後輩『メシおごってください』俺「〇の調子悪いからまた…」後輩『○○の行きたい所でいいよ』→〇料理屋に行った結果…
若者の口に合うかな、と不安でしたが、
二人ともご飯をおかわりする勢いで食べてくれました。
それからまたしばらく経ったある日のこと、
私が一人で当の小料理屋へ行くと
Aがカウンターに座っておりました。
聞けば、あの後、一人で何度も通っているとのこと。
私と一緒に行った日に食べた鯖の味噌煮が、
Aの亡くなった祖母の味とそっくりだったため
懐かしくなり、酒は頼まず
定食だけを食べに来ていたのだそうです。
店のご夫婦ともすっかり仲良くなったようで、
それからも度々、彼を店で見かけました。
二年後、Aは会社を退職し、
その小料理屋で働き始めました。
やがて調理師の資格をとるために学校へも通い、
私とBが店に行くと、定食に小鉢を
おまけしてくれたりするようになりました。
Aはそれまで料理など
ほとんどしたことがなかったはずです。
けれどもその頃には店のご主人が太鼓判を押すほど
腕を上げておりました。