【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
先生
「お仕事中すいません。 支援級の山下です。
今日クラスのお友達が…」
俺は仕事を早上がりし、急いで学校にむかった。
職員室に着くなり、
支援級の先生が俺に話しかけてきた。
山下先生
「お忙しい中すいません。
今ハルちゃん、別室で担任の先生とお話中なんです。」
俺が呼び出された理由。
体育の授業があると言うことで、
休み時間にみんなで移動していたそうだ。
その途中、階段から同じクラスの生徒を、
ハルが突き飛ばしたと言うんだ。
被害を受けた生徒の男の子は頭を打ったそうだが、
大きな怪我はしていない。
大事をとって病院に行ったらしいのだが。
まさかと思った。
ハルが誰かに危害を加えるなんて。。。
今までそんな事なかった。
ハルはそんな攻撃的な性格じゃないんだ。
俺はハルのいる別室に入った。
担任
「ハル君、黙ってても先生分からないの。
何で突き飛ばしたりなんかしたの?
先生に教えてちょうだい。」
きつい口調でハルに問いかける担任。
ハルはボーっと担任の口元だけ見ている。
無表情で。
俺
「先生すんません。」
それを見てすぐにハルの元に詰め寄った。
担任
「ハル君。 パニックになって興奮してたんですが、
ようやく落ち着きました。
クラスの友達の大(ダイ)くんを
階段の上から押したそうなんですが、
どうしてそんなことしたのか聞いても答えてくれなくて。」
俺
「押したそうなんですがって?
先生はそばにおられなかったんですか?」
担任
「えー。体育の移動は生徒のみでしますので。」
俺
「じゃあ何でハルがやったって言うんです?
見たわけでもないのに。」
俺はムッとした感じで話す。
担任
「他の生徒が、ハル君が押したと言ってます。
押された本人もハル君に急に押されたと言ってました。」
ただの決めつけだ。
ベテラン教師だか知らないがふざけんな。
俺
「ハル? どうした?
友達が階段から落ちたんだって? それ見てたか?」
ハルに優しく問い掛けた。
ハルは黙って首を振る。
目には大粒の涙を浮かべていた。
大分泣いたんだろう、頬に涙の後が残っていた。
恐かっただろう。
ずっと質問攻めされてたのかもしれない。
一人でよく頑張った。
俺はハルの頭を撫でた。
「父親が息子を信じないでどうする」
あの日の親父の言葉が蘇る。
俺
「ハルは階段から
友達を突き飛ばしたりなんかしてません。
ハルがそんなことするわけありません。」
俺は歯を食いしばって言った。
担任
「でも子供達が見てたんですよ。
それに何故ハル君は否定しないんですか?
私に何も答えてくれないんですよ」
担任が俺を見る目。
それが全てを物語っている。
俺
「あんたそれでも教師か?
あんたみたいな先生だから何も答えないんだよ。」
大声で怒鳴った。
今にも掴み掛かりそうだったが、
ハルがビックリした顔をしたので、
自分を落ち着かせた。
俺
「それでどうしたいんすか?」
冷静を装う。
担任
「あの…ちゃんと大ちゃんにも
御両親にも謝って頂ければ…」
その言葉で怒りが頂点に。
俺
「ハルには謝る理由ないでしょ。
もっとちゃんと調べて下さい。
万が一ハルがやったなら、
俺が土下座して謝りますんで。」
再び怒り出す俺。
担任
「万が一と言われましても…」
その声に心配してか、
山下先生と教頭が部屋に入ってきた。
半ば無理矢理話を遮られ、
とりあえず後日話し合いの場を設けると言われた。
悔しくて仕方なかった。
ハルはきちんと答えられない。
パニックになってしまって、
ただその場にいるのが不安だったんだから。
それを良いことにハルを犯人扱い。
ハルがまわりと違うからなのか?
ハルが自閉症だからなのか?
そうとでも言いたいよな表情でハルを見ていた。
俺を見ていた。
悔しかった。
本当に。
帰り道。
手を握り、ハルの歩幅に合わせてゆっくりと歩いた。
ハル
「パパー帰ろうねw
今日ねカメさんにエサあげたの。
カメさん食べてくれたよw いっぱいいっぱい」
無邪気なハル。
さっきのことは忘れたのか、
俺に気を使ってるのかは分からない。
それでも悔しくて涙が出た。
ハルのその時の気持ちを考えると、
胸が締めつけられた。
ただのリンチじゃないか。
ハルは悪くない。 ハルは嘘をつかない。
そんな子じゃないんだ。
悪い事とか、いけない事の区別が
まだ分からないかもしれない。
それでも俺はハルを信じる。
先生にあんな事言ったけど後悔なんてしてないんだ。
あの時の親父の気持ちが
今はすごく分かるような気がする。
そして3日後。
緊急で保護者会が開かれることになった。
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