【閲覧注意】カヤックに乗った男性がサメの群れに襲われる映像が怖すぎ!!!!!

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3.サメは凶暴な生き物ではない

サメはよく勘違いされているような、人ばかり襲う生き物ではありません。海には、サメよりはるかに大きな危険がいくつも存在します。そのことは、サメに襲われる人の数は、海で雷に打たれる人の数よりも、はるかに少ないという事実からも明らかでしょう。

例えば、サメの事故を調査しているインターナショナル・シャーク・アタック・ファイル(ISAF)によると、1959年から2003年にかけて、アメリカ沿岸の海で雷に打たれて亡くなった人は1857人、サメに襲われて亡くなった人は22人でした。

また、サメに襲われても4人のうち3人は命を落とすことがないといいます。そしてISAFのデータによれば、2002年に世界で発生したサメの襲撃60件(人間がサメを挑発して起こった事故もふくめると86件)のうち、被害者が死亡したのは3件でした。また20世紀のあいだカリフォルニア沿岸で発生した、サメによる襲撃事故の108件のうち、被害者が死亡したのは8件だったそうです。

映画のように、サメが人間ばかり襲って食べるようなことは決してありません。もしそうでしたら、事故の件数や死亡率はもっと跳ね上がっていてもよいでしょう。サメの事故件数と、他の動物に襲われたり、災害にあった場合の事故件数の比較は、ISAFのページ”The Relative Risk of Shark Attacks to Humans”にグラフで細かく書かれていますので、実際にくらべて確かめてください。他の事故件数に比べて、サメの事故件数がはるかに少ないということがわかるでしょう。

もっとも、サメでもホホジロザメやイタチザメ、オオメジロザメのような大型のサメは、水中で出会えばかなり危険なことは事実です。また、栄養の少ない外洋にすむサメの多くは、いつも必死になって食い物を捜しています。だから外洋で泳ぐことは、かなりの危険をともなうのは間違いありません。第2次世界大戦中に沈没した船の乗組員のかなり多くが、サメで命を落としています。

悪名高いホホジロザメが、なぜ人を襲うのかは分かっていません。ホホジロザメは好奇心が強いため、興味半分に人を噛むという説がありますが、実証されているわけではありません。またサーフボードに乗って浮かんでいる人間が、下から見るとアザラシそっくりに見えるために、ホホジロザメは人を襲うのだという話もありますが、いつもそうだとはいい切れないようです(もっとも、サメの事故のなかではサーファーが襲われる場合が最多なのは確かです)。

しかしサメの動機がどうであれ、海は人間のものであるばかりでなく、海の生き物の領域でもあること、そして海で泳ぐとき、そこにある食物連鎖に巻きこまれる危険があることは、意識しておいた方がいいのではないでしょうか。

もちろん、だからといって、サメの事故を防ぐのをサボってもいいというのではありません。しかし、その方法には注意しないといけません。事故を防ぐという名目で、絶滅寸前に追い込まれたサメも存在します。オーストラリアやアメリカ沿岸に住むシロワニというサメは、人食いザメと勘違いされて、1950年~1960年にかけて大量に殺されました。結果として個体数は激減し、いまだに回復のめどは立っていません。

サメの事故を防ぐことは大切でも、調査もせずにサメを殺したりすると、あとで取り返しのつかない事態になりかねません。サメは、海の生態系を守るという重要な役割を持っているからです。

 

 

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