「やっぱりかっけぇー!」キングカズが年下の選手にも低姿勢で敬意を示す姿に感動!!!

感動, 芸能

北嶋秀朗「『憧れてるんですよ』って話したら『でもライバルだからな』って」

 カズさんに魅かれる理由は、単純に子供の頃から憧れているヒーローだからです。確か小学生の時、カズさんがブラジルのチームの一員として日本に来て、国立競技場で試合をしたことがあるんです(※パルメイラスのメンバーとして来日した1986年のキリンカップ)。ブラジルのチームに日本人がいるっていうだけでスゴイって思ったし、初めて目にしたシザースに驚きました。当時はまだ情報も少ないし、それからしばらくは忘れていたんだけど、カズさんがブラジルから帰ってきて、「あの時の日本人が帰って来たんだ!」って。それからは読売クラブ、ヴェルディ川崎の試合を追い掛けて、Jリーグ開幕前のナビスコカップもヴェルディを中心に見ていました。

 魅力を感じたのはやっぱりドリブルで、シザースも含めてカズさんの華やかなプレーにものすごく魅かれました。当時はあんなフェイントを知らなかったので家とか公園で一生懸命練習していたんです。実は僕、中学時代はドリブラーだったんですよ(笑)。カズさんは当時の日本のサッカーにない要素をブラジルから持ってきて、見せてくれたと思います。

 カズさんにずっと憧れていたからブラジルに行きたいとも思ったし、カズさんがよく聴くと言っていたから浜田省吾さんの曲を聴くようにもなった。とにかくカズさんが好きなものに影響されましたね。中学3年の時だったかな。カズさんについての本(『KAZU—十五の旅立ち 三浦知良物語』)を読んで、周りから無理だと言われる中で単身ブラジルに行って、プロになって帰ってきた、その生き方がカッコいい、ということを読書感想文に書いたんです。そうしたら学校の先生から「こういうのが本当の読書感想文だよね」って言ってもらえました。「大人が無理だと言っても可能性がある」という考え方が、当時好きだった尾崎豊さんの曲のメッセージとシンクロして、チャレンジしたら道は拓けるんだっていう、勇気をもらいました。

 カズさんのすごいところは、芯の強さや自分にプライドを持っていること、そしてサッカーに対する真摯な姿勢だと思います。自分自身が年齢を重ねるほどに、カズさんの偉大さを改めて感じるんです。多分、日本に帰ってきた頃と今とではプレースタイルが変わったと思うんですけど、それがすごいところなんです。

 自分もそうだけど、年齢や環境、時代の流れで変わっていくサッカーの変化に合わせて、選手は少しずつ進化していかなきゃいけない。過去に縛られず、変わっていくことの大事さをカズさんは知っているので、今のスタイルを確立しているんじゃないかなと思うんですよね。だからこそゴールも生まれるし、チームにとって効果的なプレーができる。選手としてはそこがすごい部分だと思います。

 実は日本代表で接したことぐらいしかないので、あんまりカズさんとの距離は近くはないんです。もちろん、僕のことは認識してもらえていると思うし、会えば「元気か?」って声を掛けてもらえる関係ですが、カズさんについて知っている情報は、テレビや雑誌を通してのものがほとんど。カズさんの記事が出ている雑誌も見るし、サポーターやファンの方たちと同じように、そこで語られるカズさんの言葉に、影響や刺激を受けていますね。

 代表で一緒にやらせてもらった時のことでよく覚えているのは、食事で同じテーブルになった時に「北嶋が俺と話したいって言っていたって、記者に言われたぞ」って声を掛けてくれたこと。「憧れてるんですよ」って話したら、カズさんは「でもライバルだからな」って(笑)。カズさんが今でも現役でいられる理由が、その言葉にあると思うんです。インタビューでもよく話されていますけど、常に負けたくないという気持ちを持っているし、年齢が上だからベンチでいいなんて全く思ってないでしょ。僕も常にそう思わなきゃいけないと思うんですよね。

 カズさん、大好きです(笑)。今年もし対戦できたら、(藤本)主税さんにお願いしてユニフォームを交換したい! カズさんのユニフォームを、どうしても欲しいなと思ってます(笑)。

 

 

↓「カズさんは僕のサッカー人生において超えていかなアカン存在やった」次のページへつづく↓