【ヤベェ】指原、渾身の“さしこ100%”を生披露した結果・・wwww
そんなオラに、父ちゃんは言った。
『想いが成就することは、人生の中では少ない。
人は誰かと出会い、想い、こうして、いつか想いを断ち切らなければなら
ない時が来る。
人生ってのは、そうやって繰り返されていくものだ。
――でもな、しんのすけ。大切なのは、
その時に、どういう気持ちでいられるかってことだ。
ななこさんは、きっと幸せになる。
本当にななこさんの幸せを思うなら、彼女の門出を祝ってやれ。
泣きたいときは、父ちゃんが一緒に泣いてやる。
だから、祝ってやれ。それが、お前に出来る、最大の愛情表現だ―――』
そしてななこさんは、結婚した。
今では、二児の母となっている。時々家にも遊びに来る。
幸せそうな彼女の笑顔を見ると、こっちまで幸せになる。
憧れは思い出に変わり、思い出はいつまでも心を温めてくれる。
そうやって、人は大きくなる―――
これも、父ちゃんの受け売りだ。
33 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/14(木)23:26:06
(ひまわりも、いつか結婚するんだろうな……想像も出来ないけど)
ひまわりのことを思うと、思わず笑みが零れた。
どうもオラはひまわりに甘いところがある。
たった一人の妹で、大切な家族。オラの、大切な。
今はただ、彼女の幸せを祈りたい。
父ちゃん達が他界した時、ひまわりは塞ぎ込んでしまった。
学校にも行かず、ずっと仏壇の前で泣いていた。
今では、それも嘘のように元気だ。
でもひまわりは、家族がいなくなることにトラウマが残っている。
一度、オラが事故で病院に運ばれた時、泣きながら病院に駈け込んで来た
病室で眠るオラに、大声で泣きながら『置いてかないで』と叫んでいた。
オラは寝てるだけだったのにな。
今はどうかは分からない。
ただ、彼女を心配させないためにも、オラは元気でいないといけない。
今のところ生活も安定している。
このまま、平穏に暮らせていけば、それ以上に嬉しいことはない。
「……そろそろ寝るかな」
寝室に戻ったオラは、布団に潜った。そして、静かに目を閉じた。
34 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/14(木)23:49:04
それから数日後、オラはとある居酒屋にいた。
「――かんぱーい!」
そこにいる全員が、高らかにジョッキを掲げる。
「風間くん、海外出張お疲れ様!」
「みんな、ありがとう!」
その日は、風間くんの帰国祝いが催された。
風間くんは、外資系の会社に勤めている。
数年前から海外出張をしていて、先日帰国したばかりだ。
「ホント、風間くんもすっかり一流サラリーマンね」
ねねちゃんが、感慨深そうにそう話す。
彼女は、保育士をしている。そして、オラたちの通っていた、フタバ幼稚
園で勤務をしている。
園長先生が、相変わらず強面過ぎると、愚痴を言っていた。
ただ、仕事自体は楽しそうだった。
「僕も、いつか風間くんみたいに、夢が叶うといいな……」
少し哀愁を漂わせながら、まさおくんは言う。
彼は今、とある漫画家のアシスタントをしている。
かなり厳しい人らしいが、その分画力は上がってるとか。
今はアシスタントをしながら、漫画家デビューを目指し、日々ネームを作
っているとか。
「風間くん、凄い」
ぼーちゃんは、チャームポイントの鼻水を垂らしながら、朗らかに笑う。
彼は、何かの研究者のようだ。その詳細は、企業秘密らしい。
ただ、先日研究チームの主任に抜擢されたとか。
相変わらず、なんだかんだで、一番しっかりしてる。
「……それにしても、しんのすけもずいぶん真面目になったな」
「そ、そうかな……」
「そうそう。小学校までのしんちゃんからじゃ、到底信じられないくらい
だわ」
「そんなに変だったかな……」
「うん。変だった。でも、面白かったけどね」
オラたちは笑い合い、昔話に花を咲かせた。
こうして今でも変わらず昔を語り合える友達がいることは、
本当に素晴らしいことだと思った。
35 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/15(金)00:09:44
「――そろそろ、オラ帰らないと……」
時計を見たオラは、荷物をまとめ始める。
それを見たまさおくんは、残念そうに言ってきた。
「ええ?もう帰っちゃうの?」
「うん。ひまわりのごはん、作らないといけないし」
「あ……そっか、しんちゃんっちって……」
ねねちゃんの呟きで、その場が暗い空気に包まれ始めた。
↓続きはコチラ↓