【幻の最終回】クレヨンしんちゃん作者事故死から7年…誰も知らない22年後の物語に涙が止まらない

ウワサ, 感動

268 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/17(日)22:41:46 ID:gI5zhOZj9
「……それでね、そのテレビがね……」

ひまわりは、いつもの通り明るくオラに話しかける。
でも、耳に声が届かない。聞きたいのに聞けない。
余裕がないのかもしれない。

「……お兄ちゃん?お兄ちゃん?」

「……え?」

ふと、ひまわりがオラを呼んでいることに気付いた。

「もう~。ちゃんと聞いてる?」

「あ、ああ……ごめん……」

「……」

するとひまわりは、神妙な顔でオラを見てきた。

「……お兄ちゃん、なんか変だよ?何かあった?」

「……」

少しだけ、どうするか悩んだ。
でも、ここで黙ってても、何の意味もないだろう。
風間くんは決意を固めて、オラに言ったんだから……

「……今日、風間くんと会ってたんだ……」

「……え?」

「全部、聞いたよ……」

「……」

269 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/17(日)22:42:13 ID:gI5zhOZj9

室内は、静寂に包まれる。
時計の針だけが、時を忘れないように、懸命に音を鳴らしていた。

「……そっか……聞いたんだ……」

ひまわりは、諦めたように呟く。

「……いつからなんだ?」

「……風間くんが、海外に行く前からだよ」

「ずっと連絡を取ってたのか?」

「……うん」

「そうか……オラに黙って、か……」

「それは!……ごめん」

なぜだろうか。言葉が、止まらなかった。

「……結局、オラは信用されてなかったんだな。
風間くんは幼稚園からの友達、ひまわりは妹……なのに、オラは蚊帳の外だ……」

「そ、そんなつもりじゃ……!」

「もういいよ。……今日は、寝る……」

ひまわりの言葉を遮り、オラは二階に上がる。

(……最低だな、オラは……)

二階に上がりながら、今の自分に嫌気が差していた。
自分は、こんなにも醜い人間だったみたいだ。
八つ当たりを、ひまわりにもしてしまった……

それでも、今は眠りたかった。
そしてオラは、夢に逃げた。

 

 

↓次ページへつづく↓