【ネットの話題、ファクトチェック】
「みそ汁サーバー」がツイッター上で話題になっています。コンビニやスーパーで売っている液みそを使って、まるでコーヒーのように一杯ずつ、みそ汁を作ることができる機械です。作ったのは、みそメーカーのマルコメ(本社・長野市)です。まるでコーヒーマシンのようなオシャレなボディーには、「みそ汁離れを止めたい」という思いが込められています。広報担当者に話を聞きました。
ツイッターで話題に
今月7日、「周囲の人間がどんどんこれ購入していってて感染力の強さを見せつけている」という文言とともにツイッター投稿された画像。
コーヒーマシンのような赤いボディーの上部には、ペットボトルに入った液みそが取り付けてあり、注出口の下の紙コップには、みそ汁が注がれています。どうやらこの機械は、家庭用みそ汁サーバーのようです。
この投稿に対して、「毎日朝の始まりはこれできめたい」「使い勝手はとても良さそう」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万4千を超えています。
キッチンに置いても見た目を損なわないようデザインしたそうです
出典: マルコメ提供
家庭用みそ汁サーバーとは
写っていたのは、マルコメが2014年から販売している家庭用みそ汁サーバー「椀ショット 極(きわみ)」です。
電源コンセントにコードを差し込み、マシン上部に液みそを取り付けるだけで、簡単にみそ汁が作れるこの機械。みそ汁の注出時間は約1分で、好みの濃さにするために、みそやお湯の量を調整する機能もついています。
背面には、取り外し可能な水を入れるタンクがあるため水道工事は不要。液みそ注出部分は取り外して簡単に洗える仕様になっています。
豆腐やネギ、わかめといったフリーズドライの具材も販売していますが、メインの液みそは、専用品ではなくコンビニやスーパーなどで売っているものが使える点も便利です。
液みそはこうやって設置します
出典: マルコメ提供
開発のきっかけは
なぜ、みそメーカーが家庭用にみそ汁サーバーを開発したのか? 広報担当者はこう説明します。
「もともと業務用はあったんですが、自宅でも手軽にみそ汁を飲んでもらいたい、という思いで開発しました。みそ汁離れに対する危機感があります」
生活様式の変化でみそ離れが続き、人気は低下傾向にあります。総務省の家計調査によると、みその年間購入数量(2人以上の世帯)は、この40年余りで3分の1に減っています。
マルコメでは、世界的モデルのミランダ・カーさんをテレビCMに起用。イメージ転換や、若い女性の取り込みを図っています。
ボタンを押せば注出開始
出典: マルコメ提供
デザインや売り方にもこだわり
家庭用サーバーを開発するにあたって、デザインや使い勝手、売り方にもこだわったそうです。
みそ汁というと和風なイメージですが、機械本体はあえてスタイリッシュなデザインに。「最近の家電製品はインテリアの一つとして捉えられています。部屋に置いても雰囲気を損なわないように心がけました」。
使い勝手については、注出口を簡単に取り外して洗えるようにして衛生面に配慮。売り方についても、機械は貸し出した上で専用みそを売って利益を稼ぐ、という方式は採りませんでした。
「とにかく、みそ汁を飲む機会を増やしてほしいという思いで作ったからです。市販の液みそを使えるようにしたのも、そうした狙いがあります」
発売開始から3年以上が経ってネットで話題になったことには「拡散する様子を見ていて、とても熱心な思いを書いていただいた方が多く、うれしかったです。もっと気軽にみそ汁を飲んでいただく機会が増えたらいいな、と思います」
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「椀ショット 極」の価格をネット検索すると、8千円台から1万2千円台で販売されていました(7月上旬時点)。