【幻の最終回】クレヨンしんちゃん作者事故死から7年…誰も知らない22年後の物語に涙が止まらない

ウワサ, 感動

33 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/14(木)23:26:06 ID:1O7mcjVGu
(ひまわりも、いつか結婚するんだろうな……想像も出来ないけど)

ひまわりのことを思うと、思わず笑みが零れた。
どうもオラはひまわりに甘いところがある。

たった一人の妹で、大切な家族。オラの、大切な。

今はただ、彼女の幸せを祈りたい。
父ちゃん達が他界した時、ひまわりは塞ぎ込んでしまった。
学校にも行かず、ずっと仏壇の前で泣いていた。

今では、それも嘘のように元気だ。

でもひまわりは、家族がいなくなることにトラウマが残っている。
一度、オラが事故で病院に運ばれた時、泣きながら病院に駈け込んで来た。
病室で眠るオラに、大声で泣きながら『置いてかないで』と叫んでいた。
オラは寝てるだけだったのにな。

今はどうかは分からない。
ただ、彼女を心配させないためにも、オラは元気でいないといけない。

今のところ生活も安定している。
このまま、平穏に暮らせていけば、それ以上に嬉しいことはない。

「……そろそろ寝るかな」

寝室に戻ったオラは、布団に潜った。そして、静かに目を閉じた。

34 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/14(木)23:49:04 ID:1O7mcjVGu
それから数日後、オラはとある居酒屋にいた。

「――かんぱーい!」

そこにいる全員が、高らかにジョッキを掲げる。

「風間くん、海外出張お疲れ様!」

「みんな、ありがとう!」

その日は、風間くんの帰国祝いが催された。
風間くんは、外資系の会社に勤めている。
数年前から海外出張をしていて、先日帰国したばかりだ。

「ホント、風間くんもすっかり一流サラリーマンね」

ねねちゃんが、感慨深そうにそう話す。
彼女は、保育士をしている。そして、オラたちの通っていた、フタバ幼稚園で勤務をしている。
園長先生が、相変わらず強面過ぎると、愚痴を言っていた。

ただ、仕事自体は楽しそうだった。

「僕も、いつか風間くんみたいに、夢が叶うといいな……」

少し哀愁を漂わせながら、まさおくんは言う。
彼は今、とある漫画家のアシスタントをしている。

かなり厳しい人らしいが、その分画力は上がってるとか。
今はアシスタントをしながら、漫画家デビューを目指し、日々ネームを作っているとか。

「風間くん、凄い」

ぼーちゃんは、チャームポイントの鼻水を垂らしながら、朗らかに笑う。
彼は、何かの研究者のようだ。その詳細は、企業秘密らしい。
ただ、先日研究チームの主任に抜擢されたとか。

相変わらず、なんだかんだで、一番しっかりしてる。

「……それにしても、しんのすけもずいぶん真面目になったな」

「そ、そうかな……」

「そうそう。小学校までのしんちゃんからじゃ、到底信じられないくらいだわ」

「そんなに変だったかな……」

「うん。変だった。でも、面白かったけどね」

オラたちは笑い合い、昔話に花を咲かせた。
こうして今でも変わらず昔を語り合える友達がいることは、

本当に素晴らしいことだと思った。

 

 

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