【幻の最終回】クレヨンしんちゃん作者事故死から7年…誰も知らない22年後の物語に涙が止まらない
156 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/16(土)21:59:00 ID:q9R7hRjXA
「――今日の試験最終日は、実技です。みなさん、頑張ってください」
「イエッサー!!!!!」
年配の人は、そう話す。
他の方々は、元気いっぱいに答える。
実技の場所は、とある建設現場……なぜこんなところだろうか。
ていうか、実技ってなんだろう……
オラの不安を他所に、試験官はよぼよぼと話す。
「……今日は、試験責任者である、
酢乙女あい様が見学に訪れています……お嬢様、どうぞ……」
すると、試験官の後ろからあいちゃんが出て来た。
「皆様、今日の試験、頑張ってください」
「ウオオオオオオオオオオ!!!!」
興奮する男共。
(あいちゃん、来てたんだ……)
あいちゃんはオラの方を一度だけ見て、小さく笑みを零した。
(あいちゃん……オラ、もう無理っぽい……)
162 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/16(土)22:40:19 ID:q9R7hRjXA
そして、試験官は口を開いた。
「――さて……そろそろ試験を開始―――」
――その時……
「――全員動くな!!」
「………へ?」
突然、その場所に男の怒鳴り声が響き渡った。
その声の方向を見ると、そこには、銃を構えた数人の覆面姿の男が立っていた。
「ええと……これは……」
よく状況が呑み込めない。全員が、動きを止めていた。
すると覆面達は、銃を向けてさらに叫んで来た。
「大人しく、酢乙女あいを渡してもらおうか!!」
(これって……)
相手は、銃を持っている。酢乙女あいを連れて行こうとしている。
それが意味するのは………誘拐?
(えええええええ!!??)
いくらなんでも、えええええ!?
あいちゃんは老人の陰に隠れて震えている。
超大企業の御令嬢だからだろうか。誘拐して身代金って流れだろう。
不思議と、頭は冷静だった。
あまりに現実味が無さ過ぎて、第三者的立場にいる感覚なのかもしれない。
「――チョット待チナ!!」
「―――ッ!!」
突如、逞しい方々が覆面達の前に立ちはだかった。
「オ嬢様ニハ……手ヲ出サセナイゼ!!」
そして男達は、一斉に覆面達に向かって行った。
163 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/16(土)22:41:17 ID:q9R7hRjXA
ここぞとばかりに、自らの武勇を示すかの如く、逞しい方々は飛び掛かる。
勇ましい。実に勇ましい。
覆面達は銃を使う暇もなかったようだ。肉体と肉体による、激しい乱闘が始まる。
まるで映画のワンシーンのようだ。
オラは見物客だけど。しかし、アピールするには確かに最適かもしれない。
何も出来ないにしても、オラも何かすべきだろうか―――
――その時、オラの目が捕えたのは、恐怖のあまり涙するあいちゃんの姿だった。
その姿を見たオラは、無意識にあいちゃんの方に走り出していた。
そして震える彼女の体を掴み、声をかけた。
「あいちゃん!!大丈夫!?」
「し、しんのすけさん……」
とりあえずは大丈夫のようだ。とにかく、彼女をどこかへ避難させないと……
「あいちゃん!!まずここを逃げ―――!!」
「――試験!!終了~!!」
突然、試験官のおじいさんが声を張る。その声に、全員が動きを止めた。
「………へ?」
164 :名無しさん@おーぷん:2014/08/16(土)22:44:44 ID:MeN8hXCuU
あいちゃんも知らなかったみたいだな
↓次ページへつづく↓