【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

だけど交渉虚しく、
解約にサインさせられ追い出されるはめになった。

手持ちは600円。
ハルの着替えを入れたリュックに、
サリナとハルの写真。
後は全て家賃滞納分にあてると言うことで
置いていくことに。

悲惨だ。
父親になると決めたのにこんな事になるなんて。
あー笑ってやってほしい。
まさかのホームレス状態。家なき親子だ。
救いようのないとはこのことだ。

いつもの時間に保育園にはハルを連れて行った。


「今日もハルをよろしくお願いします」
覇気のない声でお願いした。
重い足取りで園を出ようとした。

佐々木
「ハルちゃんのお父さん大丈夫ですか?」
振り返ると佐々木先生が園内を掃除していた。


「はぁ…まあ」
佐々木
「今日は元気ないですね?
お母さんとはまだ連絡とれませんか?」

「はい…」
まあ元気はいつもないんだが。

やっぱこう言う仕事してる人って、
異変とかすぐ気付くんだな。

佐々木
「元気だしてくださいw
ハルちゃんにはお父さんしかいないんですよ。
元気ない姿って子供はすぐ気付くから。
特にこれからが成長期です。
お父さんの背中はちゃんと子供は見てますよ。
何か悩み事があるなら相談して下さいw
お父さんの悩みはハルちゃんの悩みですよ。」


「はい…」

先生には家を追い出されたことを相談するか悩んだ。
だけど他人にこんな話しされるなんて
あまりにも気の毒だ。

黙って園を出て公園のベンチに腰を下ろした。

俺「はあー」
ため息しか出てこない。
仕事を探すのに困難しているのに、
住むところまで探さなきゃならない。
絶望的だ。

住み込みのバイトなんかも探しては見た。
でも子供連れじゃあ話しにならんだろ。

時間だけが刻一刻と過ぎていく。
直ぐにハルの迎えの時間はやってきた。

ハルの手を引っ張りただただ街を徘徊する。

そうだ、クラブでナンパした女の家に泊めてもらおう。
1日くらい大丈夫だろ。
そんな軽い気持ちで向かってはみたものの…


「はあ? 無理無理。 あんた子持ちなの?最低。」

「頼むよ。 1日でいいからさ」

「いやよ」

「誰か来たのかー?」
部屋の中から男の声がした。


「分かったでしょ? さっさとどっか行ってよ」

そんな感じで追い返されたんだ。

まあこんなのあてにした俺がバカなんだけど。
数人のツレにも電話したけどなんなく断られる。

辺りはもう真っ暗だ。
路頭に迷う俺とハル。
世間が妙に冷たく感じた。

ハルも疲れたのか。
両手を俺に向け。
ハル
「ダットー。ダットー。」
と言う。

 

とりあえず寝る場所を探さないと。

俺はハルを抱っこし、
大きなリュックを背負った。

ようやく繁華街にある
広場の階段に腰を下ろした。
せめて明るい場所の方が、
ハルも落ち着けるだろうと思ったからだ。

「すいませんが、ここに座らないでもらえますか?」
警備員服を来た初老の男に注意された。
ここに座られては、
客が入らないと言うことらしい。


「ここはおめーの土地か?」
いつもならつっかかって行くとこだが、
今そんな元気もない。
俺は黙ってまた歩き出した。

コンビニでお茶とおにぎりを買って、
朝来た公園までやって来た。

 

ハルは俺から降りて喜んで走り回っていた。
状況を理解できる年齢じゃないから当然だ。
公園に遊びに来たとでも思っているんだろう。
むしろそっちの方がありがたいか。
何も考えてない方が。

遊び疲れたのか、
汗だくで少しグズったのでおにぎりを食べさせた。
風呂に入れないので、
公園の蛇口で水を借りた。

タオルで体を拭いてあげると、
冷たくて気持ちいいのかすごく嬉しそうだ。

目を擦って眠たそうにしてる。
俺はハルを抱っこして、
大きな滑り台の下が
トンネルみたいになっていたのでそこに入った。

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