【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

普通じゃない状況に焦る俺。

俺「ハル? どうした? 何かあったか?」

ハル
「パパ… パパ…シクシク」

ハルは明らかに混乱していた。
俺の問いに答えず、ただパパと連呼している。

俺は急いで服を着て家を飛び出した。
タクシーに乗り込みサリナのマンションへと急ぐ。

電話をずっと繋げていたけど途中で切れた。

いまいち状況がつかめないが、
不安が募る。
ハルは大丈夫か?
サリナは?
ただただ早く着いてくれと願う。

 

ようやくサリナの住むマンションに着くと、
俺は何度も呼び出しを押した。

ジュン
「はい」


「俺だ。 サリナとハルは?」

ジュン
「何時だと思ってるんです?
非常識ですよ。 二人はもう寝てます。
帰って下さい。」


ふざけんな。 ハルから電話があったんだ。
とりあえず会わせてくれ。」

途中で電源を切られた。

たまたまマンションから出てくる人がいた。
その隙にマンションに入り
急いで17Fへと向かう。

玄関の呼び出しを何度も押した。
ドアをこれでもかってくらい叩いた。

俺「サリナ? ハル?」

何度も名前を叫ぶ。
近所迷惑もいいとこだが、
俺の心境はそれどころじゃない。

ガチャッ

ジュン
「うるさいな。 いい加減にしろ。 警察呼ぶぞ。」
ジュンが玄関を開け、俺を睨みつけた。

俺はジュンを払いのけ中に入った。

ジュン
「おい。勝手に入るな。 不法侵入だぞ。」

ジュンが俺の肩を力強く掴む。
その手を振り払い中へと急ぐ。

俺「サリナ?」
サリナは台所でしゃがみこんでいた。


「どうした? 大丈夫か?」

サリナ
「俺くん… どうして…?」
下を向くサリナの肩を持つ。

ビクッと体を反応させ、
小刻みに震えるサリナ。
顔を上げたサリナの顔は、少し腫れてた。


「ハルがサリナの電話で電話してきた。
何があった? ハルは? ハルはどこだ」

サリナ「…」
顔を背けるサリナ。
俺はサリナを置いて子供部屋に入った。

ハル「シクシク…シクシク」

真っ暗な中、部屋の隅で
膝を抱えて丸くなっているハルを見つけた。


「ハル? ハル?」
俺はハルに歩み寄った。

ハル
「パパ… パパ… うえーん」

鼻水と涙で顔をぐしゃぐしゃにして
俺に抱きついてきた。
顔や腕にひっかき傷が。
パニックになって自分で引っ掻いたんだ。
そして少し震えている。

何があったのかすぐに理解した。
リビングの荒れようとハルとサリナの姿を見て。
ジュンが暴れたんだろう。
ハルの怯え方は尋常じゃなかった。


「大丈夫か? もう安心していいぞ。 パパが来たから」
頭に血が昇るのが分かった。

ハル
「パパ…えぐっ ぼくね…えぐっ
ママまもるのがんばったよ…えぐっ」

ハルは俺との約束を守ったんだ。
やりきれない気持ちと怒りがこみ上げてくる。
俺はハルを抱きかかえサリナの元に戻った。


「サリナ。 大丈夫か?」

サリナは震えながら、ゆっくり頷く。
優しく俺からハルを受け取ると泣き出した。

サリナ
「ハルごめんね…恐かったね…
恐い想いさせてごめんね…」

ジュン
「おい、おまえ。
勝手に入ってきやがって。 ふざけんなよ。」

ジュンが片手にゴルフクラブを握り、
俺に近づき胸ぐらを掴んできた。

酒臭い。 大分酒が入ってるようだ。

俺はジュンの腕を掴み服から手を外した。

 

ジュン
「手に触るな。汚れるだろーが。 この貧乏人」
そう言って俺に殴りかかってきた。

上からゴルフクラブが落ちてくる。
俺はそれを受けて踏ん張った。

反射的に俺の手が出出てしまった。
そのまま拳を顔面に強く打ち付けた。
後退りし後ろに尻餅をつくジュン。
鈍い感触。

ジュン
「いってー。 てめーふざけんな。 訴えるぞ。」


「俺の息子に何しやがった。」

怒りが頂点になり
俺はジュンに馬乗りになった。

ジュン
「そのクソ女が悪いんだ。」
俺「黙れ」

俺はジュンを殴ろうとした。
でも熱が冷めてしまったように
握り締めていた拳を下げた。
意外に冷静だったんだと思う。

ハルにこんな姿見せちゃいけないと思った。
それにもう人を傷つけないって決めてたんだ。
暴力で何も解決しないことは、
十分に分かっていたから。

俺はスッと立ち上がって
サリナとハルのそばに行った。

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