【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

いったい今まで何処で何をしてたのか。
何故連絡がとれなかったのか。
今は何処に住んでいるのか。
他に男ができたのか。

聞きたい事は山ほどあった。
でも、それを言葉にすることが出来なかった。
何故なら俺自身、
ずっと自由にやりたい放題してきたんだ。
今更サリナを責める資格はない。

ただこうして目の前にいる。
それが何故か嬉しかった。


「ずっと謝りたかった… 駄目なやつだよ俺…
サリナが出ていって、ハルを一人で育てて。
初めて子育ての大変さを理解した。

毎晩思うんだ。
一人でハルを育て、
サリナはきっと不安でしかたなかっただろうなって。
辛い想いをさせたこと、申し訳ないと思ってる。
本当にすまん…」

サリナ
「いいの。 わたしが悪いの。
自分が母親として未熟だったから。
ハルを連れて行かなかったのは、
わたしの身勝手だから…」

俺「なぁ…」

もう一度戻って一緒に暮らそう。
ハルのために、俺達家族のために。
そう言いたかった。
でも、
言い出せなかった。。。

俺の続きの言葉を待つサリナ。
一瞬時が止まったように、ただ無言が続く。

サリナ
「今までありがとう。
わたし出ていってすぐ、
ハルを置いてきたこと後悔したの。だからね…」
言葉を止めるサリナ。

この後何を言われるのか分かっている。
この先は聞きたくない。
頼む。
言わないでくれ。

サリナ
「だから、ハルを返してほしいの…
勝手だって分かってる。
でも、わたしにはハルが必要なの…」
と言って後ろからハルを抱きしめた。

サリナ
「お願い… お願い…」

頭を下げ肩を震わせるサリナ。

昔の俺なら即答でOKしたと思う。
その時の俺には子育てなんて無理だったからな。

俺「すまん…」
それしか言えなかった。
俺は自分の行いを後悔している。
勝手きままをしてきたんだ。

どの口で
「駄目だ。今更現れて
ふざけたことぬかしてんじゃねー。」
なんて言えるワケがない。

もう一度やり直そうなんて、
単細胞の俺はまだ変な期待を持ってた。
バカだよな俺。
そんな気持ちサリナには
これっぽちもないはずなのに。当然だよ。

サリナ
「今ならハルと二人でもやっていけるから…
本当に今日までありがとう。
ハルを面倒見てくれて…」

もし俺が何か言っても、
きっとサリナはハルを連れていくだろう。
サリナの言葉には、そんな決意や重みが感じ取られた。

それにサリナを見つめるハルの眼差しは、
ようやく母親と会えた嬉しさが滲み出ていた。
その瞳は決してサリナのことを忘れていない。

だから余計切なくなる。
ハルにどちらを選ぶかなんて聞ける訳もなく。
だいたい、ハルには理解できる状況じゃない。
親の身勝手だ。

なにより、子供にとって母親がいないことが、
どれだけ辛いかを俺自身よく理解しているつもりだ。
ハルにそんな想いはさせたくないよな。
そう思った。


「ウィンナー… 後オムライスが好きなんだ…
たまに作ってやってほしい」

サリナ
「うん…」

俺「日曜日は… 弁当持って、散歩してあげてくれ…
日課だから…」

サリナ
「うん…」


「寝る時泣いたら…
ゆりかごの歌唄って、トントンしてあげてくれ…
ぐっすり眠るんだよ」

サリナ「うん…」

強がるしかなかった。

俺は父親失格なんだ。
どれだけ2年間頑張っても、
家族を無視し続けたと言う事実は変わらない。
どんだけ努力しても。
そう簡単に溝が埋まるはずがないんだ。

 


「後親父さん達、すげー心配してたから。
連絡は入れた方がいい…」

サリナ「うん…」
そう言うとサリナが携帯を取り出した。

サリナ
「もしもしママ。 久しぶり…」
母親に電話をしたようだ。

サリナ
「分かってる… 本当にごめんなさい。
今俺君とハルも一緒… うん…分かってる。」

電話を切ると俺の方を見た。

 

サリナ
「本当に今までハルのことありがとうね…
また色んな手続きとかもあるし、
ハルの荷物もあるし。また連絡します…」
そう言ってハルの手を握り、後ろを向いた。

歩き出すハルとサリナ。
その背中を見て、
心臓がギュッと押し潰されそうで、胸が苦しくなる。

これでいいんだ。 これで。
ハルの幸せが一番なんだから。

ハルは何度も振り返って俺を見た。

本当にこれでいいのか?

俺「サリナ!!」
俺は大声で呼び止めた。

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