【幻の最終回】クレヨンしんちゃん作者事故タヒから9年…誰も知らない22年後の物語に涙が止まらない

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「着替え、ここに置いとくぞ」

 

「は~い」

 

風呂の中から、籠った声を出すひまわり。ひまわりは、とにかく風呂が長い。

 

何でも、少しでもカロリーを消費するためとか。無駄な抵抗だと思うんだが……

 

「……お兄ちゃん?今何か、失礼なこと思わなかった?」

 

お前はエスパーか……

 

「……あんまり長風呂するなよ?この前みたいに、のぼせて倒れちまうぞ?」

 

「ああ!話を誤魔化した!!やっぱり思ってたんだ!!」

 

……こういう感が鋭いところも、母ちゃんに似てる……。

 

23 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/14(木)22:36:44 ID:1O7mcjVGu

 

脱衣所を出ようとした時に、ふと、ひまわりが言ってきた。

 

「……ところでお兄ちゃん」

 

「うん――?どうした?」

 

「お兄ちゃんさ、今年で27だよね?」

 

「……まあな」

 

「――結婚とか、考えてないの?」

 

「………相手がいれば、いつでもしてやるけどな。そういうお前はどうな

 

んだよ」

 

「私?私は、まだ早いよぉ。だって、まだ22歳だし」

 

「結婚まではしなくても、付き合ってる男もいないのか?」

 

「う~ん……言い寄って来る人はいるんだけどね……

 

どれもいまいちというか、パッとしないというか……」

 

「………」

 

誰に似たのか、ひまわりは、凄まじくモテるようだ。

 

まあ確かに、顔は兄のオラから見ても、かなり美人の分類に入ると思う。

 

何気にスタイルもいい。

 

男にモテるのも、仕方ないのかもしれない。

 

もっとも、純情ピュアってわけではなく、

 

何というか、ザァーッとして、竹を割ったような性格だから、

 

下手に言い寄られてもまるで相手にはしないようだ。

 

変な男に捕まらない分、安心はしている。

 

「……まあ、そろそろお前も結婚考えろよ?母ちゃんは、

 

お前くらいの時に結婚してるんだからな」

 

「それはお兄ちゃんも一緒でしょ?さっさと結婚しないと、

 

一生独身の寂しい人生しか残ってないよ?」

 

「やかましい。ホラ、早く上がれよ」

 

オラは、居間に戻った。

 

24 :名無しさん@おーぷん:2014/08/14(木)22:41:17 ID:WgNkApMsl

 

涙腺決壊スレ

 

25 :名無しさん@おーぷん:2014/08/14(木)22:45:41 ID:zo92SzgX4

 

しんのすけ……かっこよすぎる

 

26 :名無しさん@おーぷん:2014/08/14(木)22:47:11 ID:WgNkApMsl

 

つづきはよ!はよ!

 

27 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/14(木)22:51:19 ID:1O7mcjVGu

 

風呂に入った後、居間でテレビを見ながら、ぼんやりと昔のことを思い出

 

していた。

 

――父ちゃんと母ちゃんは、オラが中学の時に事故で他界した。

 

夫婦水入らずで旅行に行く途中のことだ。

 

それから、秋田と熊本のじいちゃんばあちゃんが、

 

オラとひまわりをそれぞれ引き取る方向で話が進んでいた。

 

……でも、ひまわりが、オラと離れて暮らすことを激しく抵抗した。

 

ひまわりにとって、親しい家族は、オラだけだった。

 

オラまでいなくなってしまう――小学生だったひまわりは、そう思ったの

 

かもしれない。

 

結局オラとひまわりは、この家で過ごすことになった。

 

オラはそれまで、色々バカをやっていた。

 

でも、もう父ちゃん達はいない。ひまわりを育てるのは、オラの役目になる。

 

 

 

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