【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
朝になり、
いつも通りハルをカズエおばさんに預けた。
今日のハルはグズっていた。
俺の足にしがみついて離れない。
俺
「すぐ帰ってくるからな。
またラムネ買って帰るから」
ハル
「ラムネー? ちょだーい。」
俺はハルに残っていたラムネを渡した。
俺
「おりこうにしてるんだぞ。 パパ早く帰るから」
そう言って泣き出すハルを置いて家を出た。
仕事中ハルのことが心配で仕方なかった。
また悪戯してないかってこともあったけど、
何よりハルに怒鳴るヨシノおばさんの姿が頭から離れない。
他人に息子を泣かされるなんていい気はしないよな。
ようやく終わって帰ると、
ハルは嬉しそうに俺に抱きついてきた。
どうやら何もなかったようだ。
少しホッとしながら
スーパーで買ってきた惣菜を出して、ハルに食べさせた。
すると、
ヨシノおばさん「ちょっと来てくれる?」
とリビングに来るよう言われた。
ヨシノおばさん
「これどうしてくれるの?」
ヨシノおばさんが
べっとりとシミのついた服を見せてきた。
俺
「どうしてくれるって言うのは?」
ヨシノおばさん
「これその子がやったのよ。」
俺はハルを見た。
ハルはヨシノおばさんから顔を背け、
俺の胸にうずくまっている。
どうやらハルはこの人が嫌いなようだ。
俺も嫌いだ。
俺
「うちの子がやったって、見たんですか?」
ヨシノおばさん
「見てないわよ。でもその子以外に
誰がこんなことするのよ
あんた達がこの家に来てからろくな事がないの。」
俺「……」
もしそれが本当なら言い返す言葉もない。
どうやら今日もカズエおばさんが体調が悪いから、
少しの時間一人で遊ばせていたらしい。
その間葡萄ジュースをハルに持たせていたとのこと。
信じられなかった。
親バカで、ただハルが犯人じゃないと
思いたかっただけなのかもしれない。
証拠があるのにだ。
それでも俺はハルが犯人じゃないと言い張った。
エゴかもしれないが、
どうしてもハルがそんなことするとは思えなかったんだよ。
結局カズエおばさんが起きてきて、その場は収まった。
こんな時って眠れないもんなんだな。
体は仕事で疲れてるんだけどさ。
俺さ小学の時はいじめられてたんだよ。
て言っても悪質なやつじゃないんだけどな。
とりあえずクラス全員から嫌われてた。
家が貧乏で母ちゃんがいなかったから。
親父が爺ちゃんぐらいの年ってこともあったんだと思う。
それである日、クラスの女子が
買ってもらったばかりの
手提げカバンがなくなったってなった。
校庭のドブで見つかったんだけど、
クラスの奴等は俺を非難したんだ。
「お前んち貧乏だからだろ?」
「最低ー」
みたいな感じで。
誰かが先生にチクって、職員室で説教された。
当然親父も呼び出されたわけだけど。
親父は俺に
「お前が本当にやったのか?」
って聞いてきた。
俺
「してないよ」
俺の目をしっかり見て、
親父
「そんなことうちの息子がやるわけない。
あんたら教師まで疑うのか?ふざけるな」
っていつも穏やかで温厚な親父が、
ムキになって怒りだしたんだ。
だからその時、
親父が職員室で暴れて警察が来たことは、
本当に自分が生きてて申し訳ないって気持ちになった。
子供ながらにな。
帰り道親父が俺の手を引っ張って言ったんだ。
親父
「俺!! 父ちゃんはお前のこと信じてるからな。
父ちゃんは絶対にお前がやってないって分かってるんだ。
あんな恥ずかしい姿見せてごめんな」
そんな親父を見たの初めてだったよ。
正直驚いた。
でも俺は疑われても仕方なかった。
すぐむかついたら、
クラスのやつをぶん殴って泣かしてたし。
クラスで買ってたカメを、
勝手に池に逃がしたりしたことがあって、
それをクラス全員に責められて暴れたこともあった。
本当に問題児だったんだ。
俺
「オレ悪いことしてばっかだよ。
みんなに疑われてもしかたないんだ。
何で父ちゃんは俺のこと信じるの?
本当に俺がやってたらどうすんの?」
親父
「父親が息子信じなくてどうする!」
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