【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
カズエおばさん
「残り物しかないけどお食べ」
テーブルに、
大きなおにぎり2つとお味噌汁が置いてあった。
俺は黙って座りそれを口にした。
急に胸が締め付けられる。
俺
「うまい…」
カズエおばさん
「良かったw」
俺はおにぎりにガッツいた。
また泣いてしまったんだよ。
泣きながらおにぎりを頬張った。
口いっぱいに詰め込んで。
俺「おばふぁん…エグッ
あじがと(ありがとう)エグッ…」
カズエおばさんの優しさがすごく辛かった。
こんな俺なんかにここまでしてくれて、
すごく感謝したんだ。
人の優しさに感謝したのは初めてかもしれない。
そう言えばこの何日間、
殆ど何も口にしていなかったな。
だからかもしれないけど、
今まで食べたおにぎりで一番うまかったと思う。
今でも、忘れることはない。
俺って結構泣き虫なんだなw
そう思った。
カズエおばさんは、
黙ったまま笑顔で俺が食べているのを見てた。
次の日朝早く起きて、ヨシノさんに
何か手伝いすることがあれば何でもすると言った。
が、空気のように無視された。
俺は玄関前やら家の中を勝手に掃除した。
居候の身だし、
何もしないわけにもいかないしな。
目を覚ましたのか、ハルの泣き声が聞こえる。
保育園に連絡して、
理由は言わずに当分休むとだけ伝えた。
ハルはカズエおばさんが見てくれると言うので、
頼んで家を出た。
現場作業の面接があったからだ。
おばさんは落ち着くまでは家にいていいと言ったけど、
そう言うわけにもいかない。
これ以上迷惑をかけれなかったし、
何よりハルを育てる環境を少しでも良くしたかった。
早く住む家を探す必要があったけど、
まずは仕事が優先だと考えたんだ。
社長
「現場仕事は初めてか?
かなりきつい仕事だけど大丈夫か?」
建設会社の社長が、
履歴書をサッと目だけ通して机に置いた。
社長
「いいよ。うちで働いてみな」
俺
「えっ、大丈夫なんすか?
俺職歴も学歴もないっすよ」
社長
「ハハw うちはそんなの関係ねーよw
やる気があればそれで十分だw」
どうせ無理だと思っていたのに、
あっさり雇ってくれた。
住所不定で職歴のない俺をだ。
ちょっと拍子抜けする俺。
俺
「あ、あ、ありがとうございます。 頑張ります」
社長
「おう。いつから働ける? なんなら今から働くか?」
俺
「是非。お願いします。」
この社長、本当に優しかった。人当たりもいいし。
めちゃくちゃ嬉しかった。
久しぶりの労働で少し不安もあったけど。
でも頑張ろうって思ったんだ。
社長の古い作業服を借り、
トラックで作業現場まで連れて行ってもらった。
作業員みんなが集められ、簡単な紹介で作業が始まる。
重機で解体した廃材を指定の位置に置き仕分ける。
それを運んでトラックに積むと言う作業だ。
肉体労働は始めてで、
つってもまともに働くのも久しぶりなんだけど
とにかくきつかった。
体中汗でびっしょり、廃材を持つ腕が痺れる。
それでも一生懸命作業した。
みんな強面だったけど、優しく仕事を教えてくれた。
今まで働いていた職場とは全然雰囲気が違い驚いた。
みんな楽しそうに仕事してんだよな。
現場監督
「おい新人!休憩するぞー。」
そう言ってミネラルウォーターを渡された。
キンキンに冷えてる。
喉を潤わす為一気にそれを飲み干した。
めちゃくちゃうまかった。
体中に染み渡るのが分かる。
ちょっと前まで汗を流して働くことなんて
考えられなかった俺。
こんなに水がうまいと感じたことなんてあっただろうか?
建物の影に腰掛けると、
「兄ちゃん今日からやろ?」
初老のおじさんが関西弁で話しかけてきた。
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