暴力団・工藤会の銃撃事件裁判 銃撃実行役に懲役30年

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特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)が起こしたとされる一連の事件のうち、元警部銃撃などで実行役を担い、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)の罪などに問われた元組幹部、中田好信被告(42)に、福岡地裁は15日、「問答無用に襲撃した反社会的犯行」として懲役30年(求刑無期懲役)の判決を言い渡した。

 丸田顕裁判長は、元警部銃撃のほか、起訴された歯科医襲撃、女性看護師襲撃の3事件はいずれも工藤会トップの野村悟被告(71)の指揮命令の下に実行されたと認定した。

 判決によると、中田被告は野村被告の指揮命令に基づき、工藤会捜査を長年担当していた元福岡県警警部を平成24年に銃撃し、26年には港湾利権に絡んで漁協幹部の親族だった歯科医を襲撃した。野村被告が受診した美容整形クリニックの看護師が25年に刺された事件では、実行役を現場まで送迎した。

 

 

 

 

【元警部銃撃事件】

 2012年、北九州市で福岡県警の元警部の男性が銃撃された事件で、犯行に使ったとみられるバイクを盗んだとして、警察が特定危険指定暴力団工藤会系の組幹部ら4人を逮捕していたことが分かりました。 

 この事件は2012年4月、北九州市小倉南区の路上で、福岡県警OBの男性(当時61)がバイクで近付いてきた男に拳銃で左足や腰を撃たれ、重傷を負ったものです。 
この事件で、犯行に使ったとみられるバイクを盗んだ疑いで、4日までに工藤会系組幹部ら4人を逮捕していたことが捜査関係者への取材で分かりました。 
OBの男性は、工藤会などの暴力団捜査を担当していたことから、警察は、工藤会トップである野村悟被告の指示によって犯行が行われた疑いがあるとして、野村被告の再逮捕も視野に捜査しています。 
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000054011.html

 

 

【歯科医襲撃事件】

北九州市で26日、同市若松区の歯科医師の男性(29)が刺され重傷を負った事件で、2人組の乗ったバイクが事件直前、男性が利用する駐車場付近を通過していたことが同日、捜査関係者などへの取材で分かった。福岡県警はこの2人組が男性の通勤時間や車の駐車場所をあらかじめ把握し待ち伏せしていたとみて、聞き込み捜査などを続けている。

 捜査関係者によると、男性の親族2人が過去に銃撃されて殺害され、うち1人の事件で暴力団組長らが摘発されている。県警は暴力団が関与している可能性があるとみて、過去の事件との関連性も視野に、殺人未遂事件として調べている。

 県警によると、男性は午前8時半ごろ、北九州市小倉北区の駐車場で、近くの九州歯科大付属病院に出勤するため運転してきた車から降りたところ、何者かに刃物のようなもので刺された。事件後、2人乗りのバイクが逃走。いずれも黒いフルフェースに上下とも黒っぽい服装だった。

 県警や目撃者によると、事件直前、2人乗りの黒いバイクが駐車場の近くをゆっくりと通過。数分後に再び駐車場に近づいて停車し、1人が降りて駐車場に向かったという。男性は車で通勤する際、同じ時間帯にこの駐車場を利用していた。

 男性の祖父(当時70)は1998年に同市内で射殺され、暴力団工藤会系組長らが殺人罪で有罪が確定。祖父の弟に当たる男性(当時70)も昨年12月に同市若松区の路上で射殺され、県警は暴力団の関与を視野に捜査を続けている。

 捜査関係者によると、男性の父親は同区の漁協幹部で、県警の「保護対象」の一人だった。

 

 

【女性看護師襲撃事件】

 指定暴力団工藤会(北九州市)が市民を襲撃したとされる一連の事件のうち、福岡市で2013年に女性看護師が刺された事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)罪に問われた元工藤会系組幹部の中田好信被告(41)の初公判が20日、福岡地裁(丸田顕裁判長)であった。

  • 元工藤会幹部、組織的関与を否定 市民襲撃事件の初公判
  • 特集:工藤会

 検察側は、看護師が勤めるクリニックで手術を受けた工藤会トップで総裁の野村悟被告(70)が、術後の状態に不満を持った恨みが動機だったと主張。公判で立証をめざすとした。

 女性看護師は13年1月28日夜、福岡市博多区の路上で頭や胸を刃物で刺され3週間のけがを負った。

 検察側の冒頭陳述によると、野村被告は12年8月、北九州市内の美容整形クリニックで局部の増大手術と周辺の脱毛治療を受けた。だが術後の状態が悪く、「腐っているのではないか」「(被害者の)看護師が意地悪でわざとやった」などとクリニックに申し立てたという。

 野村被告は、工藤会総裁である自分に対し看護師があるまじき態度を取ったと考え、襲撃を決意したと検察側は主張。指示は配下の最高幹部らを通じて組幹部らに伝わり、12年11月ごろから幹部らがクリニック付近を徘徊(はいかい)し、看護師の自宅を特定。事件に使う車やバイク、携帯電話が用意され、2度延期した後に実行された。野村被告は事件の2日後にクリニックを受診した際、欠勤していた看護師について、名前も報道されていないのに「刺されたんかね」「あの人なら、やられても仕方ない」などと話したという。

 検察幹部の説明では、野村被告は手術後に10回以上クリニックに通い、その間複数の医師が交代で対応したが、担当看護師は被害者だけだった。

 検察側は公判で「手術の結果を逆恨みした組織的な報復事件」と指摘。中田被告は車の準備や実行役の送迎をしたとした。

 中田被告は、冒頭の罪状認否で送迎役だったことは認めたが、殺意は否認し傷害罪にとどまると主張。数人の幹部らと共謀したことも認めたが、野村被告の指揮命令があったかについては争うとし、工藤会が組織的に関与したとする検察側の見方を否定した。

 

 

 

引用元:http://www.sankei.com/west/news/171215/wst1712150067-n1.html