【人生の選択肢】シンプルに生きる「ミニマリスト」たち

まめ知識

 

 自分が最期のときに何を思い出すか?

 例えば目の前に、「このバッグ、捨てるのがもったいない」と悩むバッグがあるとします。そのことを自分が病床で死を目前にしたときに思い出すでしょうか? 私は父親の最期7日間を病床で寄り添った経験があるのですが、父の場合、繰り返し話していたのは「あの旅行でこんなことがあった」「あのときは楽しかった」といった家族の思い出話ばかりで、背伸びして買った高級車の話は一度も出ませんでした。もし今、目の前にあるモノで悩むのなら、「これが自分にとって最期に思い出したいモノになる?」と自分自身に問いかけてみてはいかがでしょうか?

 決断疲れを減らし、小さな幸せを実感する

 私がお片づけ作業に伺うお家は総じてモノが多いのですが、モノが多い原因の一つとして、皆さん非常に多趣味でいらっしゃいます。「時間ができたら油絵を描きたい」「陶芸をやりたい」「スキーや釣りにも行くかもしれない」。やりたい夢があるのは非常に良いことだと思うのですが、あれもこれもやりたいけど何一つ行動に移していない、という状況は本人にとってもストレスになります。

 私が知っているミニマリストの人たちは、毎日小さな“今日やりたいこと”を掲げ、それを確実に実行する、を繰り返している方が多い、という印象です。周りから見ると、同じルーティンで飽きそう、と思われるかもしれません。実際、私も同じルーティンをベースに日々過ごしていますが、「いつかやりたいけれど今日もやれない」という状況よりも、「ちょっとしたことだけど、やりたいことを今日もやることができた」という結果が“とても良い一日だった”という幸福感に繋がっているように感じます。また、ルーティンが多いことで、どうでもいい選択が少なくて済んでいます。

“決断疲れ”という言葉がありますが、ルーティンを決めておき決断回数を減らすことで、脳へのストレスも軽減できるように感じます。ぜひ、毎日の暮らしの中でルーティンにできるものを探してみてはいかがでしょうか?

引用元:https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200713/ecc2007130700001-n1.htm