【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷


「はい?」
佐々木
「○○保育園の佐々木です。 あのーお母さんは?」

「あの、、、」
少し考えた。
帰ってきてないなんて言えるはずもなく。


「あの。突然なんですが、実家に帰省しました。
母親が入院したらしくて」
とりあえず嘘をつく俺。

佐々木
「そうですか?
お父さんは連絡ついてるんですね?良かったw
じゃあお父さんもハルちゃんも一緒に実家に?」


「いや、あの、妻だけ帰りました。」
佐々木
「そうなんですねw
ハルちゃんは今日はお休みですか?」

「いや、あの。。。」

急いで着替えさせ、
抱きかかえて家を出て走った。


「すいません」
佐々木
「いいえw 出来れば休むにしろ、
遅刻にしろ前もって連絡下さいねw」

「はい。」

結局保育園に連れてきたのだ。

佐々木
「お迎えは5時なので、ちゃんと迎えに来て下さいw」

俺「はい」
そう言って保育園を後にした。

ふざけんな。
冗談じゃない俺が迎えに行くわけねーだろ。
何が何でもサリナを見つけ出してやる。
そう考えながら、
まずはサリナの職場に連絡した。
地元のスーパーでレジのパートをしていると
保育園で聞いた。

どうやら職場にはいないみたいだ。
店長
「いや今日はお休みで朝電話がありましたよ。」

「次いつ来ます?」
店長
「さー。当分休むって連絡あったからねー。」
そう言われ知り合い何人かにも連絡を入れてみた。

サリナのキャバクラ時代のツレや、地元のツレ。
結局誰もサリナの近況すら知らなかった。

後はサリナの実家しかない。
でも、ここだけは連絡したくなかった。
だけど背に腹は変えられない。
仕方なく電話した。

サリナ母
「俺君? サリナ知らないわよ。 どうして?」

「連絡つかなくって困ってて」

サリナ母
「えー? あんた甲斐性なしだからよ。出てって当然。
ハルちゃんは? ハルちゃんはどうしてるの?
ハルちゃんはサリナと一緒なの?」

サリナの母親は当然のごとく俺を良く思っていない。
どうやら知らないようだ。
何か話しているようだが、途中で電話を切った。

ようやく理解した。
あいつはもう戻ってこないのだと。
しかし何て薄情なやつだ。
息子を捨てて消えるなんて。
俺がそんなこと
言えたもんじゃないことは重々承知だが。

結局ハルは俺が迎えに行った。
またアパートに帰り。
スーパーで買ったオムライスを食わせ寝かせた。

 

今日はあまり泣かなかったが、疲れた。
子育てって大変だなって、
たかが1日2日で思ったんだ。
世の中の主婦をすごく尊敬するよ。

全然会話も出来ない息子。
これからどうすればいいのだろう。
いきなり取り残され、いきなり父親になる。
本当に大丈夫なんだろうか?
ハルの寝顔を見た。
寝る前に少し泣いていたから、
涙の後が頬に残っている。

無理もない。
いつも一緒だった母親がいないんだ。
寂しいだろーな。

サリナがどんな気持ちで出ていったのか、
その時の俺は知る由もなかった。

そっとハルの体に布団を掛ける。
ハルが生まれてすぐ、
ハルは集中治療室に入った。
ミルクを飲まず、血便が出たからだ。
その弱々しい小さな体を見つめ。
石ころのような、小さな手を握り
俺「俺が守ってやるからな」

寝ているハルの手を優しく握り、
そう誓ったのを思い出した。

どうしようもないクズでバカげてるけど、
こんな情けない男でも父親なんだ。

ハルの寝顔があまりにも可愛いく思えた。
こいつには今俺しかいないんだ。
俺が守ってあげないと。

出来ないかもしれない。
いや出来ないじゃない。
やるしかないんだ。父親を。

俺にも父親がいた。
自慢できるような父親じゃなかったけど。
でも俺を育ててくれたんだよな。
今でもそんな父親の背中を覚えている。

その日から、俺とハルの二人三脚の生活が始まった。

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