俺の両親とも仲良くやっていた彼女がまさか…。
もう十年程前の話です。
付き合って1年になる彼女が入院しました。
簡単な手術で治るものだそうで、
入院して2日後に手術、経過みて長くて1週間程度。
手術の当日、終わった辺りに見舞いに行くと
満面の笑みで迎えてくれました。
退院が月曜日になるといったので、
前の日に見舞いに行ったんですよ。
4人部屋で窓際のベット、彼女が寝てるはずです。
他の入院患者も居ないので、そ~と入り
寝顔見て起きたらからかってやるつもりでした。部屋の入り口で物音が聞こえたんですよ。
クチュクチュとかシュッシュッとか…
馬鹿で鈍い方な俺でも何の音か判ります。
足が止まっている俺に
消え入りそうな声も聞こえてきました。
「やん」とか「いい」とか。
自分の心が冷える感じがすると同時に
冷静になってきました。
見舞いに行った時に「カッコいい男の人が入院してる」
なんて言ってたな…そいつだろうか?
男の「いい?」小さな声が聞こえました。
「うん」
俺は心の中で「終わったな」そう呟きました。
意を決して足音を殺しながら近くに行きます。
「ハァハァ」「うんうん!」
ピンクのカーテンをサッと開けます。
「こんにちは。」俺は冷静に言い放ちます。
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男が彼女の上に乗っかってます。
「な、なんだお前!」男が振り向いてわめき出します。
「病院で騒ぐなって言われなかったか?」
冷静に、そして男の首を掴みました。
彼女は呆然としてます。
「これ見舞いで持って来たんだけどさ、もういらねぇよな?」
彼女が好きなシュークリームが入った箱を目の前で揺らします。
前のはだけたパジャマを押さえながら震えてました。
「もう、二度と来ないから。連絡もするな。」
男の腹に拳を叩き込み、病室から出ます。
ナースステーションに寄り
「これ、皆さんで食べて下さい」
カウンターの上に置いて帰りました。
その日はなんの連絡もありません。
次の日、仕事から帰ると
「○○さんから連絡あったよ」とお袋から。
「あぁ、判ったよ」
おそらく退院して家から電話したのでしょう。
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普段なら俺から掛けなおすんでしょうが、
とてもそんな気にはなれません。
当然無視です。
彼女の性格を考えると俺が居るのが判れば
電話攻勢が始まる事は想像できました。
その日は友人の家に行き、夜遅くに帰りそのまま寝ました。
俺の都合で付き合わせた友人には悪いが。
次の日からは残業で仕事をこなし、
資格の勉強も会社でするようにしました。
予想通り、毎晩電話があったようです。
親は不審がっていましたが。
日曜の朝、電話を自分で取ってしまったのが不覚。
「○○といいますが、(俺)さんはいらっしゃいますか?」
「……用は無いんだけど」
「話を聞いて!!」
「だから、なんの?」
「違うの、違うの!」
「俺の両親の前で話すか、お前の両親の前で話すかどっちかなら応じてやる」
とっさに言ってしまいました。
そう言えば諦めるだろうと思ったのもありますが。
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「…判った、(俺)ちゃんの両親の前で話す。」
正直、予想外の展開です。
でも、今更引くわけにも行きません。
両親に今夜彼女が来ることを伝え、話がある、とだけ言いました。
心なしか両親ウキウキしてるんですが…
夜になって彼女が来ると
「あら~、○○ちゃんいらっしゃい。お久しぶりね。」
お袋は暢気なもんです。
「で、話って何?」お袋はもう、ウキウキです。
「………」彼女は俯いたまま一向に口を開きません
俺が口火を切りました。
「俺、こいつと別れるから」
はぁ?ぽかーん?え??なになに???なんなの????
親は俺の言ってる意味が理解出来てないようです。
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「違う!違うの!」彼女が叫びます。
俺は両親に「ちと、見てて。いいって言うまで口出さないで」
「あの男はなんなの?」
「入院してた人」
「そうじゃなくて、どこの誰って聞いてるんだけど」
「名前しか知らない、奥さん居るって言ってた」
「それって不倫って言うんだぜ?知ってる?」
「………」
「何であれ、別れるけどな」
「いや、別れない」
「浮気する奴、どう信じろと?無理無理」
「………」
お袋がちょっとだけ状況を理解したようです。
「浮気ってどうゆう事?」
「こいつ、この前入院してたんだ。 見舞いに行ったら知らない男と寝てたんだよ。」
お袋絶句。
そりゃそうだろ普通w
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「でも、好きなのは(俺)ちゃんなの、別れたくない。」
「あのさ…もし今子供が出来てたとしたら、誰の子よ?
胸張って俺の子って言える?
俺の親にお義父さん、お義母さんの孫ですって言えるのか!」
「たった1回じゃない!セ**スなんて私にとってスポーツみたいなものよ!」
おいおい、なんて事言いますかこの女。
ここでなんか判りませんが、お袋がキレました。
「出て行きなさい!!!!!!!!!!!!!」
親父がなんか微妙な顔してるし。
後で聞いた話だと、ちょっと前に親父の浮気疑惑があったそうな。
近所で有名な尻軽おばちゃんに目付けられてたらしい。
そのおばちゃんも彼女と似たような事言ってたそうです。
親父の性格考えると、ビビって逃げ回ってたと思うけど。
なんか妙に冷静になってる俺がこりゃ収集つかないなと思い、
彼女の家に電話し、来てもらう事にしました。
俺の行為は火に油を注ぐようなもんだとも考えましたが、
いっそ一気に燃え尽きたほうが消火も早いんじゃないかと。
彼女の母親がやってきました。
流石に自分の娘が浮気なんかしてるの知ったら、
かわいそうだと思いそこには触れず別れる旨を告げました。
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そこから更に加速です。
「娘を傷物にした!」「弄ばれた!」等騒ぎます。
彼女の母親は、
俺と付き合うまで処●だと信じてたようです。
無い!ナイ!!ない!!!
付き合い始めた頃に人数聞いちゃってますから!
最初に●した時もしっかり感じちゃってましたから!!
お袋がとどめの様に彼女の浮気を
叩きつけるように言い放ちます。
彼女の母親はちょっと困惑気味。
彼女に確認してますよ。
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「あんた(俺)さんが初めてじゃないの?」
「私は○人と経験あるのよ!」
…おい、俺が聞いてるより3人多いぞw
彼女の母親の顔が真っ赤に。
「お邪魔しました!」
引きずる様に彼女を連れ帰りましたよ。
「とまあ、そんな訳だ、口挟んでいいよ。」
俺が言うと、
「ああ、判ったから…」親父が疲れた様に小声で。
他の皆さんに比べると、たいした修羅場でも無かった訳ですが。
親巻き込んでしまったのはちょっと後悔した。
以上、事実を元に書いたネタでした。
引用元:http://minnano-syuraba.ldblog.jp/archives/1071503448.html