【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…
リョウは立てかけてたモップで、
俺の顔に目掛けてフルスイング。
目の上を怪我したのか床に滴り落ちる。
俺「すいませんでしたー」
俺はすぐに姿勢を戻して謝った。
リョウ
「っざけんな。 このカス」
今度は蹴りだ。
それでも姿勢を戻して謝った。
リョウは完全にキレたのか、
何度も俺を攻撃した。
リョウ
「おいお前の嫁バカだよなw
きっちり100万払ってよ。
しかも追加で50万請求したら、
もう金がねーって言うから、
仕方なくちがうモンで払ってもらったわw 」
いつもの俺だったら、我慢せずに反撃してた。
でも歯を食いしばった。
サリナはそれを裏切ったと後悔してたんだ。
責任は全て俺にあるんだ。
叩かれすぎて感覚がなくなった頃、
リョウも疲れたのかようやく手が止まった。
リョウ「ハア。ハア。
バカかお前。ハアハア」
俺「すい…ません…でした…」
口の中を切ってうまく喋れない。
リョウ
「チッきめー。もういいよ。ウゼーッ。
その面二度と見せんな。」
そう言ってリョウは店へと入っていった。
俺は気を失いそうだったけど、
どうにか持ちこたえて壁にもたれて座り込んだ。
何故わざわざこんなことしたかって。
自分への戒め。
そして誠心誠意リョウに謝りたかった。
ただの偽善だとか、
自分に酔ってるだとか言われるかもしれないけど。
それでも俺はきちんと謝りたかったんだ。
何よりサリナはもっと辛かったんだよ。
若気の至り?
昔はやんちゃしてました?
ダッサ。
そんな父親嫌だよな。
これから先、もしハルが誰かを傷つけたとして。
俺はどんな顔でハルを叱ればいいのか。
こんな俺がハルに何て教えたらいいんだ。
怪我をさせて謝らない親が、
息子に謝れなんか言えるか?
こうでもしないと、
俺自身納得がいかなかったんだ。
これが良かったと言うわけじゃないんだけど。
それでも、俺は誇りを持って
息子にいけないことはいけないって言いたい。
少しでも良い父親になりたかった。
うわー、しまった。
保育園からの電話でハルの迎えを思い出した。
俺はタクシーに乗り込んで急いで保育園に向かった。
まあズタボロだったからゆっくりだったけど。
ボロボロな俺の姿を見て、
運転手さんがすごく心配してたのを覚えている。
ハルと佐々木先生が門の前で待っていた。
ハル「パパーw おかえりー」
ハルがよってきた。
俺「おそくなって…ごめんな…」
佐々木先生
「キャッ。どうしたんですか? その怪我…」
俺
「すいま…せん…転んじゃって…」
すぐに近くの病院で手当てをしてもらった。
結構ひどかったけど、
体だけは丈夫だったんだよな俺。
俺
「大した怪我じゃなくて良かったっす。
本当迷惑かけてすいません…ッ」
佐々木先生
「どこが大したことないんですか?
大怪我じゃないですか?」
俺
「すいません…面目ない…」
ハル
「パパー、イタいの?イタいの?」
ハルが心配そうに俺を見る。
俺
「心配かけてごめんなー。 もう大丈夫だよ」
そう言ってハルの頭を撫でた。
佐々木先生
「いったいどうしたんです?
転んでこんな怪我…ありえないです」
俺は佐々木先生に簡単にだけど理由を説明した。
佐々木先生「はぁ」
佐々木先生が深く溜め息をついた。
俺「本当にすいません。」
佐々木先生
「駄目ですよ。 許せません。
喧嘩なんて信じられない。 大の大人が。
もしもお父さんに何かあったら、
ハルちゃんはどうなるんですか?
ハルちゃんのこともっと考えてあげて下さい。」
ごもっともだ。
単細胞すぎる俺。
でも何だかすっきりしてる。
佐々木
「お父さん?
昔にどれだけ間違いがあっても関係ないです。
父親なんだからハルちゃんが間違ってたら、
きちんと注意すればいいんですよ。
それが親なんだし、誰だって子供には
正しく生きてほしいと思うのは当然なんですから。
お父さんが間違いに気づいたってだけで
十分じゃないですか?」
俺「はい」
佐々木先生
「父親なら、過去にどんな悪いことしてきても。
子供のためなら手本になれるでしょ。
大事なのは今ですよ。」
俺「はい」
正論だ。
佐々木
「よろしーw
もう絶対にこんなことしないって、
ハルちゃんにもわたしにも約束して下さい。」
俺「はい。約束します。」
佐々木「明日はわたしが朝ハルちゃん迎えに行きますから。
ちゃんと体を休めて下さいね。」
どうもこの先生といたら調子が狂う。
でもこうやって、
真剣に間違いを正してくれる人がいるってことは
俺には大切なんだ。
彼女の言葉はハルのためなんだ。
本当に勉強になった。
まだまだ父親としては未完成だと実感させられた。
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