女子アナをランクづけする『好きな女子アナ 嫌いな女子アナ』は「週刊文春」の名物企画である。2006年にスタートしてこれまでに11回を数えた読者投票によるランキングを一挙に掲載し、すべての順位を集計して総合成績をはじきだしてみると、栄冠を獲得したのは意外なあの人だった!
「楽しくなければテレビじゃない」
フジは1981年にこのキャッチコピーを掲げ、「軽チャー」路線で攻めに攻めた。『笑っていいとも!』『オールナイトフジ』など数々のヒットを飛ばし、翌82年から12年連続で視聴率ナンバーワンの座に君臨し続けたのである。
そんな全盛期の88年に入社したのが河野景子(現貴乃花親方夫人)、八木亜希子、有賀さつき。“女子アナブーム”の火付け役はこの三人娘といってもいいだろう。そのほかにも中井美穂(現古田敦也夫人)、中村江里子(フランス人実業家夫人)、木佐彩子(現石井一久夫人)、内田恭子(現会社役員夫人)等々。
美形で、ミス〇〇などのタイトルは当たり前、公私ともにハデで高給取り……、そんな女子アナのイメージを作り上げた。
ベスト10入りが7人から1人へ フジテレビの栄枯盛衰
「週刊文春」が『好きな女子アナランキング』の特集を組み始めたのは2006年のこと。記念すべき最初の年、ベストテン中7人がフジのアナウンサーだ(滝川クリステルは共同テレビ所属だが、フジの『ニュースJAPAN』の顔)。
ところがどうだろう。
最新の17年版ではベストテン入りしたフジの女子アナはギリギリ9位の山﨑夕貴たったの一人だ。ああ、テレビ界の栄枯盛衰よ。
改めて06年のランキングを振り返ってみる。トップ4はすべてフジ。1位の座に輝いたのは高島彩。
『めざましテレビ』やトリノオリンピックなど大きな仕事を担当した。「可愛い」に加えて「機転が利く」ところが高評価された。
2位は『めざましテレビ』担当の中野美奈子。
「アナウンサーとしては二流だが、可愛いし、憎めない」(男・24)
この頃、寿退社が決まったばかりなのに4位に入ったのは内田恭子。
「婚約相手がサラリーマンというところにも、好感が持てます」(女・26)
5位は小林麻耶。TBSの『チューボーですよ!』『世界・ふしぎ発見!』など人気番組を担当。だが、
「女子アナとなって、汚れていく気がしてならない」(男・41)
という先を危ぶむ見方もあった。
2009年、好きなアナ1位の高島彩は嫌いなアナ3位、好きなアナ4位の中野美奈子はなんとワースト1という結果に。中野にはこんな手厳しい意見が。
「『恋におちて』を友達の結婚披露宴で歌ったと言っていた。不倫の歌とは知らなかったなんてアホな事言ってたから」(女・33)
日テレ・西尾とテレ東・大江が躍進!
10年には大きく躍進した女子アナが2人いる。
1人は日本テレビで『ズームイン!!SUPER』のメイン司会を務める西尾由佳理が2位に。女性の支持が高く、嫌い票も少ない。
「きめ細かい心配りが朝から気持ちが良い」(女・46)
11年に退社してからの特筆すべき仕事は「シュミテクト」。歯がキレイで良かった。
もう一人が、5位に躍り出た大江麻理子。
この年の上位の傾向は、ちゃんと話せて気配りもできて番組を仕切れる「実務系」。アイドル系はそろそろ用済みなのだろうか。
高島彩の5連覇を阻止したのは?ワースト1にはあの人が!!続きはコチラ↓↓
高島彩の5連覇を阻止した加藤綾子
そして12年には高島彩の5連覇を阻止する女子アナが現れる。前回25位から一気にトップに躍り出た加藤綾子だ。
入社4年目の彼女は狭き門である女子アナ入社試験で、民放3社の内定をとったツワモノである。
「明るくて可愛くベテランタレントのあしらいが上手で観ていて安心できる」(女・57)
この時、わずか12票差でV5を逃した高島(当時33)はフリーとなり、ゆずの北川悠仁と結婚。「女子アナ33歳定年説」を裏付けたのだった。
NHKの有働由美子は前回14位から5位に大きく順位を上げた。
「今やNHKの顔。婚期を逃しつつ頑張っている姿は、頼もしくもあり可愛らしい」(男・68)
あまり嬉しくない褒め方だが……。
ワースト1に田中みな実登場
ワーストにも新旧交代が見られた。前回1位、中野美奈子の座を奪ったのは、TBSの田中みな実。前回圏外からのジャンプアップだ。
「同じ女としてキモい。主人は好きだと言っているが、この女を好きな女性は日本中捜してもいない。ぶりっこだしキモい」(女・49)
日本中捜してもいないというほど嫌われるとは。
13年、ランキングは春と秋に2回行われたが、どちらもベスト3は変わらず。1位はテレ東の大江麻理子。
「『モヤモヤさまぁ~ず2』で見せる笑顔は最高です。セクハラにも全く動じないプロ根性」(男・43)
この年3月で担当番組をすべて降板し、ニューヨーク支局の特派員に。14年には総資産85億円というマネックス証券社長と結婚。人生も『ワールドビジネスサテライト』ってか?
前回圏外から3位に大躍進したのはTBSの枡田絵理奈。将来の女子アナ界を背負って立つかと思いきや、14年に、6歳下のカープのイケメン選手・堂林翔太とあっさり入籍しちまった。
新たな女王・水ト麻美にV字回復の夏目三久 加藤綾子が嫌われる理由は?
14年も春と秋でベスト3の顔ぶれは同じ。しかし新しい女王が誕生する。春と秋の2回とも1位に輝いたのは、日テレの水卜麻美。
「人柄の良さが伝わってくるところが好きです。女子アナでの食いしん坊キャラは新しいジャンル」(女・35)
前回7位から急上昇して3位になったのは元日テレでフリーとなった夏目三久。09年、写真流出による転落からフリーに転身。『マツコ&有吉の怒り新党』(テレ朝)で好感度はうなぎ上りとなり、まさにV字回復だ。
15年はお休み。16年と17年のベスト3、ワースト3は同じ結果だった。
好きな女子アナ。1位水卜麻美、2位加藤綾子、3位夏目三久。水卜は2位とはほぼダブルスコアで堂々のV3達成。
16年に圏外から4位に入った刺客はNHKの桑子真帆。やはり『ブラタモリ』効果が大きかったのだろう。
「爽やかで愛くるしくて嫌味がないし、ニュースも読める。桑子さんが出ていると和むし癒される」(女・40)
一方、嫌いな女子アナは1位加藤綾子、2位田中みな実、3位水卜麻美。
嫌いな理由は容赦ない。
加藤綾子には、
「女を全面的に売り物にしている」(女・61)
ダルビッシュとの密会報道が尾を引いたのか。
田中みな実には、
「不幸オーラが漂ってて観るに堪えない」(女・67)
水卜麻美にいたっては、関ジャニ∞の横山裕との密会報道に非難が集中した。
12年間の総合ランキング 「好きな女子アナ」ナンバー1は!?
最後に表「2006年~2017年 好きな女子アナ/嫌いな女子アナ総合ランキング」を見ていただきたい。06年から17年までの総合ランキングを独自に算出した。
堂々の第1位はテレ東の大江麻理子。
「ふと見せる、抜けているところがかわいらしい」(女・30)
と、女性からも高評価。
加藤綾子、高島彩はやはり強かった。
総合ワーストにはあの人が!
総合ワーストには、これまで上位に入ることはなかったが、着実に点数を積み重ねたあのアナが入った。
高橋真麻である。
「タレントや女優に転向し今後も親の七光りでしぶとく生きようとするのがみえみえである。さっさと消えてほしい」(女・51)
という意見が。何もそこまで言わなくても……。
不況のために労働は強化され、フリーになっても道は険しい。女子アナが憧れられる時代は終わってしまうのだろうか。それでも文春は、ずっと彼女たちに注目し続けます!(文中敬称略)
年表:「女性アナウンサー」から「女子アナ」へ
1925(大正14)年
東京放送局(NHKの前身・ラジオ)に初の女性アナウンサー入局
1953(昭和28)年
NHKが初めてテレビの女性アナウンサーを2名採用
1958(昭和33)年
故野際陽子アナウンサーとしてNHK入局
1975(昭和50)年
田丸美寿々フジテレビ入社
1977(昭和52)年
三雲孝江、吉川美代子TBS入社
1978(昭和53)年
故頼近美津子NHK入局
1981(昭和56)年
小宮悦子テレビ朝日入社
フジテレビ山村美智子「ひょうきんアナ」に(2代目は寺田理恵子、3代目は長野智子)
1985(昭和60)年
安藤優子『ニュースステーション』(テレビ朝日)キャスターに(1987年から2015年までフジテレビの報道番組でMCを務める)
1987(昭和62)年
中井美穂フジテレビ入社
1988(昭和63)年
「花の三人娘」有賀さつき・河野景子・八木亜希子フジテレビ入社
1993(平成5)年
日本テレビ永井美奈子・藪本雅子・故米森麻美による歌手ユニット「DORA」結成
雨宮塔子TBS入社、丸川珠代テレビ朝日入社
1994(平成6)年
進藤晶子TBS入社、木佐彩子フジテレビ入社
1998(平成10)年
山本モナ朝日放送入社
1999(平成11)年
内田恭子、大橋マキフジテレビ入社
2001(平成13)年
高島彩フジテレビ入社、大江麻理子テレビ東京入社
2002(平成14)年
滝川クリステル『ニュースJAPAN』(フジテレビ)のキャスターに
2003(平成15)年
小林麻耶TBS入社、故小林麻央『めざましどようび』初代お天気お姉さんに
2004(平成16)年
鈴木奈穂子NHK入局、高橋真麻フジテレビ入社
2005(平成17)年
アイドルから転身した平井理央フジテレビ入社
2008(平成20)年
日本テレビ開局55周年PRのため、鈴江奈々、葉山エレーヌ、夏目三久による女子アナユニット「go! go! ガールズ」結成
枡田絵理奈TBS入社、加藤綾子フジテレビ入社
2010(平成22)年
桑子真帆NHK入局、水卜麻美日本テレビ入社
引用元:http://bunshun.jp/articles/-/5454