【幻の最終回】クレヨンしんちゃん作者事故死から7年…誰も知らない22年後の物語に涙が止まらない
165 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/16(土)23:05:23 ID:q9R7hRjXA
全員が動きを止める中、さっきまで泣いていたあいちゃんがすくりと立ち上がった。
「ええと……あい、ちゃん?」
「……しんのすけさん、騙してごめんなさい」
「……どういうこと?」
すると、あいちゃんはクスリと笑った。
「――これが、試験なんですよ。私の身が危なくなった時、真っ先に私に駆け寄って来るかどうかを確かめるための……」
「え?え?で、でも、あいちゃん震えてたし……それに、泣いてたし……」
オラの言葉に、あいちゃんは更に微笑む。
「……私の演技も、なかなかでしょ?」
(あ、あいちゃん……そりゃないよ……)
あいちゃんの説明に、筋肉隆々の男達はぶーぶー文句を言い始める。
「ナンダヨソレ!!」
「聞イテナイヨ!!」
……とまあ、好き勝手叫びまわっていた。
だがここで、試験官の爺さんが口を開く。
「――お黙りなさい!!」
それまでの彼とは全く違う、覇気のある言葉だった。
試験官の言葉に、男達は固まる。
「……お嬢様の身が危ないというのに、
自分の評価のために、お嬢様を差し置いて犯人に飛びかかるとは何事ですか!!
あなた方は、これが何の試験か分かってるのですか!?
あなた方の行動は言語道断!!プロとしての意識が欠如し過ぎている!!
――失格で、然るべきです!!」
「……」
男達は、黙り込んだ。
暑苦しい男達は、今にも泣きそうな顔をしていた。
鬼の目にも涙、か……
166 :名無しさん@おーぷん:2014/08/16(土)23:08:39 ID:y5Fw5vUUn
逆転キター
167 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/16(土)23:09:31 ID:q9R7hRjXA
「……今回の試験の結果は、言うまでもありません。――合格者は、しんのすけさんです!!」
「……オラが?」
「しんのすけさん!!やりましたね!!さすが、私が見込んだだけありますわ!!」
「……う、うん!よくわからないけど、やったよあいちゃん!」
あいちゃんは本当に嬉しそうにしていた。
それを見ていたら、オラもようやく試験を合格した実感がわいてきた。
もうダメかと思ったけど、諦めないで良かった!!
本当に!!
そして試験官は、締めの言葉を告げる。
「――これにて、“あいお嬢様ボディーガード選抜試験”を、終了します!!」
………何か、言った。
「…………え?今なんて?」
すると、あいちゃんはさも当然のように言う。
「ですから、私のボディーガードを募集する試験ですよ。
――しんのすけさん、今日からあなたは、私のボディーガードですわ」
あいちゃんは、嬉しそうに微笑みかけてきた。
……でも、それどころじゃない……
「聞いてないよおおおおおおおおおおお……!!!」
オラの叫びは、建物の壁に反響し、大きく響き渡っていた……
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