【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
「……で、出木杉……」
「……野比、くん……」
「で、出木杉さん……」
「………」
三人とも、言葉を失ってしまった。まるで石になったかのように、全員動けずにいた。
――そんな僕らに向かって、更に声がかかった。
「――のび太くんお待たせ!自動販売機が思ったより遠く…て……」
「……さ、咲子さん……」
その場に固まるのが、4人に増えてしまった。
「……やあ野比くん。久しぶりだね」
沈黙の中、一番最初に口を開いたのは出木杉だった。
「あ、ああ。久しぶりだね……」
「今日は、出木杉さんと職場の備品を買いにきてたのよ……ね?出木杉さん?」
「そうなんだ。しずかと、二人きりで、ね……」
「………」
久々に会った出木杉は、しずかちゃんを呼び捨てにしていた。そして、二人で出かけていたことを、やけに強調させる。
今の彼は、以前会った時とは全く違う。――まるで、僕に対して、威嚇をするようだった。
「……ところでのび太さん。その人は?」
しずかちゃんは僕の背後に立つ咲子さんに視線を向けた。
「あ、ああ。この子は……」
「―――ッ」
そう言いかけたところで、咲子さんは僕の前に出た。そして、しずかちゃんの正面に立ち、少し速めに一度だけ会釈をした。
「……初めまして。私、花賀咲子といいます。のび太くんとは、職場の同僚です」
「え、ええ……はじめまして。源しずかです。よろしく」
「……出木杉です。花賀さんは、野比くんとお出かけかな?」
「ええそうですよ。今日は、二人で出かけてるんです。」
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