【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
ハルは女子から人気があった。
それをよく思わない子もいる。
ましてやハルは同級生との会話が得意じゃない。
一方通行になってしまい、うまく付き合えない。
ある日授業中に
ハルがお漏らしをしたのが切っ掛けで
いじめに火種がついたようだ。
この間の大君との件もあり、
薄々は気づいていたとはいえ。
そうあってほしくないと
自分に言い聞かせてた部分があったのかもしれない。
ハルは毎朝元気に登校している。
もしかして俺に気づかせないように
振る舞ってたのかもしれない。
そう思うとすごく辛い。
ハルが雨でもないのに、
体操着を濡らしてきた日があった。
靴が片一方学校でなくなったり。
ハルはたまに物をなくしたりすることがあったので、
深く聞かないようにしてた。
ちゃんとその信号にすぐ気づかなかった
自分が本当にバカで情けない。
ハルが辛い想いをしてるんじゃないかと、
夜も眠れず泣いたのを覚えてる。
本当にこんな時親って無力だよな。
学校に乗り込んで暴れたっていいんだけど、
そんなことすれば余計ハルの居場所がなくなる。
いじめてる側を叱ればいいのか?
その親に抗議すればいいのか?
担任に文句をつければいいのか?
どれもハルにとってはマイナスにしかならない。
結局向き合って話せるのは自分の息子とだけなんだ。
俺
「ハル学校で辛いことないか?」
ハル
「うん。つらくないよ。 たのしいもん」
俺
「学校でハルが辛い想いしてるの。
パパ知らなかったらすごく辛いよ。」
ハル
「パパつらいの? ごめんなさい」
俺
「ハルが謝らなくていいんだよ。
ハルは学校でいじめられたりしてないか?」
ハル
「パパ。 ぼくみんなすきだよ。」
俺
「いじめる子も?」
ハル
「うんw みんなもぼくすきになるの。ぼくがんばるの」
その言葉で
ハルが想像以上に大人になったことを痛感した。
俺が考えてた以上に
ハルは強くたくましく成長してるんだ。
ハルは自分の力で
いろんなことが出来るようになった。
今もそうなんだろう。
こんな時、
親はただ見ているだけなのかもしれないな。
唯一出来ることと言えば、
子供が望んだ時に
いつでも手をさしのべてあげることだけなんだ。
後は信じるだけ。
それは理想であって、難しいことかもしれないけど。
俺
「ハルなら大丈夫。
みんな好きになってくれるよ」
ハル
「ぼくがんばるのw」
俺
「でも、辛い時は必ずパパに相談するんだぞ。
いつでもパパはハルの味方だからな。」
ハル「うんw」
俺がガキの頃
果たしてこんな気持ちになれただろうか。
そんなわけない。
ハルが自分より大人な事に少し嫉妬してしまうくらいに、
ハルには本当に教えられることが多いんだと感じた。
ハルが3年生になった。
本が好きで毎日本読みの練習をしてる。
ハル
「パパ。きょうね。ぼくね。
さか(笠)じぞうさんはじめて読んだよw
おじいさんはね。
おじぞうさんゆき冷たいから、さか(笠)かけるの…
∽∝∂くぁwせdrftgyふじこlp…」
俺
「そっかw かさじぞう?
ハルもおじいさんみたいに、
親切で思いやりのある人間になるんだよ。」
会話中興奮すると、
たまにわけのわからないことを言うけど
それもハルの個性だ。
俺
「明日参観日だけどかさじぞうを授業でやるの?」
ハル
「パパくる?」
俺
「参観日?」
ハル
「お仕事おやすみしなくていーよ」
俺
「大丈夫だよw パパ、ハルが頑張ってる姿みたいし」
ハル
「いーの!!」
拗ねて嫌がるハル。
俺
「わかったよw じゃぁいかないよ」
晩ご飯中。
車のおもちゃで遊ぶハル。
俺
「ハル?ご飯中は遊ばない約束だろ?」
ハル
「いーの」
ご飯に集中してない。
こう言う時のハルは何か不安がある時だ。
俺
「明日パパ本当に参観日行かないよ。
本当にいいのか?」
ハル
「いーの」
ハルなりに俺に気を使ってるんだなと、
その時は気楽に考えてた。
それでも親バカな俺は、コッソリ参観日に行く。
当日。
ハルにバレないよう、
教室に入らず入り口の外でスタンバイ。
授業が始まるとハルはソワソワしていた。
まわりをキョロキョロ、
俺がいないか確認してるんだろう。
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