【閲覧注意】カヤックに乗った男性がサメの群れに襲われる映像が怖すぎ!!!!!

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1.「サメ伝説」のはじまり

ふだん、人がサメと聞いて思い浮かべるのは、「海の人食い」とか「殺し屋」といった不吉なイメージです。しかし、サメの持つ恐ろしい面がやたらと強調されるようになったのは、つい最近のことで、1970年代に映画『ジョーズ』が公開されてからです。

ピーター・ベンチュリーの小説をスピルバーグが映画化した『ジョーズ』は、海岸に突然現われた巨大なサメが人を襲うという話でした。今の時代、何かの生き物に食われるなどということはめったにないため、このサメの襲撃というテーマは、センセーショナルな話題をよびました。

その後、各メディアが好んでサメの恐怖をあおり、視聴者もそれを歓迎するという傾向が生まれました。しかしテレビが紹介するサメの姿は怪物じみており、普通の動物としてのサメの姿とは大きく異なるものでした。そしてサメに対する怪物幻想は、いつしか頭にこびりついて離れないものへと変化していったようです。

またサメが悪役にされた結果、思わぬ事態が起こるようになりました。『ジョーズ』公開ののち、サメをターゲットにしたスポーツフィッシングが流行りはじめたのです。一時期、ホホジロザメ(『ジョーズ』に出ていたサメ』)は欧米のスポーツフィッシャーマンにとって、名誉のトロフィーでした。一部の人びとはサメを必要以上に多く殺し、怪獣退治の英雄であるかのように、サメの死体の前でポーズを取りました(サメの側にしてみれば、いつの間にか悪者扱いされたあげくに殺されるという迷惑な話です)。

こうしたことが規制のないまま続いた結果、アメリカやオーストラリア沿岸にいたホホジロザメの数が、少なくなったと指摘されるようになりました。皮肉なことに、『ジョーズ』を書いたピーター・ベンチュリーは現在、ホホジロザメの保護を推進する立場に立っています。

2.『ディープ・ブルー』

サメを扱った映画は今も多く登場していますが、そのなかでも代表的なのは『ディープ・ブルー』でしょう。この映画もやはり大ヒットを飛ばしました。『ディープ・ブルー』の恐怖は『ジョーズ』の恐怖と質が違うものですが、それでもサメの「海の殺し屋」という役割が変わったわけではありません。

とはいうものの、サメの映画がこれほど当たりつづけるのは、人間へのサメへの密かな関心や興味のせいなのかもしれません。それどころか、「人を襲う、危険な、凶暴な」という言葉が、敬意のようなものをこめて語られることがあります(実際、サメのことを危険だといいたがる人には、たいてい悪気がありません)。

しかしサメに対する悪いイメージや恐怖は、今もまだ人びとの心に焼きついています。そしてこの恐怖があるかぎり、サメはこれからも凶暴なだけの動物として扱われつづけるでしょうし、海水浴客はサメがと聞いただけで海岸によりつかず、観光業に打撃を与えつづけるでしょう。

 

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