【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
俺
「はあ?何だよ?いきなり泣くな。」
泣き続けるハル。
うるさいので抱きかかえてヨシヨシしてみる。
とりあえず泣き止まさないと近所迷惑だ。
俺
「ほらほら。どうした?泣くなよー」
ハル
「ウギャーー」
いっそう声のボリュームが上がる。
駄目だわこれわ。
俺「うるせー。
びーびー泣くな。」
怒鳴る俺にビックリしたのか、急に泣き止んだ。
少し震えている。
なんだか悪い事した気分だ。
俺
「落ちつけ。何が言いたいんだよ。
泣いてもわかんねーだろ」
ハル
「ヒクッ、、ヒクッ、、マンマー、、ヒクッ」
どうやらお腹が減っているようだ。
俺「落ちつけ。何が言いたいんだよ。泣いてもわかんねーだろ」
少し震えながら、冷蔵庫を指差した。
ハル「ヒクッ、、ヒクッ、、マンマー、、ヒクッ」
どうやらお腹が減っているようだ。
冷蔵庫の中を覗いたが、
すぐに食べれるような物はない。
もちろん料理なんてしたことないし、
作れるはずもない。
あれこれ荒らしまくって、
ようやく食器棚の中にカップラーメンを見つけた。
カップラーメンに湯を注いでハルの前に出した。
ハル「キャッ、キャッ」
少しはしゃいで飛び跳ねるハル。
やっぱり腹が減ってたようだ。
俺「さー食え。」
そう言うとハルはまた俺の手を掴んで、
箸をを掴ませた。
どうやら食わせろってことなんだろう。
俺
「はいはい。じゃあ食わしてやりますよ」
そう言ってラーメンをハルの口もとに持っていった。
ハル
「ぎゃあああー」
泣き出すハル。
熱かったみたいだ。
仕方なくふーふーして食わしてあげた。
ハル「んまー。んまー。」
人の苦労も知らず、無邪気に喜ぶハル。
俺「母ちゃん帰ってくるまでの辛抱か。。。」
独り言を言いながら、携帯でサリナに電話をした。
ずっと電源を切っているようだ。
俺
「くそが。どうせ男の家でも行ってんだろーが。
子供ほっぽらかしてんじゃねー」
まあ俺が良く言えたもんだって話しだけど。
ハル
「マンマー。マンマー。」
食べ終えたのにまただ。
俺
「はあ?今食ったろ? ふざけんな」
ハル
「マンマー。マンマー。。。うえーんっ」
また泣き出した。
仕方がないとりあえずなだめるか。
俺は抱きかかえて身体を揺らした。
どれくらい時間がたったろう。
ようやくハルは目を閉じて、
深い眠りについた。
疲れた。
非常に疲れた。
くそー。何で俺がこんな目に。
そう思いながら、
冷蔵庫からビールを取り出し、一気に飲み干した。
俺
「ぷはーっ、うんめー」
一息ついて家を見渡した。
出ていって半年になる。
あの時のまま何も変わらない部屋。
ハルとサリナが笑顔で写る写真が、
テレビの横に飾ってあった。
布団でスヤスヤ眠るハルの寝顔を見つめた。
少し成長した。
顔も前より大人になった。サリナに良く似てる。
そう言えばハルの声初めて聞いたな。
会話は出来ないけどな。
半年前は、って言っても殆ど家に帰ってないけど、
泣いてる声しか聞いたことなかったな。
それが、ハルと俺の最初の1日だった。
とりあえず父親何て俺には無理だと思った。
すぐにサリナは帰ってくるだろうし、
帰ってきたらまた出ていけばいい。
いっそのこと離婚しとくかなんて考えてた。
身体にどしっと強い衝撃と共に目が覚めた。
どうやらいつの間にか寝ていたみたいだ。
ハルが俺のお腹に跨がり笑顔で冷蔵庫を指差した。
ハル
「ちめたい。ちめたい」
俺
「ん?」
ハル
「ジューチュ。ジューチュ」
俺
「ジュース?はいはい」
冷蔵庫からカルピスを出してハルに飲ませた。
時計を見ると11時。
うわっ昼じゃん。
携帯を見ると着歴が3件に留守歴が一件。
どれも昨日かかってきた保育園からだ。
サリナに電話したが、やはり電源を切っている。
プルルルルッ。
不意の電話に驚いた。保育園からだ。
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