【あれは悪夢の・・】墓参りをした日から毎日、亡くなった母が現れるようになった。母を無視し続けた結果・・・
さすがに理由が理由だったが、命が助かって良かった。神様に感謝しろ。
と上司に言われただけで首にならずに済んだ。
あの事故の日からもう母の姿を見ることはなくなったが、
お盆の間中毎日感謝の気持ちを込めて墓参りをし、
お盆がすぎても1月に一度は必ず母に会いに墓参りに行くようにした。
墜落事故から2ヶ月たった頃、私はいつものように通勤電車の中で揺られていた。
「いてはりまへんな、お母さん」
横を見ると、あの日の坊さんがあの時と変わらない優しい笑顔で座っていた。
「あの時お母さん、おたくさんになんや詫びてはった…」
私「いや…」
私は坊さんの言葉を制した。
私「母は私にとって世界一の母です」
私「謝る必要なんて何もない」
私「私は母の子で本当によかったと思っていますよ」
「ほぅ、そらぁ、けっこうなことどんなぁ」
坊さんはさらに一層微笑みながらそう言った。
あの時、母の警告を無視していたら、私は死んでいたのだろうか。
生存者4名━━。
やはりこの4名の中に入ることは、きっと不可能だったに違いない。
引用元:http://kaidan-banashi.com/archives/626