【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

いつも強がってた。
悪ガキぶって泣いたら負けだと思っていた俺も、
さすがに泣いてしまった。
その言葉で十分救われたんだ。
親父は俺の頭をクシャクシャして。

親父
「泣きたい時は泣けばい。
悔しいだろうけど、
悪くないなら悪くないって言い続けろ。
悪いことしたらちゃんと謝れ。」

昔の記憶がよみがえる。

俺は眠るハルの髪をクシャクシャしながら、
父親の俺が息子を信じなくてどうすんだって、
独り言を呟いた。

 

朝がきて、俺はハルをおぶって仕事場に向かった。
ハルを置いて仕事に行くのが不安だったからだ。

アルバイトが会社に子供を連れてくるなんて、
前代未聞なのは分かってる。
社長に事情を説明すると、
現場は駄目だから
事務に置いていくならいいと言われた。
理解がある人で本当に助かったよ。

事務員さんによろしく言って現場作業に出た。

昼は会社に戻ってハルとコンビニ弁当を食べた。
ハルは嬉しそうに食べてた。
俺もハルのそばにいて安心できた。
お利口にしてたみたいだし。

事務員
「この子めちゃくちゃ可愛いね。 将来イケメンだわw」
息子を誉められて悪い気はしないもんだ。

作業が終了すると、
社長がみんなでご飯に行こうと誘ってくれたので、
その言葉に甘えることにした。

社長行き着けの居酒屋に入り
「好きなもん食え」と言われた。

ハルは人が多いせいか少しグズっていた。
社長に酒をすすめられたけど、
ハルもいるので断った。

 

帰宅したのは少し遅い時間になった。
ハルは俺の背中でぐっすり眠っている。
ハルを起こさないよう、静かに家に入る。

リビングに灯りがついていたので、
遅くなりました。とだけ伝え部屋に入った。

ヒロシおじさん
「俺くんちょっといいかな?」
戸を少し開けヒロシおじさんが顔を出した。
少し険しい表情に、何かあるなと感じた。

リビングのソファーに腰を掛け対面するも
少し沈黙が続いた。

何か言い出しにくそうにしていたので、

「あの…昨日はすいません。
奥さんの服汚れちゃったみたいで。」
俺から話しをふった。

ヒロシおじさん
「いや…いいんだよ。 そんなこと気にしなくても」
相変わらず気まずい雰囲気だ。

ヒロシおじさんは仕事用の鞄から、
パンフレットのようなものを出してテーブルに置いた。

ヒロシおじさん
「これなんだけど…」

俺に見やすいように、そばに近づける。

自立支援相談? サッと目を通した。


「すいません。
迷惑かけますがもう少しだけ待って下さい。
すぐ家を探して出ていきますんで。」

思い出したくない過去が脳裏をよぎる。

ヒロシおじさん
「いや、そんなつもりで言っているんじゃないよ。
本当に心配なんだ。」

見え見えだ。
早く出ていけ、面倒はごめんだと顔に書いてある。


「本当に迷惑かけてすいません…」
部屋に戻って先程のパンフレットをもう一度見た。
少し手が震えている。

俺にはトラウマがあった。

俺がガキの頃、
親父が現場仕事で大怪我をした。

入院した親父と俺に残されたのは借金だけだ。
勿論家賃が払えず今にも追い出されそうな勢い。

毎日借金取りが家に来ていたのは言うまでもない。

一人家で留守番状態の俺は、
布団を被り嵐(借金取り)が過ぎ去るのを
ずっと待っていた。
そしてとうとう奴等が来た。

児童相談所の職員だ。
俺はすぐ養護施設に入れられた。
親父が迎えに来るまでの1年間
すごく辛かったのを覚えている。
当時6歳だった。

あの日ハルを保育園に迎えに行った俺なら、
迷わず施設に入れていかもしれない。
育てていく自信なんてなかったからな。

でも今は違うんだ。父親になるって決意した。
何があってもこいつを守るって決めた。
それはもう揺るがないものになってる。

短い時間だけど、
ハルと過ごして沢山何かをもらった。
何かを感じた。
今ハルは、俺にとって掛け替えのない宝物なんだ。
どんなことがあっても手放さない。
どんなことがあっても。。。

俺はパンフレットを丸めてゴミ箱に捨てた。

 

次の日、 同じようにハルを連れて仕事に出た。
お金は少しはできたけど十分とは言えない。
とりあえず働かなきゃな。

作業中何度も携帯が鳴った。
気になったので不在着信を確認。
カズエおばさんからだ。

俺はすぐに電話をかけ直した。

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