【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

おじさん
「兄ちゃん若いのにw
何でこんな仕事しようと思ったん?
さてはわけありやな?w」
ぶっきらぼうな人だ。

俺「まー、はい。」

山下(おじさん)さんは、
初対面の俺に色々話てくれた。
俺も昔は社長だった。
だけど倒産して借金かかえて、妻と子供に逃げられたと。

山下
「それでもこうやって何とか生きてけてんねんw
オレももうすぐ60やけど、人生やり直しは聞くw
兄ちゃん若いねんからなおさらや。
どんなわけありでも頑張りやw
生きてたらそのうちいいことあるからなw」

笑いながら話している山下さんに何故か好感を持てた。

 

あっというまに時間は過ぎ、今日の作業が終了した。
疲れた。でも仕事見つかってよかった。
きついけど作業場の人達は良い人そうだし
なんとかやっていけそうだ。

社長から日当を日払いで手渡された。
茶封筒には6000円入っていた。
途中から働かせてもらったのにな。
思わず「こんなにいいんすか?」って言ってしまったよ。

帰宅までの道のり、
疲れているのにいつもより足取りが軽かった。
真っ暗だった道筋に少し光が差したような気分だ。

おばさん家に着くなり、
ハル
「キャハッw あーーーうw」
ハルが大喜びで駆け寄ってきた。

俺は高い高いして、
俺「ただいまw」
て言うと
ハル「たらいまーw」
って満面の笑みで返してきた。

すごく癒されるな。
ハルの笑顔で1日の疲れもぶっ飛ぶ。
明日も頑張ろうって気持ちになった。

カズエおばさん
「ハルちゃん、ずっと泣いてたのよー。
キョロキョロして俺ちゃんのこと
ずっと探してたんだと思うわ。
パパ帰ってきて嬉しいねw」


「すいません。迷惑かけました。
面接ですぐ働けるか?って言われたんすよ。」

カズエおばさん
「そうよかった。仕事決まって本当に良かったねw」

ヒロシおじさんに呼ばれて、
一緒にご飯を食べさせてもらった。

これからのことをどうするか話した。
俺は早く住む家を探すとだけ言った。


「あのこれ。」

俺は今日の日当分6000円の
茶封筒テーブルに置いた。


「本当に少ないっすけど。
とりあえず当面の食費や、迷惑かける分。
また少しでもお金が貯まったら渡します。」

本当は酒や煙草、
ハルのお菓子なんかを買ってあげたかった。
でも今はっきりしてるのは、
この人達に迷惑かけてることだけだ。

カズエおばさん
「何よこれ? そんなの受け取れないわよ。
ハルちゃんのために使ってあげなさい」

ヒロシおじさん
「分かった。 これは受け取る。」
そう言ってお金をポケットにしまった。

ヒロシおじさんは、
ちゃんと俺の気持ちを汲み取ってくれたんだ。

 

それから数日が経ち、
俺はなんとか現場仕事を続けてた。
あのクズな俺がだ。
何よりハルの存在が大きかったと思う。
どんなにきつい現場作業も
ハルのことを想い出せば頑張れたんだ。

俺自身、自分の変化に気づきはじめてきた。
ハルが成長するように、
俺も少しずつ成長しているのかもしれないって。

そんな時だった。

その日は大雨で仕事が中止になり、
昼過ぎに帰えることになった。

帰宅すると、
ハル「ギャーーッ!」
リビングからハルの泣き声が聞こえる。

あちゃーまた俺のこと探して泣いてんのか?
なんて思いながら上がりこんだ。
それと同時に、
「うるさーい。黙れー!」
と大きな怒鳴り声が聞こえた。

リビングを開けると、
ハルが泣きながら座りこみ。
ヨシノおばさんが目の前に立っていた。


「何してんすか?」
俺はヨシノおばさんを睨みつけて、
ハルを抱きかかえた。


「どうした? 何で泣いてる? カズエおばさんは?」
一瞬テンパってハルに質問攻めしてしまった。

ハルは俺にしがみついて、
ハル
「パッパー、エグッ。パッパー、ヒック。エーーン」
大泣きしている。

最初は虐待でもされているのかと思ったけど、
そうではなかった。

ヨシノおばさん
「この子がサキ(ヨシノの娘)の
教科書に悪戯したの。 これ見なさいよ。」
ヨシノおばさんがビリビリに破けた、
哀れな姿になった教科書を見せてきた。

俺はハルを立たせて、
「本当か? お前がやったのか?」
強い口調で問いただした。

俺の言葉なんて理解できてるわけないけど、
せっかく居候させてもらっているのに
何てことしてくれたんだって思った。


「駄目だろ?こんなことしてどうすんだ!
迷惑かけんなバカヤロー!」
カッとなって怒りのまま俺はハルを叱った。

ハル
「あーーっ! ギギギギーっ! いやーーー!」
ハルは泣きながら俺に怒った。
きっと俺が怒っているのを見てテンパったんだろう。


「あの、本当にすいません。
教科書は弁償しますから。 本当すいません」

ヨシノおばさん
「当たり前でしょ。
それに夜この子の泣き声うるさいのよ。
サキは受験生なの。
ちょっとは気をつかいなさいよ。
もぅまったく」

俺はただただ謝るしかなかった。

カズエおばさんは体
の調子が悪いみたいで横になっていたらしい。

カズエおばさん
「ちょっとだけ一人で遊んでもらってたの。
俺ちゃんごめんなさいねー」


「俺の方こそいつもハルを見てもらってすいません。」

ハルは呑気に、
買って帰った好物のラムネを食べていた。
ハル
「ラムネーw。ラムネーw」
機嫌よくしている姿を見て少しイライラした。

本当は分かってるんだ。
この子は何も分からないし知らない。
ただ遊んでいただけなんだよ。きっと。
でも今のこの状況で俺は、
お前を叱ることしかできないんだ。

 

カズエおばさんは70過ぎて体調も良くない。
このまま見ててもらって良いものか。
またあんな悪戯をしたらどうしよ?
保育園とは違うんだから。
ハルがしたことは全て俺の責任になるんだ。
やっぱりすぐにでも家を探すべきか。

そう思いながらハルの寝顔を見つめた。
俺はグッタリして眠りについた。

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