【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷


「もしもしおばさん。どうした?」
「あの… 私サキです」

電話に出たのはヒロシおじさんの娘のサキだ。

俺「どうしたんすか?」
サキとは家で顔合わすだけで話したことはなかった。

サキ
「おばあちゃん昨日入院したんですけど…」
昨日は遅く帰ったし、
ヒロシおじさんから何も言われてないので
知らなかった。

サキ
「おばあちゃんが俺さんに会いたいって。
今から病院にこれますか?」

電話を切ると、社長に理由を話し
少しの時間抜けさせてもらうように頼んだ。
俺はハルを連れ病院に向かった。

病室に入ると、
カズエおばさんと横にはサキが座っている。
俺が会釈すると、

サキ
「ハルちゃん。 私が見てます。」
と言ってハルの手を引き病室を出ていった。


「おばさん大丈夫?」
カズエおばさん
「大丈夫よw ただどうも胸が苦しくてねw」

カズエおばさんは思っていたより元気そうだった。

カズエおばさん
「わざわざ呼び出してごめんねw
当分家には帰れそうにないんだ。」


「うん」

カズエおばさん
「サキちゃんいい子でしょ?
昔からおばあちゃん子でねw
お見舞いにきてくれるのはあの子だけよ。」

今日電話で話したのが初めてなんだが、
想像してたのとは違ったのは確かだ。
世間話を簡単に済ます。

カズエおばさん
「ごめんなさいね。
私のせいでハルちゃんに辛い想いさせて。
俺ちゃんにも心配させた。
どうしても謝りたかったの。」

カズエおばさんは涙を流しながら俺に謝ってきた。
俺に謝ることなんて何一つないのにだ。

とてつもない迷惑かけてる、
本当は俺の方が謝らないといけない。


「おばさん。 俺のことは心配しなくていいから。
早く元気になってよ。」

おばさんがありがとうと言いながら
枕元から封筒を出した。

カズエおばさん
「これ使って。 これで家を借りて
ハルちゃんと二人で暮らしなさい。
今の状態では何もしてあげられないからね。」

そう言って現金の入った封筒を俺に渡した。

中味は確認してないけど、かなりの金額だった。


「おばさんありがとう。でも俺大丈夫だからw
もう家も見つけたよ。
おばさんのおかげでハルとやっていけそうだ。
だからこれはいらないよ。」

俺はその封筒をおばさんに返した。

 

嘘をついたけどこれで良かったんだ。
本当に助けてもらってばかりだ。
気持ちだけで十分。胸がいっぱいになった。
これ以上何かしてもらうなんて罰が当たると思った。

病室を出てサキからハルを預かった。
俺「迷惑かけたっすね」

サキ
「ハルちゃん本当に可愛いw 弟にしたいw」

「ありがとう」

そう言って帰ろうとすると、

サキ
「あの、すいません。 母がごめんなさい」
と言ってきた。

サキ
「ハルちゃん悪戯なんてしてませんから。
私知ってるんです。
教科書も服も母が自分でやったんです。
本当にごめんなさい。」

教科書は部屋に置いていて、
ハルが手に届くはずがない。
服もヨシノおばさんのお気に入りだったらしい。
そんなものをハルが悪戯できるような場所に
置いているはずがにいと言うことだった。


「はい。 こっちも。 受験で大変な時期に迷惑かけて。」
そう言って病院を出た。

何故ヨシノおばさんがそんなことするのか理解に苦しんだ。
まあ俺とハルが邪魔で仕方なかったんだろう。

俺の腹は今にも煮えくり返りそうだった。
俺はその脚でカズエおばさんの家に向かった。
黙って家に入り荷物をまとめた。

ヨシノおばさんがリビングにいるのが見えたので、
勢い良く扉を開いた。
おばさんはびっくりした顔でこちらを見ている。


「お世話になりました。 もう出て行くので。
ヒロシおじさんにもお伝え下さい」
強い口調で言って深々と頭を下げた。

ヨシノおばさん
「えっ?あ? そうなの。
愛想なくてごめんなさいね。
何もしてあげられなかったけど元気でね。」
白々しいやつだ。


「もし… もしこれから外であんたと出会って、
もしハルが悲しむようなことがあったら。
何が何でも絶対に許さないっすから。」
と捨て台詞を吐いて家を飛び出した。

その時の俺どんな顔してたんだろうな。
相当怒ってたし恐かったと思う。

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