【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

朝の日差しで目を覚ますと、
横ではハルがぐっすり眠っている。
とりあえず父親になると決めた。

まずは保育園に行って佐々木先生に、
サリナが出ていったことを話そう。
それから仕事を探さないと。
俺一人なら食っていけるけど、
今はハルを育てなきゃいけないんだ。

サリナがいつ戻ってくるのか?
もう戻ってこないかもしれない。
誰かをあてにすることなんでできないんだ。

担任の佐々木先生には、
サリナが家を出たことを告げた。

佐々木
「これから大変でしょうけど、
私たち園も出来る限りハルちゃんの力になります。」
と言われ少し安心した。

その足で職安に行くことにした。

職員
「松井さん(俺の名字仮です)。
正直難しいですよ。今不景気ですしね。
職歴も殆どないですし、学歴も中学卒業じゃね。
資格もないと言うことですし…
それに子供を一人で育ててる訳でしょ?
会社の負担になりかねませんよ。」


「お願いします。どんな仕事でもするんで。」

正直仕事をしないとやばい。
手持ちも殆どなく、
明日にもハルを食わせられなくなるかもしれないからだ。

結局その日は登録のみで、
紹介すらしてもらえなかった。

とりあえず携帯やら、
求人のフリーペーパーでバイトを探してみる。

アパートから近目の場所に手あたり次第電話をした。
あっさり面接を4件こぎつけた。
楽勝じゃん。でもそう簡単ではなかった。

店長
「どうしてうちで働こうと思ったの?」
某有名フランチャイズレストランに面接に来た。

「いや、とりあえず金がほしくて。」

この時の俺は、
本当に社会人としてのスキルが皆無だったんだよ。

店長
「履歴書君が書いたの?」

「そうですけど…」
店長
「漢字間違ってるし、字下手だね?w
それに君、職歴が空欄だけど仕事したことないの?」


「したことないわけじゃないんすけど、
最近はずっとプーだったんで」
店長
「ハハw ちょっとうちじゃ難しいかなw」

こんな感じで断られた。
まあこう言われる方がまだましだ。
何も質問されず、後日連絡すると言われて
追い返される事の方が多かった。

一週間がたったけど、まだ仕事は見つからなかった。

ハルとの生活だけど、ハルは泣いてばかりだった。
会話が出来ないから、
ハルとの意思疎通が出来ない。
だからイライラが募る。
俺は怒鳴ってばっかりだ。
ほとほと疲れた。

仕事も見つからない。
お金ももう残っていない。
頭を抱えるしかなかった。
どうすればいいんだ。
これからちゃんとやっていけるのか。

そんな不安に追い討ちをかけるように嵐はやってくる。

ピンポーン。
チャイムが鳴った。
こんな朝早くに何だ。
時間はまだ7時前。
またチャイムが鳴る。
ドンドンッドンドンッ。
激しく玄関を叩いている。

その音にハルが反応して目を覚ました。
ハル「あーーんっ」
うるせーなっと思いながら、
泣くハルを抱きかかえて玄関を開けた。

「松井さん? 大家ですけど。」
ぽっちゃりしたキツい目をしたおばちゃんが、
ズカズカと家の中に入ってきた。


「朝っぱらから何なんすか?」
大家
「何度も電話したのにでないからよ。
わざわざこっちが来てやったわよ。
奥さんはいないの?」

鼻息を荒くし、強い口調で話す大家さん。
大家さんが言うには、
3ヵ月家賃を滞納しているらしい。

大家
「どうなってんのよ?
今月まとめて払えなかったら、
出ていくように言ってあったでしょ!」

財布の中身は600円だったのを思い出した。


「いや、すんません。俺知らなかって。
何とかするんで一週間待ってもらえませんか?」

大家
「駄目よ。賃貸契約の時点で、
2ヶ月滞納したら強制退去って書いてあったでしょうが。
ただでさえもう1ヶ月待ってやってんだ。
もう特別はなしだからね。」


「いや、行くあてなんてないんですよ。
一週間。いや3日でいいんで待って下さいよ。」

泣き叫ぶハルを抱えながら、必死に交渉した

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