【幻の最終回】クレヨンしんちゃん作者事故死から7年…誰も知らない22年後の物語に涙が止まらない
35 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/15(金)00:09:44 ID:Ipku3w79a
「――そろそろ、オラ帰らないと……」
時計を見たオラは、荷物をまとめ始める。
それを見たまさおくんは、残念そうに言ってきた。
「ええ?もう帰っちゃうの?」
「うん。ひまわりのごはん、作らないといけないし」
「あ……そっか、しんちゃんっちって……」
ねねちゃんの呟きで、その場が暗い空気に包まれ始めた。
「別に気にしないでよ。ひまわりと、賑やかに暮らしてるしさ」
「そっか……うん、そうだよな」
「幸せで、何より」
「途中だけどごめんね。風間くん、仕事頑張ってね。じゃ―――」
そしてテーブル席を離れる。
「何かあったら、すぐ言えよ!僕らに出来ることがあるなら、何とかするからさ!」
最後に風間くんが声をかけてきた。
そんな彼らに手を振り、オラは家路についた。
39 :ななみんとカービィ◆/OPGQRDtp.:2014/08/15(金)09:48:09 ID:OxGz1wC0S
面白いな…(´・ω・`)
読んでて胸が痛くなるけど
40 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/15(金)10:23:19 ID:h320rltdt
……しかし、順調に見えたオラにも、不景気のあおりが来ることになった。
それから数日後の会社。オフィス内は、ざわついていた。
「……おい、これって……」
「……嘘、だろ……」
皆一様に、掲示板に張り出された通知を凝視する。
そこに記載されていたのは、従業員削減の通知――つまりは、リストラ予告だった。
今のところは小規模のようだ。
各課1~3名が選ばれる。そしてオラがいる部署は、たった一人だ。
しかし、オラの部署には家族持ち世帯が大多数だ。
最近結婚した者、子供が生まれたばかりの者、
子供が小学生に入学したばかりの者……それぞれに、それぞれの暮らしがある。
「……課長……」
「……ああ、野原か……」
廊下のソファーに、課長が項垂れて座っていた。オラはその隣に座る。
「……課長、リストラって……」
「……ああ。私に、一人選ぶように言われたよ。まったく、部長も酷なことを言ってくれる。
私に、選べるはずもないじゃないか……みんな、可愛い部下なのに………」
「………」
課長は、目頭を押さえていた。
目の下にはクマも見え、頬もやつれているように見える。課長も、かなり悩んでいるようだ。
「……いざとなれば、私が……」
「でも課長、先日お子さんが私立の中学校に入学したばかりじゃないですか……」
「……野原、家庭の事情は、人それぞれだ。
誰も辞めたくないに決まってる。それでもな、誰かを選ばないといけない。それならば、いっそ……」
課長は、語尾を弱める。覚悟と迷い……その両方が、課長の中に混在しているようだ。
――そうだ。誰でも、家庭がある。日常がある。
その誰かが辞めなければならないなら……それなら……
「……課長……」
「……?」
「……オラが、辞めます」
41 :名無しさん@おーぷん:2014/08/15(金)10:35:50 ID:QS7EUDrsN
アカン。泣いた
43 :名無しさん@おーぷん:2014/08/15(金)10:48:17 ID:YA9WRyjNQ
しんちゃん……
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