【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

 

 

――声が、出なかった。体が、心が、声を出すことを拒絶した。

そして二人は、再び人の波の中に消えていった。

時間にして、ほんのわずかな時間。ほんのわずかな時間、彼と彼女は僕に見せつけるようにその姿を見せた。
……これが、僕の行動の結果なのだろうか……

思わず、天を仰いだ。

「……ドラえもん、ごめん……」

そしてなぜか僕は、彼に謝る。

秋風が、体を通り抜ける。その風は、とても冷たかった。

「――お待たせのび太くん!」

「ああ……うん……」

「……ん?……んん??」

笑顔で店を出て来た彼女だったが、僕の顔を見た瞬間、僕の顔を下から覗き込み始めた。