男女4人が死亡したさいたま市大宮区のソープランド火災で、店の出入り口は1カ所しかなかったことが18日、市消防局への取材で分かった。
煙が充満して逃げられない」との119番が相次いでおり、逃げ遅れにつながった可能性がある。
埼玉県警と消防は同日、現場検証を実施。関係者から事情を聴くなどして、出火原因や詳しい状況を調べる。
消防によると、3階建て延べ約170平方メートルが全焼。1、2階に接客用の部屋が計10部屋、3階には客の待合室などがある。
屋内階段は南北に2カ所あったが、出入り口は1階北側だけだった。
2階と3階が激しく燃えていた。
火災では20代ぐらいの女性2人、40~50代とみられる男性1人、性別不明1人の計4人が死亡。
ほかに女性1人が重体、男女7人が軽症とみられる。県警は遺体の身元確認を進めるとともに、司法解剖して死因を調べる。
同市消防局などによると、火災では2、3階の南側の燃え方が激しかった。県警どは現場検証で、2、3階を重点的に調査し、出火原因の特定を急ぐ。
当時は風が強く、あおられた煙が広がったとみられ、同夜に鎮火するまでに約7時間を要した。
最寄りのJR大宮駅東口周辺には不穏な煙のにおいが漂い、日曜日の繁華街は騒然とした。
近くの自宅マンションで爆発音を聞いた男性会社員(63)が外を見ると、風俗店から炎と煙が上がっていた。
髪の毛が焦げてちりちりになった男性や、毛布にくるまった男女が慌てて外に飛び出し、道路に座り込んでいたという。
鳴り響く消防のサイレンに気付き、自宅のベランダから外を見た女性会社員(30)は、男性4人が救急隊員に運ばれていく様子を目撃した。
顔などはすすで真っ黒になっていたという。
出火元のすぐそばの店舗で働く30代の女性は午後2時ごろ、裏手から「ドーン」という大きな爆発音を聞いた。
外に出ると黒い煙が見えたので慌てて119番通報。駆け付けた消防隊員の指示で、同僚たちと一緒に屋外へ。
女性は「全員無事だったが、自分が勤務する店内も煙が充満した」と興奮気味に話した。
引用元:http://www.sankei.com/affairs/news/171218/afr1712180025-n1.html