【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

だって僕は、足を踏み出そうとしていない。したこともない。

惰性に流され、その関係を維持しようとしていただけだった。

(……なんか、分からなくなってきたな……)

その時、まるでタイミングを見計らったかのように、郵便受けから音が響いた。

(……ドラえもん?)

手紙きたーーーーーーーーーーーーーーー

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のび太くんへ

キミは、色んな人と出会ってると思う。

その中で、自分のことが分からなくなったり、どうするべきか悩んだりすると思う。

だけどのび太くん。

そんな時は、思い切り悩んでいいんだよ。

キミの人生は、キミだけのものだ。

思い切り悩んで、それでも決めたことに、僕は何も言わないよ。

だって、きっとのび太くんなら、いい方向に決められるって信じてるから。

 

でもね、のび太くん。

絶対に、逃げちゃだめだよ。

逃げた先には、たぶん後悔しか残らないんだよ。

何かのせいにしたり、自分を恨んだりしちゃうかもしれないんだ。

のび太くんには、そんな思いはしてほしくないな。

だから、いっぱい悩みなよ。

悩んで悩んで、悩み抜いて、キミだけの答えを見つけてね。

キミの未来は、キミが作るんだから。

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(……まいったな。全部、お見通しってわけなんだね……)

それでも、少し楽になった気がする。

(僕の未来は、僕が作る……か……)

ドラえもんの手紙を思い出しながら、静かに部屋の電気を消す。

暗くなった部屋には、外からの月の光が射し込んでいた。