ガチャッ
「はい、もしもし?」
「おめでとう御座います!貴方は日本全国の 10万人の中から選ばれた1人です!」
「どなたですか?」
「はい!こちらは日本賞品センターです!」
「何?」
「つきましては!お近くの喫茶店でお会い出来ませんでしょうか!?世界一周の旅が貰えますよ!」
「いや、それはいいから、日本賞品センターって何処にあるの?」
「本部は東京に!支部は全国にあります!つきましては!お近くの喫茶店でお会い出来ませんでしょうか!?」
「いえ、貴方の会社まで行きますよ。東京の何処ですか?」
「いえいえ、お手を煩わせるわけには行きません。」
「でしたら私の家まで来て下さいよ。」
「いえ、それは……。お近くの喫茶店でお会い出来ませんでしょうか!?」
「でしたら私が貴方の会社まで行った方が早いじゃないですか。」
「いえいえ、お手を煩わせるわけには……」
「さっきも言ったけど、それなら私の家まで来て下さいよ。ところで貴方の会社の電話番号は何?非通知で見えないんだけど。」
「お電話ですか!?はい、ちょっとお待ち下さい。」
がさごそがさごそ
「XX-XXXX-XXXXです!」
「ふ~ん。」
ネットで検索してみる「おたくの会社、赤坂にあるんだね。今から行くよ。待ってて。」
「えっ!?赤坂ではありませんよ!?」
「今ネットで調べたんですよ。電話代行業のXXXさん、赤坂のXXXにありますよね。」
「あっ……いや……その……」
「貴方じゃ話にならないから上司出してくれる?ちゃんと取りに行くからさ。上司出して。」
「…………」ガチャン
………ブチッ(何かが切れる音)
電話代行業に電話をかける プルルル、プルルル
「はい、どなたでしょう?」
「先程日本賞品センターと言う方から電話があったのですが」
「はい」
「その会社の電話番号教えて下さい。」
「XX-XXXX-XXXXです。」
「それは貴方の所の電話代行業の会社の電話番号でしょう?本当に会社がある場所の電話番号です。」
「それは教えられません。」「詐欺のハンザイの可能性があるとしても?貴方じゃ話にならない、上司を出して下さい。出してくれないのならそちらに今から伺います。住所は赤坂のXXXですよね?」
「…………、少しお待ち下さい。」
「早くお願いします。私にも限度と言う物があります。」
「……………」
「……………」
「お待たせいたしました。登録した方の住所は XX-XXXX-XXXXです。」
「分かりました。有難う御座います。」
電車に乗って現地まで行った結果↓
コンコン「はい?」
「先程電話を貰った者です。世界一周の旅の賞品を貰い受けに来ました。」
「な、なんですか!一体!」
「電話を貰ったんですよ。何故電話代行業のXXXさんの電話番号を会社の電話として言ったんです?近所の喫茶店まで出て来てくれだなんて。どうせ外出るならこっちから会社まで取りに行ってあげると言ったので来ました。」
「恐喝ですか!脅しですか!警察呼びますよ!」
「勘違いしちゃ困る。私は善意でここまで来てるんだ。
それに警察呼ばれて困るのはアンタだろ。早く賞品寄越せよ。日本賞品センターさん。」「………!!」
「あんたじゃ話にならん、社長か上司出せ。」
「あ、ちょっと勝手に社内に入らないで下さい。」
「警察呼ばれて困るのはアンタらだろが!!俺は親切で言ってるんだぞ!!」
その後、社長とおぼしき人物を見つけ出して
示談の末、謝礼 14万円と交通費代げっと
帰り際、俺がドアを開けて外へ出ようとすると
社長とおぼしき人物が部下を呼びつけてぶんなぐっていた音が背中から聞こえたが
俺には関係無い事だ …………ククククク
引用元:https://omezame.biz/archives/6463