【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
小学校は保育園とは違う。
四六時中先生がそばにいるわけじゃない。
危険な場所もたくさんあるんだ。
もしハルが通常の小学校に通うことを考えると、
気が気でなくなる。
俺の中では、
特別支援学校にするべきだ。と答えが出ていた。
必ず一人担当の先生もいる。
送り迎えだってバスできちんとしてくれるんだ。
そばにいれない間は、
やはり安心できる場所にハルを預けたい。
そう考えていた。
佐々木先生には自分の気持ちを正直に伝えた。
佐々木先生
「ハルちゃんはこれから成長していくにあたって、
たくさん壁にぶつかると思うんです。
それを支えるのがお父さんであって、
私たちまわりにいる大人なんだと思います。」
俺「はい」
佐々木先生
「環境が変われば、誰だって不安になるもんですよ。
それでも自立するために、
みんな挑戦していくんですよねw」
ニッコリ笑う佐々木先生。
佐々木先生
「ハルちゃんにとって、
今成長の過程で一番大事な時期なのかもしれませんね!
ハルちゃんのやる気を見守ってあげるのも
親の役目ですよ。」
俺
「でも、俺の知らない所で
ハルが傷ついたりするかもって思うと…」
佐々木先生
「ハルちゃんなら頑張れる。そう信じてみませんか?
生意気言ってすいませんw」
少し気が楽になった。
俺自身がハルは他の子達と違うって
区別していた部分が大きかった。
それは親として一番駄目なことなんだと
気づいたような気がする。
もっとハルを信じて、
成長を応援していかなければいけないな。
馬鹿みたいに悩んで本当に情けないよ。
育児サークルや発達障害の支援セミナーの人達からも、
ハルにとって通常の小学校に通わすのは
プラスだと後押しされ。
小学校の校長からも、
様子を見ながら支援級での学習も取り入れると言われ
進学を決めることにした。
親とは不思議なものだ。
自分の事以上に子供の将来を考えてしまう。
そしてハルは、
通常の小学校へと進学することになった。
俺もこの時、新しい挑戦をすることにしたんだ。
会社の社長から
何度も正社員にならないかと言われてた。
それでも保育園の迎えなどの時間や、
少しでもハルとの時間を作りたかったこともあり、
ずっと断ってきたんだ。
会社に迷惑かかるからな。
社長
「そうか? 残念だな。
一番期待してた若手だったのに。」
俺
「すんません。
俺なりに色々考えまして、
そろそろ自分の将来も
しっかり見つけようと思います。
本当にお世話になりました。
社長には助けてもらってばっかりで。
この御恩一生忘れません」
俺はお世話になった会社を辞めることにした。
それは自分のため、ハルのため。
ハルは新しいことに挑戦する。
それは勇気がいることだ。
俺がいつまでもアルバイトしてるんじゃ駄目だ。
そう思った。
社長
「そうか。そうか。頑張れよ。いつでも戻ってこい。
お前は息子同然なんだからな。」
社長は泣いて見送ってくれた。
本当にいい人だよ。
本当に助けてもらった。
家も無く路頭に迷ってる俺を拾ってくれたんだ。
本当に子供のように可愛がってくれた。
いろんなことを教えてくれた。
感謝してもしきれない。
俺とハルは新しい1DKのマンションに引っ越した。
新規一転新しい生活が始まる。
俺はすぐ仕事が決まった。
成長したよ。
昔は何十回も面接を受けて、
何一つ採用されなかったのにな。
前からずっとやってみたいと思ってた仕事だ。
堅物だけど男気のある親方のいる工務店。
見習いから修行することになったけど、
将来大工になりたいと思った。
昔から工作が好きだったんだ。
いつか一人前になって
ハルのために家を建ててやりたい。
庭にはブランコ。
ハルの部屋には俺の作った玩具や子供用の家具。
夢が膨らむ。
俺は幸せな理想の親子を想像した。
それだけで頑張れるんだ。
入学式。
大きなランドセルに制服。
ピカピカの一年生。
ハル
「一年生の、松井ハルでしゅ」
家の中で何度も自己紹介の練習をするハル。
なんだか大人になったみたいで、
少し誇らしい気持ちになった。
卒園式では佐々木先生とお別れってことで、
先生のそばから1時間も離れず困らせてたのにな。
随分泣いて大変だった。
そして夏が過ぎ秋が過ぎた。
色々大変だけどハルは毎日が楽しいみたいで、
小学校に通わせて良かったのかもと少し安心していた。
ハルが2年生になったある日、
仕事中に学校から電話がかかってきた。
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