【注目の映画】「なぜ男と女の命の重みは違うの?」ある少女たちの問いかけについて

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「なぜ男と女の命の重みは違うの?」

イスラム教の少女たちが住む更生施設には、定期的にイスラム法学者が訪ねてくる。「人権について話そう。質問は?」と切り出した学者に、少女たちは堰を切ったように、イラン社会への疑問をぶつけた。

「女より男を殺したほうが、なぜ賠償金が高いの?」

「なぜ男と女の命の重みは違うの?」

「父親は子を殺しても罰せられない。子の命は父親のものなの?」

 

 
(C)Oskouei Film Production

 

 

監督は撮影後に学者が「本当は私も答えは分からない」と語っていたと振り返る。

実際にイスラム法では、殺人が起きた場合、遺族が犯人に求めることができる賠償金は、被害者が女性だった場合、男性の半額になるという規定がある。

この定めを現在は法律としては適用しないイスラム教国もあるが、イランでは今も生きている。

「いつ通るか分かりませんが、これを変えようという法案はあります」と監督は話す。

イスラム法は、「神が下した法」であり、人間が変えることはできない。これがイスラム社会の考え方だ。一方で聖典コーランで幾通りもの解釈が可能なかたちで書かれているものもある。

現代の価値観でそぐわない部分の解釈の変更を試みたり、近代法を導入して矛盾を図ろうとする国もある。

だがイランは「イスラム共和国」をうたう国家体制だけに、イスラム法に直結する部分を変えることには、大きな抵抗を伴う。

 

 
(C)Oskouei Film Production
 

イスラム法やイスラム社会の女性への理不尽さを訴える少女たちの率直な質問に対し、監督はドキュメンタリーを撮影する意義をこう位置付ける。

「変えることは難しいかもしれませんが、カメラマンやジャーナリストは、このような現状に質問を投げかけることはできる。それが、法を考える人たちに刺激を与えることになるかもしれないし、法が変わることにつながるかもしれない」

 
 
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映画は、11月2日より、東京・岩波ホールなどで全国順次公開される。

昨日も、きょうも、これからも。ずっと付き合う「からだ」のことだから、みんなで悩みを分け合えたら、毎日がもっと楽しくなるかもしれない。

 

引用元:https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/starless-dreams?bfsource=relatedmanual