15年くらい昔、家族で盆に車で田舎の祖父の家に向かった。
深夜近くに途中の道の駅で、両親と弟がトイレに降りて、
私は後部座席でウトウトしていた。
ガチャっと音がして、
後部のトランクドアが開いて、
誰かが私を抱き上げようとした。
その時は父だと思って
「だから、トイレは良いってば!」
と振り払おうとしたが、相手は無言で私を抱き降ろした。
腕の感触や匂いに違和感を感じて目を開けると、見知らぬ男性だった。
大声をあげようとしたが口を塞がれた。
その時、車に乗っていた犬がけたたましく吠えて、男に飛びかかってきた。
2週間くらいの滞在なので、犬も連れて行っており、
親がトイレに降りた後こっそりケージから出していた。
小さいヨークシャテリアだったけど、凄い速さで男の腰や足に噛み付き、
男が悲鳴をあげて私を取り落とすと、男の腕に噛み付いた。
男が腕を振っても噛み付いたまま離れなかった。
私は、もう声をあげる気力もなく、泣きながら固まっていた。
駆け戻ってきた両親が、男から犬を引き離そうとしながら男に謝っていた。
その時やっと声が出て
「この人悪い人!犬は私を守ろうとしたの!」
と言うような事を叫んだ。
後のことは良く覚えてない。
母と弟と犬と道の駅の事務所のような部屋で、
知らないおばさんに野菜カリントウを進められて困った事しか記憶に無い。
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警察の人に、車のそばで写真を撮られた時は、もう男はいなかった。
両親から何度も謝られたけど、
この事件のことは家族のタブーみたいになっていて、
あれが誘拐だったのか、なんだったのか未だに良く分からない。
両親は鍵をかけて行ったはずなのに、何でトランクドアが開いたのかも謎。
犬は、1本歯が抜けてたけど元気だった。
去年18歳で天寿を全うした。
普段は誰にも吠えなくて、よちよち歩きの弟が
しっぽを引っ張っても上に乗っかっても
黙って我慢してる優しい大人しい犬だった。
photo by switz1873
引用元:http://lasoreiyu.com/everyones.news/archives/18261