【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
だからなんなんだって話しだけど。
何が伝えたかったのかよく分からないけど。
それでもそれを言葉にすることが精一杯だった。
大父
「な、なんなんだあんた?
お、親なら謝るのが筋ってもんだろ。
あんたの息子が悪いだからな」
俺
「自分が謝ってすむなら… いくらでも謝ります…
だから… 息子を悪者にしないで下さい…」
最後に深く頭をさげた。
涙が止まらない。
悔しいとかそんなんじゃない。
学校でハルが、まわりの生徒に
同じような言葉を浴びせられてたらと思うと
辛くて仕方なかった。
鼻を啜る音が聞こえる。
山下先生は目を真っ赤にし、
ハンカチで涙を拭き取っていた。
「あのー、本当に松井さんの息子さんが
突き落としたんでしょうか?」
全員の視線が声の方へと向いた。
みくちゃんて子のお母さんだ。
みく母
「うちの娘はハル君は窓に指で絵を書いてたって…
すいません娘は大君が
階段から落ちた所を見たわけじゃないんです」
それに続くように
「私の娘もハル君じゃないと思うと言ってました…」
教室内がざわつく。
教頭
「あ、あの皆さん落ち着いて下さい。」
「おい、どう言うことだよ」
「ちゃんと確かめもしないで何やってんだ」
矛先が教師へと向く。
担任
「私は生徒達にはちゃんと現場での話しを聞きました。
数名の男子生徒はちゃんと見たって…」
自信のない言葉にまわりは余計ざわついた。
教頭
「皆さん静粛にお願いします。
今日はここまでにして、
後日説明をさせてもらうと言うことで」
「ふざけるな」
「わざわざ来て何なんだ」
「だいたい学校の責任じゃないですか?」
口々に不満が出る状況に陥った。
俺はそれをただただ傍観しているだけだった。
結局話はまとまらず、
また連絡すると言うことで終わった。
少し肩が軽くなった。
ハルが突き落としたわけじゃないんだ。
誤解が解けただけでも良かった。
週明け午前中に学校に顔を出してほしいと、
山下先生から連絡があった。
校長
「松井さん、先日は本当に申し訳ありませんでした。」
山下先生に校長室へと通された。
俺「いえ…」
校長
「他の保護者の方にはすでに連絡済みです。
今回我々が至らなかったばかりに
大事になり本当に申し訳ありません。
大君は他の生徒とじゃれあって
階段から落ちたそうです。
たまたま近くにいたハル君のせいにしてしまったと、
大君や大君の友達が正直に言ってくれました。」
俺「そうですか…」
校長
「今回の件生徒達にも担任、教頭を含め
改めて指導をしていくつもりです。
本当に申し訳ありません。
またもう一度保護者会を開いて説明…」
俺は校長の会話を遮るように、
俺
「あの… あの、俺は別にもういいです。
犯人探しをしてたわけじゃないんで。
誤解が解けたならそれで十分です…
ただ、 ハルは… ハルはその時、
まわりの生徒や先生に責められて傷ついたと思います…
それを今更どうすることも出来ないですが…
ただ障害だからと、
ハルがまわりと違うからと言って
区別しないでほしいんです。」
俺はハルを普通の小学校に通わせた。
それでも俺は間違っていたとは思ってない。
ハルは本当に努力をしてる。
まわりの生徒達に遅れをとらないようにするためにも。
ハルはただ普通に友達を作って
まわりと同じように小学生活をおくりたいだけなんだ。
俺
「保護者の皆さん全員が親なわけで…
自分の子供が可愛くて守りたいと想う気持ちは
あたりまえなんです…
だから今回のことはもういいんです。
ハルには自分から説明します。」
それだけ言って校長室を出た。
結局何もスッキリしなかった。
こんなことで何も解決しない。
保護者会での出来事。
そして今日の校長との会話が全てを物語ってる。
責任のなすりつけ合いをする教師。
人をののしり罵倒する大人達が
本当に子供の事を考えているのか。
俺も含め、ちゃんと子供の声を聞けているのか。
疑問を抱く。
責め立てられたハルも。階段から落ちた大君も。
それを取り巻く生徒達もみんな。
誰一人として得をしないじゃないか。
犯人探しなんて必要ない。
子供達が安心できる環境を作るために、
親達が話し合う方が先なんじゃないのか。
心の中でモヤッとしたものだけが残った。
俺自身本当に
ハルの気持ちを分かってるわけじゃないんだ。
ただ自分が親だと言うだけで、
それに酔っているだけなのかもしれない。
俺がもし大君の親の立場だったら?
第三者の親の立場だったら?
それぞれの立場になって
よく考えてみないといけない。
今回よく分かった。
もっともっとハルと会話しよ。
ハルが何を求めて、日頃何を考えているのか。
もっと理解する必要がある。
そう教えられたような気がするんだ。
その頃ハルがいじめに遭っていることを、
マイちゃんから教えられた。
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