【幻の最終回】クレヨンしんちゃん作者事故死から7年…誰も知らない22年後の物語に涙が止まらない
217 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/17(日)12:45:07 ID:YP08PXyyO
「――いやぁ!参っちゃった!」
「まったく……ケータイ忘れてた時に車に跳ねられるなんて……おかげで、警察官もお前が誰なのか分からなくて苦労したみたいだぞ?会社だって閉まってるし……」
「いやぁ、面目ない……」
「まあ、命が無事だっただけマシだよ」
「うん。そうだね」
ひまわりは、帰る途中に事故に遭ってた。
普段あまりものを持ち歩かない性分が災いし、確認に時間がかかってたとか。
とにかく、命が無事なら、今はそれでいい。
――ただ……
218 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/17(日)12:45:55 ID:YP08PXyyO
「……足は、どうだ?」
「……うん。感覚、ないんだ。たぶん、もう歩けないって……」
「そう、か……」
ひまわりは、歩けなくなっていた。
腰を、強く打ったらしい。
外見上では、彼女は悲観してはいないようだ。
母ちゃん譲りの明るさのおかげだろうか。
それでも、心の内は分からない。
「……あ、そろそろ検診の時間だよ」
「……分かった。後でまた来るよ」
「うん。……お兄ちゃん、ごめんね」
「なんでお前が謝るんだよ。生きてるだけで、本当に良かったよ」
「うん……」
そして、オラは病室を出る。
その直後、病室から、こもった声が聞こえてきた。
「……ひぐっ……ひぐっ……」
「………」
その声に、心は激しく痛む。
でもこれからは、オラがもっと支えないといけない。
そう決心し、ひまわりの声が漏れる病室を後にした。
223 :◆YAe/qNQv0cvW:2014/08/17(日)13:11:16 ID:YP08PXyyO
ひまわりは、しばらく入院することになった。
その間、オラは家の整理をすることにした。
あいちゃんに、事情を説明ししばらく休みを取ることを告げた。
快く了承してくれたことに、本当に感謝してる。
おそらく、これから車椅子が主体となる。
ほんの少しの段差が、彼女にとって大きな障害だろう。
段差という段差に、片っ端からスロープをつける。
問題は、台所と洗面所、浴室だろう。
こればかりは、改築しないと無理だろう。
困り果てていた、その時――
「――ごめんください」
突然、誰かが訪ねてきた。
「はーい……って、あいちゃん?」
「ごきげんよう、しんのすけさん」
そこには、あいちゃんがいた。
「どうしたの、こんなところに……」
するとあいちゃんは、ニコリと笑みを浮かべた。
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