【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
ハルは広い家が初めてだったので、
すごく挙動不審だったのを覚えている。
カズエ
「わざわざここまで会いにきてくれたの?
ありがとうね。 よくこの家が分かったねw」
カズエおばさんは俺が赤ちゃんの頃、
よくオムツを変えてあげたと言っていた。
子供の頃の俺や親父の話しを嬉しそうに語ってくれた。
カズエ
「ところでいったいまた、どうしたの急に?」
本題はここからだ、
今どうしても寝泊まりするところが欲しかった。
ハルをずっと外で寝かすなんて出来ない。
迷惑は重々承知だけど、
仕事と住む場所が決まるまで
どうにか居候さしてもらえないかと頼んだ。
勿論今日までの経緯を話してだ。
カズエ
「そうか、うんうんそれは大変だったね。
いいのよ。おばちゃんに甘えなさい。」
目を真っ赤にし、
俺の話しを納得した上で優しく応えてくれた。
少しホッとした。
膝の上に座らせていたハルは、
どうやらオネムのようだ。
コクリとコクリと眠りに入ろうとしている。
おばさん
「ちょっとお母さんいい?」
リビングの扉を少し開けて手招きする娘。
それに気づいて
カズエおばさんがリビングから出ていった。
俺は出されたお茶を一気に飲み干した。
おばさん
「お母さんどう言うことですか?
あの子達を泊めるなんて勝手に決めないで下さい。
うちには受験を控えた娘がいるんですよ。」
隣の部屋から会話がまる聞こえだ。
カズエおばさん
「せっかく頼って来てくれたんだよ。」
おばさん
「駄目に決まってるでしょ。
どこの誰かも分からないのに。」
カズエおばさん
「他人じゃないの。 ヒロシ(息子さん)には
私からちゃんと話しておくから。」
おばさん
「私には他人です。私は反対ですから。」
激しく言い合いをしているようだ。
俺は眠っているハルを抱きかかえ、
黙っておばさんの家を後にした。
そりゃそうだよな。無理もない。
いきなり見ず知らずの人間がきて泊めてくれなんて。
他人にそんな優しくする義理なんてないよ。
それに俺のせいで、
カズエおばさんに迷惑をかけるわけにはいかないしな。
何故か悲しい気持ちや辛い気持ちにならなかった。
だってさ、久しぶりに会ってハルを見て、
あんなにも喜んでくれたんだ。
それだけで十分じゃないか?
夕焼け空が真っ赤に染まる。
ハルをおぶった自分の影お見ながら、
二時間かけてきた元の道をゆっくり帰った。
また結局この公園に戻っててしまった。
途中コンビニでおにぎりを一個買って、
それをハルに食べさせた。
ハルも大分疲れていたみたいだ。
すぐに眠ってしまった。
財布の中身を見て憂鬱になる。
本当の無一文だ。
下を向き目を閉じて、
明日からどうするかを考えた。
ハルは保育園に連れていけばいいだろう。
給食とおやつが出るからな。
とりあえず日雇いで働ければ、
温かいお風呂にも入れてやれる。
お腹一杯ご飯だって食べさせてやれるんだ。
そんなことを考えながらウトウトしていた。
「俺くん? 俺くんだね?」
急に目の前が眩しくなる。
懐中電灯で照らされているんだ。
そこには眼鏡をかけた、
中年のおじさんが立っていた。
おじさん
「母さんからこの辺りの公園だって聞いたんだ。
だいぶ探したよ。
こんな所で寝たら駄目だ。小さい子供がいるんだから。
とりあえずうちにおいで」
すぐにカズエおばさんの息子の
ヒロシおじさんだと分かった。
俺「いや、でも…」
おじさん
「いいからおいで。母さんも心配して待ってるんだよ」
俺
「すんません。迷惑かけます…」
俺とハルを車に乗せてくれ、
家まで連れて行ってくれた。
途中車の中で、
妻のことは気にするな。
娘が受験前で気がったっているんだ。と
わざわざ気を使ってくれた。
おばさんの家につくともう深夜1時前だった。
カズエおばさん
「追い返したりしてごめんね。本当にごめんね。」
と泣きながら謝るおばさんに、
申し訳ないことをしたと思った。
ヨシノおばさん(カズエおばさんの娘)に
「お世話になります」とだけ言ったけどシカトされた。
心良く思っていないのは分かっていたことだ。
久しぶりの温かい風呂に、
ハルは大はしゃぎだった。
新しい布団が気持ち良かったんだろう。
すぐにハルは眠ってしまった。
ヒロシおじさんが、
また明日ゆっくり話そうと言って
二階の寝室に上がっていった。
俺が眠りにつこうとすると、
カズエおばさんにリビングに来るように言われた。
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