いしま、しま、します。」サッ

ビッチA「」

非リア「」

ビッチA「」

非リア「あ、あの・・・あ、握手・・・って、しないか。はははっ。しないよn」

ビッチA「プッ!」

非リア「?」

ビッチA「アッハッハッハッハッハッ!」

非リア「!?」

ビッチA「アハッ! ア~ッハッハッハッハッハッ! ちょ、待って、マジ腹痛いし!」

非リア「???」

ビッチA「あ~、ヤバい、涙出てきた。ちょ、監督ぅ! もう良いっスかぁ?」

4: ◆51UnYd7yHM:2012/06/12(火) 23:58:59.81 ID:Cawnoj9AO ?「はい、カットォ! 良い画撮れましたぁ!」

?「キャハハハハッ!」

ザッザッザッ

非リア「!?」

ビッチB「ちょ、もうA子サイコー!」

ビッチC「名演技じゃん! 『好きです』とか、マジ萌えるんですけどぉ!」

キャハハハハッ

非リア「えっ、あの・・・」オドオド

ビッチA「ん? なにぃ?」

非リア「何・・・なの? こここ、これ・・・」オドオド

ビッチA「えっ? わかんない? 罰ゲ。」

非リア「ば、罰ゲ?」オドオド

5: ◆51UnYd7yHM:2012/06/12(火) 23:59:30.65 ID:Cawnoj9AO ビッチB「さっき三人でババ抜きやっててさぁ、A子三回連続で負けたんよぉ。だから罰ゲームでぇ、クラスで一番イケてない奴にコクるぅみたいな。」

非リア「!!」

ビッチC「あ~、思い出しただけでもウケるぅ! ってかムービー撮ったしぃ! スマホマジ高画質ぅ!」

ビッチA「マジぃ? 後で送ってぇ。」

非リア「」ウルッ

ビッチB「ちょ、非リアなに涙目とかなってんのぉ?」

ビッチC「キャハハハハッ! ウケるぅ!」

ビッチA「ヤッバ! あたしマジ名演技じゃん! 女優なれんじゃね?」

非リア「・・・」グスッ

6: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:00:32.57 ID:Cawnoj9AO ビッチA「うぅわっ、キモッ! 男の涙とか引くわぁ!」

ビッチB「帰ろ帰ろ。」

ビッチC「ヤッバ! 今日笑いすぎで死ぬかも! キャハハハハッ!」

ザッザッザッ

非リア「・・・いよ。」ポロポロ

非リア「酷いよぉ!!」ポロポロ

同時刻 体育館のトイレ

キャハハハハッ

DQN「・・・・・・。」

酷いよぉ

DQN「・・・・・・。」

7: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:01:20.46 ID:Cawnoj9AO 高校付近 ビッチ達の通学路

ビッチA「あ~、ウケたぁ。非リアの顔、サイコーだったねぇ。言葉も噛み噛みだったしぃ。」

ビッチB「ってか、お前がA子と付き合えるワケないじゃん。調子乗んなよみたいな。キャハハハハッ。」

ビッチC「ね、ね、見て。さっきのムービー。」サッ

『付き合ってぇ・・・欲しいんだけどぉ』

『ぼぼ、僕と?』

『うん』

『えっ? ななな、なん、何で?』

ビッチA「キャハハハハッ! ヤッバ! このムービーサイコー!」

ビッチB「ウケるぅ! てか画質綺麗すぎじゃね?」

8: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:01:51.88 ID:Cawnoj9AO ビッチC「スマホだからねぇ。」

ビッチB「良いなぁ。あたしもスマホ欲しいんだけどぉ。」

タッタッタッタッタッ

DQN「お~い!」

ビッチA「えっ?」クルッ

ビッチB「あっ、DQNじゃん!」

ビッチC「おつかれぇ。」

DQN「おぅ、おつかれ!」

ビッチA「どしたの、そんな走って?」

DQN「いや~、カワイイ女の子が三人歩いてたもんだから。」

ビッチA「いらないいらない、そんなの。」

ビッチB「キモいしぃ!」

ビッチC「キャハハハハッ!」

DQN「はははっ。ってか、お前らさっきのサイコーだったな。」

ビッチA「さっきの?」

DQN「アレだよ。体育館裏で非リアにコクったヤツ。」

ビッチB「えっ? 何で知ってんの?」

ビッチC「DQNいなかったよね?」

DQN「いや、体育館のトイレでタバコ吸ってたんだよ。そしたら外から『付き合って欲しい』とか聞こえてくるからよぉ。」

ビッチA「キャハハハハッ! 盗み聞きぃ?」

DQN「いや、もう換気窓によじ登ってガン見。」

ビッチA「キャハハハハッ! 必死!」

ビッチB「窓にブラ下がってるDQN想像したらマジウケるぅ!」

DQN「いや、意外にカッコいいかもよ?」

ビッチA「ないないない。」

ビッチB「非リアのリアクション超ウケるくない?」

DQN「お~、俺も笑い堪えるの必死だったわ。」

ビッチC「あいつキモいから余計ウケるんだよねぇ。」

ビッチA「言えてるぅ。あんなキモい奴はああやって遊ぶのにちょうど良いよぉ。」

DQN「はははっ。あっ、ところで、お前ら今日の夜ヒマ?」

ビッチC「夜ぅ? 何時ぃ?」

DQN「ん~、9時以降。」

11: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:04:54.38 ID:Cawnoj9AO ビッチA「ヒマぁ。」

ビッチB「あたしもぉ。」

ビッチC「あたしビミョー。バイト9時までだしぃ。」

DQN「あっ、別に9時ちょうどじゃなくても良いぜ。9時半とかでも良いから。」

ビッチA「何かあんのぉ?」

DQN「駅前のクラブあんだろ? 地下に降りてくトコ。あそこで今日、ツレがイベントやんだけどよぉ、『女の子連れて来て』とか頼まれてよぉ。来てくれる娘探してんだわ。」

ビッチA「クラブかぁ。最近行ってないなぁ。」

ビッチB「あたし行っても良いよぉ。」

ビッチC「9時半ならバイトから直行で間に合うしぃ、良いよぉ。」

ビッチA「じゃあ、あたしも行くぅ。」

DQN「おっしゃぁ! 助かるわ! そんじゃ9時半にクラブの前に集合って事で。」

ビッチ三人「あ~い。」

13: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:11:40.80 ID:Cawnoj9AO 21時30分 駅前のクラブ 入口

DQN「おし、揃ったな。」

ビッチA「B子の服エロくね?」

ビッチB「クラブ行く時にしか着ないお気に入りだしぃ。」

ビッチC「あ~あ、ネール行っとけば良かったぁ。」

DQN「暗いから誰も爪なんて見ねぇよ。さっ、入ろうぜ。」

カツ カツ カツ カツ

ギィ

ズンズン ドンドン ズンズン ドンドン

チャラ男「あっ! DQNさんチィーッス!」

DQN「おぅ! おつかれ!」

チンピラ「DQN! 久しぶりだな!」

DQN「チィーッス! ご無沙汰してます!」

B系「カワイイ娘つれてきたなぁ!」

DQN「おぅよ! 良い仕事すんだろ、俺!」

14: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:14:16.82 ID:Cawnoj9AO ズンズン ドンドン ズンズン ドンドン

DQN「おぅ、この席空いてるからお前ら座れよ。俺は立ち見で良いから。」

ビッチA「DQN顔広くね?」

DQN「まぁな。俺、小6ん時からこのクラブ通ってっから、常連仲間が結構いんだよ。」

ビッチB「マセすぎだしぃ。」

ビッチC「今日イベント開くっていうDQNの友達ってどの人ぉ?」

DQN「おぅ。さっきのB系の奴だよ。ここらじゃちょっと有名なMCなんだぜ。知らねぇ?」

ビッチA「知らなぁい。」

ビッチB「てか、今日、色んな服装の人いるけど、何系のイベントなの? B系の人主催ならヒップホップぅ?」

DQN「あぁ、今日はな・・・・・・」

DQN「レイプ系だよ。」

ビッチA「はぁ?」

ビッチB「レイプ系?」

15: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:16:49.04 ID:Cawnoj9AO

ビッチC「違うっしょぉ。レイブ系って言ったんでしょぉ? つってもあたしぃ、レイブってどんな音楽かよく知らないんd」

DQN「ちげぇよ。レイプだよ。レ・イ・“プ”。」

ビッチA「えっ?」

ビッチB「何それ?」

シーン

ビッチC「えっ、何? 音が止まった・・・」

刺青男「おぅ、DQN。今日姦(まわ)す女ってソイツらか?」

DQN「おぅ、そうだよ。」

ビッチA「はぁ?」

ビッチB「何、あたしらDJとかできないけど・・・」

16: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:17:55.00 ID:Cawnoj9AO

DQN「いくらお前らが頭腐ってるっつっても、レイ“プ”で“まわす”っつったら大体分かんだろ、ボケ。」

ビッチC「!?」

ビッチA「DQN!?」

ノソノソ

ヤク中「その真ん中の女、超タイプだ。」ハァハァ

DQN「あぁ、B子でしょ? ヤク中さんは絶対そう言うと思ってましたよ。」

ビッチA「ちょっと待って!!」

ビッチB「DQN、何これ!?」

DQN「仕返し。」

ビッチC「はぁ!?」

DQN「俺の親友を泣かせてくれやがった仕返し。」

17: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:19:31.54 ID:Cawnoj9AO ビッチA「仕返し!? 親友!? 意味分かんないんだけd」

プツン

DQN「あぁ!! イライラすんなぁテメーらぁ!!!!」

ガシッ

ビッチA「ちょっ!! 痛い!!」

DQN「非リアだよ!! アイツぁ中学ん時からの俺の親友だ!!」

ビッチB「!!」

ビッチC「ウソ・・・だって、学校じゃ全然絡んでないじゃん・・・・・・」

DQN「アイツは吃音にコンプレックスを持ってんだ。だから、例え俺が相手でも、二人きりにならねぇと喋らねぇ。」

ビッチA「そんな・・・」

18: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:20:27.22 ID:Cawnoj9AO

DQN「ついでに教えてやんよ。半年前、俺らが2年の時。5組の男AとBが行方不明になっただろ? 非リアをイジメてた二人組。アイツらもここに沈めたんだ。知り合いのツテでヤバ目なゲイやバイばっか集めてなぁ。おい、確かあの日のメンバー、今日も一人来てなかったか?」

ドレッド「あっ、俺っス。俺、バイなんで

DQN「アイツら、あの後どうなったんだ?」

ドレッド「さぁねぇ。俺、途中で帰ったんでよく知らないんスけど、何か、さんざっぱら掘られた後、ヤク食わされたとか聞きましたよ。」

19: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:27:58.67 ID:Cawnoj9AO

DQN「だそうだ。お前らも食わせてもらえよ。ヤクは痩せるぜぇ。」

ドッ

ハハハハハハハハッ

ビッチA「ふ、ふざけないでよ!! そんな事したら警さt」

DQN「言えば? けどホラ、あれ見てみ。」チョイチョイ

ビッチ三人「?」クルッ

ジー

黒人「Hey,girls. Smile Smile.」

DQN「あの通り、ビデオ回してっから。俺らん事チクったら、世界中に配信されんぜ?」

ハハハハハハハッ

ビッチA「・・・・・・ど、DQN・・・」ガタガタ

DQN「あっ?」

ビッチA「・・・許して・・・」ブルブル

DQN「はいぃ?」

ビッチB「お、お願い!! もうしないから!!」ガタガタ

ビッチC「何でも言う事聞くから!! 非リアにも謝るから!! だから助けt」ブルブル

DQN「やかましいわゴルァ!!!!」

ビッチ三人「!!」ビクッ

22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県):2012/06/13(水) 00:34:57.45 ID:CQpbcJLfo

この展開は予想外

めっちゃおもしろい

24: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:48:11.09 ID:Cawnoj9AO

DQN「もうしない!!!? 一回だけなら何やっても許されんのかよ!!!? おぉっ!!!? 何が謝るだ!!!! “ごめんなさい”ってたった6文字並べりゃぁアイツの心の傷は消えんのかゴルァ!!!! じゃあ答えろ!!!! 人を殺した時ゃぁ何文字並べりゃ許されんだよ!!!! あぁ!!!? 答えろやテメー!!!!!!!!」

ビッチA「うっ・・・グスッ・・・・・・」ガタガタ

DQN「アイツの傷は一生消えねぇよ!!!! なんでテメーらにアイツの未来に傷残す権利があんだゴルァ!!!? “ごめんなさい”の言葉さえありゃぁ何でも買えるってのか!!!? おぉ!!!? 頭沸いてんじゃねぇよクソッタレ共が!!!! あぁ、もうキレたぜ!!!! チンピラさん!!」

チンピラ「おぉ?」

25: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:50:48.36 ID:Cawnoj9AO DQN「アンタ、確か山内組の偉いさんにコネありましたよね!?」

チンピラ「お~、あるぜ。」

DQN「コイツら姦したら、その人んトコ渡してくれ!! ド底辺のビデオでも上海の裏風俗でも、何でも良い!! 二度とシャバの空気吸えねぇトコにブチ込んでやる!!!!」

チンピラ「お~、良いねぇ。それならよぉ、タコ部屋の肉便器って手もあるぜ? このレベルの娘なら向こうも大喜びだ。」

ハハハハハハハハッ

ビッチA「・・・許して・・・許して・・・・・・」ガクガク

ビッチB「・・・・・・うぐっ・・・・・・お願い・・・」ブルブル

ビッチC「ヒック・・・・・・ママぁ・・・」ガクガク

DQN「さぁて・・・」

DQN「・・・もう良いぜ、みんな。ありがとう。」

ビッチ三人「?」

26: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:56:48.88 ID:Cawnoj9AO ザワザワザワ

金髪「DQNさんパネェ! マジ怖かったっスよぉ!」

マッチョ「お~、演技と分かっててもちょっとビビったなぁ。」

DQN「はははっ。まぁ、キレてたのはガチだしな。」

ビッチA「・・・・・・な・・何?」

鼻ピアス「チンピラさん、ナイスアドリブでしたね。」

チンピラ「ヘヘヘッ。さすがに山内組にまでコネはねぇよ。おぅ、アドリブって言うならさっきのドレッド兄ちゃんも大したモンだろ。」

ドレッド「あざっス!」

B系「掘られてヤク食わされるとか、実際ありそうだしなぁ!」

ハハハハハハハハッ

ビッチB「・・・何なの・・・・・・」

ビッチC「・・・DQN?」

DQN「ん~? まだ分かんねぇ?」

ビッチ三人「?」

27:DQN:2012/06/13(水) 00:57:26.39 ID:Cawnoj9AO

DQN「ウソだよ、ウ・ソ。男A・Bが掘られてヤク漬けにされたとか、お前らが姦されるとか、全っっ部ウソ。俺のクラブ仲間みんなに協力してもらって、一芝居打ったんだよ。」

ビッチA「」

ビッチB「」

ビッチC「」

DQN「ビックリしただろ?」

ビッチA「うぅ・・・」ジワァ

DQN「へへっ。」

ビッチ三人「うわあぁぁぁん!」ヘナヘナ~

29: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:58:21.02 ID:Cawnoj9AO >>27 名前間違えましたwww

30: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 00:59:42.26 ID:Cawnoj9AO ズンズン ドンドン ズンズン ドンドン

DQN「ほい、ハーブティー。俺のおごりだ。飲め。」

ビッチA「・・・・・・ねぇ。」

DQN「ん?」

ビッチA「どこからが・・・ウソだったの?」

DQN「ん~、男A・Bの事とお前らが姦されるって事だけがウソ。後は全部マジだ。俺と非リアはマジで中学からの仲だし、アイツは吃音を気にして、人のいる場所じゃ話したがらねぇ。何でも、俺とか家族とか、気を許した相手とサシで話す分にはそれほどどもらねぇみたいなんだが、周りに人がいると、な。それと、俺がこのクラブに小6から通ってるのもマジ。今日集まってくれたみんなも常連仲間だ。まぁ、さっきチンピラさんが言ってたように、山内組の偉いさんにまでコネのあるヤバい奴はいねぇけど、実際、みんなそれなりに悪い事はしてっからなぁ。決して堅気の人間じゃねぇよ。」

31: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:00:44.49 ID:Cawnoj9AO ビッチB「じゃあ、男AとBが学校来てないのは・・・」

DQN「あ~、それは単純な話だよ。俺が呼び出してボッコボコにしたんだ。そしたら次の日から学校来なくなった。はははっ。」

ビッチC「・・・。」

DQN「どした、C子?」

ビッチC「グスッ・・・怖かった・・・・・・ホントに犯されるかと思った・・・グスッ」

DQN「ふふっ。さすがに堅気じゃねぇ奴らの集まりったって、女子高生を集団レイプなんてしねぇよ。俺はただ、非リアに酷い事した奴をよ、同じ方法でイテ込ましてやりたかったんだ。男AとBは非リアの事を殴ってやがったからな。だから俺もアイツらを殴った。でも、お前らは非リアを騙しただけで手は出してねぇ。だから俺も、お前らを騙すだけにしたんだ。」

32: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:01:56.37 ID:Cawnoj9AO ビッチA「・・・・・・酷い事したね、あたしら。」

DQN「騙される辛さ、分かった?」

ビッチB「・・・うん。」コクッ

ビッチC「普通に楽しみに来てたし、カッコいい人にナンパされないかなぁとか考えてたから・・・・・・犯されるって聞いた時、心臓止まりそうになった・・・」

DQN「・・・・・・まぁ、その、何だ。女にとって犯されるってのがどんだけ怖い事なのか、男の俺には理解はできねぇが、どんなモンなのかってのは話には聞いてっからな。それこそ、鬱病になっただとか、怖くて家から出られなくなっただとか。だから、ガラの悪い男集めてそれをチラつかせるってのは、最低だったかも知んねぇ。そこんトコは悪かった。」

33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01:03:53.43 ID:db+OULKLo

俺の尻の穴はDQNさんのために綺麗にしておく

34: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:06:13.00 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「・・・良いよ。あたしらがもともと悪いんだもん。」

ビッチB「非リア、謝っても許してくんないよね・・・」

ビッチC「だね・・・」

DQN「いや、アイツは許すよ。」

ビッチA「そうかなぁ・・・」

DQN「アイツはホントに優しいんだよ。俺はアイツより優しい奴なんて知らねぇ。絶対大丈夫だ。心から謝ったら、アイツは必ず許してくれる。」

ビッチA「DQN・・・」

DQN「あ~、そうだ。アイツ、シュークリーム好きなんだよ。生クリームとカスタードクリームが両方入ってるヤツ。それ買ってけよ。そしたら100%許してくれるわ。」

ビッチB「ふふっ・・・・・・分かった。」

ビッチC「あたし、良い店知ってる。」

DQN「お前ら三人だから、一人二個買ってけ。合計六個。そのうち三個は俺が食うわ。はははっ。」

35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県):2012/06/13(水) 01:06:37.80 ID:CQpbcJLfo

予想外にいい展開すぎてやばい

なにかに目覚めそう

36: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:07:03.58 ID:Cawnoj9AO

翌日 体育館裏

非リア「」

ビッチA「」

ビッチB「」

ビッチC「」

DQN「いや、誰か喋れよ!」ズコッ

非リア「だだだ、だって・・・DQN、これは・・・」オドオド

ビッチA「非リア・・・君・・・」

非リア「!」ビクッ

ビッチA「その・・・昨日はごめん。」

非リア「?」オドオド

ビッチB「ホントに・・・酷い事・・・・・・しちゃって・・・」

非リア「あ、あの・・・」チラッ

37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01:07:34.91 ID:ltEDf0ZSO なにこのDQN

イケメン過ぎて惚れそう

38: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:07:39.32 ID:Cawnoj9AO

DQN「大丈夫だ。今日は罰ゲームでもドッキリでもねぇ。コイツら、マジで謝りに来てんだ。お前の吃音も笑ったりしねぇから、安心しろ。」

非リア「う、うん・・・」オドオド

ビッチC「謝っても許してもらえないかもだけど、ホントに悪い事したって思ってるかr」

非リア「ど、DQNに、ななな、何か・・・された?」オドオド

ビッチ三人「えっ?」

DQN「はぁ?」

39: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:09:20.15 ID:Cawnoj9AO

非リア「どど、DQNは優しくて、僕の面倒を色々見て、くくく、くれて、前に僕がイジメられてた時も、たた、助けてくれたんだけど、ちょっと、やり、やり、やり過ぎちゃう事があるから・・・」オドオド

ビッチA「・・・。」

ビッチB「・・・。」

ビッチC「・・・。」

DQN「おいおい・・・」

非リア「さすがに女の子を、ななな、殴ったりはしないだろうけど、こわ、怖い思いとかしてないか、ちち、ちょっと心配で・・・」オドオド

ビッチA「・・・。」

ビッチB「・・・。」

ビッチC「・・・。」

40: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:09:58.90 ID:Cawnoj9AO DQN「ふっ・・・クククククッ! クカッハハハハハ!」

非リア「・・・DQN?」

DQN「ハハハハハッ! なぁ! 言った通りだろ、お前ら! コイツはこんなに優しいんだよ! 騙されたってのに、お前らの心配とかする奴なんだよ! ハッハッハッハッ! さすがだよ非リア!」

ビッチA「うっ・・・グスッ・・・・・・非リア君・・・」

ビッチB「ホントごめん!!」

ビッチC「あの、これ! 食べて! シュークリーム・・・」サッ

非リア「えっ? ぼぼ、僕に? 良いの?」

41: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:10:45.68 ID:Cawnoj9AO

ビッチC「このお店のお菓子、超美味しいの。非リア君、シュークリーム好きってDQNから聞いて。」

非リア「あああ、ありがとう! 嬉しいよ!」

ズシッ

非リア「ははっ・・・・・・け、結構重いね。」

ビッチA「六個入ってるから。」

非リア「えっ? 六個?」

ビッチB「DQNが半分食べるからって・・・」

DQN「ヘヘヘッ。いただきゃ~っス!」

非リア「もぉ~。さささ、三個も食べれないでしょ!」

非リア「じゃあ・・・」

非リア「今、みみ、みんなで食べようか。」

42: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 01:11:18.05 ID:Cawnoj9AO ビッチA「えっ? あたしらも?」

非リア「う、うん。めめめ、迷惑じゃないなら。」

DQN「おい、待て! 俺の取り分が減るじゃねぇか!」

非リア「みみみ、みんな一個ずつ。ど、DQNだけ二個。じじ、十分でしょ。」

ビッチB「超優しい・・・」

ビッチC「うぅっ・・・あたし、もっと良い子になるぅ。」

43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東):2012/06/13(水) 01:11:18.96 ID:3qd9sENAO

なにこのDQNテライケメン

44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県):2012/06/13(水) 01:13:40.87 ID:CQpbcJLfo

非リアのイケメンっぷりがやべぇ

45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01:15:32.44 ID:46ussDYuo

いい雰囲気だ

60: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:32:02.12 ID:Cawnoj9AO

5月 私立Vip高校 トイレ

ガチャ

DQN「気~が狂いそ~お~ナァナァナァナァナァナァな~♪」

DQN「・・・。」ジー

DQN「ドルァ!!」

バゴン

非リア「!!!!」ビクゥ

DQN「クォルァ!! 非リアぁ!! テメー便所で飯食ってんじゃねぇよ!!」

ガンッ ガンッ ガンッ

非リア「・・・!」ビクッ ビクッ

DQN「外で食うぞ外でぇ!!」

ガンッ ガンッ ガンッ

非リア「い、嫌だぁ!!」

DQN「聞・こ・え・て・欲・し・い~ア・ナ・タ・に~も~♪」

すぅ

DQN「ガンバレー!!!!」

ドカアァァァン

非リア「ギャー!! ドアがぁ!!」

61: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:32:51.01 ID:Cawnoj9AO DQN「ほい、確保ぉ!」ガシッ

非リア「あ、あ、・・・」

DQN「体育館裏に連行じゃ~い!」

非リア「ああぁぁぁぁぁぁ!」

ズルズルズル

体育館裏

DQN「ったくよぉ。お前、あのビッチトリオの一件以来、ちょいちょいこの体育館裏で食うようになってたじゃねぇか。」モグモグ

非リア「・・・。」モグモグ

DQN「特にここ2週間なんて、連続でここ来て俺と一緒に食ってたのに、なんで今日になってまた便所に逆戻りなんだよ?」

非リア「・・・気まぐれ・・・」モグモグ

62: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:33:59.45 ID:Cawnoj9AO DQN「ウソつけテメー・・・・・・何かあったんか?」モグモグ

非リア「」モグモグ

DQN「」モグモグ

非リア「」モグモグ

DQN「」モグモグ

非リア「・・・ごちそうさま。」

DQN「お粗末さん。」

非リア「じゃあ・・・」スクッ

DQN「行かすかぁ!!」

グイッ

非リア「うわっ!!」

ドサッ

DQN「必殺『行かすか落とし』!!」

非リア「ブレザーを引っ張っただけでしょ!」

DQN「さっさと吐け! でなきゃお前、次は『アルゼンチンバック行かすかー』を食らわせんぞ!」

非リア「何だよその技! っていうか『アルゼンチンの裏に行かすかー』って、アルゼンチンの裏は日本だよ!」

63: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:35:07.60 ID:Cawnoj9AO

DQN「“裏”ぁ? お前バカか? バックは“後ろ”って意味だろ。」

非リア「“裏”って意味もあるの! 舞台裏の事をバックステージとか言うでしょ!?」

DQN「お~。そっかそっか。」

DQN「で? 何があった?」

非リア「う~・・・」

DQN「言えよ。」

非リア「・・・。」

DQN「よっぽど話したくねぇなら聞かねぇがよ、『何かあったか?』って訊かれてキッパリ否定しねぇって事は、お前も『まぁ、話しても良いかな』ってどっかで思ってんだろ?」

非リア「うっ!」ギクッ

64: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:35:46.19 ID:Cawnoj9AO

DQN「って事はそんな大袈裟な話じゃねぇって事だ。だ・か・ら、話せ。」

非リア「・・・・・・はい。」

DQN「よぉし。タバコでも吸いながら聞こうじゃねぇか。」

シュポッ

非リア「あの、確かにDQNの言う通り、僕は最近、学校でも君と喋るようになった。」

DQN「そうだな。アレだろ? こないだのビッチトリオがお前の吃音を笑わずに聞いてくれたから、ちょっと自信ついたんだろ?」プカプカ

65: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:37:38.68 ID:Cawnoj9AO

非リア「うん。そうなんだ。そのお陰で、周りに人がいても、あまりどもらなくなってきて、それで少しずつお昼も外で食べれるようになった。」

DQN「そんで?」プカプカ

非リア「・・・・・・こないだ、聞いちゃったんだ。」

DQN「・・・何を?」プカプカ

非リア「・・・お、男C君とD君が、『アイツら、最近急に仲良くなったけど、もしかしてゲイなんじゃね?』って・・・・・・」

DQN「カハッ!!」ゲッホ ゲッホ

非リア「ど、DQN!」

DQN「・・・・・・コロス!」ぜぇ ぜぇ

非リア「ダメだってば!! 君はいつもやりすg」

DQN「うっせぇボケ!! 冗談だ!!」

非リア「あっ・・・な、なら良いけど・・・」

非リア(全然目が冗談じゃないんですけど・・・)

66: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:39:02.22 ID:Cawnoj9AO DQN「なるほどな。で、お前はゲイ扱いされたくなくて、また便所に引きこもった、と。」

非リア「ち、違うよ。僕は別に平気だよ。その・・・・・・陰口には・・・慣れてるから。」

DQN「?」

非リア「その・・・・・・君がそういう目で見られたら、迷惑だろうと思って。」

DQN「!」

非リア「ごめん・・・。」

DQN(そうだ。コイツはそういう奴だった。)

67: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:39:45.65 ID:Cawnoj9AO

DQN「おい、非リア。」

非リア「何?」

DQN「男CとDはどんな感じでその陰口言ってやがった? 冗談っぽくか? それとも結構ネチネチした感じか?」

非リア「・・・・・・ネチネチして・・・た。」

DQN「だろうなぁ。アイツらはそういうタイプだ。」

非リア「知ってるの?」

DQN「アイツら、隣町に住んでんだろ? 俺、小学校の頃、隣町の少年サッカーに入っててよ、アイツらとはそこで一緒だったんだ。」

非リア「あ~、あの二人、サッカー部だもんね。」

68: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:41:08.17 ID:Cawnoj9AO

DQN「当時からアイツらはあんな感じでよぉ。休憩中にチームメイトがトイレとかに行けば、すぐその間にソイツの悪口言うし、年下はイビって年上やコーチにはコビ売るし、明らかに自分のパスミスなのに、それを受けた側のトラップミスだとか言い出すし。アイツらに嫌気がさしてサッカー辞めてった奴が何人いる事か。」

非リア「嫌な感じだね。」

DQN「だろ? もうなぁ、アイツらがどんなツラで俺らのその噂してたのか、余裕で想像できるわ。」

69: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:46:18.88 ID:Cawnoj9AO 非リア「まぁ、放っとこうよ。『人の噂も七十五日』って言うし。」

DQN「何だそれ?」

非リア「噂はあくまで噂だから、75日もすればみんな忘れるよっていうことわざ。」

DQN「ふざけんな!! 75日って2ヶ月半じゃねぇか!! 長すぎるわ!! そんな期間噂され続けたら全学年に広まるじゃねぇか!!」

非リア「あっ・・・確かに75日って長いね。ははははっ。」

DQN「笑い事じゃねぇ!! ふっざけんじゃねぇぞあの陰険コンビ!! やっぱフルボッコにしてやる!!」

70: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:46:57.94 ID:Cawnoj9AO 非リア「だからダメだってば!! ぼ、暴力反対!!」

DQN「暴力じゃねぇ!! コイツは聖戦だバカヤロー!!」

非リア「分かったから落ち着こうよ。とにかくさ、暴力は逆にDQNが不利になるよ。」

DQN「はぁ? なんでだよ?」

非リア「もしDQNが男C君とD君を殴ったとするよね? 『テメーら下らねぇ噂してくれてんじゃねぇよ!』とか言ってさ。すると『あの人、ただの噂ごときに必死だなぁ。もしかして事実なのかな? 』って、見てる人は思うよ。」

DQN「そんな事思う奴がいんなら、ソイツも一緒にフルボッコだよ!!」

71: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:47:51.94 ID:Cawnoj9AO 非リア「じゃあ、その人が殴られてるのを見て、別の人が同じ事を思ったら?」

DQN「ソイツもフルボッコだよ!!」

非リア「じゃあ、その人が(ry」

DQN「ソイツも(ry」

非リア「じゃあ(ry」

DQN「ソイ(ry」

非リア「じ(ry」

DQN「ソ(ry」

非リア「(ry」

DQN「(ry」

非(ry

D(ry

(ry

DQN「・・・。」ぜぇ ぜぇ

非リア「・・・。」

DQN「・・・・・・私が悪ぅございました。」ぜぇ ぜぇ

72: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:48:48.72 ID:Cawnoj9AO 非リア「ループって怖いよね。」

DQN「おい、でもマジでどうすんだよ? このままじゃ俺ら、マジでゲイカップル扱いだぞ!」

非リア「いや、そもそもあの二人だって、本気で僕らをゲイだと思って言ってるんじゃないでしょ。人の事を悪く言うしか出来ない人達なんだよ。」

DQN「だとしても嫌だろうがよ! それにお前知ってっか!? 世の中にはよぉ、ゲイのエロ漫画見て喜ぶ女がいるんだぜ!?」

非リア「腐女子だね。」

73: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:50:30.69 ID:Cawnoj9AO

DQN「お~、確かそんな名前だった気がすんぜ! ソイツらはよぉ、男の芸能人や周りの知り合いの男共を頭ん中でフィーチャリングさせては悶々としてやがるって話だ!」

非リア「うんうん。」

DQN「しかも、しかもだぞ・・・」

非リア「結構身近なトコロにもいる、でしょ?」

DQN「お、おぉ。そうだよ。クラスに一人、二人は絶対いるらしいじゃねぇか! メガネに白のハイソックスとか履いてる暗い女から、体育会系やら普通の娘やらギャルまで、幅広くよぉ!」

非リア「主婦やOLさんの間にもいるらしいね。」

74: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:51:57.45 ID:Cawnoj9AO DQN「そうだよ! そんな奴らがこの噂聞いたらどんな事考えるか、余裕で想像付くだろ!? 良いか! こうしてる間にも、ソイツらの頭ん中で俺とお前がフィーチャリングさせられてっかも知れねぇんだよ!」

非リア「良いじゃない。人の自由でしょ。」

DQN「良くねぇよ!! 確かに人の自由だし、その趣味自体は別に構わねぇけどな、俺をオカズにすんな!! しかもお前との抱き合わせとかよぉ!! 想像しただけでもゾッとするわ!! どんな手ぇ使ってでも、これ以上の噂の広まりは阻止してやんよ!!」

非リア「でも、どうやって?」

75: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:52:34.79 ID:Cawnoj9AO DQN「どうやってってお前・・・・・・それはお前・・・・・・アレだよ・・・」

非リア「・・・。」

DQN「・・・あの・・・ほら・・・・・・」

非リア「・・・。」

DQN「・・・・・・どうすれば良いんでしょうか?」シクシク

非リア「ん~、結局さ、そういう噂や陰口が好きな人は殴られたぐらいじゃ黙らないよ。一瞬は黙っても、ほとぼりが冷めれば。」

DQN「あ~、それもそうだなぁ。」

非リア「その噂がどうでも良くなるぐらいの、もっと上の噂が出回れば良いんだけどねぇ。」

DQN「もっと上?」

76: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:53:55.53 ID:Cawnoj9AO

非リア「うん。ワイドショーでもそうじゃない? 例えば芸能人の夫婦が離婚したって報道で話題が持ちきりでもさ、その後に大きな事件や別のスクープが起きたら、すぐそっちをクローズアップするでしょ?」

DQN「確かに。」

非リア「ワイドショーの情報も、人から聞く噂も、結局は誰かと共有したいからみんな聞くんだよ。だったら、その内容は、より過激で盛り上がる物の方が良いって事。」

DQN「う~ん。言われてみりゃそうだな。」

非リア「だからってDQNがC君・D君の根も葉もない噂を流すのは・・・」

77: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 22:54:29.47 ID:Cawnoj9AO DQN「それは分かってんよ。そんな事すりゃあ、俺もアイツらの同類だ。」

非リア「うん、そうだね。」

DQN「何かないかぁ? 俺らの噂を吹っ飛ばして、尚且つアイツらをイテこます方法・・・」

非リア「難しいねぇ。」

DQN「はい、思い付いた!」

非リア「は、早っ!!」

DQN「イ~ッヒッヒッヒッヒッヒ! 思い付きましたよぉ。俺らの噂もアイツらも、木っ端にできる作戦を。」ニヤニヤ

非リア「ちょ、顔! 怖い怖い!」

DQN「やっぱな、非リア。目には目を、歯には歯を、ゲイ疑惑にはゲイ疑惑を、だぜ。」

非リア「はぁ・・・。」

DQN「けど、これは俺ら二人だけじゃ無理だ。協力者がいる。」

非リア「協力者?」

DQN「おうよ。」ニタァ

非リア(うわぁ。島田紳助より悪い顔になってるよぉ。)

78: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:02:02.77 ID:Cawnoj9AO 放課後 空き教室

DQN「ってなワケで、俺達はアイツらをイテ込ます協力者を探してんだ。」

非リア「ま、待って。俺“達”じゃないよね? 僕は一言もイテ込ましたいなんて言ってないよね?」

DQN「どうよ? 協力してくんねぇか?」

ビッチA「別に良いけどぉ。」

ビッチB「やるぅ。」

ビッチC「あたしもあの二人キライだしぃ。ず~っと人の悪口言ってんだもぉん。」

79: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:03:24.09 ID:Cawnoj9AO ビッチB「だよねぇ。あたしぃ、あの二人とオナチュー(同じ中学出身)じゃん? 中学ん時もさぁ、あの二人にデタラメな噂流されてぇ、登校拒否になっちゃった娘とかいたんだよねぇ。」

ビッチC「あたしもぉ、前聞いちゃったんだわぁ。『あのビッチトリオは色んな奴とヤリまくってるから性病の火薬庫だ』とか言ってんのぉ。」

ビッチB「ウザッ! ちゃんとゴム着けてるっつーの!」

ビッチC「だよねぇ。性病とかなった事ないしぃ。」

DQN「マジ? 俺、中二ん頃、毛ジラミもらったけど?」

ビッチB「中二とか早いしぃ!」

ビッチC「ウケるぅ! チェリー捨てたんいつぅ?」

DQN「中一だけど?」

ビッチB「早っ!」

ビッチC「超ウケるぅ!」

非リア(もげろ!!)

80: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:04:37.83 ID:Cawnoj9AO ビッチA「・・・・・・ねぇ。非リア君。」

非リア「はっ、はい!?」ビクッ

ビッチA「協力しても良いけどぉ、一個訊いて良い系?」

非リア「えっ? あっ・・・どど、どうぞ系・・・」オドオド

ビッチA「まぁ、これはDQNにも質問する感じになるんだけどぉ。」

DQN「?」

非リア「?」ドギマギ

ビッチA「アンタ達二人ぃ、マジでゲイじゃないよね?」

DQN「はぁ!?」

非リア「んな!? ななななな、なに、なに、何を!?」

ビッチB「キャハハハハッ!」

ビッチC「ウケるぅ! 二人テンパりすぎだしぃ!」

81: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:05:56.34 ID:Cawnoj9AO ビッチA「ねぇ・・・どうなのぉ?」

DQN「アホかテメー! 余裕でゲイじゃねぇわ!」

非リア「ぼ、僕もゲイじゃないよ! れれれ、恋愛対象は女の子だけだから(付き合った事ないけど)!」

ビッチA「マジだよねぇ? 信じるよぉ?」

DQN「いやいやいや、当たり前だろ! 信じろよ、そこはよぉ!」

非リア「な、何でそんなに疑うの?」

ビッチA「いや、別にぃ・・・・・・何となくぅ。」

DQN「はっ!! ま、まさか・・・」

非リア「えっ?」

ビッチA「何ぃ?」

DQN「お、お、お前、噂の腐女子ってヤツか!?」

82: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:07:47.33 ID:Cawnoj9AO ビッチA「はぁ!? 違ぇしぃ! BLとか興味ないっつーのぉ!」

ビッチB「キャハハハハッ!」

ビッチC「ヤバい、笑いすぎで腹痛いしぃ!!」

DQN「BL? 何だそれ? ベーコン・レタス?」

非リア「ボーイズ・ラブ。君がさっき言ってた、ゲイのエロ漫画の事だよ。」

DQN「お~、なるほど。そういうの、BLっていうんか。」

ビッチA「まぁ、でも分かったぁ。ゲイじゃないんだねぇ。じゃあ信用するぅ。」

DQN「当たり前だ、バカヤロー。」

非リア「信じてもらえるなら何より。」

83: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:08:39.78 ID:Cawnoj9AO ビッチB「んでぇ、具体的にどうやってイテ込ますワケぇ?」

DQN「おう。そんじゃ、作戦を説明すんぜ!」

翌日 非リア達の教室

キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン

DQN「うっし! 昼休みだ! 非リア、飯行くぞ!」

非リア「うん。今日は僕、お弁当じゃないんだ。購買まで付き合ってくれる?」

DQN「おう。」

ヒソヒソ ヒソヒソ

ねぇ、あの二人って付き合ってんの?

らしいよぉ 何かラブラブじゃん

どっちが掘る側なんだろ?

非リアって喘ぐ時も噛むのかな?

ヒソヒソ ヒソヒソ

84: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:09:54.34 ID:Cawnoj9AO DQN「・・・。」ピクピク

非リア「予想以上に噂が広まってるね・・・」ヒソヒソ

DQN「やっぱ皆殺しに・・・」ボソッ

非リア「だだだ、だからダメだってば! 」アタフタ

DQN「冗談だボケ! 殺すぞ!」ピクピク

非リア「タイミングをじっくり待つって言ったのはDQNだろ。」ヒソヒソ

DQN「分かってるボケ! 殺すぞ!」ピクピク

更に翌日

男C「ホントさ、あのゲイカップル、キモいよな。」

男D「だな。いつもいつも一緒に昼飯とか食ってさ。」

85: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:10:44.51 ID:Cawnoj9AO 男C「特にどっちがキモいって、やっぱ非リアの方だろ。“どどど、DQNとツルんでる俺ってワルワルワルだわぁ”みたいな感じがすげぇするし。」

男D「ダハハハハ! すげぇ似てる、それ! でも、俺はDQNの方がキモいと思うなぁ。なんか“かわいそうな知恵遅れを相手してやってる俺、超善人”みたいな。ほら、女の方はすっげぇカワイイのに男の方が超絶ブサいカップルっていんじゃん? あれだって絶対女の方がDQNと同じような事考えてると思うんだわ。」

男C「あぁ、それも分かる。要するにキモい奴同士が見栄で引っ付いてんだろ。」

86: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:11:56.05 ID:Cawnoj9AO 男D「ダハハハハ! おっと、噂をすれば。」チョイチョイ

男C「えっ?」クルッ

男C「お、ゲイカップルご登場だ。よし、話題変えようぜ。」ニヤニヤ

DQN「・・・。」スタスタ

非リア「・・・。」スタスタ

男C・D「・・・。」ニヤニヤ

非リア「絶対僕らの事話してたよね。」ヒソヒソ

DQN「だろうな。」ヒソヒソ

非リア「それもきっと、周りに聞こえるような音量で・・・」ヒソヒソ

DQN「非リアよぉ。俺はこの2日間でずいぶん大人になったぜ。」ヒソヒソ

非リア「えっ?」

DQN「ストレスってのは溜まれば溜まるほど、ブチまけるのが楽しみになってきて、逆に元気が湧いてくる。その事実に気付いちまった。」ヒソヒソ

非リア「はぁ・・・。」

DQN「イ~ッヒッヒッヒッヒッヒッ!」

87: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:19:50.84 ID:Cawnoj9AO

二週間後

ザァァァァァ

ザワザワザワ

雨だよぉ

最悪だ 体育中止じゃねぇか

保健の教科書持って来てねぇよ

ザワザワザワ

DQN「非リア。雨だ。」

非リア「・・・雨だね。」

DQN「恵みの雨だ。」

非リア「血の雨の間違いじゃない?」

DQN「この時を待ってたんだ! 体育の日に、雨!」

非リア「いよいよ・・・やってしまうんだね・・・」

DQN「おうよ! これは時代が俺に、奴等を殺せと言ってんだ!」

非リア「はぁ・・・。」

DQN「さぁ! 作戦実行だ!」

91: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:42:23.92 ID:Cawnoj9AO

保健体育 女子の教室

体育教師♀「~というワケで、未成年の喫煙は体にもたらされる害が多いワケです。」

ビッチA(うぅわぁ、何か緊張してきたし。)ドキドキ

ビッチB(ヤッバ! 口の中カラカラ!)

ビッチC(あと30秒・・・・・・5)

ビッチA(4)

ビッチB(3)

ビッチC(2)

ビッチA(1)

キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン

体育教師「はい、では今日はここまで。授業の冒頭でも言ったけど、今日の内容をレポートにまとめて、来週の体育の時に提出するように。来週晴れだったら、予定通りソフトボールをします。以上。」スタスタスタ

ガラッ

スタスタスタ

92: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:43:18.24 ID:Cawnoj9AO ビッチA(先生が出てった! 今かな?)チラッ

ビッチB(今しかなくね? 先生以外みんなまだいるし!)コクッ

ビッチC(A子! B子! Go! Go!)コクッ

ビッチA「・・・。」

すぅ

ビッチA「えっ、ちょ! 何、これぇ!」

一同「?」

ザワザワザワ

同時刻 教室へ戻る男子体育一行

ゾロゾロ

男C「レポートとかマジ面倒くせぇよ。」

男D「“タバコは二十歳になってから”の一言で終わりじゃん。」

男E「ははっ。まぁ、仕方ないじゃん。レポートっつってもA4一枚。すぐだよ。頑張ろうぜ。」

93: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:44:41.69 ID:Cawnoj9AO

男C「まぁ、そうだけどさぁ。ってかさぁ、あの体育教師♂がそもそもムカつくんだよ。上から目線でばっか物言いやがって。」

男D「柔道部の顧問だからって何か勘違いしてんじゃね? こっちがバットとか持って殴りかかったら柔道もクソもないっての。」

男E(チッ。また悪口かよコイツら。あぁ、嫌だ嫌だ。聞きたくない。)

男E「おう、俺ちょっとトイレ寄ってくわ。先に戻ってて。」

男C・D「「あいよぉ。」」

男E「」スタスタ

男C「なぁ、男Eってさ、何か真面目ぶってて嫌な感じしねぇ?」

男D「分かる。本物の真面目とは違うよな。あくまで“真面目ぶってる”だけ、みたいな。」

94: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:45:39.06 ID:Cawnoj9AO

男C「そうそう。周りに良く思われたい的な。」

男D「あぁ、キモいキモい。」

ガラッ

ザワザワザワ

マジかよ

え~、ウソォ

そんな趣味が

ザワザワザワ

男C「ん?」

男D「何か騒がしいな。」

男C「あれ? 何かみんな、俺の席に群がってないか?」

男D「おい、どうしたんだよ?」

一同「!?」クルッ

シーン

男C「・・・えっ? 何?」

男D「・・・何かあったん?」

シーン

男C「いや、おい、黙んなよ! 何なんだよ!?」

ビッチA「あ、あのさぁ、男C・・・」

95: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:46:21.63 ID:Cawnoj9AO

男C「ん?」

男D(出た。性病火薬庫A。)

ビッチA「さっきの保健の時間であたしぃ、アンタの席だったんだけどぉ・・・」

男C「?」

男D(うっひゃ~。男C、机と椅子消毒しなきゃな。)

ビッチA「こ・・・こんなのがぁ・・・出て来たんだけどぉ・・・」スッ

男C・D「!!!?」

二週間と二日前 空き教室

DQN「おう。そんじゃ、作戦を説明すんぜ!」

DQN「まず、この作戦を決行すんのは、雨で体育が中止になる日だ。」

ビッチA「えぇ? そんなの、いつになるか分かんないじゃん。」

96: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:47:28.67 ID:Cawnoj9AO

DQN「構わねぇ。いつまでだって待つ。つっても、もうじき梅雨だしな。割りとチャンスはすぐ回ってくんだろう。」

ビッチB「そんでぇ?」

DQN「雨で体育が中止になれば、教室で保健の授業になるわな。男子は4組の教室、女子は俺らの教室でよぉ。」

ビッチC「うんうん。」

DQN「男子はそこでの席の並びは、体育ん時の整列の順になってんだけど、お前らもそうか?」

ビッチA「どうだっけぇ? 覚えてないなぁ。」

ビッチB「あたし覚えてるぅ。男子と一緒ぉ。体育の整列順。」

97: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:48:27.93 ID:Cawnoj9AO DQN「よしっ! じゃあさ、お前らん中で男CかDの席になる奴、いねぇか!?」

ビッチC「えぇ? 待ってぇ。男CとDの席ってぇ、それぞれ何番なワケぇ?」

DQN「え~っと・・・」

非リア「C君が5番、D君が20番、だね。」

DQN「おっ、サンキュー。どうよ、お前ら?」

ビッチA「あ~、あたし5番だわぁ。」

ビッチB「あたし20ぅ。」

DQN「うぉ!! キター!! ダブルビンゴぉ!!」

非リア(嗚呼、C君・D君、アーメン・・・)

DQN「じゃあ、この作戦の協力者はA子とB子だ。」

98: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:49:25.76 ID:Cawnoj9AO ビッチC「なにぃ? あたしハミ子ぉ?」

DQN「悪ぃな。よし、じゃあA子、B子。お前らは作戦当日、まずは普通にアイツらの席で授業を受けてくれ。そんで授業が終わって、先生が先に出てって、まだ他の女子が残ってる状況の時に、アイツらの机に“ある物”を入れて欲しいんだ。まぁ、その“ある物”ってのは、まだ用意はできてねぇ。この作戦も、さっき思い付いたトコだからよぉ。当日までには用意するぜ。そんでだなぁ、その“ある物”を入れると同時に、A子には『何これぇ!』って叫んで欲しいんだ。」

ビッチA・B「ある物ぉ?」

ビッチC「何ぃ? 教えてよ。」

DQN「イ~ヒッヒッヒッヒッヒッ。それはなぁ・・・」

99: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:54:55.73 ID:Cawnoj9AO

現在 非リア達の教室

男C「しゃ、『射精管理刑務所』ぉ!?」

男D「げ、ゲイのAV!?」

ビッチA「あ、あのさぁ・・・これ、アンタのぉ?」

男C「ふっ、ふざけんな!! 俺のモンなワケあるかぁ!!」

ザワザワザワ

いや、でも実際アイツの机から出てきたし

マジかよ

いや、別にゲイが悪いワケじゃないけど

ザワザワザワ

男C「ま、待てよ!! 誤解だって!! っていうかビッチA!! お前、なに人の机勝手に漁ってんだ!! プライバシー侵害だろ!!」

100: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:55:37.97 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「だ、だってぇ、机の中から半分はみ出してたんだもぉん。」

男C「だ、だからってお前・・・!!」

ザワザワザワ

えっ? DVDよりプライバシーの心配?

じゃあ、やっぱあれって男Cの物なんじゃ

ザワザワザワ

男C「い、いや、もちろんそのDVDだって俺のじゃねぇよ!! マジだって!!」

ヒョコッ

DQN「よぉ! 男Cの机からそんなん出てきたって事はさぁ、いっつも一緒にいる男Dはどうなんだろうな?」

男D「はぁ!?」

男D(いやいや、黙れよゲイ野郎!!)

101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23:56:12.08 ID:46ussDYuo

これは痛快

最高だわ

102: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:56:51.45 ID:Cawnoj9AO DQN「ちょいと失礼しや~す。」ゴソゴソ

男D「ちょ、おい!! やめろよテメー!! 人の机を!!」

DQN「ぬおぉぉぉぉぉ!!!! 何じゃこりゃぁ!!!?」

ババーン

男C「!?」

男D「なっ!?」

ザワザワザワ

DQN「『射精管理刑務所2』・・・って、続編じゃねぇかぁ!!!!」

男D「ば、バカな!! そんなモン、俺は知らねぇよ!!」

ザワザワザワ

うわぁ、これはガチだろぉ

だって、続編だよぉ

アイツら、そうなのか

ザワザワザワ

男C「いや、違う!! 本っっっ当に違うから!!」

103: ◆51UnYd7yHM:2012/06/13(水) 23:59:06.90 ID:Cawnoj9AO

男D「そ、そうだ!! これは男Cの陰謀だ!! お前、俺をハメる気だな!?」

男C「はぁ!? な、何を!?」

ザワザワザワ

陰棒!?

ハメる!?

ザワザワザワ

男D「お前、部活での俺のポジションを奪う気だろ!! だからこんな真似を!!」

男C「何言ってんだよ!! お前、補欠じゃねぇか!! レギュラーがケガした時の数合わせだろうが!!」

ザワザワザワ

オケツ!?

汚(けが)した!?

ザワザワザワ

104: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:01:13.37 ID:Cawnoj9AO

男C「違うぞみんな!! 俺は関係ない!! 全部男Dの自作自演だ!!」

男D「みんな騙されるな!! コイツは俺の事もみんなの事も騙そうとしてる極悪人だ!!」

DQN「え~? 自作自演って、そのDVDお前らが主演なのぉ?」ニヤニヤ

阿部寛「うほっ!」

郷ひろみ「カマァァァン!」

男C「黙れお前ら!! みんな信じてくれ!!」

男D「信じてくれ!!」

「「信じてくれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」」

放課後 体育館裏

DQN「ブワハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

非リア「いつまで笑ってるんだよ。」

105: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:02:14.10 ID:Cawnoj9AO ビッチA「もう一時間ぐらい笑いっぱなしだしぃ。」

ビッチB「さっき一回、笑いすぎで吐いてたしぃ。」

ビッチC「さすがにもうウケないんですけどぉ。」

DQN「アーッ! アーッ! 腹痛ぇ! 完璧だ! 完璧すぎる大勝利だぁっハハハハハ!!」

非リア「まったく。」

ビッチA「悪魔だね。」

ビッチB「悪魔ってか大魔王じゃね?」

ビッチC「マジ恐怖だわ。」

DQN「あ~、勝利の後のタバコはうめぇなぁコレ!」ぷはー

非リア「ねぇ、これで終わりで良いのかな? 下手すればあの二人、登校拒否だよ?」

106: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:03:03.39 ID:Cawnoj9AO ビッチB「でもさぁ、実際あの二人も中学ん時にぃ、女の子一人登校拒否にしてんだしぃ、当然の罰じゃね?」

非リア「いや、それはまた別の話だと思うよ。僕らはその娘と知り合いじゃないし、この騒動だってその娘の敵討ちってワケでもないんだから。」

ビッチB「あ~、それもそっかぁ。」

非リア「DQNはあんな噂流されて、かなり気を害したみたいだけど、僕は別にそんなでもないから。何か、あの程度の陰口の報復で登校拒否というは、さすがに可哀想な気がするんだけど・・・。」

ビッチA「・・・。」

107: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:03:51.15 ID:Cawnoj9AO

ビッチC「ホントさぁ、非リア君優しいよねぇ。」

非リア「や、優しくなんかないよ。能天気なだけだから。」

DQN「いや、お前の優しさは本物だよ。そこは俺が保証する。そんでよぉ、多分あの二人はあれしきの事じゃ登校拒否にはならねぇよ。」

非リア「そうかな?」

DQN「あぁ。そもそも誰にも心開かねぇで、他人の悪口だけで会話して、挙げ句、その悪口を言い合える相方の事すら信用してなかった奴らだぜ。結局、今回のこの件でアイツらが失った物って、実は何もないんだよ。」

非リア「そうなのかなぁ?」

108: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:04:40.77 ID:Cawnoj9AO

DQN「そういう薄っぺらい生き方してる奴は感性も薄っぺらいからよぉ、痛みってモンに対して鈍感なんだ。そりゃ、今回の件で多少なりとも凹むだろうし、ゲイ疑惑かけられんのは不愉快だろうし、周りとも気まずくなるだろうけどよ、登校拒否になるほどのピュアな感性持っちゃいねぇよ、アイツらは。」

非リア「う~ん・・・」

DQN「そうだって。まぁ、見てな。明日アイツらは普通に学校には来るぜ。ただし、もうお互いに口利く事はねえだろうけどよ。もしアイツらが来なかったら、俺、お前らにラーメンおごってやんよ。」

109: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:05:48.13 ID:Cawnoj9AO 非リア「い、いや、別に賭がしたいワケj」

ビッチA「マジ?」

ビッチB「あたしチャーシューメン!」

ビッチC「あたしトンコツ!」

DQN「そんかわりお前ら、アイツらがちゃんと来たらチャーシューメン大盛りネギ増しとチャーハン大盛りと餃子5人前と生中5杯、1人1セットずつ俺におごりだぞ。」

ビッチB「あっ、あたしバイトだぁ。帰るねぇ。」

ビッチC「あたしもぉ、何か今日バイト休みじゃない気ぃしてきたぁ。」

ビッチB・C「じゃあねぇ。」ソソクサ

112: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:21:41.16 ID:Cawnoj9AO ビッチA「・・・。」

DQN「・・・あれ? A子はバックレねぇのか?」

ビッチA「ん~、まぁねぇ。共犯じゃん? 特にB子・C子よりぃ、あたしの方が共犯度高いじゃん? だからその賭ぇ、付き合ったげるぅ。」

非リア「そ、そんな、良いよ。お金がもったいないよ。」アセアセ

ビッチA「良いのぉ! あたしも参加すんのぉ!」ビシッ

非リア「!!」ビクゥッ

ビッチA「・・・良いっしょ?」

非リア「は、はい・・・」

DQN「おいおい、何でそんなヤル気満々なんだよ。」

114: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:22:55.36 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「良いじゃん別にぃ・・・・・・ってかさぁ・・・」

DQN「ん?」

非リア「?」

ビッチA「なんでアンタら二人ってぇ、そんなに仲良いワケぇ?」

DQN「はぁ?」

非リア「な、なんでと言われても・・・。」

ビッチA「だって普通さぁ、アンタらみたいなのってぇ、ツルまないじゃん?」

DQN「まぁなぁ。」

ビッチA「違うじゃん? 何か、そのぉ・・・種類?がさぁ。」

非リア「人間の種類がね。」

115: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:24:38.29 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「そうそうそう。なんで種類の違う二人がこんな仲良いのかなぁって。ってか、何キッカケで知り合ったのかなぁって。」

DQN「キッカケは、まぁ、中一でクラスが一緒だったからだけど・・・・・・よぉ。」チラッ

非リア「何っ?」

DQN「話して良いんか?」

非リア「えっ? 別に良いでしょ? 何か隠す事がある?」

DQN「いや、お前の姉ちゃんの事とか・・・」

ビッチA「?」

非リア「あぁ、大丈夫だよ。ありがとう。完全に吹っ切れたワケじゃないけど、さすがにもう、平気だよ。」

DQN「そっか。よし、A子。そんじゃ話すぜ。」

116: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:26:55.96 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「う、うん。」

シュポッ

DQN「ふぅ~。えっとな、俺と非リアは中学で初めて出会ったんだ。小学校は別々でよ。」

ビッチA「うん。」

DQN「最初の頃は全っ然話もしなかった。さっきお前が言った通り、人間の種類が違うからな。俺も非リアも、お互いに全く関わる気もなかった。」

非リア「そうだね。何なら、僕は君の事・・・少し嫌いだったかも。ははっ。ごめんね。」

DQN「はんっ! 言ってくれんぜ。まぁ、確かにあの頃の俺は今よりもっとガキだったからなぁ。きっと周りは迷惑で仕方なかっただろうな。」

117: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:28:01.11 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「ふふふ。何かどんな奴だったか想像付くかもぉ。」

DQN「まぁ、そんでだ、あれは中一の・・・・・・10月だったか?」

非リア「ん? 9月かな? ごめん。よく覚えてないや。」

DQN「まぁ、とりあえずその辺だ。中一の二学期。とある事件が起きるんだ。そこで俺とコイツは、実質、初めて口を利く事になる。」

ビッチA「事件? 何それぇ?」

DQN「あぁ、それはな・・・」

担任「おっ、ここにいたかDQN!」

ザッザッ

非リア「!」

ビッチ「!」

DQN「げっ! 先生・・・」

118: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:29:10.38 ID:Cawnoj9AO

非リア「あっ・・・」

ビッチA(タバコ・・・)

担任「ったく、また校内でタバコなんか・・・まぁ、良い。今は緊急だ。見逃してやる。」

DQN「はっ? 緊急?」

非リア「どど、どうしたんですか?」

ビッチA「何かあった系ぇ?」

担任「DQN、お前、今すぐ荷物まとめて、医大病院に行け。」

DQN「病院?」

担任「お前のお母さんが、職場で倒れられた。」

121: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:31:42.55 ID:Cawnoj9AO 医大病院 診察室

DQN「骨折っスか?」

医者「うむ。そうだね。」

DQN「えっ? 何か、学校からはオフクロがブッ倒れたって聞いたんスけど。ブッ倒れたって事は、何かしらの病気じゃないんスか?」

医者「あぁ、それは恐らく、病院側と学校側との間で、少々会話に食い違いがあったんだろう。申し訳ない。正しくは“階段を上っている時に貧血で倒れて、そのまま階段から転がり落ちて両足骨折”だね。」

DQN「はぁ・・・。」

医者「まぁでも、両足とは言え、骨折で済んだのは不幸中の幸いだったよ。階段で気を失うというのは本当に怖い事なんだ。事故の一部始終を見ていた同僚の方のお話では、お母さんは階段を上っている時に気を失って、前のめりに倒れられたらしい。この“前のめり”だった事は本当に幸いだったと言える。」

122: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:33:03.01 ID:Cawnoj9AO DQN「そうなんスか?」

医者「そうだとも。これがもし後ろ向けに倒れていたりしたら、それこそ大惨事になっていたかも知れないよ。まったくのノーガードで後頭部を強打し、そのまま階段を転がり落ちて行くんだから。」

DQN「あぁ、そっか。そうっスね。想像したら怖ぇっスね。」

医者「とりあえずね、足以外、骨折した箇所はないし、CTも撮ったけど脳にも異常はなかったからね。」

DQN「そっスか。先生、完璧に治るまで、どんぐらいかかります?」

医者「2ヶ月ほどだろうね。もちろん、絶対安静が大前提だから、その間は仕事も控えてもらわなくてはならない。」

DQN「あっ、はい。それはもちろんっス。」

123: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:41:33.73 ID:Cawnoj9AO DQN母の病室

ガラッ

DQN「えっと、一番窓側のベッドだったな・・・」

ツカツカツカ

DQN「おっ、いたいた。オフクロ・・・」

DQN母「Zzz・・・Zzz・・・」

DQN「なんだ、寝てんのかよ。」

DQN母「Zzz・・・Zzz・・・」

DQN(無理もねぇ。女手一つで俺を育てながら、クソ親父の残した借金返す為に、昼はビルの清掃業、夜は居酒屋で働いてんだ。ケガでもしなきゃ、こんなゆっくり横になれる暇なんて、なかなかねぇもんな。)

DQN母「Zzz・・・Zzz・・・う、う~ん」むにゃむにゃ

124: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:42:35.09 ID:Cawnoj9AO DQN(今までケンカで相手の骨をヘシ折った事はあるけど、女の、しかも身内の骨折した姿ってのは結構見てて辛ぇな・・・)

DQN母「Zzz・・・Zzz・・・」

DQN「明日また来んぜ・・・」クルッ

向かいのベッドの老人「兄さん、帰るのかい?」

DQN「あぁ。起きる気配がねぇかんな。ジィちゃん、悪いけどオフクロが起きたら『バカ息子が見舞いに来てた』って伝えてくれや。」

向かいのベッドの老人「よしよし。分かった。伝えよう。」

DQN「すまねぇ。ジィちゃんもお大事にな。」

ツカツカツカ

125: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:43:37.92 ID:Cawnoj9AO 医大病院 外の喫煙所

シュポッ

DQN「ふぅ~・・・。」

DQN「・・・。」

DQN(清掃業の方は、足が治れば復帰できるだろう。何だかんだで10年ぐらい勤めてる会社だ。向こうとしてもベテランパートのオフクロには、いて欲しいハズ。)

ふぅ~

DQN(問題は居酒屋の方だ。あっちはまだ勤めて半年も経ってねぇ上に大手のチェーン店。たかがパートのババア1人に、清掃業の方みたいな情は望めねぇ。代えはいくらでも利く。2ヶ月も穴空けりゃあ、確実にクビだ。)

ふぅ~

126: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:45:08.77 ID:Cawnoj9AO DQN(ってか、仮に復帰できるとしても、寝る暇もねぇような今のこの生活を、これ以上オフクロに続けさせて良いのか? 貧血で倒れたとは言うが、そもそもオフクロは貧血持ちじゃねぇ。間違いなく疲労がピークに達してきてるんだ。)

DQN(これはもう、居酒屋はやめさせるべきだ。到底身がもたねぇ。そんで、後は借金をどうするかだなぁ・・・)

ジジッ

DQN「熱っ!!」バッ

ポトッ

DQN「・・・っつぅ。いつの間にか根本まで吸っちまってた。」

ヒョイッ

ジュゥ~

DQN「・・・。」

DQN「・・・・・・単車買うために貯めてたバイト代、切り崩すか。」

128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県):2012/06/14(木) 00:46:08.10 ID:EH8Ifsjao DQNいい奴すぎて勃ちそう

129: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:46:20.51 ID:Cawnoj9AO 夕暮れ DQNの自宅前

DQN「はぁ・・・すっかり暗くなっちまったな。あっ、しまった! ベスの飯と水、空っぽじゃねぇか!?」

キィ

DQN「ベス! 帰ったぞぉ!」

シーン

DQN「?」

DQN「ベスぅ!」

シーン

DQN「ベス公!」

シーン

DQN(おかしい。いつもなら門のきしむ音だけで喜んで飛び付いて来んのに。犬小屋で寝てんのか?)

ザッザッ

DQN「ベス?」

シーン

DQN「!!」

DQN(べ、ベスがいねぇ!)

キョロキョロ

130: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:47:29.80 ID:Cawnoj9AO DQN(脱走? いや、それはねぇな。アイツは脱走癖のある犬じゃねぇ。仮に脱走しようとしたって、うちの四方には脱走できるような隙間はねぇ。)

DQN(誰かがベスを連れ去った? でも、何の目的で?)

DQN(あぁ、クソ! 1日に色々起きすぎだバカヤロー!)イライラ

シュポッ

ふぅ~

DQN(えっと、こういう場合は、警察で良いのか? それとも保健所か?)

イライラ

イライラ

イライラ

イライラ

DQN「あぁ、もう!! 両方電話してやんよ!!」

ハッ ハッ ハッ

DQN「ん?」

131: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:49:26.32 ID:Cawnoj9AO チャカチャカチャカ

DQN「犬の足音・・・ベスか?」

?「ちょ、ちょ、ちょっとストップぅ!! 早すぎるよぉ!!」

?「ちょ、必死すぎぃ!マジウケるんだけどぉ!」

DQN「?」

?「うわあぁぁぁぁぁ!!」

ズルズルズル

?「キャハハハハッ! あれぇ? 門開いてるよぉ? DQN帰ってんじゃね?」

DQN「何だ?」

ベス「ウォン! ウォン! ウォン!」

ハッ ハッ ハッ

DQN「うぉっ! ベス! お前、どこ行ってやがっt」

非リア「ギャアァァァァァァ!!」

ズルズルズル

132: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:50:51.03 ID:Cawnoj9AO ビッチA「キャハハハハッ! ヤッバ! 腹痛い腹痛いぃ!」

DQN「非リア!? A子!?」

非リア「ぜぇ・・・や・・・・・・やぁ・・・ぜぇぜぇ・・・・・・DQN・・・ぜぇ」

ビッチA「やっぱDQN帰ってたんだぁ。」

ベス「ハッ ハッ ハッ ハッ」フリフリ

DQN「お、お前ら・・・・・・どうしたんだよ? なんでベスを?」

非リア「えっと・・・ぜぇぜぇ・・・・・・えっとね・・・ぜぇぜぇ・・・・・・あのね・・・ぜぇぜぇ・・・」

ビッチA「言えてないしぃ。あたしが説明するわ。あのねぇ、学校でDQNのお母さんが倒れたって聞いてぇ、DQN、学校飛び出してったじゃぁん?」

DQN「そうだな。」

ビッチA「でねぇ・・・」

133: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:52:44.43 ID:Cawnoj9AO

数時間前 体育館裏

DQN「ちょ、悪ぃ!! 俺、行くわ!!」

非リア「う、うん。分かった。」

ビッチA「急いで行ったげてぇ!」

DQN「おぅ!! じゃあな!!」

バタバタバタ

非リア「・・・・・・大丈夫かな・・・」

ビッチA「きっと大丈夫だよぉ。倒れたってだけでぇ、別にすごい病気とは限らないしぃ。」

非リア「そう・・・だね・・・」

ビッチA「・・・。」

非リア「・・・。」

ビッチA「・・・。」

非リア「・・・。」

ビッチA「・・・ねぇ。」

非リア「えっ? あっ、はい!」ビクッ

134: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 00:53:18.29 ID:Cawnoj9AO ビッチA「どうするぅ?」

非リア「え? どどど、どうするとは?」オドオド

ビッチA「今からどうすんのかって事ぉ。この後ヒマぁ?」

非リア「えっと、別に用事とかはないけど・・・」ドギマギ

ビッチA「ふぅん・・・・・・スタバでも行くぅ?」

非リア「え? スタバ?」オロオロ

ビッチA「うん。」

非リア「えっと・・・・・・い、良いよ」アセアセ

ビッチA「じゃ、行こっかぁ。」

非リア「うん・・・・・・」

非リア「・・・・・・あっ、ま、待って!」

ビッチA「何ぃ?」

135: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:02:16.21 ID:Cawnoj9AO 非リア「ご、ごめん。僕やっぱり、DQNの家に行かないと。」アタフタ

ビッチA「DQNの家ぇ? なんでぇ?」

非リア「もし、DQNの帰りが遅くなるようだったら、ベスのご飯をあげる人がいなくなっちゃう。」

ビッチA「ベスぅ?」

非リア「犬。DQNが飼ってる犬。」

ビッチA「へぇ。DQN、犬飼ってんのぉ?」

非リア「う、うん。ベスのご飯や散歩は、全部DQNの仕事なんだ。だから・・・」

ビッチA「そっかぁ。じゃあ、そうしよぉ。」

非リア「えっ?」

ビッチA「DQNん家。行くんでしょ?」

136: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:03:04.75 ID:Cawnoj9AO 非リア「A子ちゃんも来るの?」

ビッチA「ダメ?」キョトン

非リア「!!」ドキッ

非リア(く、首を傾げるポーズ、カワイイ!)

非リア「い、良いよ。」

ビッチA「じゃあ、行こぉ。」

非リア「う、うん。でも、その前にホームセンターに寄ろう。」

ビッチA「ホームセンター?」

非リア「DQNの家には入れないから、ベスのご飯と水を買ってかなきゃ。」

ビッチA「あ、そっかぁ。」

137: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:05:08.52 ID:Cawnoj9AO 近所のホームセンター

非リア「ドッグフードって、色々あるんだなぁ。」

ビッチA「ベスがいつも食べてんのはどれぇ?」

非リア「それが、分からないんだ。さすがにドッグフードのパッケージまでちゃんと見た事はないから。」

ビッチA「まぁ、人ん家の犬のドッグフードなんてぇ、そんなに注意して見ないよねぇ。」

非リア「う、うん・・・。」

ビッチA「ベスって何犬?」

非リア「大型犬。」

ビッチA「じゃなくて種類ぃ。セントバーナードとかぁ、シベリアンハスキーとかぁ。」

非リア「あぁ、な、何だったかなぁ。黒くて優しい顔してて、なんとか“レト”なんとかって・・・」

ビッチA「ラブラドール・レトリーバー?」

非リア「あっ、それだ!」

ビッチA「へぇ~、ラブ飼ってんだぁ。」

非リア「ラブ?」

ビッチA「ラブラドールのあだ名ぁ。あたしも昔飼ってたんだぁ。ラブラドール飼ってる人はぁ、みんなラブって呼ぶのぉ。」

非リア「へ、へぇ。そうなんだ。」

138: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:05:45.02 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「確かぁ、あたしん家のラブはぁ・・・・・・あっ、これぇ。このドッグフード食べてたぁ。」

非リア「あっ、ホント? じ、じゃあこれにしよう。」

非リア(ついて来るって言われた時は焦ったけど、今となってはホントに来てもらって助かったなぁ。)

139: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:07:21.38 ID:Cawnoj9AO DQNの自宅

非リア「・・・。」

すぅ はぁ すぅ はぁ

ビッチA「何で深呼吸してんのぉ?」

非リア「い、いや、ベスは良い子なんだけど、ちょっとジャレつき方がパワフルなんだ。」

ビッチA「あ~、大型犬だしねぇ。うちのラブもそうだったなぁ。」

すぅ はぁ すぅ はぁ

非リア「・・・よし。は、入るよ。」

ビッチA「うん。」

キィ

ワフッ

非リア「!!」

ベス「ウォンッ! ウォンッ! ウォンッ!」

ドドドドド

非リア「来たあぁぁぁ!!」

ベス「わお~ん!」

ガバァッ

140: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:08:23.99 ID:Cawnoj9AO

非リア「ギャアァァァァァァ!!」

ドシャァッ

ビッチA「うわぁ、ラブ久しぶりに近くで見たけど、やっぱデカッ!」

ベス「ハッ ハッ ハッ ハッ」フリフリフリ

ベロベロベロ

非リア「うわ・・・ちょ・・・ベs」

ベス「ハッ ハッ ハッ ハッ 」

ベロベロベロ

ビッチA「キャハハハハッ! 気に入られてんねぇ!」

ベス「ハッ ハッ ハッ ハッ 」

ベロベロベロ

非リア「助けてぇぇぇぇ!!」

ベロベロベロ

非リア「よしよし、ベス。ご飯持って来たよ。」

ジャラジャラジャラァ

ベス「ウォン! ウォン! ウォン!」フリフリフリ

非リア「ベス! 待て!」

ベス「・・・。」ピタッ

非リア「・・・。」

ベス「・・・。」

非リア「・・・よしっ!」

ベス「ワフッ!」

ガツガツガツ

ビッチA「超食ってるしぃ。」

非リア「良かった。や、やっぱりお腹空いてたんだ。」

ガツガツガツ

141: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:09:19.50 ID:Cawnoj9AO 現在 DQNの自宅の庭

ビッチA「ってワケぇ。そんでぇ、ご飯食べたらベスが犬小屋の中からリード持って来たからぁ、散歩連れてったのぉ。」

DQN「そっかぁ・・・・・・いや、二人とも悪ぃな。マジ助かったぜ。俺もさっき、門の前まで来たトコでベスの飯の事思い出してよぉ。『しまった』って思ってたんだ。」

非リア「DQN。ベスのご飯ってこれで合ってるかな?」サッ

DQN「お~、ビンゴだぜ! ベスがいつも食ってる奴、まさにこれだ!」

ビッチA「キタ! あたし神チョイス!」

142: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:10:08.59 ID:Cawnoj9AO

DQN「いやぁ、マジサンキューな。散歩まで連れてってくれてよぉ。ドッグフード代、返すぜ。」

非リア「いや、良いよ別に。僕が出しとくよ。」

DQN「いや、そんなワケにいくかよ! ちゃんと返すっつーの!」

非リア「良いよ、ホントに。一番小さいのを選んだから、安かっt」

ビッチA「ストーップ!!」

DQN「!?」

非リア「!?」ビクッ

ビッチA「も~。男同士のそのやり取りキリがないしぃ! こうすればぁ? 明日のラーメンの賭は無し! で、DQNはあたしと非リア君にラーメンおごってくれる! どう?」

143: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:11:38.85 ID:Cawnoj9AO 非リア「えっ? あっ・・・」

DQN「よっしゃ、上等だ! 半チャンセットでおごってやんよ!」

ビッチA「イエ~イ! 決まりぃ! ゴチになりやぁす!」

非リア「ま、まぁ、DQNが良いのなら、それで・・・。あっ、それより、おばさんは!?」

DQN「あぁ、骨折だけで、命に別状はねぇよ。」

ビッチA「えっ? 骨折ぅ?」

非リア「だ、大丈夫なの?」

DQN「あぁ、そうだなぁ・・・・・・はぁ~。とりあえず、中入らねぇか? あんま人に話聞いてもらうのは好きじゃねぇんだけど・・・・・・今日はもう疲れた。ちょっと聞いてやってくれ。」

非リア「う、うん・・・」

ビッチA「いくらでも聞くしぃ。」

DQN「ベス。今日はお前も家ん中入れ。」

ベス「ウォン!」

144: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:17:55.37 ID:Cawnoj9AO DQNの自室

ベス「ハッ ハッ ハッ ハッ 」フリフリフリフリ

DQN「~ってワケだ。」ナデナデ

非リア「そっか・・・おばさん、ついに体壊しちゃったのか・・・」

ビッチA「っていうかさぁ、その借金ってぇ、ホントにDQNママが返さなきゃいけない系なのぉ? 闇金とかじゃ・・・」

DQN「いや、闇金じゃねぇ。ちゃんと法律の範囲内でやってる、まともな金貸しだ。非リアには前に話したが、親父とオフクロは俺が小3の時に離婚したんだ。っつっても、円満離婚だったからよぉ。それ以降も連絡は取ってたし、親父が俺を釣りや映画に連れてったりもしてたんだ。で、俺が小6ん時に、親父が新しい商売をする為に金を借りたいから、連帯保証人になってくれと抜かしやがってよぉ。」

145: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:19:03.72 ID:Cawnoj9AO ビッチA「DQNママ、保証人になっちゃったワケぇ?」

DQN「あぁ。オフクロも考えが甘いぜ。当時、親父は毎月の養育費の振込を一度も欠かした事がなかったから、金の事なら大丈夫だろっつって信用しちまったんだ。まぁ、元夫婦の腐れ縁ってのもあったんだろうけどよ。で、それからしばらくして、親父と連絡が取れなくなっちまった。まぁ、要するに親父の野郎、飛びやがったワケだな。養育費の振り込みも途絶えて、親父の借金は丸々オフクロの物になっちまった、と。」

非リア「ねぇ。借金って、あといくら残ってるの?」

146: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:19:59.04 ID:Cawnoj9AO DQN「150万ぐらいだな。先月、ようやく元金は返したんだ。だからこれ以上はもう増えねぇ。」

ビッチA「そっかぁ。じゃあ、とりあえずはまだ安心なんだねぇ。」

DQN「まぁな。だからとりあえず、俺が単車買うために貯めてた60万をそこにブッ込んでよぉ、一気に減らしてやろうと思ってんだ。」

非リア「ん~、仕方ないけど・・・・・・DQNの大事なお金なんだよね・・・」

DQN「良いんだよ。単車に乗れなくたって死にやしねぇ。けど、オフクロをこれ以上働かせたらマジで死ぬかも知んねぇんだ。使わねぇ手はねぇ。」

147: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:21:07.95 ID:Cawnoj9AO ビッチA「それはそうかもだけどぉ・・・」

DQN「俺はよぉ、今までオフクロに甘えすぎてたって、今日思い知ったぜ。中学ん頃から知り合いのコネで工場の短期のバイトとか内緒でやらしてもらって、高校入ってからもバイトで自分の金作って、オフクロに小遣いも誕生日プレゼントもせびらねぇ事で満足してたんだ。クソ間抜けな話だぜ。自分の遊ぶ金を自分で作るっつう、当たり前の事をしてただけなのに、それでオフクロに迷惑かけてねぇとか、俺は自立してるだとかって勘違いしてたんだ。実際、俺の学費や税金や光熱費は全部オフクロが払ってくれてたのによぉ。」

148: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:22:02.36 ID:Cawnoj9AO 非リア「バイトもしてない僕には、返す言葉もないや・・・」

ビッチA「あたしもぉ・・・」

DQN「まぁ、でも、俺ももう高3だ。卒業まであと9ヶ月。もうここまで来たからにゃ、キッチリ卒業したいと思う。コイツは俺のチンケなプライドだ。今すぐ学校やめて働かねぇ代わりに、少ねぇけど、この単車代をブッ込もうってワケだ。世の中ギブアンドテイク。タダで楽しい思いはできねぇよ。」

非リア「・・・。」

ビッチA「・・・。」

シュポッ

DQN「ふぅ~・・・・・・ありがとな、お前ら。聞いてもらったら何かちょっと楽になったわ。たまには人に話すってのも良いモンだな。」

149: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:23:14.26 ID:Cawnoj9AO

非リア「僕には・・・聞くぐらいしかできないから・・・。」

ビッチA「・・・。」

DQN「さぁて、色々面倒見てもらっといて悪いんだが、俺そろそろ寝るわ。さっき、帰ってくる時によぉ、バイト先の先輩に電話して、先輩が明日入るハズだった6時~16時の枠、代わってもらったんだ。って事だから非リア、明日俺、学校休むんで、よろしく。」

非リア「う・・・うん・・・・・・分かった・・・」

ビッチA「・・・バイト、頑張ってね・・・・・・」

DQN「おうよ。バリバリ稼ぐぜぇ。」

150: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:24:30.24 ID:Cawnoj9AO

非リア「・・・・・・じゃあ、帰るね・・・。」

スクッ

ビッチA「うん・・・お邪魔しましたぁ・・・」

スクッ

DQN「おぅ、悪ぃな。追い返すみたいでよぉ。」

非リア「・・・・・・良いよ。」

ビッチA「・・・。」

非リア「・・・じゃあね。」

ビッチA「・・・またねぇ。」

パタンッ

151: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:28:58.99 ID:Cawnoj9AO

帰路につく二人

トボトボ

トボトボ

ビッチA「DQNは偉いよねぇ。あたしなんて何も考えずに生きてんのにぃ。」

非リア「・・・僕は・・・DQNの友人失格だ。」ボソッ

ビッチA「・・・・・・そんな事なくね?」

非リア「DQNは、こんな僕の友達になってくれて、僕をイジメから助けてくれたりした。」

ビッチA「非リア君が優しいからでしょ。」

非リア「違う。DQNが優しいからだよ。なのに僕は・・・僕は・・・・・・グスッ。」

ビッチA「非リア君・・・」

152: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:30:53.72 ID:Cawnoj9AO 非リア「ぼ、僕は・・・ヒック・・・親友が困ってるのに、何もでぎない!!」ポロポロ

ビッチA「・・・。」

非リア「うっ・・・グスッ・・・」

ビッチA「・・・。」

非リア「・・・ヒック・・・ご、ごめん。こんな事言われても、関係ないA子ちゃんには、迷惑だよn」

ビッチA「関係ないとか言わないでよ!!」

非リア「!!」ビクッ

153: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:32:03.89 ID:Cawnoj9AO ビッチA「何で!? 何で関係ないワケ!? 今日だって、DQNと非リア君の酷い噂流してる奴、一緒にやっつけたじゃん!? そんで、一緒に買い物行って、一緒にベスの散歩も行って、一緒にDQNの話聞いたじゃん!! なのに・・・グスッ・・・なのに何で関係ないのよぉ!?」ポロポロ

非リア「えっ? あ、あの・・・」オロオロ

ビッチA「あたしが・・・グスッ・・・非リア君の事、騙したから? ねぇ、だったら何回でも謝るからぁ・・・・・・ヒック・・・許してよぉ!! お願いだから・・・非リア君に関わらせて!!」ポロポロ

154: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:32:47.20 ID:Cawnoj9AO 非リア「えっ・・・あの・・・・・・」オロオロ

ビッチA「・・・グスッ」

非リア「その・・・」アタフタ

ビッチA「・・・ヒック」

非リア「ごごご、ごめん。A子ちゃんの事、仲間外れにしようとか、そそ、そんなつもりはないんだ。ごめん。」

ビッチA「・・・あたしこそごめん。何か・・・グスッ・・・カッとなって頭おかしくなってた・・・」

非リア「い、いや。別に、気にしてないよ。」

ビッチA「ごめんね・・・グスッ」

ブーン

『会いた~くて 会い~た~くて ふ~る~える~』

ブーン

155: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 01:34:05.38 ID:Cawnoj9AO

ビッチA「あっ、ごめん。お母さんから着信だ。」

非リア「どうぞ。出て。」

ピッ

ビッチA「もしもしぃ・・・もしもぉし・・・・・・えっ? 何ぃ? 聞こえないんだけどぉ。もしもぉし・・・ちょっとぉ。お母さぁん?」

ブッ

ツーツーツー

ビッチA「・・・切れちゃったぁ。」

非リア「電波悪いの?」

ビッチA「ううん、二本立ってるぅ。このケータイぃ、最近調子悪いんだよねぇ。」

非リア「お母さん、かけ直さなくて良いの?」

ビッチA「良いよぉ。どうせ早く帰って来い系だしぃ。それよりケータイ、修理に出そっかなぁ?」

非リア「!」ピクッ

ビッチA「たまに電波3本でも聞こえない時とかあるs」

非リア「それだ。」ボソッ

ビッチA「えっ?」

非リア「A子ちゃん。誰か知り合いで、壊れたまま乗ってない、古いバイクを持ってる人、いない?」

163:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽):2012/06/14(木) 10:32:10.41 ID:xzrLzkZAO 今更だけどこいつらもうDQNでもビッチでも非リアでもないよね

166: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:06:39.63 ID:Cawnoj9AO ※ここから先、ビッチAが話に深く関わってくるんですが、 そんな人物の名前がいつまでも“ビッチ”っていうのも何かアレですし、 >>163のご指摘にもあります通り、 もはやビッチではないので、 名前をA子に改めさせていただきます。

翌日 放課後 A子の自宅のガレージ

非リア「ま、まさかA子ちゃんの家に来る事になろうとは・・・」

A子「だってさぁ、昨日の話で思い付くのってぇ、うちのアニキしかいないんだもぉん。」

非リア「あ、ち、違うよ。文句じゃなくて・・・その・・・お、女の子の家に来るの、初めてで・・・って、家って言ってもガレージだけど。」アタフタ

A子「良いんじゃない? ガレージも家の一部だしぃ。ってかぁ、あたしも家に男の子呼ぶの初めてだしぃ。」

非リア「えっ? そうなの?」

167: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:08:04.90 ID:Cawnoj9AO

A子「うん。あたしぃ、基本、外にいたい派だからぁ、女友達もあんま家に呼んだ事ないんだぁ。B子もC子も1、2回しか来た事ないよぉ。」

非リア「そうなんだ・・・」

非リア「あっ、それで、バイクって、あれ?」

A子「うん。アニキが昔乗ってたヤツなんだけどぉ、車の免許取ってからは家の車乗り回すようになってぇ、もう2年ぐらいほったらかしてんのぉ。」

非リア「修理できるって?」

A子「昨日訊いたらぁ、多分直せるけどぉ、ちょっと高くつくかもってぇ。アニキ、結構雑な乗り方してたらしいんだぁ。オイル交換? を忘れたせいでぇ、エンジンが壊れてるんだってぇ。」

168: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:10:24.27 ID:Cawnoj9AO 非リア「修理代、50万円とか?」

A子「そこまでは言ってなかったよぉ。なんかぁ、ちょうど車の免許取る直前ぐらいに壊れちゃってぇ、バイク屋に来てもらったんだってぇ。そん時の見積もりがぁ、20万ぐらいだってぇ。バイク修理で20万って高いのぉ?」

非リア「ごめん、それはよく分からないや。僕、バイクとか車は全然知らなくて。最近になってその排気ガスの出る筒が、マフラーって言うんだって知ったぐらいだし。」

169: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:11:13.94 ID:Cawnoj9AO

A子「だよねぇ。あたしもアクセルとブレーキぐらいしか分かんないしぃ。」

非リア「でも、DQNはバイクを買うために60万貯めてたのに、それでもまだ買ってないって事は、新品は60万より高いワケだよね。」

A子「多分そうだろうねぇ。」

非リア「お兄さんは、このバイクはもう・・・」

A子「うん、もういらないからくれるってぇ。修理でも改造でも勝手にして良いって。」

非リア「よしっ。じゃあ、このバイク、修理に出そう。20万も大金だけど、それぐらいなら短期のバイトで何とかなる。」

170: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:12:21.95 ID:Cawnoj9AO A子「DQN、受け取ってくれるかな?」

非リア「きっと受け取ってくれる。DQNはああいう性格だから、きっとお金では受け取ってくれないと思うんだ。『気持ちだけもらっとくわ』とか言ってね。だから、もういっそ、バイクっていう“形”にして渡した方が良い。僕は免許持ってないから、『お前が乗れよ』とも言えないだろうし。ちょっと押し付けがましいけど、僕がDQNにできる事なんて、これぐらいしかないんだ。」

A子「“これぐらいしか”なんて言っちゃダメだよ。」

非リア「えっ?」

171: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:14:42.30 ID:Cawnoj9AO

A子「どこの世界に友達の為にバイトしてバイク直そうなんて人いんのぉ? すっげぇ事じゃん。アタシぃ、それ死ぬ程カッコイイと思うなぁ。」

非リア「いや、カッコよくないよ。こんな方法しかできないんだもん。むしろカッコ悪いよ。」

A子「そのカッコ悪さがカッコイイんじゃん。分かってないなぁ。」

非リア「ん~・・・」

A子「まぁ、良いけどねぇ。そんでさぁ、バイトの話だけどぉ、あたしもバイトするからぁ、修理代ぃ、割り勘にしようよぉ。」

非リア「えっ?」

A子「半分ずつ出し合ってぇ、残ったお金は自分らで使おぉ。」

172: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:16:02.39 ID:Cawnoj9AO 非リア「い、良いよ、そんな。A子ちゃんを巻き込むワケにはいk」

A子「関わらせて。」

非リア「うっ・・・」ギクッ

A子「か・か・わ・ら・せ・て。」

非リア「・・・はい。」

A子「ふふっ。よろしい。」

非リア「う~・・・」

A子「さて、そうと決まればぁ、さっそくバイト探してだねぇ。」

非リア「そうだね。フリーペパーを集めないと。」

A子「確かこないだぁ、アニキが何冊か持って帰ってきたのがあるよぉ。非リア君、あたしの部屋行こぉ。」

非リア「あ、それは助かr」

非リア「えっ!!!?」

173: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:16:58.65 ID:Cawnoj9AO A子「ちょっと散らかってるけどぉ、勘弁してねぇ。」

非リア「あっ・・・えっ・・・えっ!?」アタフタ

A子「なにぃ?」

非リア「え、え、A子ちゃんの、へへ、部屋に?」オロオロ

A子「そうだけどぉ?」

非リア「あっ・・・あっ・・・その・・・」アタフタ

A子「いや?」キョトン

非リア「!!」ドキッ

非リア(その首傾げポーズ、反則!)

非リア「い、嫌じゃないです・・・」

A子「うん。じゃあ行こぉ。」

174: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:18:40.89 ID:Cawnoj9AO A子の部屋

非リア(お、女の子の部屋だ・・・)ドギマギ

A子「はい、これ!」

ドサッ

非リア「あ、ありがとう。お兄さんもバイト探してるの?」

A子「今やってるトコと掛け持ちにするんだってぇ。何かぁ、家の車乗り回してたらぁ、マイカーが欲しくなったらしくてぇ。」

非リア「あ、なるほど。頑張るんだねぇ。」

A子「まぁ、何つうかぁ、遊びとSexに命かけてるような奴だからぁ。車あると色々便利なんだってぇ。」

非リア「・・・。」

非リア(リア充爆発しろ!!)

175: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:21:07.03 ID:Cawnoj9AO A子「よぉし、そんじゃ、バイト探そっかぁ!」

非リア「あ、うん。」

バサバサ

A子「バイトっつっても色々種類あるんだねぇ。」

非リア「そうだねぇ。とりあえず、短期OKのところが良いなぁ。」

A子「ずっと続ける気はないのぉ? DQNのバイク代が貯まったら辞めちゃう系?」

非リア「そうだね。受験勉強があるから。本格化する夏休みまでに、放課後にできる短期バイトで貯めてしまいたいんだ。」

A子「あぁぁぁぁ、受験勉強ぉぉぉ。聞くだけで嫌んなるぅ。」

非リア「あっ、ご、ごめん。そうだね、確かに嫌だよね。」アセアセ

A子「冗談だしぃ。そんないちいち謝んなくて良いからぁ。」

176: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:21:53.63 ID:Cawnoj9AO 非リア「あっ、う、うん。ごめn」

A子「謝らない!」ビシッ

非リア「うっ・・・」ギクッ

A子「キャハハハハッ! も~、真面目すぎぃ! ウケるんだけどぉ!」

非リア「あう~・・・」タジタジ

A子「まぁ、あたしぃ、非リア君のそういうトコぉ、好きだけどねぇ。」

非リア「!!!?」ドッキィ

A子「あっ、ねぇ。これどう?」

非リア「す、好き・・・好き・・・」ブツブツ

A子「非リア君? ちょっとぉ。非リア君!」

非リア「えっ? あっ、はい。」

177: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:28:07.75 ID:Cawnoj9AO A子「これどう? ファミレスのホール係。短期OKみたいだよ。」

非リア「ホール係・・・・・・お客さんと喋らなきゃいけないよね。」

A子「そうだけど?」

非リア「そうだよねぇ・・・」

A子「・・・・・・あっ、そっか。」

非リア「うん。吃音が・・・」

A子「・・・ごめん。最近、非リア君がどもってるトコ、あんま見なくなったから、完全に吃音の事忘れてた。」

非リア「いや、良いんだ。DQNから聞いてると思うけど、僕、気を遣わなくて良い相手の前だと、あまりどもらなくなるんだ。最近、A子ちゃんと喋る機会が多かったから、そろそろ平気になってきたみたい。でも、やっぱり知らない人、それもお客さん相手じゃ、まだちょっと不安で・・・。」

178: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:29:10.98 ID:Cawnoj9AO A子「・・・あたしにも、気ぃ許してくれてんの?」

非リア「うん。もちろん。」

A子「・・・・・・ふふっ。何か嬉しいかもぉ。ごめんね、それなのにあたし無神経で。」

非リア「ちちち、違うよ! A子ちゃんが悪いんじゃないよ! 世の中、吃音を全く気にせず働いてる人もたくさんいるんだし、僕がちょっと気にしすぎなだけだから! A子ちゃんは何も気にしないで!」

A子「・・・・・・うん。」

A子(どこまでも優しすぎぃ。)

179: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:29:46.77 ID:Cawnoj9AO A子「でもぉ、そうなるとぉ、スーパーのレジとかもダメだよねぇ。何が良いんだろ? お客さんと喋らなくて良い仕事・・・・・・工場とか?」

非リア「ん~、僕もそう思ってさっきから探してるんだけど、工場はどこも朝から夕方までのフルタイムばかりなんだよねぇ。」

A子「だねぇ・・・倉庫整理・・・あ~、これもフルタイムだぁ。」

非リア「・・・・・・あっ、これが良いかも。ラーメン屋さんの厨房スタッフ。」

A子「えっ? でも厨房は厨房で、スタッフと話はしなきゃいけないんじゃ・・・」

180: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:30:33.52 ID:Cawnoj9AO 非リア「うん。ホントはそれも不安だけど、お客さんと話すよりはまだ良いかなって。お店に迷惑かからないし。それに、工場や倉庫が無理な以上、もう四の五の言ってられないかなぁって。」

A子「大丈夫なのぉ?」

非リア「うん。大丈夫だよ。僕だって将来、本格的にバイトや就職はするんだし、それの足慣らしだよ。」

A子「そっかぁ。あっ、じゃあ、これも良くね? そば屋の厨房。短期OK。」

非リア「あっ、良いねぇ。そこも応募しよう。あっ、これも良さそう。宅配ピザの厨房スタッフ。これも短期可だって。」

181: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:32:20.22 ID:Cawnoj9AO A子「あっ、ピザとか良いなぁ。余ったピザってぇ、持って帰れたりするのかなぁ?」

非リア「どうかなぁ? 宅配ピザって、電話もらってから作ってるんでしょ? 余ったりするのかな?」

A子「あ~、確かにそうかもねぇ。材料は余るけどぉ、ピザは余らないぃみたいな?」

非リア「うん。そんな気がするんだけど。」

A子「ありそうだねぇ。残念。ピザ余ったらぁ、持って来てもらおうと思ったのにぃ。」

非リア「はははっ。まぁ、もし受かって、ホントに余ったピザを貰えたら、持ってくるよ。ところで、A子ちゃんは何のバイトするの?」

182: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:32:51.53 ID:Cawnoj9AO A子「ん~、あたしは別にぃ、何のバイトでも良いかなぁって思ってるぅ。コンビニでもファミレスでもカフェでもぉ。」

非リア「そっかぁ。確かにA子ちゃんなら何でも、できそうだね。」

A子「ふふっ。あたし神経ず太いからねぇ。『別に体力仕事以外ぃ、何でもできんじゃね?』とか思ってるぅ。あはっ。」

非リア「はははっ。強いね。」

非リア「よし。じゃあ僕はとりあえず、この3つに応募してみるよ。」

A子「うん、そうだねぇ。あたしもテキトーに何か3つぐらい絞ってぇ、応募してみるぅ。」

非リア「お互い健闘を祈ろう。」

183: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:33:51.40 ID:Cawnoj9AO A子「うん。どこ受かったとかぁ、また連絡し合おうねぇ。」

非リア「そうだね。じゃあ、そろそろ帰ろうかな?」

A子「えっ?」

非リア「お邪魔しました。」

スクッ

A子「待って! 帰んの?」

非リア「えっ? う、うん。」

A子「マジ?」

非リア「マジ・・・だけど? えっ? 何か他に話し合う事、あった?」

A子「それは・・・別にないけどぉ・・・」

非リア「・・・だよね?」

A子「・・・。」

非リア「?」

A子(まぁ、仕方ないかぁ。もうじきお母さんも帰ってくるしぃ。)

A子「ごめん、何でもない。下まで送るねぇ。」

非リア「あっ、うん。A子ちゃん、今日は色々ありがとうね。」 186: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:44:54.90 ID:Cawnoj9AO 一週間後の朝 国道沿いの牛丼屋

DQN「らっしゃあせぇ! お好きな席どうぞぉ!」

ドスッ

サラリーマン「ふぅ。」

DQN「あぁい、お水失礼っしゃぁす! ご注文お決まりっすかぁ?」

サラリーマン「あぁ、鮭定食。」

DQN「あざっす! はい、5番さん鮭一丁ぉ!」

厨房「「あいよぉ~」」

DQN「いやぁ、朝から暑いっすねぇ。」

サラリーマン「えっ? あ、あぁ。そうだね。」

DQN「スーツ、大変じゃないっすか?」

サラリーマン「あぁ。ま、まぁね。でも、営業だからね。いくらクールビズと言っても、ジャケット無しで得意先は回れないから、大変だよ。」

187: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:45:56.45 ID:Cawnoj9AO DQN「そうっすよねぇ! 鮭は精力付くんでねぇ、ガンガン食って仕事頑張ってくださいよ!」

サラリーマン「はははっ。ありがとう。お兄さんは新人かな? おじさんは週3日ぐらいはこの時間に来るけど、君は見た事ないなぁ。」

DQN「いえ、普段は夕方のシフトなんすけど、最近、朝の時間に人足んない時にも入るようにしてんすよ!」

サラリーマン「そうかそうか。いやぁ、こうやって話しかけてくる店員さんは初めてだからねぇ、ちょっと驚いたよ。」

DQN「あっ、さぁせん! 馴れ馴れしいっすよね。」

サラリーマン「いや、良いよ。おじさんは古い人間だからね、こうやって話しかけてくれる店員さんは大好きなんだ。君、良い店員さんだね。」

DQN「あざっす! 恐縮っす!」

188: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:46:48.59 ID:Cawnoj9AO 同日 昼休み 体育館裏

非リア「・・・。」

A子「・・・。」

B子「DQN、今日も休みだねぇ。」もぐもぐ

C子「最近、午前中にもバイト詰めてるらしいよぉ。」もぐもぐ

非リア「・・・。」

A子「・・・。」

B子「なんでそんな急に頑張り出したんだろ?」もぐもぐ

C子「分かんなぁい。ってかぁ、そろそろ出席日数ヤバくね? バイト詰める前からちょいちょいサボったりしてたじゃん。」もぐもぐ

非リア「・・・。」

A子「・・・。」

B子「・・・・・・何か二人暗くね?」

189: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:47:32.48 ID:Cawnoj9AO C子「暗ぁい。全然弁当食ってないじゃん。どしたのぉ? 何かあったぁ?」

非リア「・・・ば、バイトの応募、全部落ちた。」

A子「あたしもぉ。コンビニ・ファミレス・カフェ、全部落ちてぇ、その後別のコンビニとミスドも応募したけど落ちたぁ。」

非リア「僕も最初の三ヶ所落ちた後、更に三ヶ所応募したけど、落ちた。」

B子「えっ? 何ぃ? 二人バイト探してんのぉ?」

C子「何で今頃ぉ?」

非リア「えっ・・・いや、その・・・」

190: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:48:26.66 ID:Cawnoj9AO A子「こないだ親にさぁ、『大学入ったら車の免許代、10万までは出してやるけど、残りの20万は自分でバイトして貯めなさい』とか言われたのぉ。あたしてっきりぃ、全額出してもらえると思ってたからマジ焦りでぇ、だったら今のうちから少し貯めといて、大学で楽しよっかなぁって。」

非リア「えっ?」チラッ

A子(テキトーに合わせて)ウィンク‐☆

B子「マジぃ? A子の親、厳しいねぇ。」

C子「えっ? そう? 10万出してくれるだけ優しくね? あたしのお姉ちゃん、免許代、パパに立て替えてもらってぇ、毎月2万ずつ返してってるよぉ。あたしもきっとそうなるしぃ。」

191: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:49:31.70 ID:Cawnoj9AO

B子「そうなんだぁ。うわぁ、うちどうなるんだろぉ? ちょっと訊いてみよぉ。」

C子「非リア君はなんでバイト探してんのぉ?」

非リア「あっ、ぼ、僕も一緒。免許代、親が10万しか出してくれないって言うから。」

B子「・・・。」

C子「・・・。」

A子(ちょ、嘘ヘタすぎだってぇ!何で金額まで被せてくんのよぉ!)

B子「怪しくね?」

C子「だね。」

非リア「えっ? えっ?」

A子(も~! あんまりDQNの家の事情を言い広めるのは良くないって、非リア君が言うから誤魔化したのにぃ!)

192: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:51:07.02 ID:Cawnoj9AO B子「10万ぴったし一緒とか、おかしくね?」

C子「思ったぁ。」

非リア「いや・・・その・・・」

B子「もうじき夏休みで予備校とか忙しくなんのにぃ、急にバイト探し始めるとかぁ、二人なんか隠してんじゃね?」

C子「まさかぁ・・・」

非リア「あわわわわ・・・」

A子(終わったしぃ。まぁ、この二人になら話しても良いk)

B子「もしかしてぇ、二人付き合ってんじゃね?」

非リア「えっ?」

A子「はっ?」

C子「こないだの男C・Dん時ぃ、A子、非リア君がゲイじゃないかって超気にしてたじゃん?」

193: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:52:00.12 ID:Cawnoj9AO A子「うっ! いや、あれはぁ・・・」シドロモドロ

B子「罰ゲでコクってみたら、マジで好きになっちゃったとかぁ?」

C子「“ウソから始まる恋”みたいなぁ?」

A子「う~・・・」

B子「二人だけの卒業旅行の為にぃ、今から慌ててバイト探してる的なぁ?」

非リア「あははははっ! それはないよ!」キッパリ

A子「!」ピクンッ

非リア「僕らが付き合うなんて、あるワケないじゃないかぁ。ははははははっ。」

A子「“あるワケない”?」カチン

B子「え~? マジぃ? あたし結構良い線いったと思ったんだけどぉ。」

194: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 11:53:09.91 ID:Cawnoj9AO

非リア「残念でした。10万円の話はホントだよ。ホントに僕の家もA子ちゃんの家も、10万円しか出してもらえないんだ。それで、A子ちゃんがバイト始めるって言うから、じゃあ僕もやってみようかなって思ってね。」

C子「え~? なにぃ? 親が出してくれる免許代ってぇ、10万が最近の相場なのぉ? だったらあたしぃ、ちょっとパパ・ママにも掛け合ってみよっかなぁ?」

非リア「いや、家庭によりけりだと思うよ。DQNもバイクの免許は自分のお金で取ってたもん。」

C子「うわぁ、良いなぁ。パパぁ! あたしにも10万出してくれぇ~!」

195: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:01:15.14 ID:Cawnoj9AO 非リア「はぁ~。しっかし、六ヶ所も落ちたってなると、もう次の履歴書を出すのが億劫だよぉ。ねぇ、A子ちゃん?」

A子「あー、そーっすねー。」ブスッ

非リア「・・・・・・な、何か怒ってる?」

A子「別にー。」

B子「ねぇ、その事だけどさぁ、二人合わせて11ヶ所も落ちてんでしょ? それって絶対変だよぉ。二人さぁ、履歴書によっぽど変な事書いてんじゃね?」

非リア「えぇ? どうかなぁ? 全然そんな自覚はないけど。」

196: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:02:07.62 ID:Cawnoj9AO A子「あたしもぉ。『頑張ります』とかぁ、『やる気十分です』とかぁ、普通な事しか書いてないけどなぁ。」

C子「ねぇ。今度さぁ、その履歴書見してくんない? ちょっと気になるかもぉ。」

非リア「あっ、今持ってるよ。」

A子「えっ? 何で持ってんのぉ?」

非リア「今朝、家を出る時、郵便受けを見たら通知が来てたんだ。でも、時間がなかったから、学校で見ようと思って、持ってきたんだ。」ゴソゴソ

B子「ちょっと見て良い?」

197: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:03:11.00 ID:Cawnoj9AO 非リア「うん。どうぞ。確か、ラーメン屋さんに応募した時のヤツだよ。バイトしてる先輩として、何かアドバイスしてもらえたら助かるなぁ。」スッ

B子「どれどれぇ・・・」ジー

C子「あっ、あたしも見してぇ・・・」マジマジ

B子「これかなぁ?」

C子「思ったぁ。そうじゃない?」

非リア「えっ? 何?」

A子「何か分かった系?」

B子「え~っとさぁ、この希望欄のトコぉ、“週3、4日程度勤務可能ですが、雇用期間は短期で希望します。最長でも3ヶ月でお願いします”って、これぇ、全部の履歴書に書いてるぅ?」

198: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:04:06.66 ID:Cawnoj9AO 非リア「あ、うん。書いてるよ。受験勉強があるから、免許代の残り20万貯まったら、すぐ辞めるつもりでいるんだ。だから、その事はキッチリ書いとこうと思って。」

C子「A子も同じような事書いてんのぉ?」

A子「うん。あたしも長居する気ないしぃ。まぁ、非リア君みたいに丁寧な書き方はしてないけどぉ。」

B子「決まりだねぇ。」

C子「うん。絶対これだぁ。」

非リア「えっ? その希望欄って事?」

B子「うん。絶対この希望欄のせいで切られてると思うわぁ。」

A子「マジぃ? なんでぇ?」

199: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:05:04.21 ID:Cawnoj9AO C子「あのねぇ、あたし高一からずっと今のカフェでバイトしてるから分かんだけどぉ、ぶっちゃけぇ、3ヶ月で辞める新人なら最初からいらないんだよねぇ。」

非リア・A子「「えっ?」」

B子「うん。新人ってさぁ、ぶっちゃけ最初の1~2ヶ月なんてぇ、いてもいなくても一緒なんよぉ。だって最初の内は仕事全然できないワケだしぃ。3ヶ月経ったぐらいからなんだよねぇ、安心できるのってぇ。」

C子「んでさぁ、“最長3ヶ月”って事はぁ、『もし2ヶ月で20万貯まったら、その時はさっさと辞めまっせぇ』って感じじゃん? それってぇ、全然使えない子にお金だけあげてんのと大して変わんないって事になるっしょぉ? それじゃあやっぱ雇ってもらえないよねぇ。」

200: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:06:18.22 ID:Cawnoj9AO 非リア「で、でも、求人広告には“短期OK”って書いてたのに・・・」

B子「そうは書いてあってもさぁ・・・何つうか・・・・・・こうもはっきり辞める事前提で応募して来られたらぁ、やっぱ店長は良い気はしないじゃん。分かるかな、その感じぃ?」

C子「例えば友達が遊びに来てぇ、あたしのマグカップ割ったとすんじゃん? そしたら当然『良いよ、気にしないで』って言うけどさぁ、それで全然気にされなさすぎたらぁ、ちょっとイラっと来んじゃん? そういう感じぃ?」

非リア「あぁ・・・・・・何となく分かるよ。」

201: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:07:29.56 ID:Cawnoj9AO A子「じゃあさぁ、希望欄にはもう何も書かなくて良いワケぇ? 長期希望です的な顔で採用してもらってさぁ、2ヶ月なり3ヶ月なり経ってお金貯まったら『はい、辞めまぁす』って、そんなの通じんのぉ?」

B子「それは・・・通じない事はないけどぉ、かなり波風立つよねぇ。」

A子「だよねぇ。って事はさぁ、ぶっちゃけホントに短期で雇ってくれるバイトってぇ・・・ない系?」

C子「いや、あるけどぉ、A子が受けたファミレスとかコンビニとかカフェとかミスドとか、非リア君のラーメン屋とか、そういう・・・何つうか、普通の仕事?じゃあ、難しいと思うなぁ。」

202: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:08:33.36 ID:Cawnoj9AO B子「やっぱさぁ、お店や会社ってぇ、イメージが大事だからぁ、一応、『どんな人でも応募して下さいねぇ(≧∇≦)』って感じには書くけどぉ、ぶっちゃけホントに欲しいのは長く働いてくれる人だよねぇ。それは経営者だけじゃなくてぇ、あたしみたいな下っ端のバイトでも思うもん。」

非リア「そうかぁ・・・」

A子「考えが甘かったかぁ・・・」

B子「ねぇ、絶対短期じゃなきゃダメなのぉ? あたしもC子もぉ、夏休みからはバイトの本数減らす方向で行こうって言ってんのぉ。」

203: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:09:41.74 ID:Cawnoj9AO C子「そぉそぉ。受験と両立させる為にねぇ。何か二人の話聞いてるとぉ、短期で必要な額だけさっさと貯めてぇ、あとは受験に専念するぞぉって感じがすんだけどぉ、受験勉強しながら週1~2程度でのんびり貯めてくってパターンはダメなのぉ?」

非リア「う、う~ん。僕はそんな要領良い方じゃないから、両立をさせられる自信がなくて・・・」

A子「あたしもそんな感じぃ。それにさぁ、あたしは前もB子・C子には言ったと思うけどぉ、バイトって何か面倒くさそうでぇ、あんまやりたくないんだよねぇ。それでもぉ、やっぱ大学入ったらしなきゃいけなくなるワケじゃん? だったらぁ、今回みたいな緊急のバイトはぁ、できるだけ短く済ませたいぃみたいな。」

292: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 17:22:39.77 ID:Cawnoj9AO

B子「わがままぁ。」

非リア「はははっ。そ、そうだよねぇ・・・」

A子「何か別の方法を考えるしかないかなぁ・・・」

B子「・・・・・・それかぁ、もういっそぉ、塾や予備校の夏期講習を捨てるかぁ・・・だねぇ。」

非リア「えっ?」

A子「どういう事ぉ?」

C子「夏休みの短期バイトあんじゃん? プールの監視員とかぁ、海の家のスタッフとかぁ、デパートのお中元のラッピング係とかぁ。もう、そういうのにかけるしかないかもって話ぃ。」

非リア「あっ・・・」

A子「その手が・・・」

B子「でもぉ、夏期講習捨てるワケだしぃ、後から受験勉強のシワ寄せ半端なく来るよねぇ。」

C子「あんま良い方法じゃないかもぉ。」

204: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:16:30.57 ID:Cawnoj9AO 夜 A子の部屋

ゴロン

A子「・・・。」

TV「『さぁ、続いては、女性漫才コンビのお二人です。』パチパチパチ」

A子「・・・。」

TV「『もうじき夏ですねぇ。』『私、今年の夏こそは燃えるような恋をしますよぉ。』『ははっ、ご冗談を。』『気ぃ悪いわ自分!』」

A子「・・・。」

(『それはないよ。』)

A子「・・・。」

(『あるワケないじゃないかぁ。』)

A子「・・・はぁ~。」

ゴロンッ

A子「んも~~~~」バタバタバタッ

A子「結構傷付いたしぃ・・・」ボソッ

205: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:17:30.14 ID:Cawnoj9AO

TV「『やっぱり年上の男性が良いですねぇ。』『中尾彬さんとか?』『年上すぎやろ!』」

A子(あたしの押しが弱いのかなぁ?)

TV「『山奥のコテージに二人で泊まり込みのバイト。そこで一気に距離が縮むワケですよ。』『中尾彬さんと?』『違うわ!』」

A子「!」

TV「『綺麗な星空ですねぇ。』『ほっほっほっ。見事じゃないか。』『中尾出てくんなぁ!』『愛しているよ志乃。』『誰が志乃や!』」

A子「・・・。」

TV「『やめさしてもらうわ!』『バイトを?』『このネタを! えぇ加減にせぇ!』『ありがとうございましたぁ。』パチパチパチ」

A子「・・・・・・一か八か、これいってみよっかなぁ。」

206: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:19:19.37 ID:Cawnoj9AO

翌日 放課後 A子の部屋

非リア「な、長野のペンションに泊まり込みのバイト?」

A子「そっ。7月21日~8月16日までの間でぇ、2週間働ける人を募集しますってぇ。」

非リア「な、何で長野?」

A子「昨日B子・C子が夏の短期バイトって言ってたじゃん? でもぉ、海の家とかプールの監視員ってぇ、目の前に海やプールがあんのに入れないじゃん? あたしぃ、それはちょっと嫌かなぁって思ったんだぁ。そんでぇ、ふと思い出したのぉ。子供の頃ぉ、毎年家族で行ってたペンションでねぇ。オーナーのブログ見たらぁ、バイト募集してたからぁ。」

207: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:20:18.32 ID:Cawnoj9AO 非リア「そうなんだ。」

A子「6時半~19時半まででぇ、休憩2時間あるから実働9時間。時給850円。14日間勤務でぇ、107,100円。」

非リア「目標の半額かぁ。」

A子「二人足せば目標じゃん。」

非リア「それは・・・そうだけどぉ・・・」

A子「あたしがいてマジ正解じゃん。」

非リア「ほ、ホントに良いの? A子ちゃんの手元には1円も残らないかも知れn」

A子「しつこいぃ。怒るよぉ?」

非リア「あぅ・・・」タジ

A子「非リア君にどこまでも関わってやんだからぁ。引き下がると思うぅ?」

209: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:21:30.28 ID:Cawnoj9AO 非リア「お・・・思いません・・・」

A子「ふふっ。ってかさぁ、実際そうした方が良いってぇ。受験勉強の時間削って働くんだからぁ、できるだけ短く済ませた方が良いじゃん。そもそもぉ、その為にコンビニやラーメン屋の短期探してたんだしぃ。願ったり叶ったりじゃん。」

非リア「・・・・・・ありがとう。正直、ホントに助かる。」

A子「・・・・・・ふふっ。なんかぁ、そう言ってもらえるとぉ・・・嬉しいよねぇ。」

非リア「ホントに、感謝してるよ。」

A子「あっ、でも待ってぇ。ホントに感謝してもらうのはぁ、無事にバイク修理できてからだよぉ。まだもう一個、難問が待ってんじゃん?」

210: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:22:48.89 ID:Cawnoj9AO

非リア「うん・・・・・・両親との話し合い・・・だね。」

A子「これが一番手強いよぉ、多分。」

非リア「そうだね。」

A子「何か対策考えてるぅ?」

非リア「いや、こればかりは一切作戦無し。事情をありのまま話して、正面衝突しかないと思ってる。」

A子「だよねぇ。受験勉強放り出して2週間も家空けるんだしぃ、どう考えたって有力な言い訳なんてないよねぇ。」

非リア「うん。それに、遊びに行くワケじゃない。端から見ればフザけた理由かも知れないけど、僕は大真面目なんだ。だから、一切嘘はつかない。ありのまま、本心でぶつかるよ。」

A子「そうだねぇ。それしかないねぇ。」

216: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:39:16.65 ID:Cawnoj9AO 夜 A子の自宅 リビング

A子「ねぇ、お父さん、お母さん。聞いて欲しい事があんだけどぉ・・・」

A子父「ん~?」

A子母「なに?」

A子「あのさぁ・・・」

同時刻 非リアの自宅 リビング

非リア父「お前、本気で言ってるのか?」

非リア母「何をバカな事を・・・」

非リア「バカでも何でも良い。僕は・・・今まで生きてきた中で、今が一番本気なんだ!!」

※以下、壮絶な親子喧嘩が繰り広げられるワケですが、上手く描ける自信がないので、勇者と魔王のイメージカットでお送りいたします。

217: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:40:10.52 ID:Cawnoj9AO 魔王(双方の両親)「ふはははははは!!」

勇者(非リアとA子)「くっ! なんて手強いんだ!」

魔王「はぁ!!」

ボワアァァ

勇者「炎魔法(お説教)!? ならばこっちも!!」

ボワアァァ

魔王「ふん! 小賢しい!!」

ゴゴゴゴゴッ

勇者「くっ!! お、圧される(気迫負け)・・・」

ボワアァァ

勇者「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

メラメラメラ

魔王「ふんっ。愚か者め。」

ドシャァッ

勇者「はぁ・・・はぁ・・・」プスプス

勇者(クソッ! 甘かった・・・炎魔法(お説教)に炎魔法(逆ギレ)で立ち向かっても意味がない・・・)

218: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:41:09.20 ID:Cawnoj9AO 魔王「ふふふふふっ。」

勇者「ならばこれだぁ!! 水魔法(説得)!!」

ドバァッ

魔王「ふむ。少しは考えたな。」

勇者「食らえぇぇぇぇ!!」

ドドドドドッ

魔王「だが・・・甘いわぁ!!!!」

ビカビカビカッ

勇者「なっ!! 雷魔法(大激怒)!?」

魔王「カアァァァ!!」

ドカアァァァァン

勇者「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ドシャァッ

勇者「くっ・・・うっ・・・」

魔王「ふっふっふっ。弱い。」

勇者「うぅ・・・・・・」

魔王「そぉら!! まだまだ行くぞぉ!!」

ビカビカビカッ

219: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:42:31.71 ID:Cawnoj9AO 勇者「う、うわっ!!」

ドカアァァァァン

勇者「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

ドカアァァァァン

勇者「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」

ドカアァァァァン

勇者「がはあぁぁぁぁぁ!!」

ドシャァッ

魔王「ふははははっ!! 弱い弱い!! 所詮、その程度かぁ!!」

勇者「はぁ・・・はぁ・・・」プスプス

勇者(耐えるんだ! 雷魔法は最初の一発目(キレ始め)こそ強力だが、二発目、三発目と重ねるにつれて、徐々に威力(語気)が落ちていく! ぐっと堪えて、タイミングを待つんだ!)

ムクッ

220: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:43:17.26 ID:Cawnoj9AO

魔王「つまらん奴よ!! トドメをさしてやろう!!」

バチバチバチッ

勇者「くっ・・・」

勇者(耐えろ!! 耐えるんだ!!)

魔王「カアァァァ!!」

ドカアァァァァン

勇者「ぐあぁぁぁぁぁぁ・・・・・・くっ・・・くっ!!」ギロッ

魔王「ぬっ!?」

勇者「やはり・・・一撃目に比べれば、随分と威力が下がった!!」

魔王「貴様・・・!!」

勇者「元より、貴様は私より魔法(社会経験)において上回る!! そんな貴様に魔法勝負を挑んだのがそもそもの間違い!!」

シャキンッ

221: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:44:37.22 ID:Cawnoj9AO

魔王「ぬっ!! 剣(綺麗事)を抜きおった・・・」

勇者「やはり貴様は、物理攻撃(若さと勢い)で倒す!!」

魔王「くっ!! 物理攻撃!? 我がとうの昔に、不要と見切って捨てたスキルか!!」

勇者「覚悟ぉ!!!!」

ダッ

魔王「ぬぉ!!」

勇者「せいやあぁぁぁぁぁ!!!!」

キン キン キン

魔王「うっ・・・ぐっ・・・」

キン キン キン

勇者「そこだぁ!!」

ザシュッ

魔王「ぐはあぁ!!」

ドシャァッ

勇者「はぁ・・・はぁ・・・よ、よしっ!!」

魔王「うっ・・・おのれ・・・貴様ぁ・・・」

222: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:45:26.21 ID:Cawnoj9AO 勇者「トドメだぁ!!」

ダッ

魔王「ぬぅ!! さ、させるかぁ!!」

バッ

キラキラキラキラキラ

勇者「なっ!? ひ、光魔法(母の涙)だと!?」

魔王「はははははっ!! 正義の味方(正直者)である貴様にとって、この光魔法はかえって強力であろう!!」

キラキラキラキラキラ

勇者「ぐっ・・・うぅ・・・」

魔王「はははははっ!! 更にコイツでどうだぁ!?」

ドロドロドロ

勇者「なっ・・・や、闇魔法(昔の事を蒸し返す)!? クソォ!! 貴様、手段を選ばぬ気かぁ!!!?」

223: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:46:30.76 ID:Cawnoj9AO 魔王「当然だ!! 我は魔王(保護者)!! どんな手を使ってでも、貴様の勝利(我が子の暴走)を阻んでみせよう!!」

ゴゴゴゴゴッ

勇者「ぐあぁぁぁぁぁぁ!! こ、心が・・・心がぁ・・・闇に犯されそう(言い負かされそう)だ!!!!」

魔王「ふっはっはっはっはっ!! 形勢逆転だな勇者よ!!」

勇者「あっ・・・くっ・・・がはっ・・・」ガクガクガク

魔王「死ねぇ(受験に専念しろぉ)!!!!」

ズゴゴゴゴゴゴッ

224: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:47:27.67 ID:Cawnoj9AO

勇者(くっ・・・・・・もはやここまで・・・もう、HP(口論のネタを考える気力)も残っていない。)

ズゴゴゴゴゴゴッ

勇者(こうなれば・・・最後の手段だ!!)

ポイ ポイ ポイ

ガシャン ガシャン ガシャン

魔王「何!? 武具を捨て始めた(泣き出した)!?」

勇者「すぅ・・・はぁ・・・すぅ・・・はぁ・・・」

魔王「貴様・・・・・・」

勇者「剣だけを残し・・・・・・全武装解除(号泣)!!!!」

ゴゴゴゴゴッ

魔王「ほう・・・捨て身(一生のお願い)か・・・・・・」

225: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:48:24.61 ID:Cawnoj9AO

勇者「あぁ、そうさ。これに全てをかける・・・」

魔王「面白い・・・我もかつての勇者(若い時はあった)。貴様のその魂、全力で受け止めてみたくなったわ。」

勇者「いざ・・・」

ザッ

魔王「・・・・・・来い!!!!」

勇者「おおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ダダダダダッ

魔王「ぬあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ダダダダダッ

勇者「伝説の最強物理攻撃!!!!」

シャキンッ

勇者「魂丸(懇願)斬りいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!」

ズドオォォォォォォン

226: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:54:05.28 ID:Cawnoj9AO 7月21日 長野県 茅野市

バスアナウンス「終点・茅野でございます。本日もSS交通をご利用いただき、誠にありがとうございます。」

プシュー

ゾロゾロ

A子「ふぁ~」ノビー

非リア「着いたね。」

A子「4、5年振りぐらいかなぁ、長野来んのぉ。」

非リア「もっと涼しいかと思ってたけど、意外と暑いんだね。」

A子「ここは平地だからねぇ。今から行くトコはぁ、標高2000メートルぐらいの場所だからぁ、向こう着けばもっと涼しいよぉ。」

非リア「うわぁ、すごい場所なんだねぇ! どうやって行くの?」

227: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:55:34.25 ID:Cawnoj9AO A子「普通に路線バスで一時間ぐらいだよぉ。そこの交通センターでチケット買うのぉ。」

非リア「あっ、そうなんだ。」

A子「買いに行こぉ。」

非リア「うん。」

テクテクテク

A子(うぅわぁ、あたしついに非リア君と長野来ちゃったしぃ。なんか信じらんない。)

非リア「次のバスまで20分か。」

A子「そうだねぇ。座って待ってよぉ。」

非リア「うん。」

A子「ついに来ちゃったねぇ、長野ぉ。」

非リア「どうにかねぇ。長い道のりだったよ。」

228: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:56:25.47 ID:Cawnoj9AO A子「ホントだねぇ。5日間、ブッ続けで親と喧嘩してぇ、志望校落ちたら浪人せず就職するって条件でぇ、どーーーにか許してもらえたしぃ。」

非リア「ホント、どーーーにかね。僕の場合、更に期末テストで全科目90点代取るって条件もあったし。もう、吐きそうになりながら勉強したよ。」

A子「・・・・・・ねぇ、非リア君。」

非リア「ん?」

A子「先に言っとくねぇ。」

非リア「何を?」

229: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 12:57:09.22 ID:Cawnoj9AO A子「もしあたしが志望校落ちて就職する事になってもぉ、『ごめんね』とかぁ『僕の為に』とかぁ、そういう事言うのぉ、絶対禁止ねぇ。」

非リア「うっ・・・言ってしまいそう・・・」

A子「絶っっっ対ダメだしぃ。言わせないぃ。あたしが選んだ事なんだからぁ。非リア君に責任なんて感じさせてあげないしぃ。」

非リア「う~・・・」

A子「それだけは覚えといてねぇ。あっ、バス来たよぉ。」

非リア「えっ? あっ、ホントだ。」

ブロロロロロ

プシュー

231:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/14(木) 13:00:04.71 ID:rt7DY0JSO アカン A子に惚れそう

233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/06/14(木) 13:44:57.60 ID:mPVuGmtWo Aビッチだったのに可愛い悔しい

236: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:07:19.37 ID:Cawnoj9AO 高原の自然公園 入口

プシュー

非リア「うわぁ、すごい。綺麗な高原だねぇ。ホントに駅前と違って、こっちはかなり涼しいんだね。」

A子「この入口で標高1500メートルぐらいだったかなぁ? あの山頂が2000メートルなんだよねぇ。スカイツリー3本分以上の高さだよぉ。」

非リア「そうかぁ。そうやって例えられると、改めてすごいトコに来たんだって実感が沸くなぁ。」

A子「だよねぇ。」

非リア「あっ、ところで、バスはここが終点みたいだけど、バイト先のペンションって、この近くなの?」

A子「ここから車で5分ぐらいだったかなぁ。オーナーが迎えに来てくれるらしいけどぉ。」

237: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:08:47.10 ID:Cawnoj9AO 非リア「あっ、そうなんだ。どこかなぁ?」キョロキョロ

A子「えっとねぇ・・・・・・何かぁ、灰色のハイエース?って言ってたけどぉ・・・分かるぅ?」

非リア「あ、うん。ハイエースは知ってるよ・・・あっ、あれじゃない?」チョイチョイ

A子「あれぇ? あの大きいヤツぅ?」

非リア「うん、そうそう。四角くて大きい・・・あっ、人が降りて来たよ。」

A子「あっ! オーナーだぁ! うわぁ、全然変わってないしぃ!」

オーナー「え~っと、バイトに応募してくれたA子ちゃんと、非リア君かな?」

238: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:09:41.76 ID:Cawnoj9AO

A子「はぁい。」

非リア「あっ、ははは、はい。」

オーナーの車中

オーナー「いやぁ、A子ちゃん大きくなったねぇ。一瞬、分からなかったよ。」

A子「えっ? あたしの事ぉ、覚えてるんですかぁ?」

オーナー「覚えてるよぉ。昔、ご家族でよく来てくれてただろう?」

A子「あぁ、はい。そうですそうですぅ。」

オーナー「昔来てくれていた子供さんが、大きくなったらバイトに来てくれるなんて、こんな嬉しい話はないねぇ。しかも彼氏まで連れて。」

A子「あはっ。」

239: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:10:33.38 ID:Cawnoj9AO 非リア「いや、あの・・・かかか、彼氏じゃありません。」

A子「・・・。」チーン

オーナー「おや? 違うのかい?」

非リア「はい。とと、友達です。」

オーナー「なんだ、そうか。すっかりカップルだと思い込んでたよ。」

A子「・・・。」ゴーン

オーナー「さぁ、そうこうしてる間に、着いたよ。」

バタン

A子「あ~、超懐かしいしぃ。全然変わってなぁい。」

非リア「お、お、オシャレなペンションですね。」

オーナー「はっはっはっ。ありがとう。さぁ、中へ入って。」

240: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:11:27.85 ID:Cawnoj9AO ペンション『さんらいず』

オーナー妻「よく来たわねぇ。あらぁ、A子ちゃん大きくなっちゃってぇ。」

A子「お久しぶりですぅ。奥さんもぉ、覚えてくれてるんですかぁ?」

オーナー妻「もちろんよ。A子ちゃん、2歳ぐらいの頃から毎年家族で来てくれてたじゃない。忘れるワケないわ。ご家族はお元気?」

A子「あっ、はい。超元気ですよぉ。あたしが中学入って反抗期んなっちゃったからぁ、家族で来る事なくなっちゃいましたけどぉ、今でもリビングにこのペンションで撮った写真、飾ってるしぃ。」

241: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:12:22.56 ID:Cawnoj9AO

オーナー妻「あらあら、光栄ね。そして今年は、彼氏を連れてバイトに来てくれるなんて。」

A子「あはっ。」

非リア「あっ、すすす、すいません。ぼぼ、僕は・・・」

オーナー「彼氏じゃないらしいよ。」

A子「・・・。」チーン

オーナー妻「あら、そうなの? でも、一緒にバイトに来てくれるなんて、よほど仲の良いお友達なのね。」

非リア「あっ、はは、はい。だだだ、大事な友達です。」

A子「・・・。」ゴ―ン

オーナー「よし。じゃあ今、午後3時だね。4時になったら夕食の準備に取りかかろう。確か、A子ちゃんが配膳、非リア君が調理補助をそれぞれ希望だったね?」

242: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:13:48.86 ID:Cawnoj9AO

A子「あっ、はい。そうですぅ。」

オーナー「よし。じゃあ、4時になったら仕事を始めよう。それまでは自由にしてくれて良いよ。それで、君達の部屋なんだけどね、うちにはバイト部屋が一つしかないんだ。」

A子(マジぃ? 非リア君と相部屋ぁ?)ニヤニヤ

オーナー「だから、バイト部屋はA子ちゃんに使ってもらって、非リア君は悪いんだけど、離れを使ってもらえるかな?」

A子「・・・。」ガクッ

非リア「あっ、はい。わわわ、分かりました。」

オーナー「普段は物置なんだけど、ちゃんと寝泊まりできるように整理はしといたから。ごめんね。」

非リア「い、いえ。ぼぼぼ、僕はどこでも、かま、構いませんから。」

244: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:14:43.57 ID:Cawnoj9AO

午後6時半 厨房

オーナー妻「はい、非リア君。このお皿達に順に盛り付けていって。」サッ

非リア「はは、はい!」テキパキ

オーナー「盛り付け終えたらこっちへ回して。」

ガチャッ

A子「4番テーブルさん、魚料理完了ですぅ!」

オーナー「OK! じゃあ6番さんは僕が行くから、次は5番さんのご両親とお姉ちゃんにレギュラーサイズ、弟君にキッズサイズ、それぞれ持って行って。」

A子「はぁい!」スタスタ

非リア「さささ、魚料理、ぜぜ、全部盛り付け完了です!」

245: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:15:54.95 ID:Cawnoj9AO オーナー妻「はいはい。ありがとう。じゃあ、お次はこの肉料理に野菜を盛り付けていって。」

非リア「わわ、分かりました!」テキパキ

ガチャッ

A子「5番さん完了でぇす! 」

オーナー「A子ちゃん。空いてるお皿があったら下げてきて。多分、そろそろ2番さん辺りのサラダが空く頃だから。」

A子「はぁい!」スタスタ

オーナー「いやぁ、良いね、君達。」

非リア「えっ? なな、何がですか?」

オーナー妻「非リア君もA子ちゃんも、作業の覚えが早くて助かるって話よ。」

非リア「いや・・・そそそ、そんな・・・」

246: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:17:46.87 ID:Cawnoj9AO オーナー「いや、ホントだよ。うちは大手求人サイトには広告を出してないから、僕のブログやホームページをたまたま見た人からの応募を待つしかないんだ。今年は君達以外の応募がなくてねぇ。これでもし、トンチンカンな子達だったらどうしようって、内心不安もあったんだけど、これは大当たりだなぁ。」

非リア「きき、恐縮です。」

ガチャッ

A子「お皿下げてきましたぁ!」

オーナー「ほい、ご苦労さん。じゃあお次は・・・」

248: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:27:28.02 ID:Cawnoj9AO 午後8時

A子「ごちそうさまでしたぁ。」

非リア「ごご、ごち、ごちそうさまでした。」

オーナー妻「はい、お粗末さま。お皿は後で全部洗っちゃうから、流しに置いといてくれて良いわよ。」

A子「はぁい。」

非リア「お、おね、お願いします。」

オーナー「二人はタバコの臭いは平気?」

A子「あっ、はい。私以外、家族みんな吸ってるんで。」

非リア「ぼぼ、僕も平気です。」

オーナー「ごめんね、失礼するよ。」

シュポッ

オーナー「ふぅ~。君達はタバコ吸わないの?」

249: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:28:06.89 ID:Cawnoj9AO

オーナー妻「ちょっと。未成年に何訊いてるのよ。」

A子「吸わないですぅ。家族みんな『一月のタバコ代もバカにならない』とか言ってるんでぇ、お金かかるんならやめとこぉみたいな。」

オーナー「はははっ。それはまさにそうだね。うん、大正解だよ。」

非リア(DQNもそんな事言ってたなぁ。)

オーナー妻「そう思うなら禁煙してよね。」

オーナー「勿論。今度生まれ変わったら禁煙するよ。」

オーナー妻「もう。」

A子「キャハハハ! ウケるそれぇ。」

250: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:28:49.78 ID:Cawnoj9AO オーナー「出た、“ウケる”。ホントに最近の娘はそう言うんだねぇ。」

A子「超言いますよぉ。“面白い”より言いやすいですしぃ。」

オーナー「なるほどねぇ。」

オーナー妻「ねぇ。ちょっと訊いても良いかしら?」

A子「何ですかぁ?」

オーナー妻「アナタ達、どうしてこの時期にバイトをしようと思ったの? 高三の子がこの時期にバイトに来るのって、初めてだから少し気になってね。」

A子「あっ・・・え~、えっとぉ・・・」チラッ

非リア「・・・とと、友達のバイクを、しし、修理する為です。」

251: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:29:29.03 ID:Cawnoj9AO オーナー「友達のバイク?」

A子「あれ? 言っちゃう系?」

非リア「う、うん。ががが、学校で言い広めるのは良くないけど、お、オーナーさん達には別に良いかなって。う、嘘はできるだけ、つき、つきたくないから。」

A子「そっかぁ。そうだねぇ。」

オーナー夫妻「?」

非リア「じ、実は・・・」

252: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:30:54.56 ID:Cawnoj9AO オーナー「なるほどねぇ。その為にバイトを。」

オーナー妻「アナタ達、本当に良い子なのね。おばさん、ちょっとウルっときちゃったわ。」

非リア「いえ、そそ、そんな。ぼ、僕は頭も良くないし、けけ、喧嘩もできないから、こんな時ぐらいしか、かかか、彼の役には立てなくて。」

オーナー「いや、もうその気持ちがすごいじゃないか。そんな友達想いの子、そうそういないよ。そのDQN君って子も、お母さんの負担を減らす為にバイトを頑張るなんて、素晴らしい子だね。」

253: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:32:24.35 ID:Cawnoj9AO 非リア「で、でも、最近DQNは熱くなりすぎてると思います。こ、このバイクを渡す事で、すす、少しでもDQNに頭を冷やしてもらえたらと、思いまして。」

A子「頭を冷やすぅ?」

非リア「どど、DQNはお母さんが倒れた日以来、ば、バイトを頑張るようになったけど、その・・・ばば、バイトの為に学校を休む回数が、日に日に増えていったでしょ? きき、きっと、バイク代の60万を返済に充てた事で、い、勢いがついてしまったんじゃないかと思うんだ。」

254: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:34:05.80 ID:Cawnoj9AO オーナー「そうだろうねぇ。その60万を使ったお陰で、借金150万が一気に90万に減ったんだ。0が一つ無くなれば、気持ちの面でかなり変わるだろうし。」

非リア「はい。そそそ、そうなった時、あ、安心して手を抜く人と、勢いづく人とに別れると思いますが、どどど、DQNは間違いなく後者でして。」

A子「・・・。」

オーナー妻「私も後者ね。アナタは・・・」

オーナー「ははっ。お恥ずかしながら、前者だね。」

255: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:35:11.08 ID:Cawnoj9AO 非リア「ひ、人それぞれのペースですしね。たたた、ただ、一学期は後半からそういう風になったからどうにか乗り切れましたけど、にに、二学期もあんなペースで続けていったら、確実に出席が足りなくなってしまいます。」

オーナー「確かに。」

非リア「こここ、この事を僕が普通に忠告しても、きき、きっと彼は『何とかなるって』とか言って、ままま、真面目には聞かないと思うんです。む、昔から向こう見ずな性格だから。」

A子「・・・。」

非リア「ぼ、僕の忠告を聞き入れさせるには、かか、彼の注意を引く“何か”が必要なんです。」

256: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:36:53.41 ID:Cawnoj9AO オーナー妻「その“何か”が、バイクなのね?」

非リア「はい。う、上手く言えませんけど、バイクを渡す事で、ふり、振り向いてくれるというか・・・」

オーナー「分かるよ。変な言い方だけど、バイクという“恩”を売る事で、恩人である非リア君達の言う事を聞かざるを得ないようにするんだね。」

非リア「そそ、そうです。と、友達を相手に駆け引きとか、よよよ、良くない事ですけど。」

オーナー妻「いえ、そんな事はないわよ。だって、それは下心のある駆け引きじゃないもの。全て相手の事を思ってするんでしょ? それはね、至極正しい駆け引きよ。あなたは何も間違ってないわ。」

257: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:37:53.14 ID:Cawnoj9AO 非リア「ありがとうございます。そ、そう言ってもらえると、すすす、少し安心できます。」

A子「最初からそこまで考えてたのぉ? その駆け引きの話とかぁ、初耳なんだけどぉ。」

非リア「いや、さささ、最初はホントにDQNの為に何かしたいって気持ちだけだったよ。でで、でも、DQNが学校を休む日が増えるにつれて、こ、このバイクにはそういう役割もあるんだって気付いたんだ。」

A子「そっかぁ。」

オーナー「そのサプライズが上手くいく事を祈ってるよ。」

非リア「ありがとうございます。」

オーナー妻「その為にも、明日から張り切って働かなきゃね。」

非リア「はい。」

オーナー「明日は朝6時半にこの厨房に集合してね。お客さんの朝食の配膳から始めるから。」

A子「はぁい。」

非リア「分かりました。」

258: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:44:46.14 ID:Cawnoj9AO 午後11時 A子のバイト部屋

ゴロン

A子「・・・。」

(『DQNは間違いなく後者でして。』)

A子「・・・。」

(『昔から向こう見ずな性格だから。』)

A子(DQNの事は全部お見通しかぁ・・・)

A子「はぁ~・・・」

A子(良いなぁ、DQN。非リア君にあんなに想ってもらえてぇ。)

A子「・・・はぁ~。男に妬くなA子ぉ。情けないぞぉ。」

A子(そうだよ。あの二人は中学からの友達なんだしぃ。付き合いの浅いあたしにはまだまだ及ばない事もあるっつーの。でもぉ、それが諦める理由にはならないよねぇ。)

A子「負けないしぃ。見てろよぉDQN!」

259: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:45:41.65 ID:Cawnoj9AO 同時刻 国道沿いの牛丼屋

DQN「ぶえっくしょん!」

店長「こら、DQN! くしゃみする時は手で口を押さえろ!」

DQN「うっす。すんません。」ずずっ

店長「お客さんがいなかったから良かったけどな、飲食店じゃ、そういう咳やくしゃみのマナーが大事なんだ。」

DQN「あい。了解っス。」

店長「しかし盛大なくしゃみだったな。誰かに噂されてたんじゃないか?」

DQN「きっとアレっすよ。板野友美が『DQN君に抱かれたいわぁ』って言ってたんすよ。」

店長「はははははっ! バカ言ってんじゃねぇよ!」

DQN「『いやぁ、ここまで抱かれたい人も珍しい』って。」

店長「いやいやいや、どこまで抱かれたい人なら珍しくないんだよ!」

DQN「へへへへっ。」

260: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:47:19.14 ID:Cawnoj9AO 翌日 午前9時 ペンション『さんらいず』

ガチャッ

A子「はぁい、これで全席食器下げ終わりましたぁ。」

オーナー「ご苦労さん。じゃあ、このダスターでランチョンマットを全部拭いて、重ねて持って来て。」サッ

A子「はぁい。」スタスタスタ

オーナー妻「非リア君、食洗機まだ入る?」

非リア「あっ、はい。ままま、まだ大皿4枚ぐらいは入ります。」

オーナー妻「OK。じゃあA子ちゃんの下げてくれたヤツ、まとめて入れて回しちゃって。」

非リア「はい。」ガチャガチャ

261: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:49:32.90 ID:Cawnoj9AO オーナー「どう? 夕食に比べると、朝食は結構簡単でしょ?」

非リア「は、はい。こここ、コース料理じゃないですしね。」

オーナー「うん。モーニングプレートって形で一気に出しちゃうからね。」

非リア「そ、そうですね。」

オーナー「A子ちゃんのランチョンマットが終わったら僕らも朝食にしよう。」

非リア「はい。わわわ、分かりました。」

ガチャッ

A子「ランチョンマット終わりましたぁ。」

オーナー「お疲れさん。そこに置いといて。」

A子「はぁい。」ドサッ

オーナー「よし。じゃあ、これからの流れを説明しとくよ。」

非リア「はい。」

A子「はぁい。」

262: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:50:51.00 ID:Cawnoj9AO オーナー「まず、この後は朝食。それが終わったら今日お帰りのお客さんの部屋の掃除とベッドメイク。その後はペンション全体の掃除。ダイニングとか風呂とかトイレとかね。それが終わる頃にはだいたい正午だから、昼食。その後は麓の町まで買い出し。買い出しから戻ってくるのはだいたい2時頃だね。そんで、2時~4時までは特にやる事もないから休憩。自由にしてくれて良いよ。そして4時からは昨日と同じようにお客さんの夕食の準備。これがここでの1日の流れになるね。」

非リア「わわ、分かりました。」

A子「分かりましたぁ。」

263: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:54:00.18 ID:Cawnoj9AO 同日 正午 私立Vip高校の近くのファミレス

B子「あづい~」

C子「今日特に暑いねぇ。」

B子「海行きてぇ~」

C子「今年は無理だねぇ。」

シュポ

B子「ふぅ~」

C子「あれぇ? 禁煙したんじゃなかったっけぇ?」

B子「もう無理ぃ。こんだけストレス溜めて頑張ってんだからぁ、タバコぐらい吸わしてよぉ。」

C子「まぁ、仕方ないかぁ。」

B子「受験勉強って何なのぉ? マジ地獄すぎんだけどぉ。こんなん許されるワケぇ?」

C子「だよねぇ。あたしさぁ、こないだ夢ん中でも模試受けててぇ、起きた時マジ凹んだわぁ。」

B子「うわぁ、それ最悪ぅ。せめて夢の中ぐらいそっとしといて欲しいよねぇ。」

C子「あ~あ、あたしらがこんな地獄見てる時にぃ、A子と非リア君は長野の高原でイチャイチャしてんだよぉ。」

264: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:54:48.17 ID:Cawnoj9AO B子「二人が長野行ってどんぐらい経つっけぇ?」

C子「今日でぇ・・・1週間だねぇ。」

B子「良いなぁ。あたしも長野行きてぇ。」

C子「長野、海ないじゃん。」

B子「良いのぉ。海でも山でも良いからぁ、勉強しなくて良いトコに行きたいぃ。」

C子「・・・・・・あの二人さぁ、マジで付き合ってないのかなぁ?」

B子「やっぱ気になるぅ?」

C子「そりゃぁなりますよぉ。」

B子「だよねぇ。でもさぁ、あたし的にぃ、付き合ってないってのはマジだと思うんだぁ。」

C子「そうなのぉ?」

265: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 14:56:50.83 ID:Cawnoj9AO B子「前に訊いた時ぃ、非リア君超バッサリ『付き合ってない』って言ったじゃん? あの言い方はどうもウソと思えないんだよねぇ。」

C子「あぁ~、確かにぃ。非リア君、そんなにウソ上手くなさげだしねぇ。」

B子「だからぁ、A子が非リア君に片想い中なんじゃないかなぁって思うワケぇ。」

C子「ん~、なるほどねぇ。非リア君はA子に興味ないのかなぁ?」

B子「う~ん、非リア君がどう思ってるかは分かんないよぉ。ただぁ、A子が非リア君に片想いしてんならぁ、男C・Dん時にぃ、非リア君のゲイ疑惑を気にしてた事も納得じゃね? それにぃ、今回の長野のバイトもぉ、A子が昔家族でよく行ってたペンションなんだってぇ。って事はぁ、確実にA子が非リア君を誘ったワケじゃん?」

266: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:04:16.20 ID:Cawnoj9AO C子「そうなるねぇ。」

B子「A子って何気にちょっとロマンチストなトコあんじゃん? 自分のお気に入りの場所にぃ、好きな人と一緒に行きたいぃみたいなぁ。」

C子「生まれた~ま~ちの あの白さを~♪」

B子「あなたに~も~見せたい~♪」

B子・C子「「会いたいから~あ~ 恋~しくて~♪」」

B子「的な?」

C子「キャハハハハッ! ウケるぅ! ってか、生まれた町じゃないじゃん。」

B子「いや、そうだけどぉ、ほらぁ、何かそういう感じぃ。分かるぅ?」

267: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:04:43.40 ID:Cawnoj9AO C子「分かる分かる。なるほどぉ。そういう見方があったかぁ。」

B子「そうなんじゃないかなぁって。まぁ、分かんないけどねぇ。」

C子「・・・・・・ねぇ、B子ぉ。ぶっちゃけぇ、非リア君と付き合えるぅ?」

B子「ん~、付き合えるよぉ。あたしねぇ、あの一件以来ぃ、ちょっと非リア君の見方が変わってきたんだぁ。」

C子「あの一件ってぇ、罰ゲでコクった事ぉ?」

B子「そうそう。」

268: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:05:29.33 ID:Cawnoj9AO C子「やっぱりぃ? あたしもそうなんだよねぇ。DQNから仕返しされてぇ、自分らがどんだけエグい事したかぁ、痛感したじゃん? もう絶対許してもらえないって思ってたのにぃ・・・」

B子「そうそうそう。許すどころかぁ、あたしらの心配までしてくれてぇ。あの優しさはちょっと来たなぁ。」

C子「あたしはアレぇ。シュークリーム一緒に食べようって言ってくれた時ぃ。」

B子「あぁ、うん。アレは来た。ヤバかった。」

C子「濡れた?」

B子「軽く、って何言わしとんじゃい!」

C子「キャハハハハッ!」

269: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:06:38.72 ID:Cawnoj9AO B子「まぁ、そういう事ですよ。だからぁ、“A子片想い説”って全然有り得るんじゃないかなぁって思うのぉ。」

C子「なるほどねぇ。って事はさぁ、このバイトから帰って来たらぁ、何か動きがあるかもだねぇ。」

B子「あるかもねぇ。」

C子「ちょっと楽しみかも、それ。」

B子「だねぇ。あっ、言ってる間にそろそろ1時じゃん。昼休み終わりだしぃ。」

C子「うわぁ、萎えるなぁ。また予備校という名の牢屋に戻されるのかぁ。」

270: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:11:32.00 ID:Cawnoj9AO バイト8日目 午後1時 ペンション『さんらいず』

非リア「えっ? ごご、5時まで自由ですか?」

A子「長っ!」

オーナー「そうなんだ。今日はお客さん一組しかいないから、夕食の準備も5時で全然間に合うんだ。食材も昨日の買い出し分で十分だし、今日は買い出しの必要がなくてね。だから、今日は1時~5時まで自由。まぁ、この仕事はたまにこういう大きな無風地帯ができるもんなんだよ。」

非リア「はぁ・・・」

オーナー「勿論、時給は普段通り、二時間休憩の扱いで付けるから安心して。」

271: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:12:03.21 ID:Cawnoj9AO A子「えっ? マジですか?」

非リア「い、良いんですか?」

オーナー「良いよ良いよ。こうやってヒマな時間ができるのは誰のせいでもないんだし。それに、君達はよく働いてくれるから、この8日間、ホントに助かってるんだ。これはボーナスだと思っといて。」

A子「やったぁ。ありがとうございますぅ。」

非リア「あり、あり、ありがとうございます。」

オーナー「どういたしまして。ところで、ここからの4時間、どうやって過ごすつもり?」

非リア「あっ、ふ、普通に、いつもの休憩と同じように、へへへ、部屋で勉強します。」

272: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:13:06.79 ID:Cawnoj9AO A子「え~? マジぃ?」ゲンナリ

オーナー「はははっ。真面目だね。まぁ、確かに本来なら受験勉強してる時にバイトに来てるんだし、空いた時間で少しでもそれを補うってのは大事な事だけどね。ただね、もし良かったら、二人で高原の自然公園に行ってきたらどうかなと思うんだけど?」

非リア「しし、自然公園ですか?」

A子「あっ、それ超行きたいしぃ。」

オーナー「勿論、無理強いはしないよ。受験勉強が大事なのは百も承知だからね。ただ、せっかく夏のシーズンにうちに来てくれて、こうやって時間が余ったんなら、是非この地域の名物である、高原の景色を満喫して欲しいなぁと思ってね。」

273: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:14:05.92 ID:Cawnoj9AO 非リア「はぁ・・・。」

A子「ねぇ~非リア君、行こうよぉ。マジで山頂からの景色、ヤバいぐらい綺麗なのぉ。あたし行きたいしぃ。」ユサユサ

非リア「うわぁ、あっ、ちょ、揺すらないでぇ」グワングワン

オーナー「もし行くんだったら、商工会のスタッフパスを貸してあげるよ。それがあればリフト代もタダになるから。」

A子「はい。行きまぁす。非リア君、行くよねぇ?」

非リア「えっ? あ、はぁ。い、い、行きます。」

オーナー「公園までは無料送迎バスがこの辺りを巡回してるから、それに乗ってくと良いよ。」

274: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:14:54.23 ID:Cawnoj9AO A子「オッケーでぇす。あ、それとぉ、スタッフパスはなくて大丈夫ですよぉ。」

オーナー「おっ? 何? 歩いて登るの?」

非リア「えっ!?」

A子「はい。やっぱぁ、ここの高原は歩いて登ってなんぼかなぁって思うんでぇ。」

オーナー「そっかぁ。うん、関心関心。歩けば片道1時間ぐらいだしね。まぁまぁ良い運動になるよ。」

非リア「い、1時間!?」

275: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:20:57.53 ID:Cawnoj9AO 自然公園 登山道

ぜぇ ぜぇ

はぁ はぁ

A子「非リア君遅いしぃ。」

非リア「ちょ、ちょっと待って・・・ぜぇ・・・・・・何でそんな・・・はぁ・・・・・・元気なの・・・」ヒィヒィ

A子「何でってぇ・・・・・・若さ?」

非リア「ぜぇ・・・同い年でしょ!」

A子「ってかまだ登り出して10分だしぃ。10分じゃさすがにバテなくね?」

非リア「って事は・・・はぁ・・・・・・あと50分!?」クラクラァ

A子「さぁ、アゲアゲで行くよぉ。」タッタカ タッタカ

非リア「ま、待ってぇ・・・ぜぇ・・・ゲッホ」

276: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:21:53.26 ID:Cawnoj9AO A子「昔さぁ、家族で毎年来ててぇ、来る度にこうやって歩いて登ってたんだぁ。」タッタカ タッタカ

非リア「そ・・・はぁ・・・そうなんだ。」ヒィコラ ヒィコラ

A子「木とか生えまくりの普通の山はさぁ、あたしもそんな登るの好きじゃないんだぁ。何かジメジメしてんじゃん? そんでぇ、自分がどんだけ登ってきたかってのもぉ、分かりにくいじゃん? でもさぁ、ここは高原で見晴らし良いしぃ、涼しいしぃ、景色とか超キレイだから登るの苦じゃないんだよねぇ。」タッタカ タッタカ

277: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:22:46.31 ID:Cawnoj9AO 非リア「・・・それは分かる・・・けど・・・・・・はぁ・・・しんどさは変わらないよね・・・ぜぇ・・・」ヒィコラ ヒィコラ

A子「ほれ、ファイットぉ!」タッタカ タッタカ

非リア「・・・イッパァァツ・・・ゲッホ」ヒィコラ ヒィコラ

A子「よぉし! 来たぁ!」タッタカ タッタカ

非リア「さ・・・山頂?・・・はぁ」ヒィコラ ヒィコラ

A子「ううん、中腹ぅ。あと半分だしぃ。」

非リア「ヒイィィィィィ!!」

278: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:24:42.56 ID:Cawnoj9AO A子「はぁ・・・・・・つ・・・着いたぁ・・・ぜぇ」

非リア「・・・」フラフラァ

A子「非リア君・・・山頂着いたよぉ!」

非リア「・・・・・・やったぁ・・・ゲッホゲッホ」

A子「はぁ・・・・・・標高1952メートルぅ。約2000!」

非リア「ぜぇ・・・はぁ・・・・・・ぜぇ・・・」

A子「ねぇ、こっち来てぇ。向こうの崖っぷちぃ。あそこが一番見晴らし良いんだよぉ。」スタスタ

非リア「あっ、うん。」スタスタ

非リア「うわぁ・・・」

A子「すごいっしょぉ?」

279: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:30:21.81 ID:Cawnoj9AO 非リア「すごい・・・町がジオラマみたいだ・・・」

279

A子「あの辺のさぁ、ちょっと建物がごちゃごちゃしてる場所あんじゃん? あそこが高速バス降りた茅野駅だよぉ。」

非リア「うわぁ、すごいなぁ・・・なんか、改めてとんでもないトコに来たって実感するよ。」

ビュウゥゥゥ

非リア「わっ! な、何、この白い煙?」

A子「あぁ、これぇ? これねぇ、雲ぉ。」

非リア「えっ!? 雲!? 僕ら、雲と同じ高さにいるの!?」

A子「そうだよぉ。」

非リア「・・・・・・。」

A子「感動しちゃった系?」

280: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:32:57.36 ID:Cawnoj9AO 非リア「・・・・・・もう、言葉が出ないや。」

A子「ふふふ。」

非リア「すごいなぁ・・・」

A子「ここねぇ、冬になったら雪積もってぇ、ゲレンデになんのぉ。」

非リア「へぇ。そうなんだ。雪の積もったこの景色もキレイだろうねぇ。」

A子「うん。すごいよぉ。またそん時はぁ、二人で一緒に来ようねぇ。」

非リア「うん・・・・・・えっ?」

A子「二人で。」

非リア「・・・う、うん。」

A子「あはっ。やったぁ。まぁ、あたしスキーもボードもできないけどねぇ。」

非リア「僕もやった事ないよ。」

281: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:34:21.64 ID:Cawnoj9AO A子「下手クソ同士でちょうど良いね。」

非リア「あっ、DQNは確かボード上手いみたいだよ。DQNも一緒n」

A子「イヤ!」

非リア「!!」ビクッ

A子「ふ・た・り が良いのぉ。」

非リア「そ、そう?」オロオロ

A子「約束ぅ。」スッ

非リア「あっ・・・はい。」スッ

キュッ

A子「指切りね。」

非リア「・・・うん。」

A子「・・・。」

非リア「・・・。」

A子「・・・。」

非リア「・・・。」

A子「・・・帰ろっかぁ。」

非リア「うん。うわっ!」グイッ

282: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 15:35:07.31 ID:Cawnoj9AO 非リア「ちょ、ちょっと! 指切り離してよ!」ワタワタ

A子「ダメだしぃ。固い約束だから簡単には離しませぇん。」

非リア「ちょ! せめて反対の手にしてよ! 歩きにくいから!」ヨタヨタ

A子「キャハハハハッ! その歩き方ウケるぅ!」

非リア「あわわわわっ!」ワタタタ

A子「あっ、そうだぁ。」

非リア「えっ? 何?」

A子「スタッフパス持ってきてないからぁ、帰りも歩きねぇ。」

非リア「ヒイィィィィィ!!」

284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/14(木) 15:43:57.15 ID:U1bhve3zo A子マジがんばれ

298: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:27:25.94 ID:Cawnoj9AO 朝 国道沿いの牛丼屋

DQN「おはざっす。」

店長「おぅ、DQN。悪いな、早くに来てもらって。」

DQN「いや、良いっすけど。何なんすか? 話あるから30分早めに来いとかって。」

店長「ん~、その、何だ、お前さぁ、借金返す為に最近、出勤の回数増やしてるんだよな?」

DQN「はい。そうっすよ。」

店長「で、高校卒業後は進学せず、うちでバイトしながら職を探すつもりなんだっけ?」

DQN「そうっすね・・・・・・って、どうしたんすか?」

店長「いや、それならさ、いっそ、うちに就職したらどうかと思ってな。」

299: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:27:52.54 ID:Cawnoj9AO DQN「えっ!?」

店長「お前、ホントに頑張ってるし、お前が朝の枠に入るようになってから、朝の常連さんが増えてきてるんだよ。」

DQN「えっ? そうっすか?」

店長「うん。お前、夜の時間帯の時もそうだけど、年配のお客さんに話しかけるだろ? あれを気に入って下さってる人が多いんだ。ほら、年配の世代の人たちって、店員と話したがる人が多いだろ?」

DQN「そうっすね。」

店長「でも一方で、若いお客さんには話しかけてないよな? あれも正解だと思う。若い世代のお客さんは、店員にベタベタされるのを嫌うからな。お前、あれは意識してやってんのか? 」

300: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:28:56.43 ID:Cawnoj9AO DQN「いや・・・・・・別に何も考えてないっすね。ただ、おっちゃんの方が何となく話しやすいっつうか。」

店長「そうかそうか。お前と喋る事を目当てに来てくれる常連さん、朝から夜までの中で、俺が思い付くだけでも10人以上はいるぞ。」

DQN「えっ? そんなにいます? えっと、あの人とあの人と・・・・・・」ひぃ ふぅ みぃ

DQN「あ~、そうっすね。そんぐらいはいるかなぁ、いっつも来る度に喋ってくれる人。」

店長「俺はそれを見てな、関心してたんだ。なかなか接客って物を分かってるなぁと。しかも、お前はそうやって喋りながらでも、絶対手は休めない。必ず何かテキパキ仕事しながらお客さんと喋る。あれはなぁ、なかなか見事だぞ。」

301: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:29:47.60 ID:Cawnoj9AO DQN「へへっ。どうもっす。」

店長「それでだ、昨日の昼も、そういうお前目当てのお客さんが来てくれて喋ってただろ? あの土建屋の二人組。」

DQN「あぁ、はい。あのスキンヘッドの大将と金髪の兄さんっすね。」

店長「そうそうそう。そんであの時、本社の偉いさんが視察に来てただろ?」

DQN「来てましたねぇ。メガネにオールバックの、ちょっとヤクザっぽい人でしょ?」

店長「はははっ。確かに、あの人ちょっと怖いな。あの人はな、うちの会社の東日本店舗事業部の部長なんだ。」

DQN「???」

302: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:30:31.37 ID:Cawnoj9AO 店長「つまり、東日本全ての店舗の中で一番偉い人。毎月視察に来るエリアマネージャーいるだろ? あのマネージャーより更に上だ。東日本の全ての店長・エリアマネージャーを統括してるのがあの人なんだよ。」

DQN「ほぇ~。そうだったんすかぁ。あっ、だから店長、しっかり挨拶しろって言ってたんすね。」

店長「そうさ。今月は年に一回の“恐怖の部長巡回月間”なんだ。そんな偉いさん相手に『ちぃっす』とか『おはざっす』とか言われたら、俺の立場が危うくなるからな。」

DQN「はははははっ!」

303: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:31:28.47 ID:Cawnoj9AO 店長「ったく。笑い事じゃないんだよ。まぁ、それでだ、その部長がな、お前と土建屋の常連さんが喋ってるのを見て、いたくお前を気に入られたんだよ。」

DQN「えっ? マジっすか?」

店長「うん。さっきも言った通り、お前は喋りながらでも必ず手は動かしてるからな。そこが良かったらしい。『接客と仕事の両方ができるとは、なかなかやるじゃないか』ってな。」

DQN「へへっ。あざっす。」

店長「そこで、余計なお世話かも知れないが、俺は部長にお前の事情を話した。借金の事、進学せずに就職する気である事。」

304: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:32:07.47 ID:Cawnoj9AO DQN「えっ?」

店長「いや、すまん。俺にしか話してないお前の事情を勝手にバラした事は本当に謝る。ただな、これには俺なりの狙いがあったんだ。」

DQN「狙い?」

店長「あぁ。そして、見事俺の狙いは的中した。部長はな、『アイツが卒業後にうちで働きたいって言うなら、俺が人事に話つけてやるからいつでも言ってこい』と言って下さった。」

DQN「えっ!? マジっすか!?」

305: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:33:08.66 ID:Cawnoj9AO 店長「あぁ。あの人は確かに見た目怖いし仕事にも厳しいんだが、仕事を頑張る人間にはちゃんと相応の評価をして下さるんだ。もちろん、だからと言って絶対うちで働かなきゃいけないってワケじゃない。何かやりたい仕事があるんなら、そっちに進めば良い。それは別に、俺も部長も気を悪くしたりはしないから。」

DQN「いや、もう願ったり叶ったりっすよ! 雇って下さい!」

店長「おぉっほっほ、決断が早いな。はははっ。お前らしいよ。じゃぁ、部長には俺から話とこう。まぁ、うちとしても、お前みたいな奴が社員に入ってくれれば心強いからな。こんな外食産業で良ければ、歓迎するよ。」

DQN「うっす! すんません店長! マジでありがとうございます!」

306: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:37:40.74 ID:Cawnoj9AO バイト最終日 午後10時 非リアのバイト部屋

コンコンッ

非リア「はい。」

A子「あたしぃ。」

非リア「あっ、どうぞ。」

A子「ごめん、非リア君出てきてくんなぁい?」

非リア「えっ? あぁ、分かった。」スタスタ

ガチャッ

非リア「どうしたの?」

A子「あっ、うん・・・・・・ちょっと外で話さない?」

非リア「えっ?」

A子「外ぉ。庭のベンチんトコでぇ。」

非リア「う、うん。良いよ。」

307: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:38:17.59 ID:Cawnoj9AO ペンションの庭

非リア「何、話って?」

A子「いやぁ・・・そのぉ・・・・・・特に話もないんだけどぉ。」

非リア「?」

A子「上見てぇ。」クイッ

非リア「上?」チラッ

非リア「あっ!!」

A子「・・・。」

非リア「うわぁ・・・」

A子「星ぃ・・・すごくね?」

非リア「すごい・・・図鑑の写真みたいだ。」

A子「これもねぇ、ここの魅力なんだぁ。非リア君にこの事教えるの忘れてたなぁと思ってぇ。」

非リア「その為にわざわざ?」

A子「迷惑ぅ?」

308: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:38:47.10 ID:Cawnoj9AO

非リア「あっ、違うよ! そういう意味じゃない! すごく嬉しいよ。なかなか空なんて見上げないから、ずっと気付かなかったし。」

A子「ふふ。良かったぁ。」

非リア「うわぁ・・・」マジマジ

A子「あんまり見上げてると首こるよぉ?」

非リア「良いよ。地元に帰ったらこんな星空見れないもん。首がこるぐらい平気さ。」

A子「明日の昼には帰っちゃうもんねぇ。」

非リア「そうだね。」

A子「・・・なんかぁ、寂しいねぇ。」

非リア「うん。ずっとここにいたいねぇ。」

A子「二人でねぇ。」ポツリ

309: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:39:42.64 ID:Cawnoj9AO 非リア「えっ? なんて?」クルッ

A子「あ、うぅん。何でもなぁい。」

非リア「?」

A子(どうしよぉ。ヤバい。マジで緊張して言えないしぃ。)

非リア「A子ちゃん。ありがとう。」

A子「えっ?」

非リア「こんな素敵な場所に連れてきてくれて。そして、僕に手を貸してくれて。」

A子「うぅん。気にしないでぇ。あたしも超楽しかったしぃ。」

非リア「約束、絶対守るよ。冬に一緒に来ようね。今年は受験だから無理だとしても、来年には。」

A子「あっ、うん。絶対だよぉ。」

非リア「うん。絶対。」

310: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:40:33.69 ID:Cawnoj9AO A子「・・・・・・楽しみにしてるしぃ。」

非リア「いやぁ、それにしてもすごい星だなぁ・・・」マジマジ

A子「・・・。」ソワソワ

非リア「こんな星空、初めて見たよ。」マジマジ

A子「・・・。」ソワソワ

非リア「こんな事なら小・中学校の星座の授業、もっと真剣に聞いてれば良かったなぁ。」マジマジ

A子(ちょっとA子ぉ! 何か喋んないとぉ、マジで明日になっちゃうよぉ! これが二人きりになれる最後のチャンスなんだってばぁ!)アセアセ

非リア「あっ、そうだ。A子ちゃん。」

A子「はっ、はい!」ビクッ

311: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 18:41:15.69 ID:Cawnoj9AO 非リア「前にさ、どうして僕とDQNが仲が良いのかって話、結局バタバタして何にも話せなかったよね?」

A子「あぁ、そう言えばそうだねぇ。あたしもバタバタして忘れてたぁ。」

非リア「もし、まだ興味があるなら話すよ? まぁ、そんな面白い話じゃないけど。」

A子「あっ、超聞きたぁい。聞かして聞かしてぇ。」

A子(よし! とりあえず話題ができたしぃ!)

非リア「うん。分かった。中一の二学期の事なんだけど・・・・・・」

318: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:03:49.80 ID:Cawnoj9AO 6年前 Vip中学 1年3組の教室

理科教師「え~、これがいわゆる夏の大三角形だね。この部分はテストにも出すつもりなので、しっかり頭に入れておくように。」

ガラッ

一同「?」

DQN「・・・。」

ツカツカ

ヒソヒソ

DQNだ

おいおい、五時限目に登校かよ

良いご身分ねぇ

そこまでサボったんならいっそ学校来んなよ

迷惑だよねぇ

ヒソヒソ

理科教師「おい!! 今何時だと思ってるんだ!?」

DQN「あぁ?」ギロ

理科教師「うっ・・・」タジ

DQN「・・・。」ジロォ

320: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:04:56.34 ID:Cawnoj9AO 理科教師「な、な、なん・・・だ・・・」

DQN「・・・・・・腕時計見ろよ。」

ツカツカ

理科教師(チッ! クソガキが!)

非リア「・・・。」

ドスッ

DQN「・・・。」

非リア「・・・。」

DQN「・・・。」

非リア(タバコ臭っ。まいったなぁ。なんでこんなのが隣の席なんだろ。)

DQN「・・・。」

非リア(早く席替えにならないかなぁ。)

委員長「・・・せ、先生・・・授業を続けましょう。」

理科教師「えっ? あ、あぁ、そうだね。失礼。え~っと、では・・・」

321: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:07:10.29 ID:Cawnoj9AO ?「邪魔すんぜぇ!!」

ガラッ

キャー

な、何だ君達は

一同「!?」

ざわざわ

非リア(1組の教室からだ・・・)

?「どうだ!? こん中いるか!?」

?「いえ!! いません!!」

?「じゃあ隣の教室行くぞ!! 邪魔したな!!」

ガラッ

?「ここはどうだ!?」

?「ここにもいません!!」

?「んだよ!! じゃあ次行くぞ!!」

非リア(1組の方から順に来てる。って事は三番目はうちじゃないか・・・)

ガラッ

暴走族「ここはぁ!?」

舎弟「え~っと・・・あっ、いました! 窓際の!!」

322: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:09:00.83 ID:Cawnoj9AO 理科教師「ちょ、ちょっと!! 君達!!」

ざわざわ

なんだなんだ

窓際ぁ?

ざわざわ

非リア「えっ? ま、ま、窓際って・・・ぼぼ、僕?」キョロキョロ

DQN「・・・・・・ちげぇよ。」チラッ

舎弟「アニキ、アイツっす!!」

暴走族「テメーか!!」

DQN「誰かと思ったら、さっきゲーセンでボコった奴じゃねぇか。」

暴走族「うちの舎弟が世話んなったらしいな!?」

DQN「“世話”って程のモンでもなかったぜ。弱すぎてよぉ。」ニヤニヤ

暴走族「!!」カチン

舎弟「テメー!!」ワナワナ

323: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:10:16.85 ID:Cawnoj9AO

ざわざわ

おい、あの特攻服って

飛鬼仁異斗(ヒキニート)じゃねぇか

DQN殺されるぞ

ざわざわ

理科教師「君達!! け、警察を呼ぶぞ!!」

暴走族「心配すんなよ先生!! そのガキ借りてくだけだ!! すぐ帰んよ!!」

舎弟「ってワケだ!! テメー面貸しやがれ!!」

DQN「・・・・・・ギャーギャーうるせぇなぁ。」スクッ

暴走族「さっさと来い!!」

DQN「・・・・・・場所変えんの面倒くせぇ。」コキコキ

暴走族「ああっ?」

DQN「ここで済まそうぜ。」ギロッ

ダッ

暴走族「!?」

325: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:13:06.58 ID:Cawnoj9AO 舎弟「なっ!?」

ダダダダダッ

DQN「ドゥルァァァァァァァ!!!!」

バキッ

暴走族「ガッ!!」

うわぁ

キャー

非リア(うわぁ! た、大変だ!)

理科教師「こ、こら!!!! 止さんかぁ!!!!」

舎弟「テメー!!」

DQN「・・・。」

ガシッ

舎弟「うっ!!」

DQN「ふんっ!!」

ゴンッ

舎弟「カッ・・・ハ・・・」クラクラァ

バターン

DQN「頭突き一発で終了かよ。テメー、マジどうしようもなく弱ぇな。」

暴走族「こんの・・・クソガキぃ!!」

ムクッ

326: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:14:34.18 ID:Cawnoj9AO DQN「お~、クララが立ったぁ。来い来ぉい。」チョイチョイ

暴走族「調子くれてんじゃねぇぞゴルァァァ!!」

ダダダダダッ

DQN「おぉぉぉぉぉ!!!!」

ダダダダダッ

ドガッ

バキッ

ゴキッ

ゲシッ

委員長「ちょ、ちょっと先生!! 早く警察を呼んで下さい!!」

理科教師「えっ!? あっ、あぁ!! 分かっているとも!!」

理科教師(呼べるものなら呼びたいよ!! だけど、本当に警察沙汰にしてしまったら当然、新聞やニュースに載るし、各高校のうちに対する内申点も下がる!! そうなると『暴動を止められなかった現場の責任だ』とか何とか言って、校長に責められるのは私なんだぞ!!)

327: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:17:01.82 ID:Cawnoj9AO 理科教師「ま、待っていなさい!! い、今すぐ通報してくるから!!」

ダッ

委員長「お願いします!!」

理科教師(とりあえず職員室に駆け込んで、体育の先生を呼んでこよう!! あの人の腕っぷしなら何とかなるだろう!!)

タタタタタッ

暴走族「ゼアァッ!!」

ドガッ

DQN「ぐあっ!!」

ドシャーン

ガンッ

委員長「キャッ!!」

女生徒「い、委員長!?」

DQN「やってくれんじゃねぇか!」

ムクッ

DQN「しゃあぁぁぁぁ!!!!」

ダダダダダッ

バキッ

ガスッ

ドガッ

328: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:17:59.73 ID:Cawnoj9AO 委員長「イタタタタ・・・」

ムクッ

女生徒「い、委員長!! 大丈夫!?」

委員長「あっ、うん。大丈夫よ。ちょっとぶつかっただけだから。」

ガリ勉「い、いや、大丈夫じゃないだろう!? 唇から血が!!」

非リア「!!」ピクン

委員長「えっ?」サスサス

委員長「あっ、ホントだ。」

女生徒「ほ、保健室に行かないと!!」

委員長「だ、大丈夫よ! ちょっと切れただけだから!」アセアセ

非リア「・・・。」

暴走族「ウルァ!!」

バキッ

DQN「グルァ!!」

ゴスッ

329: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:19:46.76 ID:Cawnoj9AO 非リア「・・・。」ワナワナ

暴走族「ぜぃ!!」

ボゴッ

DQN「じゃあっしゃぁ!!」

ドグッ

非リア「・・・。」ワナワナ

ワナワナ

ワナワナ

ワナワナ

ワナワナ

ワナワナ

ワナワナ

ワナワナ

プツン

非リア「・・・。」キッ

330: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:25:17.72 ID:Cawnoj9AO 暴走族「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

DQN「はぁ・・・はぁ・・・」

暴走族「中坊のクセに・・・ぜぇ・・・なかなかやるじゃねぇか・・・」

DQN「テメーが・・・はぁ・・・良い歳こいて弱ぇだけだろ・・・」

暴走族「こんの・・・!!」カチン

DQN「へへっ!」

ざわざわ

えっ? おい

非リア?

アイツ、何する気だ

ざわざわ

非リア「こここ、こっちを向けぇ!!!!」

暴走族「ん?」クルッ

DQN「あぁ?」クルッ

非リア「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ぷしゅうぅぅぅぅぅ

331: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:26:19.11 ID:Cawnoj9AO 暴走族「なっ!?」

DQN「消火器!?」

しゅわあぁぁぁぁぁ

もくもくもく

暴走族「うぉ!! ゲッホ!!」

もくもくもく

DQN「ちょ、おい!!」

もくもくもく

もくもくもく

もくもくもく

DQN「ゲッホ・・・・・・痛ぇ! 目に入った!」

非リア「わあぁぁぁ!!!!」

バギャッ

暴走族「ぎゃふっ!!!!」

ドサッ

DQN「!?」

DQN(何だ? 何が起きてんだ? クソ、目が開けられねぇ!)

非リア「ああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ガバッ

DQN「!!!?」

ドサァァァァ

332: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:27:01.77 ID:Cawnoj9AO DQN「ちょ!! 何すんだテメー!!」ジタバタ

非リア「い、委員長さんに、あや、謝れぇ!!」

バキッ

DQN「ぐはっ!! テメー!!」

非リア「謝れぇ!!!!」

ボカッ

DQN「ぐぅっ!! な、何言ってやがr」

非リア「お、お、女の子の顔に、ききき、傷が残ったらどうするんだぁぁぁぁ!!!!」

DQN「!?」

非リア「謝れぇ!!!!」

ベキッ

DQN「ぐぉっ!!!!」

333: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:28:49.86 ID:Cawnoj9AO DQN(クソッ! 目が開かねぇ上にマウントまで取られちゃ、反撃もできねぇ!!)

非リア「謝れって、い、い、言ってるだろぉ!!!!」

ぎゅうぅぅぅ

DQN「あっ・・・ぐぅ・・・」ジタバタ

DQN(く、首が・・・)

非リア「謝れぇ!!!!」

ぎゅうぅぅぅ

DQN(息が・・・)

非リア「謝れぇ!!!!」

ぎゅうぅぅぅ

DQN(いや、首絞められたら謝るも何も・・・)

非リア「謝れってばぁ!!!!」

ミシミシミシ

DQN(かはっ・・・わ、分かった!! 謝る!! 謝るから首離せ!!)

334: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:30:04.03 ID:Cawnoj9AO 非リア「あ・や・ま・れえぇぇぇ!!!!」

メキメキメキ

DQN(いや、だから!! お前・・・マジ・・・・・・死ぬ・・・)

バタバタバタッ

体育教師「こ、コラ!! お前、何してるんだ!!」

グイッ

非リア「は、は、離して下さい!!」

理科教師「ど、DQN!! おい!! しっかりしろ!!」

DQN「・・・。」ガクッ

335: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:35:37.08 ID:Cawnoj9AO 放課後 保健室

DQN「・・・。」すぅ すぅ

DQN「・・・・・・んっ?」パチッ

担任「おっ、目が覚めたか。」

DQN「・・・・・・病院?」

校長「いや、保健室だ。」

DQN「保健室・・・そっか・・・」

DQN母「こんのバカ息子ぉぉぉぉ!!!!」

バチイィィィン

DQN「がふっ!?」

担任「ち、ちょっと! お母さん!」

校長「落ち着いて下さい!」

DQN「・・・・・・オフクロ?」

DQN母「アンタはホントにぃ!!!! 何考えてんだい!!!!」

バチイィィィン

DQN「ぐぉっ!!」

336: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:36:25.29 ID:Cawnoj9AO 担任「お母さん! 暴力はやめまs」

DQN母「止めないで下さい、先生!!!! こんなバカはねぇ、殴らないと分かりゃしないんですよ!!!!」

バチイィィィン

DQN「ぐぇっ!!」

DQN母「教室で喧嘩なんかしたら、どれだけ先生や友達に迷惑がかかると思ってんだい!!!? 喧嘩は外でするもんだろうが!!!!」

校長・担任((そこ!!!?))

バチイィィィン

DQN「ぐほっ!!」

バチイィィィン

DQN「ぎゃはっ!!」

バチイィィィン

バチイィィィン

バチイィィィン

バチイィィィン

※以下、50往復にも及ぶビンタの嵐が続きます。

337: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:37:37.62 ID:Cawnoj9AO DQN母「まったく・・・」はぁ はぁ

DQN「おっ・・・おっ・・・」ピク ピク

DQN母「この大バカ息子がぁ!!!!」スッ

担任「うわぁ!! お母さん!! もうやめましょう!!」

ガシッ

校長「これ以上はいけません!! 息子さんのライフはすでに0ですぞ!!」

DQN母「離して下さい!!!! こんなモンじゃ、こんなモンじゃ足りません!!!!」

338: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:38:15.06 ID:Cawnoj9AO DQN母「ホントに、ホントにすみませんでした!!!!」ヘコヘコ

DQN「・・・。」

DQN母「アンタも頭下げなぁ!!!!」

ゴンッ

DQN「痛っ!!」

DQN母「悪い事したら謝るんだよ!!!! 幼稚園児でも分かるだろう!!!!」

DQN「・・・・・・す、すんませんっした。」

校長「まぁ、そのぉ・・・・・・何ですかなぁ・・・ハッキリ言って、我が校創設以来の大事件です。殴り込んできた暴走族と教室で喧嘩を起こすなどとは。」

339: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:39:06.84 ID:Cawnoj9AO DQN母「はい!! ホントに申し訳ございません!! かくなる上は、転校でも何でも、甘んじて罰はお受けします!!」ヘコヘコ

校長「いや、お母さん。我々もそこまでしようとは思っていません。幸い、今回はどうにか警察沙汰にもならずに済みました。今回の事は、息子さんへの特別課題と反省文50枚の提出をもって、穏便にすまさせていただく所存です。」

DQN「はぁ!? 50枚ぃ!? 冗談じゃn」

DQN母「!!!!」ギロッ

DQN「・・・・・・やります。」ショボン

340: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:40:09.33 ID:Cawnoj9AO DQN母「ありがとうございます!! このご恩は一生忘れません!!」

DQN「・・・・・・先生。」

担任「なんだ?」

DQN「あのゾクの奴、どうなったんだよ? 非リアの野郎が消火器ブチ撒けた後よぉ。」

DQN母「アンタ!!!! 先生に何て口の利き方を!!!!」

担任「いえいえ、お母さん。構いません。」

担任「一部始終を見ていた生徒の話では、非リアが空になった消火器で顔面を思いっきり殴り付けて、気を失ったそうだ。」

DQN「マジかよ・・・」

DQN(おいおい、いくら空になったっつっても、消火器なんてあの入れ物だけでかなり重さあんだろ・・・・・・何なんだよ、アイツ・・・)

341: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:41:40.59 ID:Cawnoj9AO 担任「その後、申し訳ないが彼の財布を改めさせてもらった。親御さんの連絡先が分かればと思ったんだ。まぁ、親御さんの連絡先は分からなかったが、代わりに彼の勤め先のバイク工場の電話番号を記したメモが見付かったんで、工場に連絡して社長さんに迎えに来ていただいてね。舎弟君と一緒に引き取っていただいた。」

DQN「・・・・・・ふ~ん。」

342: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:42:23.61 ID:Cawnoj9AO 1年3組の教室

ガラッ

DQN「ふぅ・・・・・・んっ?」

委員長「あっ・・・」

DQN「・・・。」

委員長「・・・・・・だ、大丈夫だった? その・・・意識失ってたけど・・・」

DQN「・・・。」ジー

DQN(唇が腫れてる。そうか。俺の肘がぶつかった時か・・・)

(「お、女の子の顔に、ききき、傷が残ったらどうするんだぁぁぁぁ!!!!」)

DQN「・・・。」ジー

委員長「な、何?」

DQN「・・・・・・悪かった。」

委員長「えっ?」

DQN「唇。」

343: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:43:08.49 ID:Cawnoj9AO 委員長「あぁ。別に・・・」

DQN「関係ねぇのに痛ぇ思いさせたし、何より、女の顔に傷をつけちまった。マジですまねぇ。」ペコッ

委員長「・・・・・・。」

DQN「謝って許されるとは思ってねぇけど、とにかく謝りたい。何なら、殴ってもらっても構わねぇ。」

委員長「そんな事はしないよ・・・・・・アナタと同レベルにはなりたくない。」

DQN「・・・・・・。」

委員長「・・・・・・友達には大丈夫って言ったけど、正直、唇が切れた時、ショックだった。」

DQN「・・・・・・すまねぇ。」

344: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:43:41.01 ID:Cawnoj9AO 委員長「でも・・・・・・こんな素直に謝ってくれる人だと思ってなかった。」

DQN「・・・・・・。」

委員長「少し見直した。だから、もう良いよ。顔上げて。」

DQN「・・・・・・すまねぇ。」

委員長「何日かすれば治るだろうから、大丈夫よ。じゃあ、帰るから。」

DQN「あぁ。」

スタスタスタ

DQN「・・・。」

345: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:54:02.05 ID:Cawnoj9AO 翌朝 1年3組の教室

ガラッ

DQN「・・・。」

ざわざわ

DQNだ

朝一から登校してきた

珍しい

あんな事件起こした後によく来れるなぁ

ざわざわ

DQN「・・・よう。」

委員長「・・・・・・おはよ。」

DQN「これ。」スッ

委員長「えっ?」

DQN「塗り薬。」

委員長「・・・。」

DQN「前に、喧嘩で唇切って腫れた時、これ塗ったらすげぇ効いたんだ。」

委員長「・・・・・・買ってきてくれたの?」

DQN「良かったら使ってくれ。」

346: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:54:59.33 ID:Cawnoj9AO 委員長「・・・。」

DQN「・・・・・・ここ、置いとくからよぉ。要らなきゃ捨t」

委員長「ふふふ。」

DQN「?」

委員長「さっき、非リア君も同じ薬持ってきてくれた。」

DQN「!?」

委員長「体育のサッカーで、顔にボールが当たって唇を切った時、これを塗ったらよく効いたんだって。」

DQN「・・・・・・そうか。」

委員長「ふふふ。しかも、この箱に貼ってあるテープ。」

DQN「ん? ビニール袋いらねぇって言ったら、貼ってくれんだろ?」

委員長「非リア君のも同じお店のテープが貼ってあったの。」

347: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:56:04.07 ID:Cawnoj9AO DQN「!!!?」

委員長「面白い偶然だね。」

DQN「・・・。」キョロキョロ

DQN「非リア、どこ行ったんだ?」

委員長「さぁ。トイレかな? あっ、戻って来た。」

DQN「!」バッ

非リア「・・・。」スタスタスタ

DQN「・・・。」ジー

委員長「DQN君?」

DQN「・・・。」

ツカツカツカ

委員長「えっ?」

DQN「・・・。」ジー

非リア「・・・あ、あの、ききき、昨日は、その・・・」オドオド

DQN「・・・・・・ツラ貸せ。」

348: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:57:05.09 ID:Cawnoj9AO ざわざわ

ヤバい

非リアが殺される

アイツ、この為に朝一で来たのか

最低

ざわざわ

非リア「ももも、もうすぐ授業が始m」

DQN「すぐ終わる。」

非リア「・・・・・・。」

DQN「来い。」

非リア「・・・わ、分かった。」

スタスタスタ

349: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:58:07.15 ID:Cawnoj9AO 中学の近所のマンション 屋上

ガチャッ

DQN「ここなら邪魔が入らねぇ。」

非リア「・・・。」オドオド

DQN「体育館の裏や空き教室じゃ、先公に簡単に見付かっちまうからな。ゆっくり話すなら、ここが一番だ。」

非リア「・・・はは、話す?」アタフタ

DQN「お前とゆっくり話してみたくなった。」

非リア「ななな、何を?」シドロモドロ

DQN「座れよ。」

ドカッ

非リア「う、うん・・・」

スッ

DQN「タバコ吸うか?」

非リア「すすす、吸わない。」

DQN「そうか。」

350: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 20:59:31.91 ID:Cawnoj9AO シュポ

DQN「ふぅ~」

非リア「・・・・・・。」オドオド

DQN「・・・・・・迂闊だったぜ。」

非リア「えっ?」

DQN「保育園の頃よぉ、オフクロのチャリの後ろに乗せられて、スーパーに買い物に行ったんだ。」

非リア「?」

DQN「その日は確か雨上がりで、濡れたマンホールの蓋踏んで、俺ら、チャリごと転倒したんだ。」

非リア「・・・。」

DQN「オフクロ、ガードレールに顔面ぶつけてよぉ、前歯が折れたんだ。二本とも。」

非リア「・・・・・・う、うん。」

DQN「俺、そん時のオフクロのツラ見て、めちゃくちゃ泣いたんだわ。口から血ぃ出てるのが怖いのと、歯抜けになったオフクロを可哀想って思う気持がぐっちゃぐちゃに混ざってよぉ、涙が止まらなかった。」

351: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:00:24.09 ID:Cawnoj9AO 非リア「・・・うん。」

DQN「何かその瞬間、『あぁ、女の顔にケガさせちゃいけねぇんだ。』って思ったんだよな。ガキなりによぉ、肌で感じたっつうか。」

非リア「・・・うん。」

DQN「なのに俺は昨日、委員長にケガさせた。」

非リア「・・・。」

DQN「しかも、お前から言われるまで、その事に気付かなかった。」

非リア「・・・。」

DQN「・・・・・・ありがとな。」

非リア「えっ?」

352: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:01:58.04 ID:Cawnoj9AO DQN「気付かせてくれてよぉ。お前が言ってくれなかったら、俺は女を喧嘩に巻き込んでケガまでさせたのに何にも気付いてねぇ、クソ以下のドアホになっちまうトコだった。」

非リア「い、いや・・・べつ、べつ、別にそんな・・・」

DQN「・・・・・・お前は昔、何かあったのか?」

非リア「えっ?」

DQN「『女を殴っちゃいけねぇ』『女の顔は傷付けちゃいけねぇ』ってのは、まぁ、誰でも知ってる。けど、だからって喧嘩してる奴らに消火器ぶっぱなして、首まで絞めるほどブチギレる奴なんて、普通なかなかいねぇだろ?」

353: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:02:47.53 ID:Cawnoj9AO 非リア「うっ・・・ごご、ごめん。」

DQN「違ぇよ。謝れっつってんじゃなくてよぉ、お前も、俺のオフクロの前歯の件みたいに、身に染みて感じる経験した事あんのかって訊いてんだ。」

非リア「そ、それは・・・・・・」

DQN「・・・無理に訊こうとは思わねぇけどな。」

非リア「・・・。」

DQN「・・・。」

非リア「・・・・・・ぼぼぼ、僕には姉さんがいたんだ。」

DQN「・・・“いた”?」

非リア「じじ、自殺した。」

355: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:05:27.14 ID:Cawnoj9AO DQN「・・・・・・すまねぇ。やめよう、この話。」

非リア「い、い、良いよ。きき、君になら、な、何だか話しても良い気がする。」

DQN「・・・。」

非リア「と、歳が離れててね。ぼぼぼ、僕が小学校2年の時、ね、姉さんは高校1年だった。」

DQN「・・・。」

非リア「あ、ある夜、塾の帰り道に、ねね、姉さんは飲酒運転の車に跳ねられて、そそそ、そのまま100メートルほど引き摺られた。」

DQN「・・・。」

非リア「かか、辛うじて命は助かったけど、か、か、顔の右側がズタズタになった。」

356: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:10:43.89 ID:Cawnoj9AO 非リア「ひひ、皮膚はボロボロに裂けて、ほ、頬骨が削れて輪郭が変わって、右耳も千切れて、右目も失明した。」

DQN「うっ・・・」

非リア「もも、もう、“顔をケガした”なんて、れべ、レベルじゃなかった。かかか、完全に“顔を破壊された”んだ。」

DQN「・・・その・・・・・・整形はできなかったのかよ?」

非リア「むむ、無理だった。ひ、皮膚移植である程度は治せるけど、それでも完全じゃない。そそ、それに頬骨と耳と視力は、どどど、どうしようもない。」

DQN「・・・・・・そうか。」

非リア「じじ、事故から一ヶ月後、顔の包帯が取れた。ね、姉さんも僕ら家族も、そそそ、そこで初めて、その破壊された顔を見たんだ。」

DQN「・・・。」

非リア「そそ、その夜、姉さんは首を吊った。」

357: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:16:33.92 ID:Cawnoj9AO DQN「・・・。」

非リア「ね、姉さんは、ぼぼぼ、僕と違って明るい性格で、よ、よく笑う人だった。じじ、自殺とは一番縁遠い性格だったんだ。」

DQN「・・・。」

非リア「そそ、その姉さんを、あの事故は自殺に追い込んだ。もも、もっとも、あれだけの傷を負えば、お、男の人でも自殺するかも知れないけど。」

DQN「そんなに・・・」

非リア「うん。ひ、ひどい傷だった。あ、あの日以来、僕は女の子がケガするのを見るのが怖いんだ。ごご、5年生の時、低学年の女の子がブランコから落ちたのを見た時も、あ、あ、足の震えが止まらなかった。」

358: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:17:24.71 ID:Cawnoj9AO DQN「・・・・・・今もか?」

非リア「い、今は少しマシになった。も、も、もう5年経つからね。ででで、でも、やっぱり見るのは嫌だ。」

DQN「そうか・・・俺は・・・・・・お前のトラウマも抉っちまったんだな。」

非リア「ごご、ごめん。くくく、首を絞めたのはやり過ぎだった。」

DQN「構わねぇ。喧嘩してりゃ、首絞めなんてしょっちゅう経験する。慣れてんよ。」

非リア「そそ、そうか。すすす、すごいね。」

DQN「・・・・・・意識飛ばされたのは初めてだけどな。」

非リア「えっ? あっ・・・・・・」

359: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:18:31.75 ID:Cawnoj9AO DQN「ってか、喧嘩で負けたのも初めてだ。お前、俺を初めて敗北させた男だぜ。」

非リア「あの・・・その・・・」

DQN「意外なトコに強敵がいたモンだ。」

非リア「あ、あ、あい、あい・・・」

DQN「ん?」

非リア「アイム、ちゃちゃちゃ、チャンピオン・・・」

DQN「・・・。」

非リア「・・・。」

DQN「・・・ぷっ!」

非リア「はは・・・」

DQN「だははははははははっ!」

非リア「あは。ははははは。」

DQN「ははははははっ! 何だよそれ! ぶはははははっ!」

非リア「あはは。」

360: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:19:11.67 ID:Cawnoj9AO DQN「アー、びっくりしたぜぇ。」

非リア「えへへ。」

DQN「今更ながら、お前に負けた事が腹立ってきたわ。ここでもう一発おっ始めるか?」

非リア「いいいい、いやいやいや!! かかか、勘弁してよ!!」

DQN「冗談だよ。」

非リア「びび、びっくりしたぁ。」

シュポ

DQN「ふぅ~」

非リア「そそ、そう言えば、あの暴走族が、なぐ、殴り込んで来た時、げ、ゲーセンでブン殴った奴だって言ったよね?」

DQN「おぅ。」

非リア「どど、どういう喧嘩だったの?」

361: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:19:51.89 ID:Cawnoj9AO DQN「いや、何てこたぁねぇよ。あの日、朝からゲーセン行ってたんだ。そしたら、小学校4年ぐらいのガキが『鉄拳』やっててよぉ。」

非リア「よ、4年?」

DQN「おぅ。多分、アイツも学校サボって来てたんだろうな。そんでよぉ、ソイツがガキの癖に結構上手くてよぉ、俺、ソイツの後ろに突っ立って見てたんだ。」

非リア「うん。」

DQN「そしたら、あの舎弟の奴が乱入しやがったんだけどよぉ、これがクソ弱ぇんだ。俺は『キングオブ~』派だからあんま『鉄拳』は得意じゃねぇんだけど、アレなら俺でも勝てるな。」

362: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:20:40.65 ID:Cawnoj9AO 非リア「ははっ。」

DQN「んでまぁ、案の定フルボッコよ。それもノーダメで。」

非リア「うん。」

DQN「そしたらあの野郎、ブチギレてその小学生にカラみ出したんだ。」

非リア「えっ? あ、あの舎弟の人、たた、多分僕らより1~2歳上ぐらいだよね?」

DQN「多分そうだろうな。大人げないを通り越して、頭イカれてんぜ。」

非リア「だだ、だよね。」

DQN「だから俺が止めに入って、トイレでボコッてやったんだ。」

非リア「そそ、そうだったんだ。」

DQN「『鉄拳』同様、喧嘩もクッッッソ弱ぇ。」

364: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:23:21.70 ID:Cawnoj9AO 非リア「あははは。」

DQN「そしたら、あのバックのゾク野郎を呼んで、殴り込んで来やがったってワケだ。まぁ、あんな弱ぇ奴を舎弟にしてるって事は、多分あのゾク野郎も飛鬼仁異斗のド下っ端なんだろうな。今日登校したら、もしかして飛鬼仁異斗の本体が正門前で待ち伏せしてっかなぁって思ってたけど、誰もいなかったしな。」

非リア「そそ、そうだね。」

DQN「飛鬼仁異斗はあんま仲間意識の強くねぇゾクだって噂だ。中坊にやられるような下っ端のケツまで、イチイチ持っちゃくれねぇって事だろう。」

非リア「ぼ、暴走族にも色々いるんだね。そそそ、それにしても・・・」

DQN「ん?」

365: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:25:08.48 ID:Cawnoj9AO 非リア「ぼぼぼ、僕は君の事を、かか、勘違いしてたよ。」

DQN「あっ? 何が?」

非リア「きき、君はその・・・て、典型的な不良で、ままま、周りに迷惑ばかりかける、めん、めん、面倒くさい人だと思ってた。」

DQN「はっはぁ。言ってくれんなぁ。まぁ、実際そうだけどよぉ。」

非リア「い、いや。ききき、君は優しい人じゃないか。」

DQN「はぁ?」

非リア「かか、カラまれてる小学生を助けたり、ききき、昨日も委員長さんにちゃんと謝ってたし。け、今朝、委員長さんから聞いたよ。」

366: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:28:45.49 ID:Cawnoj9AO DQN「舎弟をボコッたのは単に気に入らなかったからだし、委員長に謝ったのは筋通しただけだ。優しいとか関係ねぇだろ。」

非リア「ううん。ききき、君は優しいよ。だって・・・」

DQN「・・・だって?」

非リア「ささ、さっきから君は、ぼ、僕の吃音を、一度も笑わずに聞いてくれてる。」

DQN「あぁ、それか。俺の従兄弟も吃音持ちなんだ。だから、吃音持ちの奴と喋んのには慣れてんだよ。」

非リア「あ、そそそ、そうなんだ。」

DQN「従兄弟は吃音のせいでイジメられてたんだ。今年の夏休みに従兄弟ん家泊まりに行ったらよぉ、イジメっ子どもが大声で従兄弟の悪口言いに来やがったんだ、家の前までな。『出て来いや言語障害!!』とか言ってよぉ。代わりに俺が家から飛び出して、ソイツら血祭りにしてやったぜ。」

367: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:32:18.87 ID:Cawnoj9AO 非リア「い、イジメはそれで無くなったの?」

非リア「いや、それだけじゃ俺が帰った後、また元に戻っちまうと思ってよぉ、パンツ一丁にひん剥いて土下座させたんだ。んで、それを写真に取って『次また従兄弟に何かしやがったら、これテメーらの学校にバラくぞ』って脅してやった。こないだ従兄弟と電話したら、あれ以降パタッとイジメが無くなったってよ。」

非リア「あはは。ほ、ほらね。やや、やっぱり君は優しいじゃないか。」

368: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:42:28.52 ID:Cawnoj9AO DQN「はぁ? 何言ってんだよ? ボコらねぇ方がおかしいだろ?」

非リア「だだだ、だからそこが優しいんだよ。」

DQN「意味分かんねぇぞ。」

370: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:43:06.76 ID:Cawnoj9AO 現在 ペンション『さんらいず』 庭

非リア「その日以来、DQNはちょくちょく僕の家に電話をかけてくるようになってね。『明日の放課後、暇なら遊びに来い』って、誘ってくれるようになったんだ。DQNは従兄弟の件もあって、僕が学校じゃあまり人と話したくないって思ってる気持ちも、察してくれてたみたいでさ。」

A子「そうなんだぁ・・・・・・何か、ごめん・・・」

非リア「えっ? どうして?」

A子「だってぇ、非リア君のお姉ちゃんの事とかぁ・・・・・・」

371: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:44:02.89 ID:Cawnoj9AO 非リア君「あぁ、大丈夫だよ。確かに、今でも姉さんのあの顔を夢に見る事はあるし、女の子のケガに過剰反応してしまう部分もあるけど、それでもね、もう10年経つし、あの頃よりはずっと心の傷は癒えてるから。」

A子「そっかぁ・・・・・・ねぇ。じゃあ、一個訊いて良い?」

非リア「どうぞ。」

A子「犯人はどうなったのぉ?」

非リア「あぁ、犯人ね。自殺した。事故の後、車を捨てて自宅のマンションに引き籠ってたみたいなんだけど、警察に突入されてね。一瞬のスキを突いて、ベランダから飛び降りたらしい。」

372: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:45:47.96 ID:Cawnoj9AO A子「そうなんだぁ・・・・・・何か、やるせないねぇ。」

非リア「両親はそうだったよ。でもね、僕は当時、小学校2年だったから、姉さんを殺した奴が死んだという事実だけで満足できたんだ。さすがにその年齢じゃ、死刑と自殺の意味の違いなんて、理解できないからね。」

A子「あぁ、そっかぁ・・・」

非リア「だから僕は、ある意味、不幸中の幸いだったかも知れない。それは両親も言ってた。両親は姉さんを失った悲しみと、行き場のない犯人への憎悪の板挟みで、本当に苦しんでたけど、僕は悲しみだけで済んだからね。」

A子「そうだねぇ。」

373: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:46:42.58 ID:Cawnoj9AO 非リア「まぁ、そんなトコかな? 僕とDQNが仲良くなったいきさつは。」

A子「そっかぁ・・・」

非リア「うん。」

A子「何かぁ、DQNってやっぱすごいねぇ。」

非リア「うん。ちょっと乱暴なトコはあるけど、優しさのケタが違うよ。」

A子「吃音の事もよく理解してるしねぇ。」

非リア「うん。どれだけどもっても、彼は絶対笑わないし気にも止めないって分かってるから、安心して話す事ができたんだ。そうしてるうちに、どんどん打ち解けてきて、気が付けばどもらなくなってた。家族以外で、話す時にどもらなくなった人は、DQNが初めてだよ。」

374: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:51:07.74 ID:Cawnoj9AO A子「初めて・・・かぁ。」

非リア「・・・・・・女の子では、A子ちゃんが初めてだけどね。」

A子「えっ?」

非リア「どもらず喋れる相手。女の子ではA子ちゃんが初めて。」

A子「・・・・・・マジ?」

非リア「というか、今まで女の子と仲良くなった事がないからね。」

A子「あたしが初めてぇ?」

非リア「うん。」

A子「あたしが初めての女ぁ?」

非リア「そうだよ。」

A子「そ、そっかぁ・・・」

非リア「うん。」

A子「・・・・・・うふっ。」ニタァ

非リア「えっ、何? ちょっと・・・顔が笑み崩れてるよ?」

A子「え~? えへへへぇ。何か嬉しいしぃ。初めての女ぁ。」ニヤニヤ

375: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:52:17.64 ID:Cawnoj9AO 非リア「そ、そう?」

A子「うん。」

非リア「・・・あっ、A子ちゃん!」

A子「えっ? 何なにぃ?」

非リア「気付けばもう深夜1時半だよ!」

A子「えっ? マジぃ? うわぁ、時間経つの早っ!」

非リア「全然気付かなかったねぇ。じゃっ、今日はもう寝ようか。」

A子「えっ?」

非リア「明日も朝食だけは手伝わなきゃいけないしね。」

A子「えっ? えっ? ちょ・・・」

非リア「じゃあ、部屋に戻るね。」スクッ

A子「あっ、ちょぉ・・・」

非リア「おやすみ。」

スタスタスタ

A子「あっ・・・」

A子「・・・・・・そんなぁ・・・」シクシクシク

376: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:52:53.35 ID:Cawnoj9AO 翌日 正午 茅野駅バス停留所

非リア「お、オーナーさん。にに、2週間、お世話になりました。」

A子「お世話になりましたぁ。」

オーナー「いやいや、こちらこそ。本当に君達がいてくれて助かったよ。」

非リア「ききき、貴重な経験を、させ、させ、させていただきました。」

A子「また今度、冬に来まぁす。」

オーナー「あぁ、是非おいで。あの高原はスキー・ボード初心者の子にはちょうど良い難易度だしね。それに、山頂から眺める雪景色は最高だよ。」

非リア「たたた、楽しみにしてます。」

377: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:54:41.21 ID:Cawnoj9AO A子「あたしもぉ。超楽しみだしぃ。」

オーナー「そうそう。お給料だけどね、それぞれ1万円ずつボーナスで入れといたから。」

非リア「えっ!?」

A子「良いんですかぁ!?」

オーナー「良いよ良いよ。君達の働きはお世辞抜きに優秀で助かったからね。それと、お友達のバイクの話を聞いて、感動しちゃってね。だけど、そのバイクを直したら君達の手元に一円も残らないというのが何とも切ない話だからね、僕ら夫婦からの餞別だよ。」

非リア「すすす、すいませんオーナーさん。ほん、ほん、本当にありがとうございます。お、奥さんにも本当に感謝してますと、お、お、お伝え下さい。」

378: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 21:55:23.68 ID:Cawnoj9AO A子「ありがとうございまぁす。その1万円、超大事に使いまぁす。」

オーナー「君達と働けて楽しかったよ。また冬に来てくれるのを楽しみにしてるからね。」

非リア「は、はい。」

A子「その時はまたよろしくでぇす。」

オーナー「こちらこそ。おっ、バスが来たね。」

A子「あっ、ホントだぁ。」

非リア「お、オーナーさん。かかか、重ね重ねありがとうございました!」

A子「ありがとうございましたぁ!」

オーナー「こちらこそありがとう。気を付けて帰ってね。」

381:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/14(木) 22:05:19.59 ID:XiaqMvzDO A子かわいいよA子

390: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 22:49:40.40 ID:Cawnoj9AO 9月 私立Vip高校 通学路

DQN「何なんだよ、見せたい物ってよぉ?」

非リア「内緒。」ニコニコ

A子「見てのお楽しみだしぃ。」ニヤニヤ

DQN「気持ち悪ぃな、おい。」

非リア「ふふふ。」

A子「ほれぇ! ちゃっちゃか歩くぅ!」グイグイ

DQN「押すな押すな! 」

非リア「DQNは夏休みの間、ずっとバイトづくしだったんだよね。どうだった?」

DQN「まぁ、死ぬ程働いたな。まず朝6時~9時まで牛丼屋で働いて、10時~17時まで短期でビール工場のラインやって、18時~22時までまた牛丼屋って生活だよ。」

391: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 22:52:37.14 ID:Cawnoj9AO A子「うわぁ、死ねるわぁ。」

非リア「よく体調崩さなかったね。」

非リア「いや、それが毎日ってワケじゃねぇよ。工場の方は完全に土日が休みだったけどよぉ、牛丼屋の方はシフト制だから不規則なんだ。さっき言ったスケジュールは、平日で牛丼屋にフルセットで入れた時のパターンだ。」

非リア「あぁ、なるほど。」

A子「いくらぐらい稼いだのぉ?」

DQN「ん~、23万ぐらいじゃねぇかな? まだちゃんと数えてねぇから分からねぇけど。」

非リア「すごいなぁ。」

A子「借金、一気に減るんじゃね?」

392: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 22:54:25.94 ID:Cawnoj9AO DQN「そうだな。まぁ、オフクロの入院費とか光熱費とか食費とかベスの飯代とか、色々出費はあるから、実際借金に充てられんのは10万ぐらいだけどな。」

非リア「えっ? 入院費とか光熱費とか、DQNが全部払ってるの?」

DQN「ん~、一旦はオフクロの口座から引き落とされんだけどよぉ、その後、こっそりその口座に引き落とされた額を入金してやろうと思ってんだ。」

A子「なんでそこまですんのぉ? 親子二人で助け合うってのは分かるけどぉ、何かそれじゃDQNの負担の方が多くね?」

394: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 22:59:32.98 ID:Cawnoj9AO DQN「いや、これからずっとってワケじゃねぇよ。学校始まっちまったら、ビール工場の方は終わりだからな。牛丼屋一本でそこまで負担し続けんのは無理だからよぉ、この夏の間だけだ。オフクロは普段、寝る暇もねぇぐらい働いてて、その無理が祟って今回の骨折に繋がったんだ。何かよぉ、俺はそれって、神様がドクターストップかけてくれたんじゃねぇかと思ってな。」

非リア「ん~、だとしても、もう少し穏便なドクターストップにして欲しかったよね。本物のドクターのお世話になる事になったんだから。」

395: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:00:05.93 ID:Cawnoj9AO DQN「ははは。確かにだいぶ荒いよな。まぁ、オフクロはそれぐらいしねぇと休まねぇ人間だからな。っつうワケでよぉ、せっかくの長期休暇なんだから、出費の部分も休ませてやろうと思ってよぉ。」

A子「なんかぁ、立派すぎて溜め息出るんですけどぉ。」

396: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:02:11.70 ID:Cawnoj9AO A子の自宅

A子「着いたしぃ。」

DQN「・・・・・・誰ん家だ?」

非リア「A子ちゃんだよ。」

DQN「へぇ~。結構デカいんだn・・・何でお前が知ってんだよ?」

非リア「ふふふ。実はね、“ある計画”を実行する為に、何度かA子ちゃん家にお邪魔したんだ。」

A子「うんうん。」

DQN「“ある計画”? 人類補完計画か?」

非リア「んなワケないでしょ!」

A子「何それぇ? ジンルイホカン?」

DQN「あ~、何でもねぇ。話すとエゲツなく長くなる。」

非リア「さて、それじゃあ、お披露目しようか。」

397: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:03:06.18 ID:Cawnoj9AO A子「そうだねぇ。」

DQN「?」

非リア「シャッター!」

A子「オープン!」

ガラガラガラガラガラ

ガシャン

DQN「!?」

非リア「ふふふ。」

A子「どうだぁ!」

DQN「・・・・・・ドラッグスターじゃねぇか。」

非リア「流石だねぇ。見ただけで車種が分かるんだ。」

A子「車やバイク好きな人ってぇ、そういうトコマジすげぇよねぇ。」

DQN「いや、ドラッグスターは超有名ドコロだから、バイク興味なくても知ってる奴は結構いるぜ。」

非リア「へぇ。そうなんだ。」

398: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:05:52.91 ID:Cawnoj9AO DQN「で、これがどうかしたのかよ? 」

非リア「うん。これをね、僕らからDQNにプレゼントしようと思って。」

DQN「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」

A子「遅っ!」ズコ

DQN「いやいやいや、俺にプレゼントって、コイツを!?」

A子「そうだよぉ。」

399: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:07:25.13 ID:Cawnoj9AO 非リア「A子ちゃんのお兄さんが昔乗ってた物らしくてね、壊れてそのままにしてあったから、僕らが譲り受けて、修理したんだ。」

DQN「修理って・・・・・・」

ハッ

DQN「ま、まさかお前ら、夏に急に長野かどっかにバイトしに行ったのって!?」

非リア「うん。正解。」

A子「修理代稼ぐためぇ。」

DQN「な・・・なんで・・・・・・そんな・・・」

非リア「友達だからだよ。」 DQN「・・・。」

非リア「君は今まで、僕の事を何度も助けてくれたよね。なのに僕は、一度も君を助けてあげられた事がない。」

400: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:09:46.98 ID:Cawnoj9AO DQN「いや、別に・・・・・・今まで、そんな助けてもらわなきゃいけねぇほどの、大ピンチがなかっただけだ・・・」

非リア「でも、今は違うよね? この状況は、決してピンチじゃないとは言い切れないでしょ?」

DQN「それは・・・・・・」

非リア「君は僕にとって、生まれて初めてできた親友なんだ。生まれて初めて、家族以外で心を開く事ができた相手なんだ。その親友の為に何かしたいと思うのは、当然でしょ。」

DQN「非リア・・・」

A子「あたしはぁ、非リア君が何か一人で頑張ろうとしてたから、手伝ってみたくなったぁみたいな。」

DQN「A子・・・」

401: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:10:57.94 ID:Cawnoj9AO 非リア「君は優しいクセに意地っ張りだから、僕らが現金を渡そうとしても、絶対受け取らないでしょ? そこは付き合い長いから分かるよ。でもね、僕らも君を助けたいし、支えたいと思ってるんだ。君の事が、本当に大切なんだ。だから、少し強引だけどバイクっていう、引っ込みのつかない形の物を用意させてもらった。」

DQN「・・・・・・。」

A子「新品じゃないのはご勘弁ねぇ。」

DQN「・・・いや・・・・・・十分だ。」

非リア「ふふふ。」

DQN「・・・・・・うっ・・・ぐすっ・・・」

A子「えへへぇ。」

402: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:20:04.00 ID:Cawnoj9AO DQN「いや、別に・・・・・・今まで、そんな助けてもらわなきゃいけねぇほどの、大ピンチがなかっただけだ・・・」

非リア「でも、今は違うよね? 今の状況は、決してピンチじゃないとは言い切れないでしょ?」

DQN「それは・・・・・・」

非リア「君は僕にとって、生まれて初めてできた親友なんだ。家族以外で、初めて心を開く事ができた相手なんだ。その親友のがピンチに陥って、それを一人でどうにかしようと苦しんでるなら、微力でも何かしたいと思うのは当然でしょ。」

DQN「非リア・・・」

A子「あたしはぁ、非リア君が何か一人で頑張ろうとしてたから、手伝ってみたくなったぁみたいな。」

DQN「A子・・・」

403: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:21:18.77 ID:Cawnoj9AO 非リア「君は優しいクセに意地っ張りだから、僕らが現金を渡そうとしても、絶対受け取らないでしょ? そこは付き合い長いから分かるよ。でもね、僕らも君を助けたいし、支えたいと思ってるんだ。君の事が、本当に大切なんだ。だから、少し強引だけどバイクっていう、引っ込みのつかない形の物を用意させてもらった。」

DQN「・・・・・・。」

A子「新品じゃないのはご勘弁ねぇ。」

DQN「・・・いや・・・・・・十分だ。」

非リア「ふふふ。」

DQN「・・・・・・うっ・・・ぐすっ・・・」

A子「えへへぇ。」

404: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:22:21.56 ID:Cawnoj9AO DQN「・・・ぐすっ・・・・・・すまねぇ・・・すまねぇ・・・ヒック・・・」

非リア「ふふふ・・・・・・あれ?」

ポロポロ

非リア「お、おかしいな・・・ぐすっ・・・・・・なんで僕まで・・・ぐすっ・・・」

DQN「・・・ヒック・・・・・・泣いてんじゃねぇよ・・・テメー・・・・・・ぐすっ・・・」

非リア「うっく・・・・・・君もだろ・・・ぐすっ・・・」

A子「あはは。二人ともダサい顔だしぃ。」

DQN「・・・・・・うるせぇよ・・・ぐすっ・・・」

非リア「ぐすっ・・・良いよ、元々かっこいい顔でもないし・・・ヒック・・・」

405: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:24:26.57 ID:Cawnoj9AO A子「あはは。」

うるっ

A子(あ~、ヤバい、あたしまで泣きそうだしぃ。耐えろA子ぉ!)

DQN「二人とも、この恩は一生忘れねぇ。本当に、すまねぇ。もし今度、何か困ってる事あったら言ってくれ。いくらでも力貸す。」

非リア「ねぇ、DQN。“すまねぇ”は違うよ。」

DQN「えっ?」

非リア「“ありがとう”って、言ってよ。」

DQN「・・・。」

非リア「・・・。」

A子「・・・。」

DQN「・・・・・・そうだな。」

ペコッ

DQN「二人とも。マジでありがとう。」

非リア「ふふふ。どういたしまして。」

A子(あ~、ダメだぁ。涙腺崩壊しまぁす。)ポロポロ

406: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:25:45.67 ID:Cawnoj9AO 12月 昼休み 体育館裏

DQN「あぁぁぁぁぁぁぁ、寒ぅぅぅぅぅぅぅ!」ガチガチガチガチ

非リア「いぃぃぃぃぃ、良い加減、外でお昼食べるには厳しい季節だよねえぇぇぇぇ。」ガチガチガチガチ

DQN「冷暖房完備の体育館裏ってのは作れねぇのかよ。」

非リア「意味が分からないね。それ、外にエアコンが置いてあるだけだよね。」

DQN「ってか、最近A・B・C子はどうしたんだよ? めっきりここに来なくなったじゃねぇか。」

非リア「さすがに寒すぎて無理だって。教室でお昼食べてるよ。」

407:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県):2012/06/14(木) 23:26:33.76 ID:EH8Ifsjao そういやB子とC子空気だな

408: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:26:45.16 ID:Cawnoj9AO DQN「んだよ。結局また殺風景な野郎2匹の昼飯に戻っちまったじゃねぇか。」

シュポ

DQN「ふぅ~」

非リア「君がタバコさえ吸わなきゃ、僕らも教室で食べられるんだけどね。」

DQN「お前、それはライオンに『シマウマ食うな』って言うぐらいの無茶ブリだ。」

非リア「大袈裟。」

非リア「もうすぐ冬休みだね。」

DQN「だな。」

非リア「DQN、二学期はほとんど学校サボらなかったね。」

DQN「仕方ねぇだろ。どっかの恩人二人に『出席日数ヤバくなるほどバイト詰めんな』って言われたんだからよぉ。」

409: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:28:44.58 ID:Cawnoj9AO 非リア「ふふふ。」

DQN「まぁ、元金は消えたし、後は利息を返してくだけだからな。学校と両立させながらのんびりやってくぜ。」

非リア「それが良いよ。冬休みは、またバイトづくしになるの?」

DQN「そうだな。夏にやったビール工場のライン作業にまた雇ってもらう事になったんだ。年末年始は宴会ラッシュでビールが飛ぶように売れるからよぉ、手ぇ貸して欲しいってな。」

非リア「そっか。体には気を付けてよね。」

DQN「おぅよ。お前は、冬休みは受験の追い込みか?」

410: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:29:45.02 ID:Cawnoj9AO 非リア「そうだねぇ。センター試験もあるし、気が抜けないよ。」

DQN「その・・・・・・俺の為に、夏休みの半分を犠牲にしてくれたじゃねぇか? その分の遅れは、どうだ?」

非リア「あ~、まぁ、確かにバイトから帰ってきて、塾の夏期講習に途中参加した時は、全くついていけなくて絶望したけど、そこから必死に勉強したからねぇ。今はどうにか真ん中程度のレベルには追い付けたよ。A子ちゃんもそんな感じだってさ。」

DQN「・・・そうか。」

非リア「心配しないで。それと、責任も感じないで。」

DQN「・・・・・・おぅ。」

411: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:30:35.30 ID:Cawnoj9AO 非リア「バイクはその後、調子どう?」

DQN「いやぁ、すこぶる好調だよ。何のトラブルもねぇしな。」

非リア「そっか。なら良かった。」

DQN「まぁ、今の季節はちょっと単車乗りには厳しいけどな。」

非リア「だろうねぇ。自転車でもかなり寒いもん。」

DQN「人肌が恋しくなるなぁ。」

非リア「・・・。」

DQN「もうすぐクリスマスだぜ?」

非リア「・・・。」

DQN「お前、彼女どうすんだよ?」

非リア「・・・それは・・・」

412: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:37:58.88 ID:Cawnoj9AO DQN「まぁ、一番大事なのは受験勉強だけどよぉ。恋愛も二番目ぐらいに大事だろ。」

非リア「・・・・・・そうだね。」

DQN「牛丼屋の女の先輩に頼んで、合コンでもセッティングしてもらうか?」

非リア「・・・・・・いや、良いよ。僕、彼女できたから。」

DQN「お~、そっかそっか。お前にもついに春が来t」

DQN「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?」

414: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:39:39.85 ID:Cawnoj9AO 非リア「・・・。」キーン

DQN「かかか、彼女!? お前、『彼女できた』っつったか!?」

非リア「・・・うん。」

DQN「いつだよ!? ってか、相手誰だ!?」

非リア「告白されたのは昨日。相手は・・・・・・A子ちゃん。」

DQN「!!!?」

非リア「・・・以上、報告でした。」

DQN「・・・。」パク パク

非リア「・・・・・・じゃあ。」スクッ

DQN「行かすか落としぃ!!」

グイッ

非リア「わぁ!!」

ドサッ

DQN「以上じゃねぇだろ、以上じゃ!! 昨日のいつ、どこで、どんなシチュエーションだったのか、その辺まで話すのが報告だろうがテメー!!」

非リア「うぅ、照れくさいなぁ。」

DQN「吐けテメー!! 吐かなきゃアルゼンチンバック行かs」

非リア「もう良いよ、それ!!」

416: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:40:50.37 ID:Cawnoj9AO 昨日 放課後 体育館裏

A子「付き合ってぇ・・・欲しいんだけどぉ。」

非リア「・・・・・・また?」

A子「えっ?」

非リア「またあの辺からB子ちゃん・C子ちゃんが出てくるんでしょ?」

A子「ち、違うよぉ!!」

非リア「・・・。」

A子「マジで違うからぁ!! B子もC子もいないしぃ!!」

非リア「・・・・・・ホントに?」

A子「うん・・・。」

非リア「・・・って事は・・・・・・」

A子「・・・・・・うん、マジ。」

非リア「・・・。」

A子「マジで非リアが好きなのぉ。」

417: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:41:42.63 ID:Cawnoj9AO 非リア「な、何で? 何で僕なんか・・・」

A子「ん~、あたしらぁ、非リア君に罰ゲで告るっていう、酷い事したじゃん?」

非リア「う、うん。」

A子「でも非リア君、あたしらの事許してくれてぇ、それどころかDQNに怖い思いさせられてないかってぇ、心配までしてくれたじゃん?」

非リア「・・・うん。」

A子「何かぁ、その優しさにぃ、すっごいキュンってなったぁみたいな。」

非リア「はぁ・・・」

418: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:42:40.03 ID:Cawnoj9AO A子「あの日からぁ、ずっと非リア君の事ばっか考えるようになっちゃってぇ、DQNと非リア君がゲイじゃないかって噂立った時もぉ、ぶっちゃけ気が気でなかったんだよねぇ。」

非リア「あぁ、そう言えば何か、すっごい念入りに訊いてきたよね。」

A子「だってぇ、好きになった相手がゲイだったとかぁ、シャレになんないじゃん?」

非リア「う、うん。」

A子「そんでさぁ、好きになってみるとぉ、非リア君とDQNの繋がりの強さもぉ、すっごい気になり出しちゃってぇ。何て言うかぁ、あたしには入れない世界ぃみたいな。恋愛と友情は別口って分かっててもDQNに嫉妬しちゃってぇ、勝てそうになくて凹んでぇみたいな。」

419: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:43:30.34 ID:Cawnoj9AO 非リア「僕とDQNは別に・・・」

A子「分かってるよぉ。分かってるけどぉ、やっぱ気になっちゃうのぉ。好きになるってそういう事じゃん?」

非リア「そ、そうだね。」

非リア(恋愛した事ないから分からないけど)

A子「・・・・・・好きです。」

非リア「あ、え~っと・・・」

A子「・・・ダメ?」キョトン

非リア「!!」ドキッ

非リア(出たぁ!! 必殺ポーズ!!)

非リア「よ、喜んで。」

A子「マジ!?」

非リア「う、うん。」

A子「・・・。」

非リア「・・・・・・A子ちゃん?」

420: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:45:22.01 ID:Cawnoj9AO A子「・・・・・・。」ふるふるふる

非リア「えっ、ま、まさか・・・・・・やっぱr」

A子「うわあぁぁぁぁん!」

ガバッ

非リア「!!!?」

ギュウゥゥゥゥ

A子「良かったぁ! 断られるかと思ったぁ!」

非リア「あ、あの、ちょ・・・・・・」

A子「大好きいぃぃぃぃぃぃ!」

ギュウゥゥゥゥ

非リア「!!!!」ドッキィ

非リア(萌え狂う!!!!!!!!)

429: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:54:16.92 ID:Cawnoj9AO 現在 体育館裏

非リア「って事なんだ。」

DQN「・・・・・・マジか。」

非リア「うん。それでクリスマスに、塾が終わったらちょっとだけ会ってクリスマスツリー見に行こうって誘われたんだ。」

DQN「うおぉ、マジかマジか! 良いじゃねぇか! 行けよ!」

非リア「う、うん。」

DQN「そうかぁ。お前もついに彼女できたかぁ。しかも相手が筋金入りギャルのA子とはなぁ。なんか面白れぇなぁ、おい。」ニヤニヤ

非リア「僕も意外だったよ。」

DQN「まぁ、何だなぁ、やっぱ大事なのは中身って事だなぁ。色んな男食い散らかしてみて、そこに辿り着いたって感じか。」

非リア「あっ、その事なんだけどね・・・」

DQN「ん?」

430: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:55:26.49 ID:Cawnoj9AO 再び昨日 放課後 体育館裏

非リア「でも、意外だね。」

A子「何がぁ? ダーリン。」ニタニタ

非リア「だ、ダーリンって・・・その、A子ちゃんみたいなギャル路線の娘は、僕みたいな暗いタイプには興味ないと思ってたよ。」

A子「あぁ~、あたしねぇ、あんまりチャラい奴とかヤンキーには興味ないんだぁ。友達にはなれるけどねぇ。ナンパされても絶対ついてかないしぃ。」

非リア「そうなんだ。今までの彼氏も、真面目な人が多かったの?」

A子「今までってか、非リア君が初めてだよ?」

非リア「・・・えっ?」

A子「あたしこういうルックスだからぁ、ヤリマンだって思われやすいんだけどぉ、恋愛した事ないんだよねぇ。」

非リア「えっ? えっ?」

A子「非リア君が初めての彼氏だよ。」

非リア「・・・。」

A子「えへっ。ダーリン。」デレデレ

非リア(萌え死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!)

431: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:57:13.32 ID:Cawnoj9AO 現在 体育館裏

DQN「ぶはっ! ゲッホゲホ!」

非リア「ちょ、DQN! 大丈夫?」

DQN「ゲーッホゲッホゲッホ! ま、ま、待てお前! って事はアレか!? A子って・・・・・・処女?」

非リア「そうなるけど・・・・・・実際、どうなんだろ? なんか、そういうフリをする人もいるって言うし。」

DQN「いや、そう言えば確かに、A子の口から男の話なんて聞いた事ねぇな。B子・C子が訊いてもいねぇのに合コンでどこそこの会社員食ったとかって話、しょっちゅうしてきやがるから、完全にA子も同類なんだと思い込んでたぜ。」

432: ◆51UnYd7yHM:2012/06/14(木) 23:58:02.23 ID:Cawnoj9AO 非リア「そうなんだ。」

DQN「おいおい、良いなぁ、お前。処女と童貞とかよぉ。男女の神秘じゃねぇか。」

非リア「あはは。」

DQN「ウゼッ! テメー、まんざらでもねぇみたいなツラしやがって!」

非リア「そ、そりゃ僕だって男だからね。初めての相手は・・・・・・やっぱりその・・・」

DQN「あぁ、あぁ、分かる分かる。だから言うな。」

DQN(チクショー。初体験の相手があのルックスで、しかも処女かよ。羨ましすぎんぜ非リア。)

434: ◆51UnYd7yHM:2012/06/15(金) 00:00:44.91 ID:Cawnoj9AO 非リア「DQNは、卒業後はあの牛丼屋さんに就職するんだよね。」

DQN「えっ? おう。そうだぜ。」

非リア「忙しくなりそうだね。」

DQN「・・・そうだな。きっと今までとは比べモンにならねぇぐらいな。」

非リア「会う機会も・・・減りそうだね。」

DQN「・・・・・・あのよぉ・・・」

非リア「なに?」

DQN「どうやら俺、今いるトコとは別の店に配属されるらしいわ。」

非リア「えっ?」

437: ◆51UnYd7yHM:2012/06/15(金) 00:04:39.78 ID:Cawnoj9AO DQN「今いる店はもう社員は足りてるんだと。だから、最初の研修3ヶ月間は今の店でやって、それから後はどっか別の店で働くんだと。」

非リア「べ、別の店って・・・・・・どこ?」

DQN「まだ決まってねぇ。隣町かも知れねぇし、電車で30分ぐらいのトコかも知れねぇし、もしくは一人暮らししなきゃいけねぇような他府県かも知れねぇ。それはまだ分からねぇんだ。」

非リア「そ・・・そうなんだ・・・・・・」

DQN「・・・・・・おぅ。」

非リア「・・・。」

DQN「・・・。」

非リア「・・・。」

DQN「・・・・・・切れたりしねぇよ。」

438: ◆51UnYd7yHM:2012/06/15(金) 00:06:22.19 ID:Cawnoj9AO 非リア「えっ?」

DQN「俺らの縁。何県に飛ばされようが、そんぐらいの事で切れるかよ。」

非リア「う、うん。」

DQN「会いに帰って来んよ。お前らのくれたドラッグスターに乗ってよぉ。」

非リア「ぼ、僕も・・・会いに行く。」

DQN「・・・・・・おぅ。来やがれ。」

非リア「うん。行く。」

DQN「A子に妬かれねぇ程度にな。」ニヤニヤ

非リア「えっ? う、うん。」アタフタ

DQN「かはははは。赤くなってんじゃねぇよ、気持ち悪ぃ。」

非リア「う、うるさいなぁ。」

439: ◆51UnYd7yHM:2012/06/15(金) 00:09:24.68 ID:Cawnoj9AO 非リア「DQN。」

DQN「あぁ?」

非リア「ずっと・・・・・・友達だよね。」

DQN「当たり前だろ、バーカ!」

おしまい

【ムフフな事態に】独身の俺が隣のカワイイ奥さんのよがり声にそそられて自宅を訪ねた結果。。。

俺はフリーのライターで、一度も結婚歴のない独身の中年男です。

最後に女性と交際したのは29歳のときですから、

およそ16年間も恋人がいないことになります。

もともと俺は小説家志望だったのですが、現実はとても厳しいもので、懸賞に応募しても落選続き。

貧乏のどん底状態で、知り合いのつてでライター仕事を紹介してもらい、それなりの生活ができはじめたころには四十の坂を越えていました。

今は生活のために、小説よりも弱小週刊誌のライター仕事が中心になっており、女性にアタックするような気力や体力もなくなっていたんです。

仕事場はもちろん自宅のアパートで、将来のことを考えると、不安感に押しつぶされそうでした。

そんなある日、隣の部屋にひと組の夫婦が引っ越してきました。

二人はすぐに挨拶に来てくれたのですが、奥さんを見たとき、私は一瞬にして心ひかれてしまいました。

歳のころなら三十代前半でしょうか。

ぱっちりとした大きな目、小さな鼻、ぷっくりとした唇と、ベビーフェイスにもかかわらず、彼女はとても豊満な体つきをしていました。

セーターの胸元からいまにもこぼれ落ちそうなバストや、腰回りも横にパンと張り出していて、まさに私好みの愛くるしい女性でした。旦那さんのほうは異様に若く、好きなときに彼女を抱ける彼を私はうらやましと思うとともに、今の自分の状況と比較し、すっかり落ち込んでしまったんです。

表札から、奥さんの名前は『秀美』 だと分かりましたが。

私はその日から彼女の淫らな姿を妄想するようになりました。

いちばんきっかけになったのは、夜な夜な隣の部屋から夫婦の営みが聞こえてくることでした。

今住んでいるアパートは壁がとても薄いんですが、二人はそのことにまだ気づいていないようで、最初は旦那さんがアダルトビデオでも観てるのかと思ったんです。

なぜなら喘ぎ声に混じり、女性の卑猥な言葉がときおり聞こえてきたからです。

『あぁ、あなた。もっと奥まで突いて』

『オチンチン、硬いぃぃぃっ』

『オマンコいい、オマンコいいの』

男の性欲だけを刺激するようなセリフがバンバン聞こえてくるのですから、勘違いしてしまうのは無理はありません。

喘ぎ声が秀美さんのものだとわかったのは、旦那さんが放った、『秀美、もう勘弁してくれ。明日は早朝から会議があるんだから』 という言葉からでした。

こうして週に4日は秀美さんの喘ぎ声が洩れてくるのですから、こちらはたまったものではありません。

可憐な容姿とのギャップに新鮮な刺激を受けた私は、仕事そっちのけで年甲斐もなく、何度もオナニーで欲求を発散してしまいました。

ところが秀美さん夫婦が引っ越してきてからふた月も経たず、とんでもない事態が発生しました。

いつもは夜しか聞こえてこない女性の喘ぎ声が、平日の午後2時ごろに聞こえてきたんです。

もちろんその声がアダルトビデオなどではなく、秀美さんの声であることははっきりとわかっていました。

私は、てっきり旦那さんが何かの理由で会社を休んでいるのではないかと考えたのですが、その日の夜、夕食を買い出しにいったとき、駅の方角から歩いてくる旦那さんの姿を見かけたのです。

まさかと思いながらも、あの奥さんが旦那の留守に男を連れ込んでいるとは、とても信じられませんでした。

秀美さんは私のなかで、一種のアイドル的存在となっていましたし、どうしても認めたくなかったんだと思います。

それから週に二日は、昼間に彼女の喘ぎ声を聞く日々がひと月ほど続きました。

そして仕事の打ち合わせから夕方に帰宅した際、私はついに秀美さんの決定的な浮気現場を目撃してしまったのです。

階段を昇って自分の部屋に向かう最中、突然秀美さんの部屋の扉が開き、私は回り込むようにして横を通り過ぎました。

当然、秀美さんが買い物にでも出かけるのだろうと思いながら会釈をしたんですが、彼女はなんと扉の裏側で見知らない男と熱い抱擁を交わしていたんです。

ドアが遮断幕になっていたので、誰にも見られてないだろうと思ったのかもしれません。

男は背中を向けており、私の存在には気づかなかったようですが、秀美さんとは視線がしっかり合ってしまい、私はあわてて自分の部屋へと逃げ込みました。

秀美さんは、やはり夫の目を盗んで不倫をしていた。

あまりのショックに打ちひしがれ、私は全身から力が抜けていくようでした。

食べ物ものどを通らず、その日は着の身着のまま、布団をかぶってふて寝をしていたんです。

午後7時過ぎぐらいでしょうか。

部屋のインターホンが鳴り響き、やや甲高い女性の声が聞こえてくると、私はハッとしました。

『平山さん、います?ちょっといいですか』

その声は、間違いなく秀美さんでした。

『いったい何の用だろ?ひょっとして、言い訳でもしにきたんだろうか。それとも旦那さんへの口止めを頼みにきたのかな』

不貞の現場を隣の部屋の住民に見られたわけですから、普通の女性ではとても顔を合わせられないはずです。

なんにしても、私はすぐさま玄関へ向かい、部屋の扉を開けました。

『ごめんなさい。こんな時間に。迷惑ですか?』

『いえ、そんなことは…ありませんけど』

『平山さんて、パソコンには詳しいですか?』

『は?』

『実は、メールが突然使えなくなって。 もし時間がありましたら、ちょっと見てもらえないかと思いまして』

『パソコンは仕事で使用しているのである程度なら分かりますが…』

秀美さんはいつもと変わらぬ明るい笑顔で、夕方の一件などすっかり忘れているかのようでした。 私も拍子抜けしながらも、固い表情は少しも崩しませんでした。

『で…でも、旦那さんは?』

『今日は主張で、帰ってくるのは明日なんです。 知人にどうしても緊急のメールを送らなくちゃいけなくて。 お願いします!』

夫が主張という話を聞き、彼女は男と会っているいるときは油断したのだなと、私はピンときました。 それでも密室の中であこがれの人妻と二人きりになれるのですから、こんなチャンスはめったにありません。

『わ、分かりました』

旦那さんが留守ということで、ようやくホッとした私はサンダルをはき、秀美さんに導かれるまま、お隣の部屋へと向かったんです。 ほんのちょっぴりだけ期待しながら…。

メールの不具合は、単にアカウントがオフラインになっていただけだったんですが、秀美さんは後ろから抱きつくように体を寄せ、巨乳を肩にグッと押しつけてくるんです。

この時点で、私は頭がカッと熱くなり、久方ぶりに激しい性欲に衝き動かされていました。

『助かりました。ありがとうございます』

『メ、メール、知人に送っておきますか?』

『お願いします』

メールを送った直後、秀美さんは耳元に唇を近づけ、ささやくように言ったんです。

『さっき…見ましたよね?』

『な、何のことでしょう?』

心臓をドキドキさせながら、私はとぼけました。

もちろん最初から旦那さんに告げ口などするつもりはなかったですが、秀美さんはかなり心配していたようです。

私の太ももに温かい手のひらを這わせてきて、しなを作りながらつぶやいたんです。

『あの人、昔の彼なんです』

『そ、そうなんですか』

『最近の主人は仕事のほうが忙しくてあっちほうも昔から淡白なんです。 私、さびしくてさびしくて』

秀美さんが嘘をついていることは分かっていました。

こちらは、週に何度も夫婦の営みを聞かされているのですから。

いくら若いとはいえ、あれほど求められたら、どんな男でもインターバルがほしいと思ってしまうでしょう。 秀美さんは旦那さんの営みでは我慢できずに、元カレを呼び出したのでしょう。 外見の愛くるしさからは想像もつかないまさかの性格にショックを受けながら、私の股間は激しくいきり勃っていました。

私にとっては悩ましい女性である ことには違いないのですから、心臓はドキドキと鼓動を打ち、全身の筋肉はガチガチに硬直していたんです。

『夕方見たこと、主人には内緒にしてくれますか?』

『も、もちろんです!人の家庭を壊すようなマネはしません』

汗だくになりながら返答すると、秀美さんはニッコリ笑いながら私の手を取り、たわないバストへと導いたんです。

『ありがとうございます。お礼とはいってはなんですけど…』

潤んだ瞳、上気した頬、濡れた唇を舌先でなぞり上げた瞬間あまりの強烈なセックスアピールに私の頭の中は真っ白になりました。

気がつくと、私は椅子から立ち上がり、秀美さんを床に押し倒して首筋にキスの雨を浴びせていたんです。

『あぁん。あわてないで』

私のほうが年上でしたが、生身の女性を抱けるなんて久しぶりのことです。

まるで童貞のときのように胸が昂り、まさしく飢えた獣そのものでした。

ふんわりとしたふくよかな体の感触に夢中になりながら、スカートをまくり上げると、秀美さんは自ら唇を重ね合わせてきました。

むさぼるように舌を吸い、唾液を絡め合わせているだけでこらえような狂おしさが突き上げてくるんです。

秀美さんの股間の中心は、生温かい湿った空気が充満していました。

指先でショーツの布地の上から縦筋をなぞり上げると、『あンっ』 というかわいらしい声をあげます。

私は中指で、小刻みな回転を与えました。

みるみるうちに愛液が布地からしみ出し、指先にねっとり絡んでくると、秀美さんも負けじとばかりに股間の膨らみを撫で上げてくるんです。

『うっ!』

『ふふっ』

全身をこわばらせた瞬間、秀美さんは妖しげな含み笑いを洩らし、体を反転させながらのしかかってきました。

その顔は、まさに淫乱そのもの。

彼女は私のズボンのホックをはずし、ゆっくりと引き下ろしていきました。

ただそれだけの行為でトランクスの前部分は凄まじいばかりの勃起を示し体の中では性欲の嵐が吹きすさんでいるような状況です。

『平山さんの…大きいわ』

秀美さんは上目づかいでつぶやくと、パンツのウエストに両指を添え、ゆっくりと引き下ろしていきました。

硬くなったペニスは、自分でもビックリするほど昴っていました。

茜色の亀頭はがっちりとえらが張り、胴体には太い血管が何本も浮き上がって、いまにも破裂しそうです。

『凄い。平山さんって、おいくつなんですか?』

『よ、四十五です』

『四十代半ばで、こんなにカチカチになるんですか?信じられない』

そう言いながら、秀美さんが右手でペニスをシュッシュッとしごき上げると、私は早くもあごを天井に向けていました。

『あ…くぅ』

『ふふっ』

秀美さんはよほど好色なのか、よがる男の表情を見るのが好きなようです。

私の顔をじっと見つめながら、半開きになった唇のすき間からペニスに唾液を滴らせ、私は恥ずかしさで腰をくねらせていました。

『あぁぁぁっ』

人妻の放った透明な粘液が、亀頭から根元に向かって滴り落ちていくのですから、淫靡なことこのうえありません。

ハチミツを塗りたくったようなペニスがビクビクと震えた瞬間、秀美さんはまたもやささやくようにつぶやきました。

『しゃぶってほしい?』

『あぁ…しゃぶって、しゃぶってくださ…あっ!?』

言い終わらないうちに、秀美さんはがっぽりとペニスをのどの奥までくわえ込んだんです。

いきなりのディープスロートに、私は目をひん剥いていました。

頭をゆっくりと上げてペニスを引き抜いていくと、さらに大量の唾液が胴体にまとわりつき、蛍光灯の反射してヌラヌラと輝いていました。

『…おいしい』

秀美さんはうれしそうに言い放つと、本格的に腰を動かしはじめました。

そのフエラチオがまた凄まじくて、頭を左右に振りながらペニスに舌を絡ませ、頬をすぼめて強烈に吸い上げてくるんです。

バーベキューフェラというんでしょうか。

こんないやらしいフェラは、交際していた恋人はもちろんのこと、風俗嬢でさえ体験したことはありません。

これが人妻のテクニックというものでしょうか。

ジュッパジュッパと、卑猥な音が室内に反響し、その音を聞いているだけで、私の性感はあっという間に頂点へと導かれました。

『あ…あ。

そ、そんなに激しくされたら』

『うンっ!うンっ!』

射精の兆候を告げても、秀美さんはピストンをまったくゆるめようとせず、さらに顔の打ち振りを速めてきました。

当然のことながら、このままでは秀美さんの口の中に発射してしまいます。

もちろん口内発射など、私は一度も経験したことがありませんでした。

『だ、だめです!出ちゃいます!!』

相手が人の妻だということもあったのですが、さすがに口戯だけで射精しては情けないと、私は必死の形相で訴えました。

その直後、秀美さんはようやく口からペニスを抜き取り、右手で怒張を激しくしごきたててきたんです。

『あ…あ』

彼女はとても楽しそうでした。

私の顔とペニスを交互に見ながら、ペニスをなぶりたててきます。私には、とても我慢できる余力は残っていませんでした。

『あ…出ます…出る!』

『きゃっ!』

精液は秀美さんの頭の上まで一直線に跳ね上がり、放物線を描いて私のセーターの上へと降り注ぎました。

『すっごーい』

秀美さんは無邪気に笑いながら、さらに手を上下にスライドさせました。

そのたびに、ポンプに吸い上げられるように尿道口を搾り上げられました。

ようやく放出が終わると、私はまるで百メートルを全力疾走したかのように肩で喘いでいました。

『こんなに出るなんて信じられない。溜まってたんですか?』

頭の中が朦朧としていて、とても答えることなんてできません。

驚いたことに、秀美さんはそのあと、口で私のペニスを清めてくれました。

敏感になっている先端に柔らかい舌が這ってくる感触に、私は熱い溜め息を洩らすとともに感動さえしていたんです。

さらに信じられないことに、やや萎えはじめていたペニスは、再びムクムクと大きくなっていましたどうやらあまりの刺激的な状況に、盛りがついてしまったようです。

『嘘っ!平山さん、ホントに四十五歳なんですか?うちの旦那なんか二十五歳なのに、一回出ししたら全然勃ちませんよ』

これには、さすがの秀美さんも目を丸くしていました。

そしてうっとりした顔つきをすると、その場で立ち上がり、セーターとスカートをゆっくり脱いでいったんです。

私はまだ寝そべってたままの状態だったのですが、下から見上げる豊満な肉体は凄まじいばかりの迫力でした。

秀美さんは、セーターの下にブラジャーを着けていませんでした。

まだ型崩れしていないバストのふくらみがプルプル震え、腰回りに食い込むようにまとわりついた布地面積の小さなショーツが、中年男の性感をより刺激していました。

やや後ろを向き、前屈みになってショーツを剥きおろすと、桃のようなヒップがさらけ出され、なめらかな肌ととろけそうな脂肪がたぷたぷと揺れています。

ペニスがピクピクと頭を振ると、秀美さんはさっそく私の顔に跨がってきました。

『平山さん、私のも舐めて』

大開脚された股間の中心部は、厚みのある陰唇が外側にめくれ、赤い粘膜が剥き出しになっていました割れ目からは大量の愛液が溢れ出し、熱気とともにふしだらな匂いがプンプンとただよってくるんです。

『あぁぁっ』

まるで物の怪に取り憑かれたように、私は夢中になってむさぼりついていました。

『いやンっ!あぁぁぁっ』

秀美さんがヒップをくねらせるたびに陰唇が唇から鼻を上すべりし、私の口の周りは瞬く間に愛液だらけになりました。

甘ずっぱい味覚に頭をじんじんとしびれさせながら、溢れ出るヌルヌルの愛液を啜り上げていると、いよいよもって私は我慢できなくなりました。

牡の本能が、そして体が女の肉体を欲し、もう一刻も早く挿入したくてたまらないのです。

中年男の心境など先刻お見通しなのか、秀美さんは潤んだ瞳を向け、そのまま体を後方へとずらし、私の腰に股がりました。

避妊具を着けるような気配は、いっさいありません。

『まさか!?生で、生でするのか』

私は期待感に胸を躍らせながら、その瞬間を待ち受けていました。

肉の切っ先が割れ目に押し当てられ、大ぶりのヒップがググッと下りてきた瞬間、私はあまりの快感に息をのんでいました。

とろとろにとろけた肉の壁が、まったりと前後左右から適度な力でペニスを包み込んできます。

こんなに気持ちのいい感触は、これまで交際してきた女性からはとても得られませんでした。

『あ…あ。なんだよ、これ。チンポが溶けちゃいそうだ』

口を半開きにした直後、秀美さんが甘ったるい声を放ち、やがてゆっくりと腰を動かしはじめました。

『ふぅンっ、平山さんの、大きくて気持ちいいわぁ』

大股開きの状態で両膝を立て、全体重を乗せるようにヒップを打ちつけてくるのですから、受ける圧迫感は凄まじいものでした。

息が詰まるような腰の動きに全身を硬直させながらも、ペニスだけは膣の中でもみくちゃにされ、再び射精感が否が上にも上昇していくんです。

『あぁっ、いい!オチンチンいい!!』

激しく腰を振る秀美さんの声は、紛れもなく自分の部屋で聞いたあの事とまったく同じものでした。

そして私は残るありったけの精液を、彼女の膣の中に発射したのです。

事が終わったあと、秀美さんは、『また会いたい』

と言ってくれ、私は二度目の逢瀬をいまかいまかと待ち受けていたんです。

ところが連絡もないまま、二週間後には引っ越し業者が来て、隣の部屋はものけの殻になってしまいました。

これは私の大失態で、隣の部屋から聞こえてくる夫婦の営みに何度も興奮していたと、うっかり口をすべらせてしまったんです。

秀美さんにとっては、確かに最初は口止めのつもりで私を誘ったのでしょうが、壁が薄いことを理由に引っ越しを亭主に懇願したんでしょう。 私は後悔しながらも、いまでも彼女とのセックスを思い出してはオナニーを繰返しているんです。

【ムフフな神展開】15歳の時、家出したら赤髪の美人お姉さんに拾われた!女「私の家に行こう」男「行きます( ̄Д ̄; )ノ」その結果。。。

家出した理由はそれなりに家庭の事情だった
両親不仲で毎日喧嘩してて嫌になって家飛び出した
十五歳だった

親の財布から抜いた一万円で全く知らない街に行った
自分の財布ぐらいしか持ってなかった
携帯は電話鳴ると鬱陶しいからおいてきた

夜の十時過ぎに電車降りた
それなりに都会だった
とりあえずどうしようと駅前の広場にあるベンチに座って考えてた

家出した高揚感が次第に収まっていった
だんだん都会が恐く思えてくる
まあガキだったし

歳上の男や女が凄く恐く思えた
だいそれたことをしてしまったんだと思って悲しくなった
半泣きだった

俯いてると声をかけられた

「なにしとん?」

顔をあげるとにやにやと笑う三人がいた
歳上の男と男と女だった

凄く不快な笑みだった

玩具を見つけた、みたいな

逃げ出したくて仕方ないのに体が動かない
蛇に睨まれたカエルみたいな?

「なあなにしとん?」

目をまた伏せて震えた
今から殺されるんだぐらいの勢いで恐かった

「大丈夫やって、なんも恐いことせんから」

悪役の台詞だと思った
けど今にして考えれば悪役じゃなくてもいいそうな台詞だ

とにかく当時の俺には恐怖に拍車がかかった

また震えた

ごめんなさい、と呟いた

「つまんね」

開放されると思った

「お金ある?」

すぐにこれがカツアゲだとわかった
産まれて初めての経験だ
恐い恐い恐いって

あの時の俺はとにかく臆病だった

財布には親から抜いた一万円(電車代でちょっと減ってる)と
自分のお小遣い数千円があった

けどこれを失くしたらもうどうしようもなくなる

金がなくても警察に行けば帰れるとか、当時の俺は思いつかなかった
だからそのままホームレスになって死ぬんだと思った

ないです、と答えた。。。

次のページに続く!!

「嘘はあかんて。な? 財布だせや」

駅前の広場は他にもたくさん人がいたけど
誰も助けてくれる人はいなかった

ドラマじゃよく聞く光景だ
誰も助けてくれない

でもそれは本当なんだな、と思った

「なあ?」

男が俺の頭を鷲掴みにする

言っておくがこの三人はただの不良だ
けどまあ、この三人のお陰で俺はお姉さんに拾ってもらえた

「なにしとん?」

それが初めて聞いたお姉さんの声だった
といっても

俺は向こうの仲間が増えたと思ってまたびくついた
けど三人の対応は違った

次のページに続く!!

「なんやねんお前」

「いやいや、自分らなにしとん? そんなガキ相手にして楽しいん?」

「黙っとれや。痛い目見たなかったらどっかいかんかい」

「流石にガキ相手に遊んどるのは見過ごせんわ。ださ」

「あ?」

まあ、会話はおおよそだから。
でもこんな感じだったと思う。

恐くてってどんだけ言うんだって話だけどやっぱり恐くて上が向けず
お姉さんがどんな人かもわからなかった

「調子のっとるな、しばいたろ」

三人組の女の声だ
他の二人も賛同したのか視線はそっちに向いた気がした
少なくとも俺の頭を掴んだ手ははなされた

次のページに続く!!

「ちょっとそこの裏路地こいや」

とか、そんな風なことを言おうとしてたんだと思う
けど、それは途中で終わった

「うそやん」

妙に驚いてた気がする
声色だけでそう思ったんだけど

「シャレにならんわ。ほな」

関西弁の人ってほんとにほなって言うんだ
とか調子の外れたことを思った

それから暫くして
俺の肩に手が置かれた

びくっと震える

たっぷりの沈黙の後

「なにしとん?」

さっきまでの三人組みたいな声じゃなくて
ちょっと優しい雰囲気があった
おそるおそる顔をあげると
綺麗なお姉さんがそこにいた

次のページに続く!!

髪は長くて
真っ赤だった

化粧もしてて
大人のお姉さんだと思ったけど
今にして考えてみればあれは多分、V系だったんだろう

なんにせよ綺麗だった

同級生の女子なんてちっさく見えるぐらい綺麗だった

「ありがとうございます」

と、つっかえながらもなんとか言えた

「んなもんええけど、自分アホやろ? ガキがこんな時間うろついとったらアホに絡まれんで」

家出したと言ったら怒られると思って下を向いた
お姉さんは大きな溜息を吐いた

「めんど、訳ありかいや」

やけに言葉が汚いお姉さんだと思った

次のページに続く!!

お姉さんスペック

身長170越(自称)
外だと厚底履いてるから175は越えてる

スレンダー
Dカップ
赤髪ロング
耳にピアスごじゃらら
関西人っぽい
年齢不明(見た目18~21)

綺麗だと思う

暫く沈黙が続いた

というかお姉さんタバコ吸ってるみたいだった
タバコの匂いがやたら甘かった

「ああ……腹減った」

お姉さんが言う
言われてみれば俺も腹が減っていた

次のページに続く!!

家出してかれこれ五時間
電車の中でポッキー食べたくらいだった

「ファミレス行こか」

「?」

「ファミレス。ほら、行くで」

近くのファミレスに行く
着いて適当に注文する

お姉さんは凄く目立つ
赤髪、ロング、黒服、ピアス

綺麗だし、目立つ

「自分なんも喋らんな。病気なん?」

「ちが、ちがいます」

「ああ、あれ? 恐い? そやな、よく言われるんよ、恐いって」

「い、いや」

なんて言おうとして否定したのかは知らんが、

まあだれでもそう反応するだろ?

次のページに続く!!

俺はハンバーグ
お姉さんは野菜盛り合わせ

「んで、なんで家出したん?」

驚きすぎてむせた
なんでわかるんだこの人は、超能力者か
とか考えたかは知らんが驚いた

でも今にして考えれば解ることかもしれん

夜の十時すぎに家に帰らない子供
思いつくのは塾帰りで家に帰りたくないか
夜遊びするガキか
家出か

なのにその時の俺は塾に行くような鞄持ってなかったし
遊んでそうなガキに見えなかったろうから家出

カマかけてきたんだろう

でも当時の俺はただただ
大人のお姉さんすげーって思うだけだった

次のページに続く!!

「家が……色々」

「ふうん、そっか」

「まあその歳やといろいろあるわな」

「で、どないするん? いつかえるん?」

「……帰りたくないです」

「そりゃ無理やろ。仕事もないし、ってか仕事できる歳なん?」

「15です」

「ギリやな。家もないし金もないやろ?」

「……」

それでも帰りたくなかった
俺にとってあの当時の家はかなり地獄だった
まあ、もっと酷い家庭はあると今ならわかるけど

次のページに続く!!

「一週間もしたら帰りや」

「……はい」

「ほんじゃ、飯食ったら行こか」

「?」

「うち、ヒト部屋空いとるから」

こんな経緯で俺はお姉さんに拾われた

お姉さんの家は都会の駅から四つ
閑散とした住宅街だった

見た目とは裏腹な場所に住んでるなと思ったけど
住んでるのは高層マンションの最上階だった

お金持ちなんだと思った

「片付けてないけどまあ歩けるから」

「おじゃまします」

次のページに続く!!

玄関入ると左手に一部屋
右手にトイレ、浴室
奥にリビング
リビングの隣に一部屋

「ここ、物置みたいなもんやから使って」

俺は玄関入って左手の部屋に案内された
ほんとに物置だった

「衝動買いしてまうんよね、はは」

お姉さんが照れくさそうに笑う
知れば知るほど見た目とのギャップに困惑した

でもそのギャップに惹かれた

「とりあえず風呂でも入ってきたら?」

「はい」

初めて女の人の部屋に泊まるわけだけど
だからどうだって緊張感はなかった
ガキだったから

次のページに続く!!

そりゃエロ本も読んだことあったけど
そんな展開になるわけないって思ってたし

シャワーを浴びて体を拭く

「洗濯機の上にパジャマと下着出しとるから」

見るとそれは両方とも男物だった
なんで男物があるんだろうと考える

以前同棲してたから?
ありうる
だから一部屋余ってるんだと思った

こんな綺麗なお姉さんだ、彼氏がいない方がおかしい

下着とパジャマを着てリビングに行く

「サイズちょうどええみたいやな、よかったよかった」

「やっぱうちとおんなじくらいやねんな」

「……?」

「それ両方うちのやねん。男もんの方が楽でな」

途端に俺は恥ずかしくなった
いつもお姉さんが着ているものを着てるのだ

次のページに続く!!

下着も

不覚にもおっきした
いや不覚も糞もないか
ガキだし

でもそれはバレないようになんとか頑張った
中腰で

「ん? んん? なーんや、お姉さんの色気にあてられてもたん?」

「ははっ、若いなあ」

速攻でバレた
恥ずかしさが一気にヒートする

「ええよ気にせんで、なんし男の子やねんから。ほら、そこ座り。コーヒー……は飲めんか」

「飲めます」

「おお、君飲む口か」

嘘だ、コーヒーなんて飲めない
苦い

でも子供扱いされたくなかった

次のページに続く!!

お姉さんに一番気になっていたことを聞く

「どうして、その、泊めてくれるんですか?」

「そりゃもちろん」

なんだそんなことかと言わんばかりに
お姉さんは興味がなさそうに携帯に視線を戻して

「暇潰し」

「暇潰し、ですか」

「うん」

「そうですか」

「なんやとおもったん?」

「……?」

「お姉さんが君に惚れたとでも思った?」

「いえ」

「そこは嘘でも頷いたらいいボケになんねんけど、ってあ、君こっちの子ちゃうんよな」

「はい」

次のページに続く!!

「ほんじゃせっかくやねんから関西のボケとツッコミを勉強して帰りや」

「はあ」

「そしたら家のことも大概どうでもよくなるわ」

それは嘘だと流石に思った

コーヒー
目の前にブラックな飲料が差し出される

「砂糖は?」

首を横に振った
湯気だつコップを持つ
覚悟を決めて口につける

うげえ

「はっはっは! 梅干食っとうみたいなっとうやん!」

お姉さん爆笑
俺は俯く

「無理せんでええて。ミルクと砂糖持って来たるから」

「うちも自分ぐらいん時コーヒーなんて飲めんかったし」

その言葉で救われた気がする

次のページに続く!!

お姉さんも子供の時があったんだな、

なんて当たり前なんだけど

「あの」

「ん?」

お姉さんは頬杖をついて携帯をいじっていた
話しかけると綺麗な目を俺に向ける

まっすぐに向ける
心が囚われる

「どないしたん?」

「あ、えと」

俺自身口下手な方だし
お姉さんは自分の世界作ってるような人だし
特に会話は続かなかった

お姉さんの部屋から流れる音楽
フィーリング音楽?
が心地よくて
時間が過ぎるのを苦もなく感じられた

次のページに続く!!

「そろそろ寝るわ」

「はい」

「明日はうち夜から仕事やから」

「はい」

「夜からの仕事、ついてこれるように調節してな」

「……はい?」

「やから仕事やって。自分、もしかしてタダで泊めてもらえるおもたん?」

「いや、そんなことは、ってかその僕、大丈夫なんですか?」

「平気平気。うちの店やから」

お姉さんは自分の店も持っていた
先に言っておくとそれはBARなわけだけど
やっぱりお姉さんかっけーってなった

まさかあんな格好させられるとは思わなかったけど

夜から仕事で起きるのが夕方だったから

次のページに続く!!

俺は結局朝まで起きてた
それ事態は物置にある本棚に並べられた本を読んでれば問題なかった

夕方に起きる
リビングに行くと机の上に弁当があった
メモで食べるようにと書かれている
そして五時に起こすようにと書かれている

お姉さんは寝ていた

まだ四時すぎだったので先に弁当を食べた
食べ終わってお姉さんの部屋の扉を開ける

やけにいい匂いがした
凄く緊張した

手に汗がにじむ

「おねーさーん」

扉から声をかけるもお姉さんは起きない
意を決して中に入る
ベッドの上ですやすやと寝息を立てるお姉さんがいた

次のページに続く!!

「お姉さん、おきてください」

お姉さんは起きない
薄暗い部屋で目を細めてお姉さんの寝顔を覗く

起きてる時に比べればブサイクだった
化粧をしてなくてブサイクとかじゃなくて
枕で顔が潰れててブサイクだった
でもどこか愛嬌があって

いうなればぶちゃいくだった

間近で見てると胸が高鳴った
今ならなにをしてもいいんじゃないか、なんて思い始める
そんなわけないのに

そんなわけがないのに手が伸びる

ゆっくり
静かに

鼓動がどんどん大きくなる
あわや心臓が口から飛び出しそうになる

次のページに続く!!

やめておけ、と誰かが言うが
やっちまえ、と誰かが言う

俺はお姉さんの頭に手を置いた

見た目より痛んでない髪に手を通す

撫でる

「ふにゅ」

それは形容しがたい寝声だった
ってか多分これは美化されててふにゅなんだろうけど
なんだろう

文字にできない可愛らしい言葉ってあるだろ?
お姉さんはそんな声を出した

優しく
愛でるように撫でた

お姉さん、可愛いな

とか思いながら撫でた

だから気づかなかった
お姉さん、もうとっくに起きていた

次のページに続く!!

「なにしてんの?」

怒っている風ではなく
優しい寝起きのぼやけた声色だった

「す、すみませんっ」

逃げ出そうとした

「ええよ」

「撫でててええよ。気持ちいいから」

了解を得たので再び座り込んでお姉さんの頭を撫でる

「うん、君撫でるの上手いな」

「今日はうちが寝る時撫でててもらおかな」

「はい」

十五分くらいか
お姉さんの頭を撫で続けた

お姉さんは心地よさそうにしていた
俺もなんだかとても心地よかった

「さて、支度しよか」

それの終わりがきたのはやっぱり少しだけ残念だった

次のページに続く!!

「……なにしてるんですか?」

「ちょ、動かんといて」

「いやほんと、なにしてるんですか?」

「やから動かんといて」

「……はい」

俺は化粧をされていた

「んー、まあこんなもんか」

「なんで化粧されたんでしょう」

「化粧するとな、年齢がわからんくなるんよ」

「ほら、それに君うっすい顔してるし。めっちゃ化粧映えするわー」

「はあ」

「んで、そやなーふふふーん」

「楽しそうですね」

「あんまないからなーこんな機会」

「あ、これでええな」

「……冗談ですよね」

「冗談なわけないやん。その顔で男もんの服着る気?」

「その顔ってか俺は男です」

「どこがあ。鏡みてみ?」

そこにはとても可愛らしい女の子がいました
なんて流石に言いすぎだが

確かに女の子がいた

次のページに続く!!

化粧こええ

「君若いし、女装すんなら今のうちやって」

「……」

俺はいろいろと諦めた

可愛らしい化粧をされて
可愛らしいスカートはかされて
可愛らしい服を着せられて
タイツもはかされて
俺なにやってんだろう

もちろんヅラも被されて

お姉さんの店はあの都会の駅だ
電車にも乗った

派手な二人組だった

「お姉さん、流石にこれは」

「喋らんかったらバレんから大丈夫やって」

俺は喋れなくなった

次のページに続く!!

BARにつく
普通のBARだった
普通の、といってもなにが普通かわからんが
イメージ通りのBARだった

要はちょっと暗くてお洒落

小さな店だった

カウンターが七席にテーブルが一席

「なにしたらいいですか?」

「とりあえずトイレ掃除から。あ、上着は脱いでな」

ってなわけで俺は店の掃除を始めた

トイレ掃除
床の掃き掃除
テーブル拭き掃除
グラス磨き

「お客さんが来たらこれ二つずつ乗っけて出すんよ」

とそれはチョコとかのお菓子

「あとはそやな。これが~」

冷蔵庫の中のメニューを三つ教えてもらう
(お皿に盛り付けて出すだけ)

次のページに続く!!

「んでお客さんが帰ったらグラス回収やらしてテーブル拭いてな」

「は、はい」

「今日はそんな客多くないから緊張せずに慌てずに、やで」

「頑張ります」

「まあ自分の一番の役目はそんなんとちゃうけど」

お姉さんが悪い笑みを浮かべた気がした
その意味は後に知ることとなる

開店から三十分、二人組の女性が来る

「おねーさんこんちゃーってなにこのこ! ちょーかわいいやん!」
「おねーさんどこで誘拐してきたん!?」

「誘拐なんかせんでもほいほいついてきまうんよね」

「あかんで、あのお姉さんについていったら食われてまうでー」

「いや、あの、そんな……これ、どうぞ」
言われてた通りお菓子を出す。
女性二人は目を丸くしていた

次のページに続く!!

「……男の子やん! うわあうわあうわあああああ!」

二人の女性のテンションが上がる。

その後は落ち着いた女性客とお姉さんやらが話して
その日は計七組のお客さんが来た

入れ替わりがあったから満員にはならなかったけど

「はい、お疲れ」

お姉さんがジュースを出してくれる
なんだかんだで疲れた
主に精神的に

「いやー大盛況やったね、君」

「……はあ」

俺はようするにマスコットキャラクター代わりだった。
来る客来る客珍しいものを見る風に
ってか本当に珍しいんだろうけど
わいのわいのと騒ぐ

次のページに続く!!

「あの」

「ん?」

「真っ青な髪の男性客の人、今度ホテル行こうとか言ってましたけど、冗談ですよね」

「ああ、あれな」

「ほんまにホテル付いてってくれたらラッキーってなぐらいちゃう?」

世間は広い
俺は色んな意味でそう思った

閉店作業をして家に帰る
もう朝だ

家に着くなりお姉さんはお風呂に直行した

「一緒に入るか?」

とか言われたけど盛大に断った
恥ずかしくて無理

お風呂から出てきたお姉さんは凄くラフだった

次のページに続く!!

どっからどう見てもノーブラで
薄いパジャマを着ていた
前のボタンを途中までしか締めてなくて
胸元が思いっきり露出している

「熱いわー」

思いっきり乳首がががががががが

目を逸した

「ああ、そや、化粧落としたるわなー」

この間、服もどうすればいいのかわからないので
俺はずっと女の子である

化粧を落とすためにお姉さんは凄く近くに寄ってきた
勘弁してください

「玉の肌が傷んでまうからなー」

優しく化粧を落とすお姉さん
乳首が見せそうで見えない角度

次のページに続く!!

胸の横っかわはずっと見えてて
俺はそれに釘付けだった

息子も釘付けだった

「よし、顔洗ってき。そのまま風呂入ってき」

「はい」

急いで俺は浴室に直行した
もう性欲が限界だ

やばい、本当にやばい

そりゃしたさ
うん、そりゃするさ
だってガキだもん 猿だもん

そんなわけですっきりした俺は風呂から出て
またお姉さん下着パジャマに身を包む

コンビニ弁当を食べて
またコーヒーを頼んだ

次のページに続く!!

「飲めんやろ?」

「飲めます」

「はいはい」

出されたコーヒーにやっぱり梅干の顔をした

「はははっ、懲りんなあ」

暫く時間が流れて

「はあ、そろそろ寝よか」

「おやすみなさい」

「なに言うとん。一緒に寝るんやろ?」

目が点になった

なにを言ってるんだろうと思った
そんな約束はしていない

「なに驚いとん。髪撫でてくれるって言うたやん」

あれってそういう意味だったのか

「丹精込めて撫でてやー」

丹精込めて撫でるってなんだろう

次のページに続く!!

「ほら、寝るで。明日も仕事やねんし」

小さく頷く

お姉さんの部屋に入る
あの落ち着くBGMが流れてた

「奥はうちやから」

「はあ」

ベッドに誘われて入り込む
お姉さんの匂いがした
もうそれだけで眠れそうだった

「はい」

「?」

「ぼうっとしとらんで、ほら」

「あ、はい」

お姉さんの髪を撫でる
俺よりもずっと身長の高いお姉さんの髪
綺麗な髪
赤い髪

撫でる度にいい匂いがする

次のページに続く!!

「なあ」

「はい」

「彼女おるん?」

「いや、いないです」

「の割に髪撫でるの上手いな」

「多分、犬飼ってたから」

「犬? 犬とおんなじか」

「すみません」

「それも悪くないかなあ」

「はあ」

「だって撫でてくれるんやろ?」

別にお姉さんだったら犬でも猫でもワニでも蛇でも撫でる

「なら犬も悪ないな」

「お姉さんは」

「ん?」

「お姉さんは、その、彼氏、とか」

次のページに続く!!

「おらんよ。おったら流石に連れ込まんわ」

「ですよね、はは」

嬉しかった

「でも、好きな人はおるかな」

言葉が詰まる
息が苦しくなった

そのお陰で

「そうですか」

と噛まずに言えた

なんでだろう
凄く夢見た光景なのに
男の夢って具合なのに

なぜだか辛かった
きっとお姉さんに好きな人がいると聞いたからだ

理由はわかってた

次のページに続く!!

胸は苦しい
なのに心地いい

お姉さんを独り占めしている気がした
お姉さんの好きな人にだってこんなことはできないだろうと思った

けど俺はお姉さんの好きな人には成り代われない

結局、お姉さんはその内に眠っていた

泣きそうだったけど
俺もなんとか眠ることができた

起きると横にお姉さんがいた
頭を撫でて、起きてくださいと言う

お姉さんは寝返りをうって抱きついてくる
心臓が一気に跳ね上がる

もうずっとそのままでいたい

でもお姉さんはその内に目を覚ました
抱きついていることに気づくと、より深く顔を埋めた

次のページに続く!!

「ごめんな、ありがとう」

お姉さんの言葉の意味がわからなかったけど
とりあえずお姉さんが喜んでくれるならと
俺はお姉さんの頭を撫でた

店について開店作業

とりたてて難しいことがあるわけじゃないので忘れてはいない

その日も疎らにお客さんが入っていた

何組目のお客だったか
中盤ぐらいでその人はきた

「よお」

やけにいかつい顔の人だった
ってかヤクザだと思った

「なんやねん」

少なくともお姉さんはその人を嫌っているようだった

次のページに続く!!

「この前の借り、返してもらいに来た」

「自分が勝手にやったんやろ」

「でも助かったろ?」

席に座ったのでいらっしゃいませと通しを出す

「おお、この前のガキンチョか? 随分変わったなあ」

「?」

「なんだ覚えてねえのか。助けてやったろ?」

なにを言ってるのかさっぱりわからなかったのでお姉さんを見やる。

「不良に絡まれとった時、こいつが追い払ってん」

なるほど、それであの三人は逃げたのか。
そりゃこんな顔に睨まれたら逃げたくもなる。

「ありがとうございました」

「気にすんな。お陰でこいつにいいことしてもらえるからな」

「誰がするか」

「本気だ」

次のページに続く!!

ガキでも解る三段論法

俺を助けるお姉さんを助ける強面

それをネタにお姉さんを脅迫

原因は俺

「あの」

「ん? どうした、坊主」

「……困ります」

「……あ?」

「そういうの、困ります」

「おいガキ」

強面が俺の胸ぐらを掴んで引っ張り上げる
なんでこんなこと言ってるんだろう俺はと後悔した

「おいオッサン、その手離さんとキレるで?」

お姉さんがドスの低い声で強面に言う
でもそれもこれも嫌だった

次のページに続く!!

俺が子供だからこうなったんだ

「あの」

強面がこっちを向く
それに合わせて思いっきり手をぶつけてやった

平手で

多分、グーで殴ることが恐かった
そういう経験がなかったから
だから平手で殴った

強面は鼻血を出した

「ガキ……調子に乗りすぎだなあ?」

強面の恫喝に身が震えた
殴るなんてことはついやってしまったことに近くて
それ以上のなにかなんて無理だった

次のページに続く!!

外に連れ出された俺は
五六発ぶん殴られた

こんな痛いことがあるんだと知った
もう人を殴るのはよそうとか考えてた

お姉さんが後ろから強面を止める
強面がお姉さんを振り払うと、壁にぶつかった

お姉さんが痛そうな声をだした

なにを考えたわけでもなく強面に突撃する
なにもできないけど許せなかった

振り払われて、また殴られて

「気分悪い、二度と来るか」

捨て台詞を吐いて、強面は帰った

お姉さんが中の客を帰して
意識の曖昧な俺を看病してくれた

どう看病してくれたかは覚えてないけど

お姉さんは泣いていたような気がする

次のページに続く!!

ごめんな、ありがとう

と言っていた気がする
でも、俺にはやっぱり意味がわからなかった

殴られたからか、わからなかった

お姉さんが泣いているのは見たくなかったから
泣かないで、と手を伸ばした

お姉さんの頭を優しく撫でた

気づくとお姉さんの部屋にいた
いつの間にか気を失った俺はお姉さんに運ばれたらしい

寝起きだからかぼうっとする
でもおでこがひんやりと気持ちいい

「おはよ」

お姉さんはベッドの横にある勉強机みたいなやつのイスに座ってた
パソコンを触ってたらしい

次のページに続く!!

「おはよ、ございます」

起き上がろうとしたけど体が痛くてうめき声が漏れる

「あかんて、今日はゆっくりしとき」

「でも、仕事」

「なに言うとん。そんな面じゃお客さんびびるし、あの鬱陶しい客が二度と来ん言うてんから、うちとしては充分や。ほんまにありがとう」

「君はうちの幸運やな」

「役に立てました?」

「充分やって。あの客な、前から鬱陶しかってん。ああやって誘ってきてて。でも多分、ほんまに二度とこんやろ。なんせ、十五歳の子供に鼻血出されてもうたからな。メンツが立たんで」

にやりとお姉さんは笑う。

「凄いな、自分。恐かったやろ、痛かったやろ」

強かったけど、痛かったけど
それどころじゃなかった
そんなことどうでもいいぐらいに怒っていた

次のページに続く!!

「別に」

「かっこつけんなや。でも君」

「かっこよかったよ」

嬉しいよりも照れくさい
俺は布団の中に顔を隠す

「なんか食べられそうなもん持ってくるわ。口ん中切れとるやろうけど、ゼリーなら食えるやろうから」

ゼリーは確かに食べられたけど
口の中は切れてて痛かった
でもまあ

「はい、あーん」

「自分で食べますよ」

「ええから」

「いや」

「はよ口開けろや」

「はい」

次のページに続く!!

お姉さんが食べさせてくれたからなんでも食べれた
お姉さんが食べさせてくれるなら納豆でも食べれそうだった
納豆嫌い

「なんか欲しいもんある?」

「欲しいもの?」

「漫画でも食べ物でも用意するから。高いもんは勘弁してほしいけどな」

「じゃあ」

俺はこの時も知らなかったけど
殴られすぎると熱がでるらしい
だから思考があやふやになって
突拍子もないことを言ってしまうようだった

「お姉さん」

言ってから後悔した
なんてことを言うんだ俺は、って

「な、なんでもないです」

「うちは奥やからな」

お姉さんがベッドに潜り込んでくる

次のページに続く!!

一緒に眠った経験もあるわけだけど
その時とは雰囲気が違って
俺は借りてこられた猫のように固まった

「こんな」

お姉さんの手が頭に触れる
いつも俺がそうするように
優しく髪を撫ではじめる

「こんなぼろぼろになってもうてな」

「ごめんな」

別にぼろぼろになるのもぼこぼこになるのも
お姉さんを守れたならそれでよかった

お姉さんが喜んでくれてるし
ちょっとでも役に立てたみたいだし

お姉さんが頭を撫でる
それはとても心地いい

次のページに続く!!

「ほんで」

「どないしてほしいん?」

それに答えられるわけもなく
恥ずかしくなって顔を反対側へ背けた

「なんてな、はは」

「それはちょっと卑怯やな」

お姉さんの手が首の下に移動する
それこそ犬猫のようにそっと撫でられて
くすぐったくて体が跳ねた

「こっち向いて」

耳元でそっと囁かれた甘い言葉に脳が痺れた

視界すらぼうっとしている中でお姉さんの方に振り向くと

唇が唇に触れる

ファーストキスだ

とか思う間もなく

次のページに続く!!

お姉さんの舌が口の中に入ってくる
生暖かい別の生き物が

滑りを立てて侵入する

動く度にそれは音を発して
俺とお姉さんがつながっていることを証明した

舌と舌が絡んで
お姉さんの舌が口の中の全てを這う

横も
舌の裏も
上も
歯も

口の切れた痛みも忘れて
ただ侵されることに集中した

これ以上ない幸福が詰まっているような気がした

次のページに続く!!

お姉さんの手が俺の右手に触れて
指先ですっとなぞる

それは手から全身に電流を流して
意識が更に拡散していく

手を握られる
俺も握り返す

お姉さんが手をどこかに連れていく

そこで離される

合図だと思ったから手を滑らせる

初めて触る、女性の胸

舌がすっと引いていって
お姉さんが視線を合わせる

「ええよ?」

小さな吐息に混ざった声で
俺の消し飛んでいたと思われる理性が外れた

次のページに続く!!

柔らかな、胸

手の平いっぱいに感触を確かめるため
ゆっくりと揉んだ

手の中心部分にお姉さんの突起があって
それは揉むとかイジるとかよりも
舐めたり吸ったりしたい気分が勝る

でも、揉む

だって揉むとお姉さんが

声を殺して息を吐く

「ん」

それを俺が見つめていると
恥ずかしそうに視線を逸した

「見んといてや、年下に感じさせられるんなんて恥ずいわ」

胸の内で想いが強まる
何度も何度も
お姉さん
って呟いた

次のページに続く!!

胸の内で
想いが深くなって

俺の方からお姉さんにキスをした

とても綺麗で
とてもかっこいいお姉さん

そのお姉さんが俺にキスをされて小さな声をあげる

とても愛らしくて
とても可愛いお姉さん

胸を弄られながらキスをされて
だんだんと体温が上がっている気がした

でも、どうしたらいいんだろう
俺はまだ経験がない

エロ本の知識しかない
それは基本的に間違っているとみんな言う
だから下手なことはできない

次のページに続く!!

突然だった
突然股間に衝撃が走った

お姉さんが握ってきたのだ
生で

「年下にやられっぱなしは性に合わんわ」

俺が覆いかぶさっていた体勢をぐるりと回して
お姉さんが俺を覆う

布団はずれてはだけたお姉さんの服
綺麗な胸があらわになっていた

「なあ、気持ちいい?」

お姉さんの細長い指が俺のを握って
微かに上下へと動き始めた

気持ちいいに決まってる
けど気持ちいいなんて言えるはずがない

次のページに続く!!

俺はどういう対応をしていたのだろう

気持ちいいけど恥ずかしくて
その顔を見られるのが嫌で背けてたのかもしれない

ちらりと横目でお姉さんを見ると
うっすらと笑みを浮かべて
楽しそうに俺を眺めていた

「なあ」

耳元で囁かれる声
俺はそれに弱いのか脳がくらくらと泳ぎだす

「気持ちいいやろ?」

問われて、答えられるはずがないのに
つい口を出てしまいそうになった

お姉さんは変わらず手を動かしていて
でもそこに痛みはなく
ただただ気持ちいい

次のページに続く!!

「言わんとやめるで?」

その言葉を聞いて凄く胸が苦しくなった
やめないでほしい
ずっと続けてほしいくらいだ

やめないでください

息も絶え絶えに発する

「なんかいった?」

お姉さんの手が止まる

「やめないで、ください!」

ええこやな、とお姉さんはつぶやいて。

俺の首筋をすっと舐める。

その右手はまた動き始めて
上下だけではなく
先端を凝らしてみたり
付け根を押してみたり
さっと指先でなぞってみたり

次のページに続く!!

性的な快楽以外のものを感じていたような気がした

「ぬるぬるしたのでとんで」

お姉さんの言葉に耳が犯されることは

「かわいいなあ、君は」

本来なら性行為の補助であるはずなのに

「ここ、こんなんにして、気持ちいいんやろ?」

それが快楽の全てである気がした

「気持ちいです」

「もっとしてほしい?」

「もっとしてほしいです」

「もっと気持ちよくなりたいん?」

「なりたいです」

「お願いは?」

「お願いします」

「足らんなあ」

「お願いします!」

次のページに続く!!

「どれをどないにしてほしいん?」

「僕のを、お姉さんの中に、お願いします」

「……なんかいうた?」

「僕のを! お姉さんの中に! お願いします!」

「ええこやな」

お姉さんの声が遠ざかっていく
どこに行ってしまうんだろうと不安になって目で追うと
お姉さんは

俺のそれを口の中に収める

じゅるり
と奇妙な音を立てながら
ぐじゅぐじゅ
といやらしい音を立てながら

「だ、だめ」

「ん? どないしたん?」

次のページに続く!!

「イキそう、です」

「ええよ」

俺が嫌だった
現時点で既に人生の幸運を全て使ってしまったような状況だけど
でも、一番の目的がまだだったから

「い、嫌だ」

「ほら、だしや」

お姉さんの涎に塗れたモノを手で上下に動かしつつ先を舌先で舐めながら
お姉さんは俺を嬉しそうに見詰めた

「嫌だ、でちゃい、ます」

言ってもお姉さんはやめてくれない。
嫌だと言いながらも俺は激しく抵抗しない、できない。

「お願い、お姉さん、やめて」

お姉さんはじいっと俺を眺める
俺をじいっと観察する

次のページに続く!!

声を殺して息が漏れた
下腹部に集まった大量の性欲が
意思と無関係に発射される

体の中心が割られたような衝撃だった
一人じゃ味わえない快感だった

お姉さんは俺の液体から顔を背けずにいた
快楽の余韻に浸りながらお姉さんを見ると俺の精液でどろどろになっていた

「いっぱいでたな」

言うと、お姉さんは再び性器に口をつけ
舐め取るように、吸い上げるように綺麗にしていった

それは気持ちよさよりもくすぐったさの方が上だったけど
なによりも心が満たされていった

「ほな、お風呂はいろか」

「先入っとって。すぐ入るから」

言われて、シャワーを浴びる。
湯船のお湯はまだ半分ぐらいしか溜まっていない。

次のページに続く!!

シャンプーで頭を洗っていると電気が消える。

「入るでー」

速攻で足を閉じてちむぽを隠した。

「さっきあんなんしたんに見られるの恥ずかしいん?」

けたけたと笑うお姉さん。

「髪洗ったるよ。手どかし」

言われるがままに手をどかし
お姉さんにシャンプーをお願いした。

内心未だにどきどきしっぱなしだったけど
それ以上に俺は後悔していた

だって、もうできるチャンスはないだろうから

お姉さんとできるチャンスを俺の逃したのだ

「流すでー」

人に頭を洗ってもらうのは気持ちいい
流されて、溜まった湯船に二人して使った

次のページに続く!!

「どやった?」

「なにがですか?」

「言わんでもわかるやろ」

「お姉さんってSですよね」

「君はMやろ?」

「みたいですね」

ごぼがぼごぼ
お湯に隠れたいけどそうもいかない

「一週間まであと四日やなあ」

「それは……」

それはお姉さんが決めたことじゃないですか、と繋げたかったけど
俺にそんなことを言う権利はなかった

なにせこのあともずっとここにいたら
それはとても嬉しいことだけど

俺は沢山のことでお姉さんに迷惑をかけるだろうから

「ま、また次があるやろ」

なんのことだろうと首を傾げる

次のページに続く!!

「ん? いや、したくないならええねんけど」

「え」

「うちは君みたいな可愛い子好きやからな、別にええよ、うん」

「は、はい」

男ってのは現金な奴だ
男、ってか
息子、ってか

次があると教えてもらってすぐにおっきくなりやがる

「ほんま、若いなあ」

にやにやとお姉さんが笑っている
恥ずかしくなって俯くけれど
それは同時に
嬉しくなって微笑んでしまったことを悟られたくなかったから

でも、お姉さんには好きな人がいる

風呂から出て、お姉さんの部屋へ

次のページに続く!!

俺は家にパソコンがなかったからお姉さんがパソコンで遊んでいるのに興味深々だった

「なに見てるんですか?」

「これ? 2ch言うてな」

因みに2chもお姉さんから知った

お姉さんと馬鹿なスレを覗いて笑っていた
お姉さんは話始めると話上手で
スレのネタに関連した話題をこっちに振ってくる

それに返すだけで話のやり取りが進む

そういうのはBARの店長だけあって上手だった

暫くして眠ることに
流石に翌日は仕事に行かなければならない

「僕も行きますよ」

「気持ちだけでええよ。辛いやろ?」

辛いとかそんなんじゃなくてお姉さんと一緒にいたいだけなのに

と思った

次のページに続く!!

「君はほんま可愛いなあ」

と思ったら口に出てた

「ええよ、やけど仕事はさせんで。それやと化粧できんし、まだ腫れとるからな」

二人で一つのベッドに寝転がる
このまま時が止まればいいのに

このまま日課にしてしまいたい行事
お姉さんの頭を優しく撫でて
お姉さんが眠るまで隣にいること

うとうとするお姉さんの横で
お姉さんが心地よさそうに震えるのを見てられること

「気持ちいいですか?」

「それさっきのお返し? 気持ちいいよ、もっとして」

撫でていると心が安らかになる
なんでか、お姉さんよりも優位に立った気がする

次のページに続く!!

「お姉さんも可愛いですよ」

「君に言われたないわ」

「ほんとに」

「はいはい……ありがと」

本当にたまらなく可愛いからいっそのこと撫で回して抱きしめ尽くしてむちゃくちゃにしたくなるけど
お姉さんはそのまま寝入っていくから

俺も暫くして眠った

店はその日繁盛していた
それもどうやら俺が原因らしい

「大丈夫やったん? なんか大変やったんやろ?」

そんな調子のお客様がたくさん来た
聞いてる限りだと
その時そこにいたお客様がmixiかなんかで呟いて
そっから馴染みの客が全員来たらしい

次のページに続く!!

だから満員で

「ほんまごめん、あとでお礼するから」

「いりませんよ、そんなの」

お姉さんは罰が悪そうにしてたけど
手が足りないっていうんで俺も手伝うことになった

俺の顔はまだ腫れてて
それを見ると女性客は慰めてくれて
男性客は褒めてくれた

「あいつも吹っ切れたみたいでよかったなあ」

気になる会話をしていたのはテーブル席の三人客だった

「吹っ切れた、ですか?」

お姉さんに渡されたカクテルを置く

「だって君を選んだんだろ? あいつ」

選んだ?

次のページに続く!!

「ん? 付き合っとんちゃん?」

お姉さんが俺と?

……男として見てくれてるかも怪しい。

「吹っ切れた、が気になるんですけど」

「ああ、それは……なんでもない」

お客様が視線を落としてはぐらかす。
肩を落として戻ろうとしたら、お姉さんが仁王立ちだった。

「余計なこといいなや」

とても怒っているようだった。
お姉さんは俺の頭にぽんと手を乗せて

「帰ったら話すわ」

と言ってくれた

そのあとも仕事は続いて
でもどことなく仕事に身が入らない
といっても、ミスをするような仕事内容でもないからいいけど

お客さんが話しかけてきてもぼうっと返事を忘れてしまうくらい

次のページに続く!!

家に帰るまで気が気じゃなかった
お姉さんの話っていうのは十中八九俺が知りたいことだろう

お姉さんが好きな人のことだろうから

家に帰って
お風呂にも入らずお姉さんは飲み物を用意する

もちろん俺はコーヒーを頼んだ

「飲めんくせに」

「飲めるようになります」

「ええやん、飲めんでも」

「嫌です」

「子供やなあ」

子供扱いされてついむくれてしまう

「はい、どうぞ」

差し出されたコーヒー

うげえ

「それで、話してくれるって言ってたことなんですけど」

「話逸したな」

ははっ、とお姉さんはいつものように快活に笑って
口を開く

次のページに続く!!

「好きな人おるって言うたやん? その人のことやねんけどな」

「手っ取り早く言うけど、もう死んどんねん、そいつ」

「なんつーか病んどったからなあ。死んでもた」

「ここで一緒に暮らしとった。BARはそいつと一緒に初めてんよ」

「親友やったし、同時に恋人やった」

「たったそんだけのありきたりな話や」

「なんで死んじゃったんですか?」

「さあな。遺言はあったけど、ほんまかどうかわからんし」

「まあ、そいつが言うには、恐かったんやて」

「うちを幸せにできる気がせんって」

「想像つくんかどうか知らんけど、うちもそいつもろくな家庭で育ってないねんよ」

「うちは親から虐待受け取ったし、そいつは親に捨てられてたし」

「十六ん時に会って、似たもの同士やからか気が合って」

「二人で金貯めて家借りて、店も出した」

「けっこう上手く行っとってん」

次のページに続く!!

「あいつはなにが恐かったんやろなあ……幸せにしてくれんでも、一緒におってくれるだけでよかったんに」

「あいつの保険金でこの家は買い取った。なんか、あいつが帰ってきたらって考えるとな」

「ありえへんのやけど」

「……まだ好きなんですか?」

「どやろな。うち残して勝手に死んだアホやから、まだ好きか言われたらそうでもないかもしれん」

「やけど忘れられへんねん。あいつのこと」

それは十五歳の俺には身に余る
とても重たい過去だった

「まあ、そういう話。たいしておもろないから話すのは好きちゃうんやけど」

「……君、うちのこと好いとるやろ?」

「あ……はい」

「やから、君には話とかななって」

「うちを狙ってもいいことないで、ってな」

「……関係ないですよ、そんなこと」

「俺はお姉さんのこと、好きですし」

次のページに続く!!

「お姉さんがこうしていてくれるなら、俺はそれだけで充分です」

「無理やん、それも」

「こうして大人になるとな、子供をそんな道に引っ張るんがアカン、ってことぐらい思うんよ」

「君にはどんなんか知らんけど家族がいるし、なにより未来があるからなあ」

「うちみたいな女にひっかかっとったらあかんねんって」

「引っ掛けたんうちやけどさ」

「お姉さんは俺のこと嫌いですか?」

「嫌いなわけないやん」

「じゃあ、いいじゃないですか」

「来年、というか暫くしたら高校生です。高校卒業したらこっちに来ます。それからじゃダメですか?」

「……」

お姉さんが口ごもる
なにを考えているんだろう
お姉さんが考えていることなんて一つもわからない

次のページに続く!!

俺が子供だったからなのか
お姉さんが特殊だったからなのか

お姉さんはたっぷりの間を置いて

ええよ、と答えた

けれどどうしてだろう、不安が拭えない
ええよ、と言ってくれるならどうしてお姉さんはそんなに

寂しそうだったんですか?

「今日が最期やな」

「最期じゃありません。暫くしたら会いに来ます」

「そやったな。ま、とにかく」

「今日は遊ぼか!」

「でもお店は?」

「自営業はな、融通聞くねん」

「どこに行きましょうね」

「映画なんてどない?」

「いいですね」

次のページに続く!!

「よし、じゃあ早速!」

「化粧はしませんよ」

「ええやん、あれ可愛いやん」

「俺は男ですから」

「今だけやで? 三年後はできんぐらい男らしゅーなっとるかもしれんで?」

「それでいいです」

「ったく、ケチやなあ」

なんとか化粧をされずに出かけることとなる
初めてのお姉さんとデート

映画を見て、ご飯を食べて、ゲームセンター行って
楽しくないわけがなかった

夜はお姉さんが料理を作ってくれることになり
帰りがけにスーパーで食材を買い込んだ

次のページに続く!!

「こう見えて料理には自信あんねん」

「楽しみにしてます」

「ほんまかいや。君どうも感情薄いからなあ。だいたい、いつまで敬語なん?」

「癖なんで」

「律儀な子がいたもんやわ」

慣れた手つきで食材を調理していく
野菜を切って、肉を切って
したごしらえして、炒めて

一時間ぐらいで料理が出された

「どないよ」

「おお……予想外」

「は? なんやて?」

「予想通りな出来栄え」

「それはそれでええ気分せんわー」

実際、料理は美味しかった
というか料理の美味さよりなによりも

次のページに続く!!

お姉さんのエプロン姿が一番刺激的でご飯どころじゃなかった

なんというか、お姉さんってほんと綺麗だなあ、と

「ごちそうさまでした」

「お粗末でしたー」

洗い物を手伝いながらふと思う
こんな風に生活できるのも、もう暫くはないんだと

三年
少なくとも三年は遠いところに居続けることになる

たまに会えてもそれだけだろう
なによりお姉さんは本当に俺を待っていてくれるんだろうか?

不安が顔に出ていたのか、お姉さんが後ろから乗っかかってきた

「な」

「はい」

「うち、好きな人できてん」

「はあ」

「気のない返事やな。告白されとんねんで?」

次のページに続く!!

「……嬉しいですよ」

「こっち向きや」

「はい」

触れるかどうかの小さなキス

「ほんまに、好きやで」

お姉さんと初めて会った頃のように
俺はまた動けなくなった

この人はどれだけ俺の知らないことを知っているんだろう

別々にお風呂に入ってゆったりとした時間を過ごす
何度でも挑戦するがやっぱりコーヒー

「さああ飲めるでしょうか!」

お姉さんはノリノリだ
因みにまだ飲めたことはない

ごくり、と喉を通す

あれ?

次のページに続く!!

「これ、飲めます」

「やったやん!」

「というかこれ、いつもと苦味が違います」

「うん、それについては謝らなかん」

「?」

「うちよう考えたら濃い目が好きでな。君が飲んどったんめっちゃ濃かってん。やから普通のお店レベルに薄めてみた」

「……はあ」

「ま、まあええやん、飲めたんやし。ほら、最初にきっついのん経験しとくとあとが楽やん? な? はは……怒った?」

「別に怒りませんよ。ちょっと、肩透かしな気分です」

「よかった」

時間は過ぎる
お姉さんといられる、短い夜

次のページに続く!!

「ほな」

寝よか

聞きたくない言葉は当たり前にやってきた

お姉さんは奥
俺は手前

七日間続いたお伽話も今日で終わる

明日、目が覚めたら
お姉さんが仕事に行くついでに俺は帰る

嫌だ
帰りたくない
ずっとここにいたい

そう考えても意味がない
言えない気持ち

言ってもお姉さんが困るだけだ

撫でる髪は今日も柔らかい
お姉さんの綺麗な髪は今日もいい匂いがする

次のページに続く!!

ずっと撫でていたい

ずっと傍にいたい

どうして俺は十五歳なんだろうなんて
どうしようもないことに苛立った

お姉さん、お姉さん

「なあ」

答えられなかった

今口にしたら、なにかを言葉にしたら

一緒に涙まで出てしまう

「この前の続き、しよか」

「目、つぶってや」

言われたままに目をつぶる

布団が浮いて、冷たい空気が入り込んできた

ぱさり、と

絹擦れの音が聞こえた

次のページに続く!!

「ええよ、開けて」

カーテンの隙間から通る傾いた月の光がお姉さんを照らしていた

それはとても幻想的で
物語の中だけでしか見られない存在に思えた

肌が白く輝いて
髪が淡く煌めいて

「綺麗です」

「ありがと」

「うちな、この前みたいなんも好きやけど、今日は普通にしたいかな」

「はい」

「やから、今日は君が頑張ってな」

「はい」

「ははっ」

「ええこやな」

キス

次のページに続く!!

お姉さんが上でこそあれ
重ねるだけの普通のキスをして

お姉さんは横になった

俺は興奮の中で混乱することなく
きっとそれはお姉さんのお陰なんだけど

自分からお姉さんにキスをする

感情をいっぱい込めてキスをする

好きという気持ちが伝わるように
伝えるようにキスをする

舌を入れて
お姉さんがしてくれたみたいに舐めあげていく

乱雑にすることなく
ゆっくりと
愛でるように

全ては愛でるために

次のページに続く!!

たまに、お姉さんが息を漏らす
たまに、お姉さんが体を震わす

舌と舌がもつれあい
唾液がお姉さんと行き交って
一つに溶けていく

「好きです」

離れて囁くと

意外にもお姉さんは呆気にとられて
恥ずかしそうに顔を背けた

「知っとるわ、アホ」

本当に、俺は心からお姉さんが好きだ

お姉さんの胸に手を伸ばす
触れるのは二度目
それでも喜びは尽きない

次のページに続く!!

男の喜びが詰まっているようだった
でもなによりも
お姉さんの胸だからこんなにも嬉しいんだろうと思った

触れると、それが丁度性感帯に当たったのか

「んっ」

お姉さんが喘ぐ

既に乳首は固くなっているように思えた
その判断がつかない辺り童貞だけど
そんな気のする固さだった

口を近づけていって、舌先で舐める

お姉さんがぴくりと跳ねた

嫌がられることがないと知って、気が軽くなる

突起を口に含んで小さく吸う

お姉さんの体が小さく喜ぶ

口の中で転がすように遊んだ
どうしてそうしたくなるのかわからなかったけど、すぐにわかった

次のページに続く!!

「んぅ」

お姉さんが喘ぐ
それはきっと感じてくれているからだ

俺はお姉さんが喜ぶことをしたい
もっと、お姉さんを感じさせたい

胸を触りながら、そこに意識する
全く未経験の、そこ

もっと下にある未知の領域

触っていいのだろうかと考えて、振り払う
ここまでしてくれていて、いけないはずがない

それをお姉さんに聞くのはきっといいことじゃない

右手をお姉さんの太ももにあてた
それだけで感じ取ってくれたのか、少しだけ

本当に少しだけど、お姉さんは足を開く

次のページに続く!!

緊張する
この上なく緊張する
色んな意味で爆発しそうだ

けれど理性で必死に抑えつけた
欲望のままに暴走したら、お姉さんを喜ばせられない気がした

けど、お姉さんはそんな俺はお見通しだと言うように

両手で俺の顔を引き寄せて、耳にキスをした後

「さわってええよ」

細く囁いた

いっそのこと一気に結合してしまいたくなったが
それを止めたのは理性というよりも

多分、愛情だった

太ももからなぞるように手を持っていき
そこに触れる

それだけでお姉さんが震えて

既に溢れた液に導かれるまま
俺はゆっくりと指を入れていく

次のページに続く!!

お姉さんの声が次第に膨らんでいく
声を殺すのも、億劫なほどに

指を埋めた肉厚のはずなのに
指に埋もれた肉厚と考えてしまうのは
それだけ女性器の中が神秘だからなのか

どこをどうすればお姉さんが感じてくれるのかわからず
ひとしきり指を動かしてみる

たまに、だけど

ちょうどいいところなのか
一際お姉さんが喜び震える場所があった

それを幾度も試して
どこなのか突き止めて
ようやく場所がわかって

次のページに続く!!

押し上げる

お姉さんの腰が浮く
明らかに違った声色が響く
気持ちよさのあまり綺麗から遠ざかった声を漏らす

だけど、俺にはやっぱり綺麗だった

とてもとても綺麗だった

綺麗という言葉しか思いつかないことが申し訳なるくらい

もう一本指を入れて
お姉さんが一番悦ぶところを押し上げる
救い上げるように
引っ張り出すように

「だ、めっ」

お姉さんが発した言葉は
あの日俺が発した意味と同じなのだと知って

次のページに続く!!

ああ、そうだね、お姉さんと俺は納得した

これはやめられない

あの時のお姉さんの気持ちがわかる
遅れて共感できたことが嬉しかった

お姉さんはこんな気持ちで俺を攻めていたのだろう
どこか嗜虐的な、歪んだ気持ちで

だけど
だけどきっと

今の俺と同じような気持ちだったと信じたい

もっと、もっと、喜んでほしいと願う心があったのだろうと

掻き回す指に連鎖してお姉さんが声を出す
偽りのない性的な声に興奮も高まっていく
気づけば汗でぐっしょりと湿っていた
指を動かす度に淫らな音が響き渡る

次のページに続く!!

自分の行いで快楽に身悶えるお姉さんが愛らしい
もっと、もっと愛でていたい
好きという気持ちに際限がないように
ずっとこのままでいたいと思う

強く、抱きしめて

「もうっ」

荒く、かき乱して

優しく、囁いて

「好きです」

「んんっ――」

糸切れた人形のようにお姉さんが固まる
腰を中に浮かせたまま、電気信号のように身体が跳ねた

くて、と横たわったお姉さんは顔を腕で隠して息を荒くしていた

「ははっ」

荒げた息の間でお姉さんは

「イカされてもたわ」

少女のように、照れていた

次のページに続く!!

「お姉さん」

「ん?」

「入れていいですか?」

「え、う、今? 今なあ……」

当時の俺にはお姉さんがなんで躊躇うのかわからなかった
それも、今、という限定で
今ならわかるけど

「よし、ええよ、入れて」

なにかしらの覚悟を決めたお姉さんに了承を得て
俺はパンツを下ろしてそれを出す

「ゴムだけはちゃんとしよな」

「もちろんです」

「つけれる?」

「授業で習いました」

冷静に答えてみるものの
渡されたゴムを上手くつけられない

次のページに続く!!

「ははっ、こういうとこはやっぱ初物やな」

「初物って」

「ええよ、つけたる」

「すみません」

膝立てをして性器を晒す
恥ずかしさが二乗して襲ってきた

お姉さんは俺からゴムを取ると

「これも男のこの夢やったっけ?」

と聞いてきた

なんのことだろうと思っていたら

お姉さんはゴムをはめるより前に俺の興奮したそれを口に含んだ

わざとだろうか
激しく音を立てて、寧ろそれが目的のように吸い尽くす
このまま続けられたまたイってしまう

次のページに続く!!

「お姉さん、やめ、て」

「わかっとるよ」

今回は素直に引いてくれたので安心する
お姉さんはゴムを取り出してなにかをしている

するとまた俺のを口に含んだ

気持ちよさに震えるがそれ以上に違和感があった

どうやっているのは不思議だけどお姉さんは器用に口でゴムをつけた

「ふう、上手くいった」

「どうやるんですか、それ」

「君は知る必要ないやろ、男やねんから」

「そりゃそうなんですが」

「まああれやな。男もアホなこと覚えとるように、女もアホなこと覚えんねん」

「そういうもんですか」

ちょっと雰囲気が外れてしまったかに思えるが
俺は童貞で、なんだかんだでしたくてたまらない猿だ

次のページに続く!!

お姉さんを押し倒す

「もう我慢できないです」

「そやな、ええよ」

自分のを持ってお姉さんの穴にあてがった
ここか?

「もうちょい下やな」

ずらすと確かにそれらしき窪みがある

「うん、そこ」

色んな感情が渦巻く中
俺はゆっくりと腰を落としていった

どんどんと沈み込んでいく中
入れる具合に反応してお姉さんの息が吐き出される

ゆっくり、ゆっくり
中はうねっていて奇妙だった
こんな快楽がこの世にあったんだと素直に感動した

次のページに続く!!

暖かくて心地よい神秘の世界
お姉さんの全てが詰まった、一つの秘境

さっと血の気が引いた
やばい

やばい

やばい

「うあっ」

冗談だったらやめてほしいけど
なによりも俺が一番冗談じゃないと知っている

きょとんとしたお姉さん
恥ずかしくて速攻目を逸した

お姉さんはそんな俺を見て笑うでもなく

「しゃーないしゃーない、初めてやねんから」

と言ってくれた

「したりんやろ? もっかいしよか」

その言葉だけで再び性欲の熱が沸点を目指す

次のページに続く!!

「あ……そのゴムラストや」

地獄に突き落とされる言葉ってこういう言葉かもしれない。

「ま、えっか。安全日やし。中に出したらあかんけど」

思考が固まった

「はい、抜いて」

言われるがままに抜くと、お姉さんが体を起こしてゴムを外す

「……生は恐い?」

「いや、あの、子供……」

「まあできんやろうけど、そやなあ。君って今なんのためにエッチしとるん?」

「それは」

単純に気持ちいいから
だけど多分、それ以上に
お姉さんとなにかを残したいから

次のページに続く!!

「子作りのためちゃうやろ? やから、子供は気にせんでええよ」

「それに、まあ、できんやろうし」

お姉さんはそれをとても悲しそうに呟いた
ガキとはいえ、なぜそんなに悲しそうなのかと聞く気にはなれなかった

嫌な想像しか浮かばないけど

「うちは君と、ちゃんと繋がりたい。やから、しよ?」

「はい」

お姉さんは再び横になって

二度目ということもあり、スムーズにその場所へと持っていき

先ほどとは打って変わって

一気に突いた

根元まで挿入されると様々な感情が浮かび上がる
喜び、悦び、期待

そして、不安

最期の感情を振り払うように
一心不乱で腰を動かした

次のページに続く!!

突くたびにお姉さんは喘ぐ
見られまいと顔を背けて

かなぐり捨てて動き続ける
お姉さんに全てを受け取って欲しくて

好きだから、ずっと一緒にいたい
けれど、お姉さんとずっと一緒にいられない

お姉さんはいつかまたと言ってくれたけど
お姉さんは本当にそう思ってくれたのだろうか

だとしても、お姉さんは綺麗だから
かっこいい男が現れたりするだろう

そんなの嫌だ
俺はお姉さんとこうしていたい

仕事して、遊んで、髪を撫でて

突く力が強まるのは、不安を吹き飛ばそうとする度合いだ
突くだけでなく、沢山キスをした

次のページに続く!!

これが夢じゃないかと疑いたくない
これは本当のことだったと、なによりも自分に覚えててほしい

なんの壁もなく一つになっている

お姉さんと一つになっている

なっていたい

お姉さん

性器に溜まる欲望が急速に炙る
限界が近い

「イキ、そうです」

「うん、イキな」

「お姉さん」

「ん?」

「好きです」

お姉さんは突かれながらも

「うちもやで」

と微笑んだ

次のページに続く!!

どくどくと溢れる熱量が
お姉さんのお腹にぶちまけられて冷えていく

疲れ果てた俺は倒れこむように横になった

「気持ちよかった?」

「はい……お姉さんは?」

「気持ちよかったにきまっとるやんか」

「よかった」

安心する
俺のしたことは喜んでもらえた

お姉さんに頼まれたのでティッシュを取る
ああ、そうか、こういうとこにも気を付けないと

お姉さんがティッシュで俺の精液を拭き取った

「こうせんと布団が汚れてまうからな」

「もう今日はこのまんま寝よ」

お姉さんが裸のまま抱きしめてきて
足も絡めてくる

次のページに続く!!

それはつまりお姉さんの胸があたり
太ももにお姉さんの性器があたり
俺の性器も擦れるということで

「おお、もう復活したん」

「いえ、大丈夫です」

「……ええよ、いっぱいしよか」

結局、寝るまでに後三回した

合計すると五回も数時間で出したってことになるわけだから
若いって凄いな、と思う

翌日

昼過ぎに起きた俺はお姉さんに黙って部屋の掃除を始めた
トイレ、お風呂、玄関、物置、キッチン、リビング

最期にお姉さんの部屋

次のページに続く!!

「……なにしとん?」

「掃除。お世話になったので」

「生真面目やな、ほんま。こっちおいで」

「はい」

寝転がっているお姉さんの横に行くと、頭を撫でられた

ええこやな、といつも口調で

嬉しかったからお姉さんの頭を撫で返す

ええこやな、とお姉さんを真似て

「……関西弁へったくそやな」

「そうですか?」

「なんかイントネーションがちゃうわ」

「難しいですね」

「今のまんまでええよ」

「君は君のまんまでええよ」

「はい」

お姉さんが仕事の支度を始めたら帰るのはもうすぐだ

家に帰ったら両親は怒るのだろうけど、どうでもいい

次のページに続く!!

それだけ価値のある人に出会えた

「行こか」

それには答えられずただ
引かれた手に連れられて外に出る

家を出て近くの駅へ
そこから都会の駅まで僅か十分

お姉さんはずっと手を繋いでてくれた
お姉さんの手はとても暖かった

白状するけど俺は既に泣いていた

声を殺して
俯いて
泣いていることを悟られずに泣いていた

きっとお姉さんはお見通しだったろうけど

都会の駅に着く

俺の家はここから本当に遠い

次のページに続く!!

「暫くのお別れやな」

「ありがとうございました」

「今度はいつ来る?」

「夏にでも来ます。速攻バイトして、お金貯めて」

「そっか。ほんじゃ、待っとくわ」

「あの、これ」

「ん?」

「携帯番号です。電話、くださいね」

「うん、電話するわ」

嫌な予感しかしなかった
今ここでお姉さんの手を離したら
二度と会えなくなるような気がした

「お姉さん」

「ん?」

「ごめんなさい」

「なに謝っと……」

俺よりも身長の高いお姉さんの
肩を掴んで引き下げて
無理矢理キスをした

次のページに続く!!

そこはまだ駅のホームで人目がつく

長い時間のように思えて
それは一瞬のことだった

「強引やな」

「ごめんなさい」

「嫌いちゃうけど」

「すみません」

「お返しっ」

今度はお姉さんの方からキスをしてきた
その時間は本当に長かった

二分、三分?

お姉さんは白昼堂々と舌を入れてきて
人目も気にせずに没頭した

俺もなんだかだんだんどうでもよくなってきて
人目よりもなによりも
お姉さんの気持ちに応えたくて

次のページに続く!!

だってお姉さんは俺よりもずっと大人で
お姉さんはとても綺麗な人で
BARの店長とか格好良い職業で

モテないわけがない

こんな一瞬、奇跡に違いない
夢でないことがいい証拠だ

だからきっとお姉さんは俺を忘れる

俺はいつまでもお姉さんを忘れられないだろうけど

「大好きです」

「うちもやで」

「また来ますから」

「うん」

「絶対に来ますから」

涙が止まらない

この約束が嘘になると思ってしまって
ずっと涙が止まらない

次のページに続く!!

電車が来る

お姉さんが微笑む
俺の頭を撫でる

俺は泣きじゃくったただのガキで
駄々をこねるただのガキだ

電車が扉を開ける

中に入る

泣くなや、男の子やろ?

扉を締める合図が響く

お姉さんが僕を抱きしめる

ほんまに

ぎゅうっと強く、抱きしめる

ほんまに

車掌の警告が響く

大好きやで

けたたましいサイレンが鳴る

次のページに続く!!

ありがとう

お姉さんが離れる

ドアが締まりかけた頃合で

お姉さんは快活に微笑んだ

目尻に込めた涙を無視して

「バイバイ」

別れの言葉を口にした

家に帰ると鬼の形相をした両親に迎えられた
がーがー怒っていたけど、なぜだろう
俺はそれがとても嫌だったのに、ふと思った

二人も子供なんだろうな、って

お姉さんがお姉さんだったように
お姉さんだけどお姉さんじゃなかったように

大人だって子供なんだな、って

「俺さ、二人が喧嘩するのが嫌で家出したんだよ」

そういうと二人は黙ってしまった

次のページに続く!!

喧嘩の原因ってなんだろう
考えてみれもどうでもいい

頭の中でお姉さんが離れない
お姉さんがいつまでもそこにいる

お姉さんは、そこにいるけど

俺の携帯はいつまでも鳴らなかった

高校に無事入学して、夏

バイトをしてお金を貯めて、お姉さんに会いに行く夏

だけど、相変わらずお姉さんから着信は来なかった

学校の友達もできた
好きな人はできなかったけど

というか
お姉さんを知って他に好きになれるとか、無理だろう

結局、俺はお姉さんに会いに行かなかった

臆病だったから?
不安だったから?

答えはまあ、三年後

次のページに続く!!

三年後

高校を卒業してそのまま働くと伝えたら両親は落胆していた
因みに俺の家出が切欠か、あれ以来二人は不仲が解消したようだ
少なくとも家で喧嘩はしていない

しかも勤め先を遠くに選んだから余計だ
理由を問われたけどその街が好きだからとしか言えなかった

就職はまあ、なんとかなった
高卒なためいいところとは言えんが選ばなけりゃなんとでもなる

家も決めて、一人暮らしの段取りをしつつ

三月に入って俺は学校に行くのをやめた
あとは卒業式以外どうでもいいわけだし

それよりもなによりも俺にはやることがある

家を探す時や就活の時に訪れているわけだが
改めて来てみると不思議な感覚に襲われた

次のページに続く!!

あの都会の駅の前にある広場はどうにも健在らしい

そこのベンチでぼうっと座っていると、お姉さんが

なんてことは流石にない

暫く佇んで、お姉さんを探すべく歩き出す

といっても行く先なんて決まっている
あのBARとマンションしか知らないんだから

夜の八時過ぎ
あのBARが開いている時間帯だ

こうして見ると怪しい雰囲気だな、と思った

お姉さんに連れられた三年前は気づかなかったが、これは一人で入れんと思った

ドアを開けるとベルが鳴る

店の看板とかなにもないから不安だったけど、BARはまだやっているらしい

中に入るとお客さんは一人もいなかった

でも、一人だけ、その人はいた

赤く長い髪の
綺麗なお姉さん

次のページに続く!!

「こんにちわ」

「らっしゃーい」

どうやらお姉さんは俺の存在に気がついていないようで
これはこれで面白いと俺は自分を明かさなかった

まあ、なんだかんだで
今ではお姉さんより身長も高いしなあ

三年経ってもお姉さんはお姉さんだった
綺麗ですっとしていてモデルみたいで

大人の色気が増したと言えばいいのか
しかし十八の俺に大人の色気はよくわからん

「お客さん、初めてだよね?」

「ですね」

「なんでこんな見つけづらいとこに」

「友達に聞いたんですよ。真っ赤な髪のマスターがいるBARがあるって」

「ああ、これ。ははっ、もういい年なんやけどねー」

次のページに続く!!

「でもとってもお似合いですよ」

「あざーす。いや、なんか照れるわー」

「どうして赤髪なんですか?」

「これ? これな、むっかあああああしの知り合いに褒められてなー」

死んでしまった人のことだろうか

「大切な想い出なんですね」

「いやそんなんどうでもええねんけどな、今となっては」

「?」

「ぷっ」

「どうしました?」

「いや、そんでなー」

「この赤い髪を綺麗ですね、って褒めてくれたガキンチョがおんねん」

「ガキンチョ」

次のページに続く!!

「そうそう。そいつな、うちに惚れとるとかいいよったくせにな、くせにやで? 携帯番号ちゃうの教えて帰ってん」

……うそん

「連絡ください言うた割に連絡通じへんやん? どないせーってのな」

「そ、それはそれは」

冷や汗が沸き立つ
まじで? それで連絡こなかったの?

「会ったらほんまどつきまわしたらなあかんなあ」

迂闊に名乗れなくなった

「そ、それと赤髪がどういう?」

「ん? やからさ、あのアホンダラが戻ってきた時、うちのトレードマークがなかったら気づかんかもしれんやん?」

「そんなこと……」

ありえて嫌だ
お姉さんの赤髪とピアスは凄い印象強いから

次のページに続く!!

「ところでお客さん、なに飲む?」

「おすすめのカクテルを」

「いや無理やわー」

とお姉さんはドン、っと机が揺れるぐらいの勢いでコップを置いた

「自分みたいなガキンチョにはこれで充分やろ?」

それはいつか出されたジュースだった

「……はは」

「ははっとちゃうわドアホ! いつまで待たせんねんおばはんにする気かおどれぁ!」

「あ……バレてました?」

「バレバレや言うねん! 君身長高くなっただけで顔つきほとんど変わってないやんけ可愛いわボケぇ!」

「可愛いなんて、もうそんな年じゃないですよ」

次のページに続く!!

「そこだけに反応すんなアホ! 首傾げる仕草もなんも変わってないいうねん……」

唐突にお姉さんは体を背けて顔を隠す
ああ、お姉さんも変わってないな

「どんだけうちが待っとったおもてんねん……」

ふるふると震える肩
いつもそうだった
お姉さんは弱味を俺に見せたがらない

恥ずかしい時も
哀しい時も
苦しい時も

顔を背けてそれを隠す

椅子を降りてカウンターの中に入っていく
土台が同じ高さになったため、俺はお姉さんよりも大きくなった

次のページに続く!!

「ほんま、背高くなったなあ」

「牛乳飲んでますから」

「……君ええボケ言うようになったやん」

「そりゃお姉さんと一緒になるの、夢見てたんで」

「タバコは?」

「身長伸びませんから」

「迷信やろ」

「プライバシー効果ですよ」

「プラシーボ効果やろ」

自分より小さくなったお姉さんをそっと抱きしめる
自分の腕の中に収まるお姉さんは、とても可愛らしくて愛くるしい人だった

「大好きですよ」

「あっそ」

「つれないですね」

「知るか、三年もほっとったアホ」

「どうしたら許してくれます?」

「そやな」

次のページに続く!!

「とりあえず、うちより身長低くなりや」

「はい」

「うん、ええ位置やな」

引き寄せて、お姉さんはキスをする
三年ぶりのキスは相も変わらず、優しくて、この上ない喜びが詰まっていた

「なあ」

「はい?」

「うち、ええ歳やねんけど」

「結婚とか興味あるんですか?」

「君とする結婚だけ興味あるな」

「そうですか。じゃあ、暫くしたらしますか」

「なんでしばらくやねん」

「まだ新入社員ですよ、俺。いやまだなってもないのか」

「就職したん? ここがあんのに」

「それも悪くないんですけど、やりたいこともありまして」

「へえ、なんなん?」

「秘密です」

次のページに続く!!

改めて席についてジュースを飲んだ

「一つ気になってたんやけど」

「はい」

「なんで夏にこんかったん?」

「……そうですね」

「連絡が来なくてムカついてたんで」

「君のせいやろそれは!」

「ですね。でもあの時の俺は本当にそうだったんですよ。恋人ができたのかな、って。だから三年溜めて、まずは社会人になって、もしダメだったら」

「ダメだったら?」

「ストーカーにでもなろうと思ってましたよ」

「どこまで本気やねん」

「半分。ストーカーは冗談ですけど、仮に彼氏さんがいるなら奪おうとは思ってましたよ」

「本気やな」

「そりゃまあ、お姉さんは僕の人生を変えた人ですから」

次のページに続く!!

「言いすぎ……でもないんかな」

「うちの人生を変えたんは、君やしな」

「それは意外ですね」

「君はあの一週間をどう覚えとる?」

「妄想のような一週間ですかね」

「妄想て。雰囲気でんわ。でもうちにしたって、ありえん一週間やった。だってそやろ、家出少年かくまって、いろいろあって、恋して」

「でもそういうの慣れてると思ってました」

「よく言われるけどなあ、そういうの。うちかてただの女やしな」

「……そうですね」

「そこは同意なんやな」

「もう十八ですからね。お姉さんが普通にお姉さんに見えますよ」

「なんやそれ。ってか君、いつまでお姉さん呼ぶん?」

「お姉さんって呼ばれるの、好きなんだと思ってましたよ」

次のページに続く!!

「嫌いちゃうけど、今の君に呼ばれるんは違和感しかないわ」

「でも」

「なんやねん」

「名前で呼ぼうにも名前知りませんし」

「……ほんまやな、うちも君の名前知らんわ」

「名前も知らない人を泊めてたんですか、いけませんよ」

「名前も知らんお姉さんに付いてったらあかんやろ、殺されんで」

「ほな」

「はい」

「○○ ○○です、よろしゅー」

「○○ ○○○です、よろしくお願いします」

「ははっ、なんやねんこの茶番」

「っていうかお姉さん、意外に普通の名前なんですね」

「君は古風な名前やな。しっくりくるわ」

そのあともお姉さん、基、○○との会話は続いた
お客さんが何組か来て、ついいらっしゃいませと言ってしまったりもしたけど

次のページに続く!!

俺はお姉さんの家に泊まることになった

「コーヒーお願いします」

「飲めるん? ってそや、薄くせなな」

「そのままでいいですよ。あれ以来濃い目のしか飲んでませんし」

「なんで修行しとんねん」

「○○と同じ味を覚えたかったから」

「……君、照れずにようそんなこと言えるな」

「鍛えましたから」

「それ絶対間違っとるわ」

差し出されたコーヒーに口をつける
強めの苦味が口の中でふんわりと滲んで、これはこれで嫌いじゃない

「ほんまや、飲めとる」

「三年も経てば飲めますよ」

「敬語はいつやめるん?」

「唐突ですね。やめませんよ」

「変な感じやな」

次のページに続く!!

「そうですか? これで慣れてしまってて」

「だってもううちら恋人やろ?」

「ああ、はあ、そう、ですね」

「なに照れとんねん、やっぱ子供やなあ」

「いやあの、今のは突然だったので」

三年前と違って会話はすらすらとできた
三年も会っていなかったからか、話したいことが山のようにあった

暫くして、変わらないあの言葉

ほな、寝よか

俺の腕に小さな頭を乗せて
縮こまるお姉さんは可愛らしい

優しく撫でると香るあの匂いに
急速に三年前を思い出す

「ずっと会いたかってんで」

「ごめんなさい」

「もうどこにもいかんよな?」

次のページに続く!!

「卒業式には帰らなくちゃならないのと、家を借りてるのでそれを解約するのとありますね」

「うん、ここにいたらええよ」

「家賃は払いますから」

「いらんよ、借家ちゃうし」

「結婚資金にでもしておいてください」

「お、おう」

こうして思えばお姉さんは照れ屋だったのだろう
三年前の俺はそんなこと全くわからなかったけど

その内にお姉さんはすやすやと寝息を立て始める
俺の腕の中で安らかに眠る

こんな日々がこれから一生続くのだろうと考えたら
俺はなんとも言えない喜びに包まれて

幸福の中で眠りについた

次のページに続く!!

それは春が訪れる
桜が咲く前のこと

ってなわけで悪いがエロなしで終わり

俺九時間も書いてたのか
そりゃどうりで頭が痛いわけだ

読んでくれてありがとう、お前らお疲れな

ここから質疑応答・・・

Q:この春から一緒に暮らすの?

A:ん、春からってから正確には再来月ぐらいになりそうかな

就職したばっかでばたばたするし、家の解約とかやることけっこうあるし
住民票とか、親の説得とかな

次のページに続く!!

Q:そいやまだ過去の男と子供の伏線が回収されてないからその話もあるわけか?

A:過去の男? それは寧ろ片付いたと俺が思いたいぞwww
子供のあれはな  まだ聞いてない
でも聞きたくもないし聞けない
聞くのはデリカシーがなさすぎ 今後聞く必要はあるだろうけど

Q:今どこにいるの?

A:いえないってwww
設定にフェイクは入れてるからなwww

Q:これで現在まで追いついたかんじ?

A:そやね。追いついた感じ

次のページに続く!!

Q:上手く言えないが、その後は幸せなのか?

A:もちろん!
こんないいお姉さん捕まえて幸せじゃないなんて奴、いないだろ?
もうお姉さんと再開できた時点で畳む話で
そっから先は蛇足だからな

悪いが終わりだ

Q:お姉さんに秘密でやりたいことってなに??

A:俺は物書きになりたいんよね
まあ、まだまだだけどさ
ほら、お姉さん自営業だし夜だし
物書きだったらそれなりに時間合わせられるし場所選ばないし

次のページに続く!!

改めてありがと
こんなスレ伸びるとは思わんかったけどさ

あ、最期にみんなに伝えておくことがあるんだわ

釣られたみなさま、本当にお疲れ様でした

と書こうと思ったけどやめた
まあいっか、お前らいいやつだし

んじゃ、おやすみ

【ムフフな実話】明らかに年下3人組の男の子にナンパされた→その結果→今でも忘れられない結果になった!!

いつも若く見られる私・・・

21歳の男の子3人組にナンパされたのは26歳の時でした。

その中のV6の岡田くん似の可愛い顔した男の子と仲良くなって食事したり、ドライブしたりする仲になりました。

初めての年下の男の子が新鮮で、かなり惹かれていく・・・

同い年だと思っている彼は、大人ぶるんだけど、5歳も年上の私には、可愛くて食べちゃいたい気分でいっぱいでした。

 

そんなデートを4~5回重ねていたある日。

とうとう彼が車をラブホの前に停めて「いい?」と聞いてきました。

もちろんOKだったけど、待ってました!!みたいだし・・・。

「・・・ダメ」って答えたら、あっさり引き下がる彼。

実は、まだ1人しか経験がなく、イヤよ、イヤよも好きのうちが分からないみたい。

 

こっちから誘うわけにもいかず、また食事やドライブだけのデートが続く・・・

いい加減こっちから言わないと進展しなそうなので

「今度の連休、温泉に行きたい・・」

とおねだりしてみた。

でも、どこまで鈍感なのか日帰りだと思ってるw

話が進むうち、いよいよ彼が「温泉入ったら疲れちゃうから泊まりで行こうよ」と誘ってきた。

 

「うーん・・」

「ダメぇ?」

「・・・いいよ」

「ほんとに!!!!」とはしゃぐ彼。

すごく可愛くて、その場で押し倒したいけど、ガマン・・・

 

宿選びは彼に任せて、伊豆へ出発。

着いた宿は、貸切露天風呂のある小さな宿でした。

部屋で2人きりの食事・・・

「なんか照れちゃうね・・・」なんて、いい年して本気で思った。

 

「お風呂行く?」

「一緒は恥ずかしいからイヤ」

「大丈夫だよ、二人きりだし・・・」

「じゃあ、タオル巻いて・・・」

と二人でタオルを巻いて露天風呂へ・・・

まだ、SEXもしてないのに、裸になって一緒にお風呂に入るなんて・・・

実は、彼がなかなか手を出してこないのは、経験も少ないし、あそこに自信が無いせいだ・・と思っていた。

ところが、タオルを巻いた彼の下半身からは、見えて無くてもわかる、巨根がくっきり浮かんでいる。

「・・・すごい」と気がつかないフリで心で思った。

私のタオルも谷間が見えるように、少しずらしてアピールw

彼も気がつかないフリで、チラチラ見てる。

でも、まだ触れてこない・・・

「そろそろあがらない?」と立ち上がろうとする私の手を始めて彼が触れた。

「もう少し・・・」と私の手を引く彼。

「あっ」少しよろけて彼にしがみついた。

彼の巨根がおなかにあたる。

「もうあがろうか」と顔を赤くする彼。

「見ちゃダメだからね!!」と浴衣に着替え、部屋に戻る。

 

部屋に戻ると、布団が少し離れて敷いてあった。

なんとなく顔が赤くなる・・・

彼を見ると、可愛い顔が真っ赤だw

私が髪を直しに洗面台に行くと、少し離れてた布団がピッタリくっついていた。

さっきより真っ赤な彼が「このほうがいいよね」と照れて笑った。

「なんで?せっかく部屋広いんだから広く使おうよw」と意地悪を言ってみる。

「いいよ、このままで・・・」とふてくされる彼。

本気で可愛いww

こんなに可愛い顔をして・・・

さっきお風呂で見た巨根を思い出してムラムラする。

このまま縺れ合いたいけど、彼の出方を待ってみる。

知らん顔で「おやすみ♪」と布団の中に入った。

どうするのかと思っていると、彼も隣の布団に入った。

「・・・あらっ??まさか今日もナシ???」

 

・・・5分

・・・10分

・・・・20分

時間がどんどん過ぎていく・・・

 

もう寝てたのかと思った瞬間、彼の手が伸びてきて私の布団に入ってきた。

そして、私の手を捜しつかんで、また、そのまま10分・・・

ふいに「こっちに来て」と私の手をひっぱった。

「あっ」という間もなく、彼の腕の中に抱きしめられた。

「いい匂い・・・可愛い」と彼。

5歳も年下の男の子に可愛いだなんて・・

うれしさと恥ずかしさで、そのまま抱きしめられたままでいた。

彼のキレイな顔が、ゆっくりと私に近付き唇をふさぐ。

長い長い濃厚なキス。

舌が絡んで、嘗め回す。

苦しくなって離れようとしても唇が離してくれない・・・

まだ子供だと思っていたのに、ねっとりと大人のキスが続く。

体中が触れて欲しくて、疼いているのに気がついている彼は、キスを止めない・・・

 

「・・・あっあん」私の吐息と共に唇から、耳、首筋と彼の唇が移動する。

たまらない私は「・・・お願い」と言った。

私のお願いを聞いてくれた彼は、ゆっくり浴衣の紐を解き、私の裸を眺めた。

「キレイだね」と彼は私の胸を愛撫した。

手のひらで乳首を転がすような愛撫。

「あっ、ああん」たまらず声が漏れる・・・

「キレイだ・・・」彼は私の乳首を丁寧に舐めまわす。

ゆっくりと、時に激しく吸い付き、私の反応を楽しんでいるようだった。

「はぁはぁぁ・・ああん」

まだ見ていない彼の巨根が私のふとももにあたり、それだけで溢れてしまうのがわかった。

私も手を伸ばし、彼のものを確かめてみた。

「あっ」っと一瞬腰をひく彼・・・

少し強く握ってみた。

私の手首より太い、そして20cm以上はあると思われる巨根。

 

体勢を代え、彼の浴衣を解く。

パンツの上から亀さんの頭が飛び出ている!!

「・・・すごい」思わず、声が漏れる。

恥ずかしそうな彼・・・

私もさっき彼がしたように、上に乗り濃厚なキスをお返し。

おなかにあたる巨根がそそり立つのがわかる。

その大きさはおへそを超えたところまでまっすぐに立ち、おなかにピッタリと張り付きそそり立っている。

たまらず口に含んでみる。

「そんなとこ・・ダメだよ・・」さっき私を攻めていた彼とは別人のようなことを言う。

無視して舌先でチロチロすると、「ウグッ」っとのけぞった。

大きなカリを口に含む。

大きすぎて喉につかえそうだけど、口の中で転がす。

「あっ」彼の小さなため息が私を刺激する。

大きすぎて根元までは、口に入らない。

でも、いけるとこまで咥えてスイング。

 

私の大きな胸の乳首が、彼の太ももに擦れて気持ちいい。

乳首に気が付いた彼がそっと手を伸ばす。

「あぁぁぁ」彼の巨根を含んだ口から思わず声が漏れる。

お尻を高く突き上げて、四つんばいになっている私のオマンコから太ももにオツユが垂れた。

足を広げて四つんばいの体勢。

パックリ割れたオマンコから、触らなくてもわかるくらい大きくなったクリが飛び出す。

 

触れて欲しい・・・

そう思った時「そのままの体勢でおしりこっちに向けて・・・」と彼が言った。

カリを口に含み、根元をしっかり握ってお尻を彼の顔に向けた。

「またいで」と彼は私の膝を持ち上げようとする。

彼の綺麗な顔の上を、グチョグチョのオマンコでまたぐ。

モアッとメスの匂いが広がる・・・

 

「まゆみ・・・可愛い顔していやらし・・」

彼に初めて呼び捨てにされて、また感じる。

「・・・恥ずかしいから、あんまり見ないで・・・・」

しゃぶっていた口を離し、思わず叫ぶ。

私の叫びも無視して、太ももに垂れたオツユを舐めあげる彼。

「すげぇ・・・」彼が小さな声でつぶやいた。

彼の舌が上に登り、割れ目をなぞる。

彼の巨根をしゃぶろうとするけど、体が震えて上手くいかない。

「ムリしないでいいよ・・」太ももに顔を押し当てながら彼が言う。

でも彼と気持ち良くなりたくて、もう一度口に咥える。

同時に割れ目をなぞっていた彼の舌も、押し広げて中に入ってきた。

 

あまりの快感に叫びそうになるのを抑えて、彼の巨根を必死に舐めまわした。

「あっあああぁぁぁ」私より先に彼の呻き声が響く・・・

「そんなことしたら、お返しだよ」

そう言いながら、彼は私の一番敏感な突起を舌で探す。

パンパンに膨れて硬くなったクリはすぐに見つけられて舌で転がされた。

「あっあんあん、あぁぁぁぁぁぁ、はぁはぁぁぁぁ」

優しく転がし、激しく吸い付き、ねっとりと舐めまわす。

「はぁんぁん、・・・すごい・・きゃぁぁぁ」

私の叫びと、オマンコから聞こえるクチュクチュといやらしい音が静かな部屋に響く。

「もっと感じて・・・」彼が言う。

返事が出来ない私は「あっあんあん」とひたすら悶えるだけだった。

もう彼の巨根を咥えていることは出来ない。

私はもう何も考えれらず、快楽の波に落ちていった。

 

もう咥えることが出来なくなったのを知って、彼が私のオマンコから舌を離した。

「寝て・・・」と覆いかぶさる彼。

もう一度、舐めまわすようなキス。

彼の巨根は、全くぜい肉の無い少年のようなおなかにピッタリ張り付き、今にも爆発しそう・・・。

もう一度、彼の顔を見る。

閉じた瞳に長いまつげが光っている。

元々ヒゲが薄いのか、ツルンとした肌は本当に少年のようだ。

その少年のような美しい彼に、こんなに感じさせられてる・・・

そう思うだけで、自分が本当にいやらしいメスに思える。

彼は私の汗ばんだ脇の舌を刺激し、女の匂いを楽しんでいる。

 

「女の人って、すごいね・・・」

恥ずかしそうに言う彼。

「あなたの方がすごいわ・・・どこで覚えたの?」

実は、まだ女を知らないと言う。

途中までは何度かあるけど、いつも最後までいけないんだ。

私はたまらなくなり「もう来て!!!」と彼の巨根をつかんだ。

「俺に入れさせて・・・」彼の巨根を握った手を振り払った。

彼は自分の巨根を握り、私の穴を確かめた。

「溢れているよ・・・」

彼は巨根を握ったまま、私のオマンコに指を滑らす。

彼の細くて長い指が奥まで入る。

思わずのけぞる私、キュッとオマンコが締まるのがわかる。

 

「・・・すごい、吸い付いてくるよ」

指をクチュクチュさせながら彼が言う。

「あぁっあっ・・・もっと激しく動かして・・・」

今までガマンしてたのに、たまらず欲望が言葉になる。

彼は応えて、指を激しく動かしてきた。

一緒に乳首にも吸い付く。

「あっあっ、どうしよう・・・もうダメかも・・・」

「・・・」

「えっ、どうしたの??痛い?」

「ううん、良すぎてイキそう・・・」

まだ女がイクのを見たことがない彼。

イクという言葉に反応したのか、もっと激しく突いてきた。

乳首を攻めている舌も激しくなる。

 

「あっあっ・・・イクイクゥ~あんあん」

「あっ・・・あぁぁぁぁ」

私は彼に抱きしめらながら、果ててしまった。

 

「あぁ、すごい可愛い・・・」

ギュッと抱きしめる彼。

「先にイってごめんね・・・もう来て・・・」

「もう少し、このまま・・・」

私を抱きしめたまま、動かない彼。

まだビンビンしている巨根が私のおなかにあたる。

そのまましばらく抱き合っていたけど、彼のキレイな顔を見ていたら、たまらず私から軽いキス。

そのキスで目覚めたのか、また舐めまわすような激しいキスをしてきた。

 

「ウグゥグゥ・・」彼にふさがれている私の口の脇から唾液がこぼれる。

「いやらしい・・・」彼はそんな私を見てまた興奮しているようだった。

「もう・・来て」

彼に見つめられ恥ずかしさの中、私が言った。

もう一度オマンコに指を入れ、まだ濡れているのを確認し、今度は一気に巨根をねじ込んできた。

「あっあぁぁぁぁぁぁぁぁ」

私の小さなオマンコにギリギリと彼の巨根が入り込む。

十分すぎるほど濡れていたのに・・・・

痛さと快感で、打ちひしがれた。

 

「す、すごいぃぃぃぃ!!」

私は叫びながらも、もっと奥に入るように腰を動かす。

その動きに合わせ、巨根を滑らす彼。

今まで入ってきたことが無い深いところまで彼の巨根が入り込む。

思わず、私は腰を浮かせた。

その腰を持ち上げ、自分の方に引き寄せ自分の太ももに乗せる。

きっと彼からは、つながっているところが丸見えだ・・・

「恥ずかしいよ・・・」思わず頬が赤くなる。

体中が熱い・・・

「大丈夫、キレイだよ・・・」

彼は巨根をくわえ込んでいるオマンコの上から、触って欲しくて飛び出しているクリを見つけて優しくさすった。

「はぁはぁ・・・気持ちよすぎるよぉっぉぉぉ」

無視して彼はクリを弄り続ける。

 

気持ち良過ぎて気が狂いそうになる。

彼の太ももの上に腰が乗ったままなので動きにくいが、無意識に腰が動いてしまう。

彼は動いてくれなくて、ひたすらクリを責めるから私が動くしかなくて、一生懸命自分の気持ち良いように動いた。

「うっぅぅぅ」彼も低いうめき声をあげる。

「動くとすごい締まるよ・・・」

そういいながら彼は私の腰を下ろし、抱き合う形になった。

強く抱きしめながら、舌を絡める濃厚なキス。

彼の唇にふさがれた私の口から唾液がこぼれる。

「・・・いやらしい・・」

彼は激しく腰を打ち付けてきた。

「ジュルジュルジュル」

彼が動くたび、淫靡な音が響く。

彼の巨根はどんどん中に入り込み、奥で何かにひっかかる。

 

「すごい・・・こんなの初めて・・」

思わず、こんな言い尽くされた言葉が出てしまう。

私のオマンコも彼の巨根を逃がさないように、ギュウギュウと締め付ける。

それに負けないように、激しく腰を振る彼。

「あっあんあん・・いい、いい」

ところがその時、彼の巨根が急激にしぼんでしまった・・・

「・・・どうしたの??」

「いつもこうなんだ・・・だからまだ一度も女の人でイッたことがない・・」

「ごめんね・・」とうなだれる彼。

「ううん、私すごく満足したからいいよ」と笑ってみせた。

彼も笑顔になり、抱き合ってそのまま眠ってしまった。

ホントは一緒にイキたいけど、何度も満足したし抱きしめられる充実感でみたされていた。

 

気持ち良いが続いたまま1時間ほど抱き合って眠っていたのだろうか・・・

気がつくと、彼が私をギュッと抱きしめたまま眠っていた。

そのキレイな顔にキスをすると、突然目を覚まし私の胸を弄りだした。

「うっうん・・起きたの??」

「うん、柔らかくて気持ち良いね・・・」

それからお互いの体を弄りあり、イチャイチャしていた。

気が付くと二人とも汗だくで、シャワーを浴びようと部屋のバスルームへ。

小さな温泉宿の部屋風呂だからラブホみたく大きくないけど、余計密着感がある。

シャワーを流したまま、抱きあってキスをしたり触りあったりしていた。

それから二人で洗いっこしたり、舐めあったりしばらくバスルームで楽しんだ。

「お布団戻ろ!!」すぐ近くなのに手をつないで布団へもぐる。

彼はまた私を押さえつけて、全身丁寧にキスをしてくれた。

彼の舌が私の秘所に近づく・・

 

「うっん、またぁ~」

私を無視して、舐め続ける彼。

イキ易くなっている私は少しの刺激で、達しそうになる。

「入りそう?」と私の問いかけに、黙って私の手を自分の巨根に持っていく。

再び私の手首くらいに膨れあがった巨根が、私のオマンコを疼かせる。

「今度は私に入れさせて!!」と彼を寝かし上にまたがる。

女の人に乗られるのが初めての彼は、どうしていいのか分からないのか私の胸をつかみ、乳首をもて遊んでいた。

彼の巨根はものすごい勢いでそそり立ち、おなかに張り付いて入れにくい。

彼の上に乗り、グチュグチュになったオマンコを彼の巨根に擦りつけた。

「あぁ、それ気持ち良い・・」彼が言う。

 

彼にキスをしながら、オマンコを擦りつけて腰を動かす。

乳首も彼の胸に擦れて、気持ちが良い。

そのままオマンコを亀頭に近づけ咥えこむ。

このまま腰を落とせば入るはず・・・

私はゆっくりと腰を落とした・・・

ところが、あんなにそそり立っていた巨根が挿入するとしぼんでしまう・・・

「ごめんね・・・ムリみたい・・」と彼は言ったけど、どうしても一緒にイキたい私はフニャフニャの巨根を抜いて、しゃぶった。

すぐに復活。

もう一度、彼の上に乗ろうとすると、彼が「今度は自分で入れてみる」と私に乗ってきた。

・・・でも、やっぱりダメ・・・

 

もう一度と愛撫を始めた。

壁に背をつけて座らさせられ、M字に足を広げて顔を近づける。

彼が舐めているところが、上からよく見える。

彼の背中やお尻も見えて、すごく恥ずかしい。

足を思い切り広げさせられ、クリを舐めながらジュブジュブとオマンコに指を入れる。

「あっあっ・・イキそう・・・あぁぁぁぁ」

そのままイッてしまった私。

彼は舐めるのを止め、「また汗かいちゃったね」ともう一度シャワーを浴びて布団に入り、抱き合ったまままたいつも間にか寝てしまった。

次に起きた時には、もう朝の6時半過ぎだった。

「朝の貸切露天風呂行ってみようよ」と夕べも入った貸切露天風呂へ。

夕べは二人ともタオルを巻いて入ったけど、今朝は二人とも産まれたままの姿。

湯船の中では、ずっと抱き合ってキスをしていた。

また彼の巨根が大きくなるのがわかった。

 

部屋に戻り、そのまま合体。

彼がゆっくりと腰を動かす。

「今度はどう?」

「なんだか今までとは違う・・・このままイケそう・・」

彼はそう言うと、奥に奥に押し込んできた。

中でまた大きくなる巨根。

たまらず私も腰を動かす・・・

「あっあっ、すごい・・・さっきと全然違うよ!!○○くんの別の生き物みたい・・・」

硬い硬い巨根が私の中を荒らす。

キリキリと擦れて、気が遠くなる・・・

そこに突然『りーん、りーん』と電話のベルが鳴った。

無視する二人。

 

「はぁはぁ・・すごいよ、ずっとこのまま繋がっていたい・・・」

「俺も気持ち良い」

彼の巨根が子宮を付き抜け・・・・

こんなの初めて・・・快感をむさぼる二人。

そこにまた電話のベル・・・

もう一度無視。

というより、離れられない・・・

トントン

 

すると、今度はドアのノックが聞こえた。

「お客様・・まだお休みですか?お食事のご用意ができていますので、お願いします」

と大きな声が聞こえた・・・

「ハイ、わかりました」繋がったまま彼が叫ぶ。

気が付くと、もう8時を過ぎていた。

 

もう少しなのに・・・

まだ大きいままの巨根を抜く彼。

「行こっか・・」

寝乱れた浴衣を直し、食事処へ。

 

二人とも中途半端で食事どころじゃないんだけど・・・

よく見ると、みんなちゃんと着替えていてこんな寝乱れているのは私たちだけだ。

一目で今までやってましたとわかる・・・

食事も早々に切り上げ、そそくさと部屋に戻る。

チェックアウトは11時・・・まだ2時間以上ある。

私たちはどちらとも無く浴衣を脱ぎ、お互いの体をむさぼりあった。

私の潤いを確かめる指ももう慣れて、クチュクチュ動かすとすぐに、オツユが溢れ出した。

「もう一度行くよ」

「早く来て・・・」

彼の巨根はすんなりと入り、ズコズコと音を立てて奥に入っていった。

「あっ、あっ」

二人の呼吸のリズムがぴったり合う。

 

「・・・どう?」

「すげー、気持ち良いよ・・・」

もう小さくなることの無い巨根が私の中で暴れる。

小柄で小さい彼が、私の腰を持ち上げ突きまくった。

彼の巨根はどんどん中に入り、子宮を突き上げる。

「・・・こんな激しくちゃ壊れちゃうよ・・・」

少年のようなキレイな顔が今は野獣に見える。

さっきまで優しく気遣ってくれていたのに、今まで味わったことのない快楽で、頭がいっぱいのようだ。

彼の腰の動きが速くなる。

「あっ、あっ」

・・・す、すごい・・・

私も一緒にイケるように、気持ち良い位置に腰を動かす。

「あっ!!!」

 

突然、彼が巨根を抜いた。

同時に、若い精子が私の胸まで飛び跳ねる。

少し顔にもかかった・・・

「・・・ごめん、気持ち良過ぎた・・」

真っ赤な顔の彼が言った。

その顔は大きな瞳は潤んでいたけど、いつものキレイな彼だった。

「良かった?」私の問いかけに返事は無かったけど、代わりに強く抱きしめて、おでこにキスをした。

「一人でイッてずるい・・イク時は、言って!!一緒にイキたかったのに・・・」

「そういうものなの??知らなかったから・・・ごめん」

ワザとふてくされたのに、本気申し訳なさそう。

 

「今度はちゃんと言ってね」

「うん!!」

可愛い笑顔にキスしたくなる。

彼も同じ気持ちなのか、キレイな顔が近づいた。

初めは唇を合わせるだけの軽いキス。

でも彼の舌が私の唇を押し開け、強引に入ってきた。

私の舌を探し、絡ます・・・

「ねぇ・・・もうダメ、時間ないよ・・・」

「いいから・・・」

彼は私の手に自分の巨根を握らせた。

「あっ・・・」

もう大きくなっている・・

若い男の子の回復力って・・・・

「・・・・時間・・・」

時計を見るともうすぐ10時・・・

あと1時間と少しだ。

 

隣の部屋からは、掃除をする音やおばさん達の話し声が聞こえる。

さっきまでのあえぎ声を思い出して、恥ずかしくなる。

「ねぇ、もう準備した方がいいなじゃない?」

キスをやめて、私の乳首を舌と指で弄んでいる彼に言った。

「ん??やめていいの?」

私のオマンコのオツユを指ですくって、私の目の前で糸をひいて見せた。

「・・・あっ、それは・・・まだ、イッてなかったし・・・」

「今度はちゃんと言うから・・・」

彼が私の足を持ち上げ秘所に顔を埋めた。

「ああぁん、あっ」

もう抵抗することなんて出来ない。

隣の部屋で掃除をしているおばさんに気が付かれない様に、声を潜めて喘ぐのが精一杯だった。

 

「俺のも舐めて!」

私の目の前に巨根を突き出した。

たった今、射精したばかりのオチンチン。

1本の陰毛が、まだ私の愛液でヌメヌメ光っている巨根に張り付いている。

あまりの卑猥さに興奮する。

仰向けの姿勢のままで彼の巨根を口に含んだ。

おなかにピッタリ張り付くようにそそり立った巨根は口に入れようと下に向けても、ものすごい力で跳ね返す。

上手くしゃぶれないから体を起こし、彼を座らせた。

ちょうどさっき彼が私の秘所を舐めてくれたのと同じ体勢。

「ちゃんと座ってて、寝ちゃダメだよ!!」

そう言って彼の巨根を舐めまわす。

激しく首を上下させ、吸い上げた。

「うっ!!」

彼がのけぞり、巨根が私の口から離れた・・・

 

「・・・スゴ過ぎるよ、出ちゃいそう・・」

仰向けに寝た彼が言った。

黙って私は彼の上に跨った。

「気持ち良い?」私は彼のキレイな顔を舐めまわすようにキスをしながら聞いた。

「あぁぁぁっ」彼が声にならない返事をする。

そのまま腰を動かし、オマンコに巨根をこすりつけた。

さっきは出来なかったけど、今度は入りそう・・・

私は巨根に手を添えて、オマンコに押し当てた。

ジュブジュブジュブ・・・

 

オツユが溢れる音がして彼の巨根が沈んでいく。

「あっ、あっ」

足をM字にし、腰を突き出すように動かした。

私が一番速くイケる体位だ。

彼が顔を上げて、繋がっている部分を見る。

クチュクチュと、私の動きに合わせて出たり入ったりする自分の巨根に興奮しているようだ。

広げたオマンコから飛び出ているクリを彼がなぞる。

 

「あっ、ぁぁぁぁぁ」

耐えられない快感に、思わずM字が崩れ膝を立たせた体勢に戻る。

彼が背中に手を回し、力強く抱きしめてくれた。

もっと快感を求める私は、腰を動かすことを止められない。

抱きしめられたまま腰を動かすと、彼も一緒に突き上げている。

どんどん奥まで入る彼の巨根。

「・・・はぁはぁ・・イキそう・・」

思わず私が言う。

「じゃあ、俺に動かさせて・・・」

そう言うと繋がったまま私を仰向けにし、抱きしめたまま激しく腰を動かしてきた。

「はぁんあんあん・・・あっイキそうあっ、あっイクイク・・・」

私のイキそうな声を聞いてより動きが激しくなる彼・・

「・・・・・・・・・・俺も・・・イ・・ク・・」

ひとつの生き物のようにピッタリくっついて激しく動く彼。

私は頭の中がからっぽになって、彼の動きに合わせてしがみついているしか出来なかった。

私のオマンコが痙攣し始め、快感の波が押し寄せる。

 

「イ、イクゥゥ~」

「オ、俺もイキそう・・・」

私のオマンコが、彼の巨根を搾り出すように締まった。

「・・・あっ、あぁぁぁぁぁ」

「・・・あっ、あぁぁぁぁぁ」

二人同時に果ててしまった。

しばらく離れられない二人。

一瞬、気を失ってしまったようだ。(後で、考えるとたぶん1~2分の短い間だと思う)

彼の声が遠くに聞こえる・・・

 

「・・・・・・大丈夫」

「う、うん大丈夫・・良かった?」

「うん・・良かったよ」

「私もすごく良かった・・」

再び、彼が強く抱きしめ、おでこにキスをしてくれた。

「早く、準備しなきゃ」

そう言って二人でシャワーを浴びに行ったのが、チェックアウト10分前。

軽く流して、髪はゴムで留め、荷物はかばんに詰め込んで、布団も浴衣も寝乱れたまま、あわてて部屋を出たのでした。

 

・・・・以上が、私の今でも忘れられないSEXです。

多少着色じゃなくて、脚色もありますが、95%実話です。

へたくそな文章でごめんなさい。