サンサーラ速報❗️

クラスの可愛いJKがイケテナイ男子と付き合うゲームを開始→男子がゲームだと気づいてしまった結果がヤバすぎる。。。

学校 (月)(6/29)

女「うぅ、負けちゃった」

女友「やった!」

女「今月も勝てると思ったのになぁ」

女友「連敗は避けたかったからね」

女「で、何でしょうか」

女友「罰ゲームは一回も話したことない人に告白!」

女「えぇ…罰ゲームで告白…?」

女友「負けたんだからしょうがないでしょ」

女「うーん。他の人巻き込むタイプのはやめようよ」

女友「いやだ。バンジージャンプの借りはこうでもしなきゃ返せない」

女「でも…」

女友「言い訳無用。誰かひとりくらいいるんでしょ」

女「…………あの人、かなぁ」ジー

女友「(ここで男君を引き当てるとは…)」

女友「あぁ男君ね」

女友「ってことで放課後にレッツゴー」

女「え、今日?」

女友「善は急げって言うでしょ?」ニヤニヤ

女「ひいき目に見ても善じゃないよ」

女友「(噂で聞いてたけど男君ってたしか)」

女友「(この子のこと好きだって言ってたよね)」

 

女友「あいつのこと正直どー思う?」

女「わざわざ聞かないでよ」

女友「暗くて冴えなくて、生理的に無理でもある?」

女「……言ってないよそんなこと」

女「それに、普通に振られるかもしれないし」

女友「んじゃ、振られたらそれで罰ゲーム終わりにしてあげる」

女「…わかった」

女友「(ま、振られるわけないけど)」

放課後

男「zzz」

女「寝てる…」

女「ね、ねぇ」

男「……ん」ゴシゴシ

男「!」

男「(ひょえ!天使!)」

男「(近くで見てもかわいい!)」

男「お、俺…?」キョロキョロ

女「(あ、名前…名前なんだっけ…)」

女「き、君しかいないよ」

男「あ、そ、そうだな」

男「それで、女さんが何用…?」

女「…………私と付き合ってほしいなー、なんて」

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男「(こ、告白告白告白された!)」

男「え、なに、え、どゆこと」

女「はやく」

男「?」

女「返事!」

男「ひっ…」ビクッ

女「……」

 

男「お、俺なんかでよければ…」

男「え、えっと、こちらこそよろしくお願いします!!!」

女「返事がうるさいなぁ」

男「ご、ごめんなひゃい」

女「(…びくびくしすぎじゃない?)」

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女友「私が何回バンジージャンプ飛ばされたか覚えてる?」

女「え、えーと3回くらい…だっけ?」

女友「32回」

女「……はは」

女友「32回」

女「……」

女友「普通に飛んでたら貯金全部飛んでくよ」

女「女友ちゃんうまい!」

女友「チッ」

 

女「!」

女友「まぁあんたにフリーパス買ってもらってたから私はいいんだけど」

女「一日飛び放題券は格安だったね」

女友「……」イラッ

女友「飛んだ合計距離わかる?スカイツリー超えよ」

女「あ、気付いたんだ。そこちょうど狙ってたんだ」

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女友「(こいつ…)」

女友「最低5回はデートすること」

女「えぇ…そっちの条件もあるの?」

女友「……ふーん」カタカタ

女「…………」

女友「…………」カタカタ

女「お、女友ちゃん……キーボード打つ音しか聞こえないけど」

女友「エベレストの高さが8848mで日本一のバンジーがこの高さだから…」

 

女「(恐ろしい想像してる!)」

女「やります」

女友「え、何が?89回飛んでくれるだけでもいいんだけど…」

女「デート5回させていただきます」

女友「よろしい。最低だから増やしてもいいよ」

女「(最低って…)」

女「(増やすわけないのに…)」

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女友「罰ゲームってバレたらもっかい違う罰受けてもらうから」

女「……う、うん」

女友「よろしい。じゃおやすみ」

女「……おやすみ」

ガチャ

女「5回もデートなんて…」

女「でも違う罰は嫌だし…」

 

女「がんばって演技しなきゃ」

女「…………」

女「…………」

女「スカイツリーはやりすぎたかな」

女「通天閣くらいにしておけば…」

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男宅

男「聞いてくれよ」

妹「?」

男「今日さ!」

男「聞いてくれよ!」

妹「いや聞いてるよ」

男「うひょー」

妹「え?」

男「とりあえず聞いてくれよ!」

 

妹「浮かれてるのはわかったって」

男「なんと!」

男「今日!」

男「初めて!」

男「告白されました!」

妹「(あ、罰ゲームか)」

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妹「ふーん」

男「なんだその反応は」

妹「だって…」

男「?」

妹「(まぁいいか)」

妹「どんな人なの?」

男「かわいくてーかわいくてー」

妹「写メは?」

男「いや、ないよ」

 

妹「え?」

男「そーいや連絡先も交換してないな」

妹「どやって告白されたの?」

男「今まで話したことなかったんだけど」

男「放課後に付き合ってくれって言われた」

妹「(あちゃー)」

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妹「…………んで?」

男「動揺しつつも平静装って華麗にOKした」

妹「(嘘だな。慌てまくって噛みまくったに違いない)」

妹「よかったね」パチパチ

男「やる気ない拍手だな」

妹「(程度の低いイタズラする人もいるのね)」

妹「(ってか罰ゲームで告白ってなんか古いし…)」

妹「…………」

 

妹「(まさか本当に奥ゆかしい子が告白したとか…)」

男「俺の想いが届いたんだな」

男「今日はご馳走つくってやるぜ」

男「ふひひ」

妹「…………」

妹「(ないな)」

妹「ありがと。私も手伝うよ」

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一時間後

男「いやーうまかった」

妹「そだね。ごったま」

男「…………」

妹「…………」

男「なぁ」

妹「…………」

男「妹もおかしいと思う?」

妹「……………………」

 

妹「……………………」コクン

男「やっぱそーか。そりゃそうだよなー」

妹「……あー、あのさ、なんて言っていいか分かんないけど」

妹「もう全部忘れちゃってもいいんじゃない?」

男「俺さ、好きだったんだよ」

妹「(うわぁ、きっついパターン)」

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男「過去形なのは言葉の綾というか」

男「今も好きなんだけど」

妹「…………」

男「しんみりさせて悪いな」

妹「恥ずかしいかもだけど、泣いていいよ」

男「はは、さすがにそれは…」

妹「ほんとに」

男「……ちょっと洗い物する」

 

妹「私も手伝おうか?」

男「どんだけ泣いてるとこ見たいんだ」

妹「うそうそ。私がやっとくから部屋戻りなよ」

男「……助かる」

男「明日には、引くほど元気になってるから安心してくれ」

妹「(兄さんの性格を考えると、多分……)」

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翌朝 男宅 (火) (6/30)

男「……」ガチャ

妹「……んかえり」ゴシゴシ

男「ここで寝てたのか?」

妹「まぁそんな感じ」

男「どうしたんだよ」

男「罰ゲームで告白されて落ち込んでるのか?」

妹「それは兄者でしょうが」

 

男「そうだった」

妹「……もう平気なの?」

男「自虐できるくらいには」

妹「うんうん、一安心」

男「……んで、相談なんだけど」

妹「好きになってもらいたい、と」

男「さすが妹」

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妹「じゃあ無駄じゃなかったってことだよね」

男「何が?」

妹「こうやって朝まで作戦練ってたんだから」

男「え、まじで?」

妹「まじで。たぶん惚れさせたいとかふざけた言うと思ったから」

妹「どうやって攻略しようかと考えてたわけ」

 

妹「……途中で寝ちゃってたみたいだし」

妹「現段階じゃ余りに情報が少なすぎて」

妹「作戦なんて具体的には立てられなかったんだけど」

男「気持ちだけでうれしいよ」

妹「感謝するのは全部終わってからじゃない?」

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男「…………」

妹「んで、疲れてるとこ悪いんだけど」

妹「聞きたいことあるんだよね」

男「何?」

妹「その人って、兄上が好きなこと知ってるの?」

男「女さんには知られてないと思う」

妹「(女さんね、ふむふむ)」

妹「結構重要なとこなんだけどね」

 

妹「これで、罰の意味合いが大きく変わってくるし」

男「たしかにそうだな」

妹「(知られてないってことは本当に偶然か……周りからの差し込みか……)」

妹「まぁいいや。知らないってことで仮定しよう」

妹「その女さんって人は金髪ツインテの高飛車系ツンデレお嬢様みたいな人?」

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男「……そんな人いないよ」

妹「なんてこったい」

男「どうした」

妹「そういう系統なら」

妹「テンプレ通りに攻略しようと思ってたんだけど」

男「そんな感じではないな」

妹「……兄上はより険しい道を歩まざるを得なくなったぞ」

男「(読んだんだな)」

 

妹「てか罰ゲームって気づいてたんなら、家帰ってきた時のあの演技は何だったのよ」

男「一応告白されたんだから喜んどこうと思って」

妹「(切ねぇ…)」

男「罰ゲームだろうがなんだろうが告白なんてこれからされるとは思わないし」

妹「ほえー。モテないのか」

男「暗いし冴えないし」

妹「生理的に無理でもある、と」

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男「いやまさかそこまで……」

妹「…………」

男「ありえるな」

妹「分かんないけどね」

男「妹の前だと普通の状態でいられるんだけど」

妹「(……着ぐるみ作戦が使えるな)」

妹「なるほど」

妹「たった二人の家族だもんねー」

 

男「そうだな」

妹「あ、そうだ。ひとつ約束してほしいことがあるんだよね」

男「?」

妹「お小遣いは月15000円のままだから」

男「当然だよな」

妹「もちろん」

妹「大切なバイト代は大切に使っていかないと」

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男「ですよね」

男「でもこういうのって美容院行ってかっこよくなって」

男「イメチェンしてかっこよくなって」

男「実は妹も俺にドキドキなんかしたりして」

妹「…………」

男「三角関係から生まれる泥沼の…」

妹「…………」

男「沈黙が怖いんですが」

 

妹「今月の15000円は脳みその治療費に消ゆ、と」

男「病院代もお小遣いからですか。ってか今のはジョークです」

妹「……ジョークも冴えない、と」

男「…………」

男「まぁたしかに、家計を圧迫しても得なんてないか」

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妹「全部が無駄とは思わないんだけどね」

妹「上限は決めとかないとさ」

男「金銭感覚も俺よりよっぽどしっかりしてるな」

妹「どもども」

男「いい奥さんになれるよ」

妹「…………」

男「?」

妹「(フィクションじゃないんだから、こんな言葉でリアル妹は堕とせないけど…)」

妹「(天然ジゴロの才があるのかも…?)」

 

妹「(でもわざわざ伝えても良い結果にはならないだろうし)」

妹「(でもでも女さんの前で披露してくれないと意味ないし…)」

妹「ってかどうでもいいけど死語だよね」

男「?」

妹「たぶん罰ゲームならデートとかも誘ってくると思うの」

妹「錯覚使って好感度上げてこ」

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男「錯覚て」

妹「なんでも使ってかなきゃ攻略できないの」

男「……」

妹「落ち込むな。私がいる」

男「頼もしい」

妹「チャレンジャー号に乗った気分でいてよ」

男「え、それ爆発したやつじゃ…」

 

妹「空中分解じゃなかったっけ?」

男「…………」

妹「はい、これ貸してあげる」スッ

男「万札?」

妹「何があるか分かんないからね。足りなくなるのは一番避けたいところ」

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男「ありがとう」

妹「いやいや、こっちがありがとうだよ」

男「え?」

妹「30倍返しだから」

男「遠慮しておきます」スッ

妹「うそうそ。いつか返してくれりゃいいから」

 

男「……ありがとう」

男「好きになってもらえるように全力で努力する」

妹「まずは臆せず話せるようになるところからだけどね」

男「そうだな」

妹「ま、私に任せんしゃい」

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妹「……モテる男には2種類いる」

男「急にどしたの」

妹「ノってんだから遮らないでよ」プンスコ

男「すんません」

妹「……モテる男には2種類いる」

男「(そっからやるんだ)」

妹「何もしなくても天性だけでモテる奴と…」

 

妹「努力して努力して努力してモテる奴よ」

妹「後者になればいいの」

男「……なるほど」

妹「人は熱意で堕とせる」

男「そんな、カワイイはつくれるみたいな言い方…」

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学校 放課後

女「ねぇ…」

男「な、なに?」

女「明日デートしたいなー」

男「ひょえ!」

女「だめ?」

男「ふひひ…」

女「返事くらいしてほしいな」

男「あ、あの、はい」

 

男「おねがいします」

女「ん。ありがと」

女「どこ行きたい?」

男「え、映画とか…」

夕方 男宅

妹「映画デートて、彼氏力はマイナスか?」

男「もしかしなくてもだめですか」

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妹「喋らずして堕とすテクニックなんかもってないでしょ」

男「で、でも感想とか話し合ったり」

妹「罰ゲームのデートでそこまで付き合ってくれないよ。たぶんだけど」

男「たしかに」

妹「(手ぐらい握れば…いや危ういな…)」

妹「まぁ違う方向からでも攻められる」

妹「女さんって仲良い人とかグループとかいるよね?」

 

男「うん。いたと思う」

妹「ちょろい方から叩くしかない」

妹「でもそれは一回目のデートの後。まずは……」

……

妹「(こんなに早くデートに誘ってくるなんて…)」

妹「(読めなかった私のミスだ)」

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妹「(もしかして)」

妹「(デートの回数も条件に入ってるんじゃ…)」

翌日 デート 1回目 (水)(7/1)

男「……」ドキドキ

女「なにそわそわしてるの?」

男「付き合うなんて初めてだからどうやってデートすればいいかわかんなくて…」

女「(ほんと面倒…)」

 

女「はぁ…」

男「(え、た、ため息…?)」

女「(あ、やばいやばい。ちゃんと演技しなきゃ…)」

女「(バレてないのかな?)」

男「……」

女「映画行こうよ。満員なっちゃう」

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男「そ、そうだな」

女「…………」

女「(でもあんまりベタベタしすぎると別れるタイミングが…)」

女「(そもそも、ベタベタなんかしたくもないけど)」

……

男「何観ようか」

女「んーと」

男「アクション、アニメ」

 

女「SF、コメディ」

男「色々やってるな」

女「(別になんでもいいや)」

鑑賞中

男「(よし、学園ラブコメでオッケーもらった)」

女「(学園ラブコメね)」

女「(キライじゃないけどなぁ…)」

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女「(あ、好きな俳優でてる!)」

女「(これに出てたんだぁ…ふふ)」

女「(かっこいいなー)」

女「(テスト前でチェック甘くなってたのかも)」ニコニコ

女「(まぁ大して勉強してないんだけど)」

男「(楽しそうにしてる。ほんとよかった)」

男「(罰ゲームのデートで喜ぶなんて情けないけど)」

 

男「(好きだから仕方ない)」

男「ふひひ」

女「(なんか笑ってるし……好きな女優でもいたのかな?)」

……

男「泣けたな」

女「そう?」

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女「でもあの人出てたから満足」

男「好きな俳優とかいたの?」

女「うん。あの浮気されちゃった先生」

男「……………………」

女「?」

男「そうなんだ。一期前の連ドラも出てたよな」

女「へー、知ってるの?」

 

男「うん。ありゃ同性から見てもかっこいいよ」

女「わかってくれる人がいるとは…」

男「今の感じもいいけど昔のコメディっぽい雰囲気の方も好きでさー」

女「あ、私も好き!」

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一時間後

女「あ、そろそろ私帰らなきゃ」

男「わかった。家まで送らせてくれる?」

女「……ううん。いいよ。大丈夫だから」

男「そうか。じゃあ駅まで歩こうか」

女「あ、ちょっと待って。これ被んなきゃ」

男「そんなの持ってきてたんだ」

女「好きなの」

 

男「流行のキャップ女子ってやつか」

女「………………」

男「…どした?」

女「(……そんなミーハーじゃないのに)」

女「……」

男「(落ちつけ…どの言葉で地雷を踏んだかくらいわかるんだ…)」

男「つ、次のデートで帽子買うから機嫌直してよ」

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夜 男宅

男「ただいま」

妹「おかえり。ご飯できてるから」

男「さんきゅー」

……

妹「次の約束もできたんだ」

男「誘う時は緊張したけどな」

妹「作戦は成功した?」

男「成功した、と思いたい」

 

男「特に、女さんを女さんの着ぐるみを被った妹だと信じ込もう作戦はよかった」

妹「ふむ。じゃあ、行く予定の劇場で上映してる作品のキャストの情報丸暗記作戦は?」

男「労力の割にリターンが少ないように思った」

妹「きっとそんなことないよ」

妹「緊張せず、会話も途切れず、次のデートの予定も組めたなら上出来」

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男「地雷踏まなきゃなぁ…」

妹「んー」

妹「本気で怒ってるわけじゃないと思うし」

妹「次のに繋げられたんなら良しとしよう」

男「そう言ってもらえると安心」

……

妹「(さて、今日聞いた情報から作戦構築してかなきゃ)」

 

妹「(……兄さんは勉強できるからそれも使いたいんだよね)」

妹「…………」

妹「(いや、兄さんも…だよね)」

妹「(私も勉強はトップだし)」

妹「(……っていうかトップじゃないと困るんだ)」

妹「…………」

妹「(姉上に心配かけさせるのもよくないし)」

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女宅

女「(あっさり次のデートの約束しちゃったなぁ)」

女「(……でもまぁいいよね)」

女「(はやく5回済むんならそれでも…)」

ピリリリ

女「(女友ちゃんからだ)」

ガチャ

女「もしもし」

女友「どーだった?」ニヤニヤ

 

女「いきなり何なの」

女友「だってだってデートしてきたんでしょ」

女「まぁ…」

女友「あ、あと言い忘れてたけど」

女「?」

女友「5回デートしなきゃ2週間経ってても交際続けなきゃダメだからね」

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女「わかってる」

女友「それならいいんだけどさ」

女「……」

女友「でさ、感想は?」

女友「惚れちゃったりした?」

女「……何言ってるの?」

女友「もー」

 

女友「そんなに怖いと魅力半減しちゃうよ」

女「……私、デートの予定立てるのに忙しいから切るね」

女友「え、もしかしてもしかしてやっぱり惚れ」

女「おやすみ!」

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ガチャッ

女「(告白したのが月曜日…)」

女「(金曜日に買い物。土日は一回デートしたいな)」

女「(それでやっと三回目が終わり……)」

女「(いっぱい予定詰めてデートして、すぐに振っても別に不自然じゃないよね…?)」

女「(今日も随分と眠たそうにしてたけど、何か理由あるのかな)」

女「うーん」

女「(まぁ関係ないし、はやく終わらせたい…)」

 

女「あ」

女「いいこと考えた。何回もデートするうちに友達としての気持ちの方が強い」

女「ってことに気が付いた……って理由ならなんとなくいけそうかも」

女「…………」

女「(今日のデート…)」

女「(4時間くらい一緒にいたけど特に何も思わなかった)」

女「…………ん?」

女「何も、思わなかった?」

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女「(告白した時は、もっとおどおどしてたり)」

女「(びくびくしてる印象しかなかったような…)」

翌日 帰宅路 (木)(7/2)

男「(今はひとりみたいだな……ってこれじゃストーカーだ)」スタスタ

男「女友さん」

女友「!」

女友「お、男君、偶然だね」

 

男「ちょっといいかな」

女友「(まさか…)」

女友「どうしたの?」

男「…………」キョロキョロ

男「(誰もいないな)」

男「ありがとう!」ガシッ

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女友「!」

女友「手、手が…」

男「俺うれしいよ」

女友「な、何が…とりあえず手離して…」

男「あぁごめんごめん」

男「ちょっとの間だけでも俺に夢を見させてくれてるから感謝したくて」

女友「(……もしかして)」

 

男「こんなの取引条件になるか分かんないけどさ…」

男「すっごい丁寧に勉強教えてテストの成績上げるから、頼む!」

男「情報をください!」

女友「え、情報…?」

男「ダメか?」

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女友「え、そ、それって、その…」

男「ん?もちろん罰ゲームの話だけど」

女友「(や、やっぱり)」

女友「ご、ごめんなさい!ほんと軽い気持ちでこんなことしちゃって」

男「……………………」

男「いいよいいよ、謝んなくても。さっきも言ったけど俺うれしくてさ…」

男「……俺が前から好きってことがバレてるんなら」

男「からかわれてるみたいでイヤだったけど」

 

女友「う、ううん。あの子はその事知らないみたいだから」

男「そっか。よかった…」

男「で、さっきの話だけどいいかな?」

女友「で、でも情報なんて私…」

女友「あ、いつまで、ば、罰ゲーム…するとか?」

男「それも聞きたいけど」

男「提案したのは誰なのか気になって」

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女友「……」

男「口止めされてる?」

女友「あ、いや、えっと…そんなことは…」

女友「……わ、私が、その…」

男「罰ゲームはいつまで?」

女友「……わ、私が言ったのは2週間なんだけど」

男「2週間…」

 

男「条件というか……他の取り決めとかはある?」

女友「えっと…なんだったかな…」

男「……どっかお店入ろうか?」

女友「い、いや結構です…!」

女友「あ、あの、デート回数は、さ、最低5回…って……決め、ました…」

↓↓次のページに続く↓↓

男「…………」

女友「…………」

男「最低…」

女友「!」

男「ん?」

女友「(あ、い、今のは復唱しただけか…)」

男「一番重要なとこなんだけど」

女友「な、なに…?」

男「2週間経ったら振る……みたいな取り決めは?」

 

女友「えっと…たしか、続けてもいいし振ってもいいって言ったと思う…思います…」

男「…………」

女友「…………」

男「女さんが好きなことでも教えてもらおうかな」

女友「……う、うん」

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……

男「ありがとう。もう十分聞けたよ。これから頑張る」

女友「ってことはやっぱり…」

男「うん。アタックし続けてほんとに好きになってもらう」

女友「…………」

男「だから今日の事は女さんに内緒にしてほしい…頼む!」

女友「う、うん…わかった」

 

男「ありがとう。助かったよ」

女友「(なんで私が…お礼されるなんて…)」

……

女友「はぁ…」

女友「(いろいろ神経すり減って寿命縮んだかも…)」

女友「(正直もっと、なよなよしてる気がしてたんだけど)」

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女友「(……告白が月曜日で今日が木曜日)」

女友「(男子三日会わざれば……ってやつ?)」

帰宅路

男「(罰ゲームの首謀者当ては成功したけど)」

男「(成功したけど…)」

男「…………」

 

男「(言われて傷つくってことは、まだどっかで信じてたんだ…)」

男「(どう考えたって罰ゲームに決まってるのに…)」

……

男「(遊園地)」

男「(水族館)」

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男「(プラネタリウム)」

男「(料理は、イタリアン)」

男「(夜景より、海)」

男「(花火…)」

夜 男宅

妹「うまくいった?」

男「たぶん」

 

妹「そっか。脅さなくても大丈夫だったんだ」

男「下から攻めた」

妹「口が回ったみたいでよかったよ」

男「中身を妹と思え作戦は万能だ」

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妹「……でもキツいのはこれからだよ兄さん」

男「そうだな」

妹「女さんは惚れられてることを知らなくて、期間は2週間、デートは5回」

男「来週の日曜までだな」

男「あと、アドレスも聞けた」

妹「おっけー。んで、この条件はどっちかクリアで終わりなのかな」

男「いや、どっちもクリアするのが条件だってさ」

妹「……性格も考慮すると、焦らしもいけるかも」

 

男「?」

妹「前のデートは上手くいったみたいだから次もこの調子でいかないとね」

男「ちょっとくらいは意識してくれてるかな」

妹「好印象なんて100%ない。今の段階だと良くてプラマイゼロくらい」

男「それ相当まずいんじゃ」

妹「そんなことない。罰ゲームの初デート終わりに負の感情がないなんて普通ありえない」

男「まぁたしかに…」

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妹「(聞いてると女さんの性格は変なところで真面目みたい)」

妹「(言われた事はやり遂げる仕事人みたいなタイプね)」

妹「(罰ゲームを途中で投げ出さない……くらいの真面目さなら歓迎だけど)」

妹「…………明日はとりあえず無難なとこから攻めるか」

男「…………」

妹「どしたの?」

男「今後のことなんだけど…」

翌日 放課後 (金)(7/3)

 

女「(帽子買ってもらうのはイヤだな)」

女「(変なところで借りなんて作りたくないし)」

女「(うーん…)」

女「(っていうか、今日は女友ちゃん何も聞いてこなかったなぁ)」

女「(…………もしかして、飽きたとか?)」

女「(そしたら反故にできるんじゃ…)」

女「(いやでも…)」

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男「なんか考え事?」

女「!」

女「びっくりした」

男「そんなに?」

女「……ううん。はやく行こ」

男「了解」

女「(他の人にあんまり見られたくないし)」

 

ショッピングモール デート 2回目

男「結構混んでるな」スタスタ

女「金曜だからかなぁ」スタスタ

男「そうかも」

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女「(しかもカップルだらけ…)」

女「(手つなぎたいなんて言わなきゃいいけど)」

男「あの帽子はどしたの?被ってないけど」

女「……あんまり人が多いとこでは被りたくなくて」

男「もしかして」

女「何?エスパー?」

男「……なんとなくだけど、ミーハーに見られたくないんだろーなって」

 

女「(すご…)」

男「やっぱ外れてた?」

女「教えてあげない」

女「……機嫌は直ったけどね」

男「キャップ女子の事まだ引きずってたのか」

女「まぁね。でも直ったから」

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男「それは助かった」

男「俺も漫画とか好きだからミーハーに見られることあるんだよ」

女「そうなんだ」

男「アニメ化とか実写化すると特に」

女「うーん…」

女「私はあんまり興味ないからわかんないけど」

女「女友ちゃんもそんな話してたような…」

 

男「もしかして女友さんと趣味合うのかもしれない」

女「オススメしてくれた漫画なんだったかな」

女「……食戟の巨人だっけ」

……

女「あ、この店よく行くんだ」

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女「私好みのが多くて困るくらい」

男「選ぶの大変だな」

女「そそ」

男「片っ端から被ってくか」

女「えぇ…恥ずかしいよ」

男「そう言わずに」

女「……じゃあまずはこれを」

男「似合う!かわいい!」

 

女「まだ被ってないんだけど」

男「エスパーだから」

女「いやいや」

男「可愛いから何でも似合うし」

女「……」

女「(……お世辞だよね?)」

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……

女「よし、君に決めた」

男「ん。かわいいな」

女「(全部褒めてたくせに…)」

店員「ありがとうございます。当店のメンバーズカードは…」

男「女さん持ってる?」

女「うん。どこだったかな」ガサゴソ

 

男「…………」スッ

女「あ、これこれ」

女「(ってもうお金置いてある!)」

男「あ、ごめん。端数ないや。小銭ある?」

女「え、あ、うん…」チャリン

店員「ありがとうございます」

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……

女「お金、返すよ…?」

男「俺が誘ったんだから払わせて」

女「うーん…」

男「じゃあ今度なんか奢ってよ」

女「……わかった」

男「今日は被んないの?」

 

女「これは明日以降のお楽しみ」

男「それは残念」

女「……あ、もしかして」

女「あのスタバにいるのウチの学校の子じゃない?」

男「ほんとだ。下級生かな」

女「そうかも」

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男「みんな勉強してるな」

女「そういや来週からテストだもんね…」

男「やたら落ち込んでるけど」

女「勉強ほんと苦手なの」

男「そうなんだ。初耳」

女「いやもう引くほどダメで」

男「そんなに?」

女「とにかく引くよ」

 

男「いやいや勉強できないくらいで引かないと思うよ」

女「いや引く」

男「引かないって」

女「引く!」

男「なにその自信」

女「…………」

男「(……人は熱意で堕とす)」

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男「じゃあ……土日のどっちか勉強会しない?」

夜 女宅

女「勢いに押されてアドレスまで交換しちゃった」

女「テストの話なんかするんじゃなかったのかなぁ…」

ピリリリ

女「あ、メールだ」

男『明日の集合は何時にしようか』

 

女「……深夜に観たいドラマがあるから明日は遅い方がいいんだけど」カチカチ

女『1時半がいいな』

ピリリリ

男『了解。じゃあおやすみ』

女「(返信はやっ)」

女「おやすみ…?」

↓↓次のページに続く↓↓

女「まだ8時なのに…」

女「もしかしてはやくメール切り上げたかった…とか?」

女「まぁいいや」

女「でも図書館って言ってくれてよかった」

女「家になんか行きたくないし」

女「連れてくるのもいやだし」

女「(たしか賢かったはずだから、ちゃんと教えてもらお)」

女「(無事にテスト乗り切れたらいいなぁ)」

 

女「…………」

女「…………」ガサゴソ

女「…………」ポスッ

女「うん。やっぱりこのキャップが一番かわいいや」

女「明日被っていこうかな」

女「(……でもちょっと恥ずかしいような)」

女「(買ってすぐ明日のデートで使うなんて…)」

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女「(なんか張り切ってるみたいに思われる気もするし)」

女「…………」

女「うん。やめとこ」

翌日 女宅 (土)(7/4)

女「zzz」

女「…………」ゴシゴシ

女「ん…いまなんじだろ…」

女「あー、やばい」

女「寝坊しちゃった」

 

女「……今から手早く用意しても30分は遅刻確定」

女「メールしとこうかな」カチカチ

女『ごめんなさい。寝坊しちゃったから1時間くらい遅れそう』

女「はぁ…ねむたい…」

ピリリリ

女「え…」

女「返事早すぎない?」カチカチ

↓↓次のページに続く↓↓

『そうなんだ。じゃあ俺もゆっくりしてから出るよ。集合は2時半にしよう』

女「よし、助かったみたい」

図書館前 デート 3回目

女「ごめんなさい、遅れちゃって」

男「大丈夫。俺も今着いたから」

女「ありがとう」

 

男「(昨日の事を考えるとアニメの線はないだろうな……)」

男「俺も昨日は海外ドラマ観てて寝坊しかけたから強く言えなくて」

女「DVD見てたの?」

男「いや、先月くらいから深夜でやってるやつ」

女「ふふ」

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男「?」

女「私もそれ見てたよ」ニコニコ

男「(え、笑顔!)」

男「(あー、なんかもう眺めてたい…)」

女「?」

女「ニヤニヤしてるけど聞いてる?」

男「ん、ごめん。見惚れてた」

 

女「なにそれ」

女「(こんなこと言うタイプだったんだ。やっぱり告白した時とはかなり印象にズレが…)」

男「とりあえず、入って猛勉強しようか」

女「お手柔らかにお願いします」

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女「塩化物イオンが…マイナス1だから…」

男「落ちるのは?」

女「銀…」

男「それだけ?」

女「ちがうの?」

男「鉛も落ちる」

女「あれ…でもさっき水に溶けるって言わなかった?」

 

男「熱水には溶ける」

女「……化学きらい」

男「そんなこと言わずに」

女「だって分かんないし!」

女「面白くないし!」

男「お、女さん…」

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女「あ、……」

女「(皆の白い目が…)」

男「…出ようか」

女「…………」コクン

図書館前

男「恥かかせちゃってごめん」

女「……私のせいだって」

男「中途半端なとこで終わったからどっかで続きしようよ」

 

女「う、うん」

女「(家とか言い出さないで…)」

男「学校行くか」

女「学校?」

男「まずは自転車取りに行かなきゃ」

女「うん」

↓↓次のページに続く↓↓

ピッ
『清算金額は 150 円 です』

男「(よし。小銭ぴったりあるな)」チャリン

女「…………」

学校

女「今って学校開放してるんだ」

男「テスト前に図書室だけな」

 

男「意外と快適でさ。あんまり人もいないし」

女「へー」

女「……っていうかちょっと変な感じするね」

男「あぁ。私服だから?」

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女「そうそう」

男「たしかに。んじゃ行こうか」

女「今度こそお手柔らかに…」

……

女「ん…放物線C上の点Pに対して、接線…平行…対称移動…」

女「ねぇ」

 

男「どうしたの?」

女「数学ってなんでこんなに文章が分かりづらいのかな」

男「分かりづらい?」

女「さっぱり。喉も乾いた」

男「俺、買ってくるよ。何がいい?」

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女「いいの?」

男「もちろん」

女「じゃあ炭酸じゃないやつ」

男「あいよ」

男「帰ってくるまでにその問題終わらせてね」

女「えぇ…無理だよ…」

 

男「できるできるー」スタスタ

女「(行っちゃったし……はぁ……)」

数分後

男「……」ガラガラ

女「zzz」

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男「寝てる…」

男「……えーと」

男「タンジェント使わずに解こうとしてたのか」

男「こりゃ無理だ」

女「zzz」

男「…………」キョロキョロ

男「(図書室に二人きり…相手はお昼寝…)」

 

男「…………」

男「ここでイタズラなんかやってしまった日には」

男「一生彼氏になれないような気がする」

……

↓↓次のページに続く↓↓

女「……ん」ゴシゴシ

女「え……」

女「あ、そっか。学校来てたの忘れてた」

男「zzz」

女「一緒に寝てたんだ。起こしてくれればよかったのに」

女「……ミルクティーもぬるくなっちゃったみたい」

 

女「せっかく買ってきてもらったのになぁ」

男「zzz」

女「…………」

女「…………」

女「(私の弱さがいけないんだ…)」

女「(断れなくて…)」

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女「できるだけ…できるだけ傷つかないように振るから…」

女「ごめんなさい」

女「……私のふざけた遊びにあと少しだけ付き合って」

女「傷つかないようにするには…」

女「罰ゲームだとバレずに、惚れられる前に振る」

女「これが最重要よね」

 

女「(なんだか自意識過剰だけど)」

女「…………」

女「(まぁ…急に告白されて)」

女「(すぐに好きになることなんて、ないよね?)」

女「そうだよね?」

男「zzz」

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女「(告白よりも前に好かれてることはないはずだし…)」

女「(一回も話したことないから、その可能性はないし)」

女「(今だけ注意してれば…きっと平気…)」

女「…………」

女「(ズルくて、ごめんなさい…)」

女「名前も呼んであげてないし、手もつないでないのに文句も言わないし」

女「……もしかしてプラトニックな関係が好きなのかな」

 

男「zzz」

女「ねぇ…答えてよ」

女「…………」ジー

女「…………」ジー

女「もしゃった髪とか短くすればいいのに」

女「爪もちょっと伸びてるなぁ。切ればいいのに」

女「これはきっとあれだ。姉とか妹とかがいない長男タイプとみた」

女「…………」

↓↓次のページに続く↓↓

女「…………」

女「って何やってるんだろ私」

女「置いて帰っちゃおうかな」

女「そしたら…」

女「さすがに愛想つかして向こうから振ってくれる…はず」

 

女「そうだ。我ながらこの作戦けっこういいかも」

女「罰ゲームは完了するよね。規定違反はしてないわけだし」

女「…………どんな感じで言われるんだろ」

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男『置いていくなんてひどいな』

女『わるい?』

男『……知るか』

女『怒ってるわけ?』

男『呆れてんの』

女『……ふーん』

男『なんだよその返事』

女『べつに』

男『はぁ』

 

女『言いたいことあるなら…』

男『別れよう』

女『……、』

女「……」ズキ

女「……」

女「……」

女「なんか…」

女「なんかわかんないけど」

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女「…………」

女「…………振られるのはイヤ、かも」

女「…………」

女「…………」

女「(人で遊んでて振られるのはイヤって…)」

女「最低だよね」

女「(……でもきっとこんなキツい言い方をされることはないと思う)」

女「(優しすぎるんだ…)」

 

女「あの図書館に設置されてる一時駐輪」

女「料金かかってたってことは私がメールした時には家を出てたんだよね?」

女「じゃないと計算が合わない」

女「……それなのに嘘までついて」

女「なんでそんなに優しいの…?」

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女「他の子にもそうなんだよね?私が特別ってわけじゃ…」

女「もしそうだったら……」

男「……ん」

女「!」

男「あ、やば」ガタッ

女「…………」

男「あ、女さん。起きてたんだ」

男「俺寝てたのか。ごめん」

 

女「(どうせならマネしてみようかな…)」

女「……謝んなくていいよ。私もついさっき起きたところだから」

男「そっか。よかった。勉強教えるつもりだったのに」

女「じゃあここお願い」

男「あ、その前に自販機行って買ってくる」

↓↓次のページに続く↓↓

男「ぬるくなってるし」

女「……平気。もう涼しくなってきたから。買ってきてくれてありがと」

男「いえいえ」

男「んで、その問題は…」

男「ここでαとθ使って…この角度を…」

女「うんうん」

女「(あっちの言い方はマネできない)」

 

女「(…………見惚れてたなんて、ぜったい言えない)」

……

夜 男宅

男「ただいま」

妹「んかえい」モグモグ

男「はいはい」

↓↓次のページに続く↓↓

妹「……」ゴクン

妹「チッ」

男「急にどうした」

妹「盗聴器とか仕掛けりゃよかった」

男「何の話?」

妹「出かける前には無かったのに、寝た跡が顔についてる」

妹「寝てる間に何か話しかけられた可能性もある」

 

男「……探偵か?」

妹「女子高生探偵っていい響きね」

男「ってか寝てる人に話しかけることなんてあるか?」

妹「女さんは今日寝なかった?」

男「いや、寝てたよ」

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妹「その時、終始無言だったの?」

男「なんかしゃべった気がする」

妹「チッ」

男「すんません」

妹「…………」

妹「女さんが寝てたとき、何かした?」

男「思いとどまった」

 

妹「バッドエンドにならずに済んでよかった」

男「(危ねぇ…)」

妹「今日からは……我慢の期間に入る」

……

↓↓次のページに続く↓↓

ピリリリ

男「……女さんからか」

女『明日も勉強会開きたいな。予定空いてる…?』

男「ふひひ、空いてまーす」カチカチ

妹「……」ペチッ

男「いたっ」

妹「我慢の期間は分単位じゃないの」

男「冗談です」

 

妹「……さっそく来たみたいね。罰ゲームのデート回数を知らなきゃ歓喜できるんだけど」

男「今これが来るってことは…」

妹「とにかく早く5回のデートを終わらせたいんだろうね」

男「はぁ…」

妹「落ち込む気持ちもわかるけど、今は前向いて頭使うとき」

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男「そうだな」カチカチ

男『ごめん。明日はちょっと予定入ってるんだ』

女宅

女「……予定入ってるんだ」

女「まぁちょっと詰め過ぎたかな」

 

女「いつにしよう…」

……

男宅

男「好きな人からの誘いを断るなんて…」

妹「行ったら今より窮地に立たされるよ」

男「おっしゃる通り」

妹「(女さんは、変なとこで真面目で変なとこで優しい)」

妹「(だからきっと……不自然だと思われる振り方をするとは思えない)」

 

妹「…………」

妹「(……そろそろ連絡取っとかなくちゃいけないよね)」

妹「(忙しくなかったらいいんだけどなぁ。姉上)」

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翌日 男宅 (日)(7/5)

妹「我慢の期間とは言ったけど、やることがないわけじゃない」

男「女友さんからだな」

妹「ん。口裏合わせが必須になるから」

妹「効果的なタイミングで当てたいけど」

妹「ちょっと難しいか…」

男「とりあえずアポは取っておこう」

 

妹「うん。テストって水曜からだったよね?」

男「そうだな。金曜まで」

ピリリリ

男「…もしかして」カチカチ

女『月曜日と火曜日も埋まってるのかな?テストまでにデートしたいな』

妹「笑えるくらい詰め込みたいらしいね」

↓↓次のページに続く↓↓

男「……これさ、今のペースで普通にデートして振られない可能性はゼロ?」

妹「ゼロ、とは言えない」

妹「私の勘で悪いけど……そうね」

妹「ゾンビ映画で追いかけられてる女が一度もこけないくらいの確率かな」

男「つまり、ゾンビから逃げる時に車のエンジンが一発でかかる確率よりは高い、と」

妹「誤差の範囲よそんなもん。ほぼゼロ」

 

男「うひょー」

妹「これだけ誘われるなら…」

妹「テストの力も借りて焦らさないと」

……

女宅

女「……全部断られた」

女「はやくしないと」

↓↓次のページに続く↓↓

女「もっと傷つけることになっちゃう…」

翌日 学校 (月)(7/6)

女「おはよ」

女友「あ、お、おはよ」

女「ねぇ」

女友「…何?」

女「たしか…先週の金曜とかも思ったけど、最近女友ちゃんおかしくない?」

 

女友「そうかな」

女「罰ゲームのことも聞いてこなくなったし」

女友「じゃあ今日からたっぷり聞いてあげるよ」

女「……うーん」

女友「3回目のデートはしてきたの?」

女「(ほんとに聞いてきた)」

↓↓次のページに続く↓↓

女「3回目は、もうしたよ」

女友「……そうなんだ」

女「(たいして興味持ってなさそうだし…)」

女「(女友ちゃんが提案した罰ゲームなのに…)」

……

お昼休み

女「(あ、今ひとりだ。今の内にスケジュール聞いとこうかな)」

 

女「(さすがに今週ずっと埋まってることはないと思うし)」

女「(うーん。どうしよう…)」

女「(でも皆に見られたくないしなぁ…)」

男「あ、来た来た」

妹「来た来たじゃなくて早く食堂行くよ」

男「あいよ」

妹「また、寝てたでしょ。顔に跡ついてる」ペチペチ

↓↓次のページに続く↓↓

女「…………」

女「…………」

女友「誰だろうね」

女「…………」

女友「ど、どしたの?」

女「…………」モグモグ

 

女友「(ハムスターみたいになってる…)」

翌日 お昼休み (火)(7/7)

女「(あ、またあの子来てる…)」

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妹「おぉ今日は寝なかったんだ」

男「いや、寝方変えただけ」

妹「あぁそうなの」

女「…………」モグモグ

翌日 放課後 図書室 (水)(7/8)

女「(今日のテストあんまりできなかったなぁ…)」

 

女「(せっかく勉強会開いたのに)」

女「(……明日の教科の勉強しなきゃ)」

……

女「(ん……この声、女友ちゃんも来てるのかな)」

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女友「いやぁ…ほんと助かる」

男「そう?」

女友「だって明日の物理わけわかんないから」

女「!」

女「(な、なんで…!)」

女「(いや別に…私に知らせる必要なんて…ないけどさ…)」

 

男「とりあえず…どこの範囲が苦手?」

女友「全部」

男「間に合いません」

女友「なんと」

↓↓次のページに続く↓↓

男「ヤマ張るしかないな」

女友「ありがとー」

男「約束だから」

……

女「(約束…そんなに仲良かったの…?)」

女「(漫画とか二人とも好きって言ってたっけ…)」

 

女「(うん…)」

女「…………」

女「(家で勉強しよう…)」ガサゴソ

深夜 女宅

女「…………」

↓↓次のページに続く↓↓

女「…………」

女「勉強進まない…」

女「はぁ…」

女「罰ゲームきつい」

女「…………」

女「…………」

女「はやく…」

 

女「はやくデートしたいよ」

女「…………」

女「ちょっと仮眠取ろうかな」

……

↓↓次のページに続く↓↓

翌日 明け方 (木)(7/9)

女「……」ゴシゴシ

女「……3時」

女「起きられただけマシかな」

女「……ねむい」

女「コーヒー買いに行こ」ポスッ

……

コンビニ

 

男「セー」

女「!」

男「あ、お、女さん…!」

女「な、なんでっ…」

女「えと、あの、お、おじゃましました…!」

男「ま、待って!」ガシッ

↓↓次のページに続く↓↓

女「……」

女「腕痛いよ…」

男「ご、ごめん」

女「……」サスサス

女「ここで、働いてたんだ…」

女「知らなかった」

男「…うん。2時から6時まで」

女「えらいね、こんな時間に働いてて勉強もできて…」

男「そんなこと…」

 

女「私は賢くないから」

男「俺の教え方が良くなかったんだよきっと」

女「違うよ…」

女「今日…じゃない。昨日勉強会してくれなかったからだよ」

男「(目撃はしてたのか…)」

男「(……ダメだ。我慢の期間だけど、もう限界)」

↓↓次のページに続く↓↓

男「今日、放課後にやろうか」

女「勉強会?」

男「うん」

女「……ありがと」

女「(そうだ…あの時のお返し…)」

女「…………」

女「これください」スッ

男「ありがとうございます」

 

女「ふふ。いつもの感じでやっていいよ」

男「……アリザース」ピッピッ

女「変なの」

男「なんだと。消費税300%にしてやんよ」

女「できないくせに」チャリン

女「……はい。こっちのコーヒーあげる」

↓↓次のページに続く↓↓

男「ま、まじで?」

女「じゃあいらない?」

男「欲しい!」

女「……今日ちゃんと教えてね」

男「わかった」

女「…………」

男「やっぱ似合ってるな」

女「この帽子?」

男「うん」

 

女「全部褒めてたくせに」

男「本気でそう思ったから仕方ない」

女「(ほんとかなぁ)」

女「じゃあね。私そろそろ帰って勉強しなきゃ」

男「わかった」

女「(はやく言わないと……)」

↓↓次のページに続く↓↓

女「ねぇ」

男「ん?」

女「こんな時間に会ったのは偶然だね」

男「え、うん…」

男「そうだな」

女「いっぱいしゃべったよね?」

男「…………」

男「……しゃべり足りないくらい」

 

女「そっか」

男「…………」

女「ねぇ…」

男「…………」

女「これ、デートだよね…?」

男「!」

男「……も、もちろん」

↓↓次のページに続く↓↓

女「…………」

男「…………」

女「そっか」

女「デートだよね」

男「…………」

 

女「…………」

男「…………」

女「…………」

男「女さん」

女「なに?」

男「好きだ」

女「…………」

女「……ありがと」

……

女宅

女「…………」

 

女「(ほんとに無理矢理だけど…)」

女「(4回目のデートが終わった)」

女「(だから、今日の勉強会が最後のデート…)」

女「…………」

女「なのに…」

↓↓次のページに続く↓↓

女「それなのに…!」

女「…………」

女「すき、だって…」

女「何それ…」

女「いきなりそんなこと言わないで…」

 

女「…………」

女「…………」ゴクン

女「……なんか、コーヒーの味もわかんないよ」グスッ

女「…………」

↓↓次のページに続く↓↓

女「(今までもたくさんひどいことしてきたけど…)」

女「(次のデートで終わりにするから…)」

女「…………」

女「…………」グスッ

女「(全部終わった後にどれだけ嫌われても……ずっと恨まれてもいい……)」

 

女「…………」

女「(最後の自分勝手を…)」

………

……

女「よし…」

女「…………」カチカチ

↓↓次のページに続く↓↓

朝 男宅

妹「ううん。私は責められないよ」

妹「4回目のデートを勢いで誘っちゃって」

妹「それが5回目のデートになっちゃって」

妹「さらに、何の脈絡もなく深夜のコンビニで愛を伝えたことなんて…」

妹「だから、弱気になんないで」

 

男「今日が最後だと思うと…」

妹「……」スパーン

男「いたっ」

妹「雰囲気が良かったなら奇跡的に惚れてる可能性もある」

男「うひょー!」

↓↓次のページに続く↓↓

ピリリリ

男「…………」カチ

女『おはよ。今日の勉強会だけどさ、やっぱり中止にしたいんだけどいいかな?』

妹「……まだ勝ちの目は有りそうね」

妹「まぁ普通にドタキャンの可能性もあるけど」

男「たしかに」

妹「じゃあまずは…」

男「…ちょっといいか?」

妹「ん?」

 

男「前に話したことだけど」

妹「……あー」

男「これからは一人でがんばるからさ」

男「今までも頼りすぎてたし、今更って感じもするけど」

妹「いや、そんなことないよ」

妹「実践してきたのは兄ちゃんだし」

男「ありがとう」

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妹「それに…」

妹「師匠からの独り立ちも名シーンのひとつだし」

男「(まぁ弟子みたいな立ち位置だったな)」

学校

女「女友ちゃん」

女友「……どしたの」

女「後でどれだけ笑ってくれてもいいから」

 

女「罰ゲームのことはちょっとの間だけ忘れて」

女友「……わかった」

女「ありがと」

女友「(私が発端なのにどんどん蚊帳の外に追いやられてるような)」

……

女「……ごめんね」

↓↓次のページに続く↓↓

女「誘ってもらったのに急に無理なんて言っちゃって」

男「ううん。俺もあんな時に言ったんだし」

女「バイトってね」

女「どれくらい入ってるの?」

女「週3くらい?」

男「週4だな。月火木土の早朝で固定シフト」

女「(月火木土で固定…)」

 

女「……そうなんだ」

女「今度はドタキャンしないからさ」

男「…………」

女「日曜日にデートしたいな」

男「…………」

女「月曜日のバイトって交代するの難しいのかな?」

男「……なんとかする」

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男「その代わり、あの帽子被ってきてよ。ちゃんと見たい」

女「コンビニで見てたのに?」

男「あの時は緊張してて」

女「……よくわかんないけど、わかった」

男「よしっ!」

翌日 夕方 男宅 (金)(7/10)

 

妹「で、日曜にデートが決まったんだ」

男「そうだな」

妹「最終決戦だね」

男「最終にはしたくないんだけど」

妹「うん」

妹「応援してるから」

↓↓次のページに続く↓↓

妹「(月曜日のシフト変更を頼んだってことは…)」

妹「(夜遅くまでデートをしたいって捉えていいはず)」

妹「…………」

妹「(あんまり良い予感がしないけど……)」

妹「(ただの杞憂であってほしい)」

妹「…………」

 

妹「(私もそろそろ動かなきゃ)」

翌日 夕方 女宅 (土)(7/11)

女「明日で5回目のデート…」

女「短いのか長いのか、よくわかんなかったけど」

女「…………」

女「…………」

↓↓次のページに続く↓↓

女「(最後の自分勝手を…)」

女「(どうか明日だけは、許して)」

女『明日の集合、駅前でいいかな?』カチカチ

男『うん。何時にしようか?』

女「相変わらず返信早いなぁ…」

女『ちょっと早くても大丈夫?』

男『もちろん。12時くらい?』

 

女『まだまだ』

男『11時?』

女『もう一声』

男『2時』

女『夜中だよ』

男『俺はそれでもいい』

女『じゃあ間を取って8時にしよう』

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男『どこの間か分からんが、了解』

女「ふぅ…」

女「…………」

女「明日は、どんな服で行こうかな」

………

……

男「(……デートコースはすでに決まってるのか)」

 

男「(どこでも楽しみだけど、気合入れないと)」

翌日 駅前 デート 5回目 (日)(7/12)

女「おはよ」

男「……おはよう」

女「なんか眠たそう」

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男「昨日楽しみすぎて寝れなかった」

女「ほんとに?」

男「もちろん」

女「そうなんだ」

女「うれしいな」ニコニコ

男「……かわいい」

男「すごいかわいい」

男「キャップも似合ってる」

 

女「……」

男「もしかして褒め過ぎた?」

女「……恥ずかしいよ」

……

水族館

女「ついたー」

↓↓次のページに続く↓↓

男「ここの水族館来たの初めてだ」

女「そっか」

女「……ってか髪切ってたんだね」

女「もしゃった髪が解消されてる」

男「もしゃ?」

女「いいのいいの」

男「女さんも髪切ったよね」

女「これは、結び方変えただけ」

 

男「うわぁ、盛大に外した」

女「博打じゃないんだから」

男「すいません」

女「昨日もメールしたけど、デートコースは全部考えてきたから」

男「すごい嬉しい!」

女「うむ。感謝してよいぞ」

↓↓次のページに続く↓↓

男「……そんなキャラだっけ」

女「気分的にね」

男「ひょえー」

女「……そんなキャラなの?」

男「俺はずっとこんな感じだよ」

女「ひょえー」

男「バカにしてるな」

女「真似したくなったの」

 

男「なるほど」

女「そういや全然魚見てないね」

男「さかなって」

男「風情がなさすぎる」

女「それは申し訳ない」

男「適当だな」

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女「あ、ラッコ」

男「ほんとだ、かわいいな」

女「しかも手繋いでる!」

男「うお、すげぇ」

女「かわいい…」

男「…………」

男「あんな風に…」

女「ん?」

男「……向こうはアシカだ」スタスタ

 

女「(手、繋ぎたかったのかな…)」

女「(でも、今日は…)」

女「ひょ、ひょえー」

男「たぶんだけど、使い方間違ってると思う」

……

男「お土産買ってかないの?」

↓↓次のページに続く↓↓

女「う、うん」

女「今日は他にも行くから予算は抑え目で…」

男「そっか」

男「じゃあ次の場所教えてもらおうかな」

女「次はね…」

女「(……お揃いなんか買っちゃったら困るし)」

男「あ、ごめん」

女「?」

 

男「ちょっとトイレ行ってきていい?」

女「うん。わかった。待ってる」

女「(さて、電車の時間を調べなきゃ)」カチカチ

……

科学館

女「涼しー」

↓↓次のページに続く↓↓

男「快適だな」

女「ほんとにね」

女「ここは?来たことある?」

男「…昔遠足で行ったような」

男「でもほとんど覚えてないや」

女「そーなんだ」

男「たしかプラネタリウムがあるんだよな」

 

女「そそ」

女「プラネタが見たくてね」

男「んじゃ行こうか」

女「うむ」

……

鑑賞中

男「…………」

↓↓次のページに続く↓↓

男「(きれいだな)」

女「…………」ジー

男「(女さんも楽しそうだし…)」

男「(今日は朝からずっと、女さんが軽快というか…)」

男「(ほんとにこういう性格なのかな)」

女「…………」ジー

男「(いつもと雰囲気が違う?……いや、なにか無理をしてるようにも)」

 

男「…………」ジー

女「(適度に暗くて良いムード…)」

女「(とか、思うのかな。普通のカップルは)」

女「…………」ジー

30分後

男「良かったな」

女「うん…」

男「あんな風に流れ星見てみたい」

↓↓次のページに続く↓↓

女「……」

女「私、小さい頃にすっごい大きくて真っ赤な星見たんだ」

男「赤い星?」

女「……うん。きっと星じゃないんだろうけど」

男「?」

女「最初は大きくて、でもずっと眺めてたらどんどん小さくなって…」

男「なんだろうな」

 

女「星のこと好きだったから、その頃にもちょっと知識はあって」

女「きっと超新星爆発が起きたんだ。それを奇跡的に見たんだって」

男「……うん」

女「でも、何日経ってもそんなニュースなんか流れなくて」

女「……ごめんね」

女「なんか急にいっぱい話して」

↓↓次のページに続く↓↓

男「いや、そんなこと」

女「たまーに思い出すんだ」

女「飛行機かもしれないし、人工衛星だったのかもしれない」

男「UFOかも」

女「そっか…それだといいなぁ」

男「それかNASAが見逃したのかも」

男「きっと女さんしか見てなかったんだよ」

女「うん…」

 

女「(あ、やばいやばい)」

女「(戻さなきゃ)」

女「ねね」

男「ん?」

女「お昼食べよっか」

……

男「うどんうまい」ズルズル

↓↓次のページに続く↓↓

女「ん」ズルズル

男「お椀がネコになってるのか」

女「そ。かわいいよね」

男「うん。かわいい」

女「…………」

男「…………」

女「(私のこと見ながら言ってるし…)」

 

女「ありがと」

男「飲み干せるおいしさ」

女「塩分過多になるよ」

男「…………」ズルズル

女「…………」ズルズル

↓↓次のページに続く↓↓

電車

女「次は遊園地行くから」

男「近くにあったっけ?」

女「んー」

女「ちょっと遠くまで」

……

女「…………」

女「…………」

 

女「(大丈夫)」

女「(きっとうまくできてる)」

女「(もう半分くらいはきてるんだ…)」

女「(あと、少し…)」

女「(がんばらなきゃ…)」

女「(……ちゃんと伝えるために)」

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一時間後 遊園地

男「絶叫系好き?」

女「うむ」

男「…………」

女「ん。行こ行こ」

男「……覚悟を決めねば」

女「大げさだね」

……

 

女「お、お腹いたいっ…!」バシバシ

女「ひざ…ひざが震えてる…!」

男「笑ってる場合じゃないんだって」ガクガク

女「でもひざは笑ってるね」

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男「そういうのいいから」

女「からかいすぎた」

男「女さんは、なんか怖いのない?」

女「んー」

女「フリーフォール」

男「……わかった」

女「乗ってくれるんだ」

 

男「もうヤケだよ」

女「(やったー)」

30分後

男「も、もう一回!」

女「乗れるの?」

男「女さんを怖がらせるために!」

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女「おぉ」

女「(やったー)」

1時間後

男「はぁはぁ…」

女「いっぱい乗れたね」

男「フリーフォールばっかりな」

女「いやぁ楽しかった」

 

男「…………」

男「ほんとに怖いものは何なの」

女「うーん」

女「そろそろベンチに座ってクレープでも食べるのが一番怖い」

男「買ってきます」

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女「一緒に行くよ」

男「…………」スタスタ

女「…………」スタスタ

男「まんじゅうこえー」

女「ひょえー」

……

 

男「……」モグモグ

女「……」モグモグ

男「ひょえーって何?」

女「呪文」

男「え?」

女「都合の良い呪文なの」

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男「…………」

女「…………」

男「てかオカズ系クレープ好きなんだ」

女「うん。甘いクレープちょっと苦手」

男「そうか」

 

女「こういうのもおいしいよー」

女「た」

男「た?」

男「また呪文?」

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女「……なんでもない」モグモグ

男「……」モグモグ

女「…………」

男「…………」

女「(ふ、ふつうに)」

女「(食べてみる?って言いかけた…)」

女「(危ない…危なすぎる…)」

 

男「空いてたからほとんど乗ったんじゃないか?」

女「うん」

男「……今日はこれで最後?」

女「…………」

女「……ううん」

女「ご飯も食べたいな」

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一時間後 レストラン

女「(……眺め良いなぁ)」

男「まだ明るいな」

女「7月だからね」

男「何食べる?」

女「カルボナーラすき」

男「なるほど」

女「カルボナーラ一丁!」

男「ここ居酒屋じゃないんだけど」

 

女「居酒屋なんて行ったことない」

男「俺も想像だよ」

女「何食べるの?」

男「ふわふわたまごのとろけるオムライス」

女「うわぁ…」

女「ふわたま一丁!」

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………

……

女「ごちそうさま」

男「ごちそうさま」

女「お腹いっぱい」

男「俺も」

女「満足した?」

男「……うん」

 

男「俺、十分満足したよ」

女「そっか」

女「じゃあ…」

女「駅行こうか」

男「そうだな」

女「(……もうちょっと先延ばしにしても大丈夫だよね?)」

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……

待合室

男「すっかり暗いな」

女「……うん」

男「ちょっと疲れた?」

女「そんなことないよ」

男「…………」

女「電車いつ来るのかな?」

男「えーと…」カチカチ

男「あと3分くらい」

女「そっか」

男「……静かだな」

 

女「うん。誰もいないね」

女「(……チャンスのはずなのに)」

女「(なんて切り出そうかな…)」

男「…………」

女「…………」

女「(海も見れなかったし…)」

女「(花火もできなかったけど)」

女「(もう十分)」

女「(私は…)」

女「(十分すぎるほど)」

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女「(楽しめた…)」

女「…………」

女「(だから、ちゃんと言わなきゃ)」

女「…………」

女「…………」

女「(別れようって)」

女「(他に好きな人ができたから)」

 

女「(友達に戻りたいから)」

女「(価値観が違うから)」

女「(重いから)」

女「(冷めたから)」

女「(…………キライになったから)」

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女「(どれも違う…)」

女「(でも早く言わなきゃ…)」

女「(遅くなっても傷つけるだけなんだから…)」

男「ん」

男「電車来たみたい」

女「!」

女「(一言で終わるんだから…)」

 

女「(ここで…)」

女「(伝えなきゃ…!)」

女「…………」

男「どしたの?」

女「…………」

男「電車来たよ。女さん」

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女「…………」

男「?」

男「具合悪い?」

女「…………」

女「ね、ねぇ…」

男「ん?」

女「…………」

女「……男くん」

 

女「も、もうひとつ次の電車にしちゃだめ…?」

……

女「(うぅ…)」

女「(また言えなかった…)」

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男「…………」

女「…………」

男「女さん」

女「……な、なに?」

男「反対側のホーム行こうか」

女「え…」

男「さっきは十分満足したって言ったけど」

 

男「まだ足りないみたい」

男「行きたいとことやりたいこと残ってるんだ」

女「……わ、わかった」

男「ありがとう」

30分後 駅

男「海沿いの線で助かった」

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女「……うん」

男「んじゃ行こう」スタスタ

女「え、海行かないの?」

男「コンビニ寄りたくて」

女「お腹すいた?」

 

男「花火買おうと思って」

女「!」

男「要らない?」

女「…ううん。うれしい。好き」

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………

……

砂浜

女「こんなにいっぱい入ってるんだね」

男「たしかにびっくり」

女「……これやる!」

男「よし。火つけよう」カチッ

 

女「……」ニコニコ

男「(楽しそうでよかった…)」

女「ついた!」

男「はやく分けて分けて」

女「やだー」スタスタ

男「あ、逃げたっ!」

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女「えへへ」

……

女「見て見て」

男「?」

女「四刀流!」

男「すご」

女「参った?」

男「…………」ガサゴソ

 

女「?」

男「ベアクロー!」

女「なんか強そう」

男「参ったか」

女「……」ガサゴソ

女「こうなったら、三十六刀流を…」

男「ないない」

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20分後

男「線香花火いくつある?」

女「5本みたい」

男「これで最後だな」

女「うん」

男「二刀流する?」

女「……ううん。ひとつずつ」

男「わかった」

 

女「でもこれじゃあ半分こっこできないね」

カチッ

女「…………」

男「…………」

女「…………」

男「なに今の可愛い言い方」

女「え?」

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女「!」

男「……勝った」

女「う…」

男「……」

女「……上手だね」

男「あ、落ちた」

女「次は最後の一本賭けて勝負にしようよ」

 

男「負けて泣くことになるな」

女「まさか」

男「……準備おっけ?」

女「おっけー」

カチッ

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女「……」

男「……」

女「私ね」

男「?」

女「ズルいんだ」

男「え」

 

女「……」ツンツン

男「あ!」

女「落ちた!」

女「勝った!」

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男「せこっ」

女「肘つんつんしちゃダメってルールあった?」

男「…………」

女「あー」

女「睨みつけるから落ちちゃった」

男「そりゃ睨むよ」

女「じゃあ貰います」

男「はいはい」

 

女「えへへ」

男「じゃーつけまーす」

女「あ、やる気なくなってる」

男「反則されたから」

女「しょうがないなぁ」

女「さっきのルールちょっとだけ変えよっか」

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女「肘以外ならつんつんしていいよ」

男「…………」

カチッ

女「…………」

男「(ここでイタズラなんかやってしまった日には…)」

男「(一生彼氏になれないような気がする)」

 

……

男「全部終わったな」

男「向こうのベンチ座ろうか」

女「……うん」

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女「ほんとは、打ち上げ花火も見たかったんだ」

女「お祭りとかで上げるやつ」

男「それってもしかしてフリーフォール乗りすぎたせいで…?」

女「違うよ。今日はお祭りやってなかったんだ。もっと遠出すればあったかもだけど」

 

男「そうか…」

女「(最後だから…)」

女「見たかったなぁ」

ドン!! ドン!!

女「!」

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男「花火の音だ…!」

女「近くでお祭りやってるのかな?」

男「どうだろ」

男「俺らみたいに個人でやってるんじゃないかな」

女「あ、見て見て、向こうに上がってる!」

男「ほんとだ」

男「きっと見たいって願いが通じたんだな」

 

女「ふふ、そうかな」

女「すごい綺麗…」ジー

妹「師匠からの独り立ちも名シーンひとつって言ったけど」

妹「師匠の暗躍ってのも見せどころのひとつだよね、姉上」

姉「何の話か分かんないけど、楽しそうで何より」

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女「これで…」

女「海にも行けたし花火も見れたし」

女「……すごい幸せ」

男「そっか」

男「これで、もう少し幸せに思ってくれればうれしいんだけど」ガサゴソ

女「?」

男「渡したいものあるんだ」

女「な、なに?」

 

男「はい。これ」

女「…ラッコのストラップ!」

男「ふたつあるけど、どっちがいい?」

女「!」

女「これ、合わせたら本物みたいに手繋げられるんだ…」

男「そそ。気に入ってくれると思って」

女「かわいい…」

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女「うれしいよ。すごいうれしい」

女「水族館で買ってくれたんだよね?」

男「うん。諦めきれなくて」

女「…大事にするよ」

男「喜んでくれてよかった!」

女「…………」

女「ふふ」

 

女「……今まで楽しかった。ほんとにありがとう」

女「だから」

妹「!」

妹「姉上!点火ストップ!」

女「別れよう。男くん」

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姉「ん?」

姉「天かすトップ?」

妹「食い違ってる気しかしないけど」

妹「とりあえずストップ」

姉「了解」

女「……急でごめんね」

男「…………」

女「…………」

 

男「俺、今日のデートすごい楽しかった」

男「冗談抜きで人生トップかもしれない」

女「…うん」

男「女さんはどうだった?」

女「楽しかった、けど」

女「友達としてしか見られないって分かったの」

↓↓次のページに続く↓↓

男「友達…」

女「……」

男「(二週間前の俺から考えると…)」

男「上出来だな」

女「?」

男「女さん」

女「なに?」

 

男「好きだ」

女「…………」

男「好きだ」

女「…………」

男「好きだ!」

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男「大好きだ!」

男「愛してる!」

女「……重いよ、男くん」

男「…………」

女「…………」

男「好きだ」ギュッ

女「……手なんか握られても変わんないよ」

 

男「……」ギュッ

女「恋人つなぎでも一緒」

男「……」ギュッ

女「……抱きしめられても変わんないよ」

↓↓次のページに続く↓↓

男「じゃあこっちきて」クイッ

男「……」スタスタ

女「?」スタスタ

男「いくよ。っせーの!」

 

女「わわっ」

男「好き」

女「……お姫様抱っこされながら好きって言われても」

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男「変わんない?」

女「……」

男「砂浜ドンは服が汚れるかもしんないし」

女「落とさないでよ」

男「堕とすよ」

女「……いつまでお姫様抱っこ続けるの?」

男「惚れるまで」

女「…………」

 

男「ちょっと揺らいだ?」

女「そんなセリフ言って恥ずかしくないの?」

男「…………」

男「……う、腕立てしときゃよかったかな」

女「降ろしてよ」

女「もういいよ」

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女「気持ちは伝わったから」

……

男「(……あいたた)」

女「ほんとに大丈夫?」

男「ばっちり回復した。女さん軽かったし」

女「……」

男「……」

 

女「男くんの気持ちはすごいうれしいよ」

女「でもね、でも…」

女「…………」

女「だめなの」

男「?」

男「どういうこと?」

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女「私がこれ以上幸せになっちゃいけないんだ」

女「男くん。好きだよ。だから付き合えない」

男「付き合えない?」

女「もういいよ。気付いてない振りしてくれなくても」

男「……」

女「優しいもんね」

女「いつから騙された振りしれくれてたの?」

男「さてなんのことやら」

女「私は女優になれないし、男くんは俳優になれないね」

男「ダメなのか?」

 

男「嘘の告白でも、俺を騙してても…」

女「だって…だって全部押し付けて逃げようとしてたんだよ?」

女「許されていいわけないよ」

男「…………」

女「ほんとは分かってたんだ。罰ゲームってことがバレてる、なんてこと」

女「でもね、男くんの優しさに甘えてたの」

女「卑怯な私は全部見ない振りして、逃げてたの…」

↓↓次のページに続く↓↓

女「ごめんなさい」

男「謝らなくても大丈夫。こっちなんか盗聴器つけようか悩んだくらいだから」

女「ふふ。どういうことなの…」

男「俺、騙されたのなんか気にしてないから」

 

男「むしろ嬉しかったんだよ。好きな人と一緒にいられて」

男「だから…」

女「ううん。それでもやっぱりダメなの」

男「ダメじゃない」

女「ダメなの」

↓↓次のページに続く↓↓

男「ダメじゃねぇ!」

女「ダメ!」

女「罰ゲームってことをいいことに好き勝手してたし!」

女「皆に見られたくないからって話しかけるの躊躇したし!」

女「今日だって無理やり友達っぽく装ったりしたし!」

男「…だからフランクなひょえーが、都合の良い呪文なのか」

女「そうだよ、幻滅したでしょ…?」

女「人をおもちゃにして…最低だよ…!」

 

男「全部終わったことだし、いいんだって」

女「ちがうの…」

女「男くんはかんちがいしてるの…」

男「どういうこと?」

女「だって…今白状しちゃえば男くんがぜったいにゆるしてくれると」

女「そうやってきめつけて…だからずるくて…わるいこといっぱいして」グスッ

↓↓次のページに続く↓↓

男「あー!もうじれったい!」

男「泣いてる女さんもかわいいけど!」

男「はい、これハンカチ!」

女「え、あ、ありがと…」

男「つーかそんなに気になるなら、今から俺も悪いことしてやる!」

男「それで罪悪感も半分こっこだ!」

女「ひっ」

女「な、なにするの…」

 

男「女さんが罪悪感で苦しんでるなら」

男「俺も背負うだけだ」

男「ふひひ…」

女「こ、こわいよおとこくん」ビクッ

男「もう決めたんだよ」

男「きっちり受けてもらおうか」

男「…………」

↓↓次のページに続く↓↓

女「…………」ゴクリ

男「今から女さんに罰ゲームで告白する!」

女「え…」

女「罰ゲームで告白…?」

男「俺と付き合ってください!」

女「…………」

女「…………」グスッ

 

男「返事がないな」

男「ただのかわいい女さんのようだけど」

男「あー、あれか」

男「同じようにデートの回数も決めないといけないな」

男「そうだなー。とりあえず1万回くらいにしとくか」

↓↓次のページに続く↓↓

男「あとは、期間か」

男「これは一生だな。うんうん」

女「……」ゴシゴシ

男「どう?」

 

女「や、やだ…」ギュッ

女「一生恋人なんてやだ!」

女「10年くらいで結婚するもん!」

妹「甘っ!」

妹「なにこれ」

妹「ねぇ姉上、なにこれ」

姉「知らんよ。盗聴しといて何言ってんだって話だけど」

↓↓次のページに続く↓↓

妹「甘っ!」

妹「手助けとかいらなかったんじゃないかと思うくらい順調だったよね?」

姉「(というか私は必要だったの?)」

妹「お姫様抱っこを嫌がってない時点で好きどころの話じゃないでしょ」

 

姉「私にも双眼鏡貸してくれればよかったのに」

妹「ウルトラ予定調和だった気がしない?」

妹「甘っ!」

姉「妹者らしくないな」

姉「もしかして兄貴取られて悔しいのか?」

妹「べ、べつにお兄ちゃんのことなんかそれほど好きじゃないんだからねっ」

↓↓次のページに続く↓↓

妹「…………」ジー

妹「どんだけ手繋いでんだよ」

妹「ラッコか?」

妹「あいつらラッコか?」

姉「無事に付き合えたみたいでよかったじゃないか」

妹「とりあえず盗聴器はオフっとこう」パチッ

姉「なんで?ほんとに兄者のこと好きだったの?」

妹「ううん。今から何やりだすかわかんないから」

 

妹「そんな声聞きたくないし」

姉「……若いからな」

妹「姉者よりかなり若いからね」

姉「…………」スパーン

妹「いたた…」

妹「んじゃ帰ろっか、アッシー君」

姉「私はその世代じゃない!」

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翌日 学校 (月)(7/13)

女友「男君すごいわね。あの状態から堕とすなんて」

女友「(ってかバレたら違う罰ってのがこんな形で実現するとはね…)」

女友「じゃあもうバラしてもいいのかな?」

女「何の話?」

女友「男君に聞かれたのよ。あんたが好きなものとかいろいろ」

女「あ、それなら聞いたよ」

女「図書室で勉強してたのも、作戦?のひとつだったんでしょ?」

 

女友「なんとなくそんな感じのこと言われたわね」

女友「ってかそんなこと聞かされて引かないの?」

女「引かないよ。もう好きになっちゃったんだもん」

女友「甘っ!」

女友「すんごいからいたくなってきたわ」

女「ふーん。でも男くんのこと誘惑しても無駄だよー」

女友「……私がただのモブじゃないってこと見せてあげる」

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放課後

男「いやいや、伏線も張ってるし間違いないって」

女友「だからそれがミスリードなんだって」

女友「巨人が料理を人類に振る舞ってるのは友好的に見せかけた作戦なのよ」

 

男「でも料理中に涙流してたじゃん」

女友「あれは玉ねぎが…」

男「巨人の身長とまな板の低さを考えたら…」

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女「うぅ」

女「わけわかんなくてついてけないよー…」

女友「よし、そこまで言うなら一緒に一巻から漫画読み直して語りつくそう!」

男「望むところだ」

女「!」

 

女「お、男くん?」

女「二人きりで遊ぶの?」

女「浮気しちゃやだよ?」ギュッ

男「そんなことしないって」

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女友「あーあ」

女「な、なに?」

女友「こんな束縛きついと嫌われちゃうのも時間の問題なんじゃないかなー」

女「!」

女「う、あ、あの…」

女友「(うひょー)」

 

女友「(そそるわねこの顔)」

男「女さん大丈夫だから」

女「…………」

女友「(またハムスターみたいになってる)」

↓↓次のページに続く↓↓

翌日 放課後 (火)(7/14)

女友「昨日は楽しかったね」

男「だな」

女友「決着はつかなかったけどね」

女友「てか、あの子と一緒じゃないの?」

男「なんか言えない用事があるって行ってすぐ帰ったんだよ」

女友「そーなんだ」

女友「私も今日は遠いとこに用事あるんだよね」

 

男「遠いとこ?」

女友「茨城県まで」

男「随分遠いな」

女友「まーね」

女友「どこに行ったか知らないけど」

女友「あの子がナンパされる前に見つけてあげなよ」

男「……ナンパか」

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帰路

男「(そうだ、暗殺相撲って今日が発売日だったっけ)」

男「(寄ってくか)」

……

本屋

店員「お買い上げありざしたー」

女「(えへへ、これで私も…)」

 

男「あ、女さん!」

女「!」サッ

男「用事って本屋だったのか」

男「何買ったの?」

女「え、あ、あの、ひみつ…」

男「まさか危ない趣味嗜好の…!」

↓↓次のページに続く↓↓

女「ち、ちがうよ!」

女「これ…」

男「ん?食戟の巨人じゃん」

男「興味持ったの?」

女「ない、けど…」

女「女友ちゃんと楽しそうにしてたから…」ツンツン

女「ちょっと、妬いちゃって」

 

男「(うひょー)」

女「あ、にやにやしてる!こっちは真剣なのに!」

男「ごめん、かわいくてつい」

女「あー!もう怒った!」

女「今からデート!」

女「ほんとに1万回してみせるから!」

おわり