【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

 

 

本当は色々と話したいことがあった。ジャイアンのこと。スネ夫のこと。僕のこと。そして聞きたかった。しずかちゃんのことを……

だけど、こうして思いがけず会うと、なぜか言葉たちが引っ込んでしまっていた。

それでも、言葉こそないが、とても懐かしい雰囲気だった。とても心地よい、あったかい雰囲気だった。

ただ、いつまでもこうして黙っておくわけにもいかなかった。

「……しずかちゃん、仕事忙しそうだね」

「う、うん……休みがほとんどないわ」

「そっか……大変だね」

「うん。でも、とても充実してるわ」

「そっか……。――あ、でも、体には気をつけてよ?忙しい時こそ、体調を壊しやすいんだし」

「そのあたりは大丈夫よ。相変わらず心配性ね、のび太さん。フフフ」

「しずかちゃんこそ。相変わらずだね。フフフ」

……再び、沈黙が訪れた。

いざ会うと話ができないって結構あるんだよな

・・・・

流れる沈黙の中で、必死に自分を奮い立たせていた。今しかない。今しか、チャンスはない……

震える唇を噛み締めて、ようやく、声を絞り出した。

「……ええと、しずかちゃん」

「……なぁに?」

「こ、今度、二人でご飯でも―――」

「――ごめんしずか!資料がなかなか見つからなくて!待たせてしまっ―――」

「―――」

……あと少しのとこまで来ていた言葉は、再び喉の奥へと逃げていった。いや、正確には、飲み込んでしまった。

しずかちゃんの元に駆けよって来た、その人物を見たせいで―――