【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
舞さんは、屋上を後にした。
残された僕は、舞さんの言葉に少し照れながらも、屋上から街を見下ろす。そして、手に持っていた缶コーヒーを一気に飲み干した。
少しだけ苦い。だけど、口の中には、とてもいい香りが広がっていた。
会社を後にした僕だったが、結局肝心の用件は終わっていなかった。
何しろしずかちゃんは不在だったわけだし。
出張からいつ帰るかも聞き忘れてしまっていた僕は、ただしずかちゃんからの返信を待つことにした。
ケータイを開けば、否が応でも気が付くだろう。
とぼとぼ歩いて家に帰っていたが、ふと、ケータイの着信がけたたましく鳴り始めた。
取り出して見てみれば、パネルには“花賀咲子”の名前が。
(なんだろ……)
気になった僕は、とりあえず電話に出ることにした。
「もしもし」
『もしもしのび太くん?今、電話大丈夫?』
「うん。大丈夫だけど……どうしたの?」
『ええとね……その……』
電話の向こうで、咲子さんは煮え切らない口調で何かを言おうとしていた。
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