【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

ハルは6歳になった。
随分お兄ちゃんになったんだ。
一年前まではまだまだお子ちゃまだったのにな。

こだわりが強いせいか、
計画通りにいかないといつも泣き叫んで怒ってた。
うまくいかないことがあっても、
それに合わせながら毎日のスケジュールをたて、
少しずつだけど改善してきた。

今は一人でも随分自分のことが出来るようになった。
靴を履くのも、歯を磨くのも人まかせだったのに。

ハル自身、自分で何でも挑戦する楽しみを覚えた。
これも保育園の協力のおかげだ。
精神科の先生もハルの成長をすごく褒めてくれてた。
俺自身もすごく驚いてたな。

 

ハル
「パパ? アンパンマンはバイキンマン、
パンチするのよくないね?」

悲しそうな顔で、
昨日借りたアンパンマンのDVDを見ていた。


「うん、そうだなw」

ハル
「あーーーん。(泣)
バイキンマンイタいよー かわいそーなのー」

クライマックスでは必ず本気で泣くハル。

俺が常々痛いことしちゃ駄目だって言ってる。
ハルはアニメでも十分に痛いことが伝わっているようだ。

人と接しても、
相手の気持ちや感情の理解などができないハル。
やっぱりこだわりは強かったけど、
それでもハルなりに思いやりがあって
優しい子に育ってくれてる。

それが何よりも嬉しかった。

就学相談を終え。
来年はいよいよ小学校だ。
ハルにとっての分岐点。
俺もこの時ばかりは慎重になった。

職員
「ハルちゃんは十分通常の小学校での
教育を受ける適性はあります。
お父さんはどうお考えですか?」

判定前の希望を聞かれた俺は、
すぐに答えることが出来なかった。

ハルを通常の小学校に通わせるべきなのか。
特別支援学校に通わせるべきなのか。

一度地域にある特別支援学校と、
小学校に見学に行った。
ハルは通常の小学校に行くのを
すごく楽しみにしていたんだよ。
何しろ仲良しのマイちゃんがいるんだ。

見学の時にも、マイちゃんやマイちゃんの友達と
運動場で走り回ってた。
ハルちゃん可愛いって言われて嬉しかったんだろうな。

家に帰っても、
ハル
「○○おねーちゃんがカワイイって言ってたのw
カワイイ?」

「可愛いよw」

ハルは可愛いって言う単語が好きなんだ。
興奮して嬉しそうにするハル。
その姿がとても愛らしい。

俺は将来ハルにとって
一番良い選択をしてやりたいと望んでる。

確かにハルの成長は思った以上に早かった。
同年代の健常児の子達とも、
差ほど変わらない感じだと思う。

少し前までは考えられなかったことなんだよな。

でも、不安で仕方なかったんだ。

佐々木先生
「判定で通常の小学校でも大丈夫だったそうですね?
本当に良かった」


「ありがとうございます。」

佐々木先生
「なんか浮かない顔。 どうしたんですか?」

本当は喜ぶべき事なんだよ。
でも俺はそう簡単に、
手放しで喜ぶことが出来なかった。

観察での全体行動に関しては問題ないと言われた。
ただしコミュ力に関しては少し不安が残る。

この1年本当にハルは頑張った。
支援サークル活動での一泊二日のキャンプ。
地域の子供会での旅行。
不安だったけど、ハルにとっても
プラスだと言われ俺は着いていかなかった。

少しずつ慣れない環境に触れさせ、
沢山の人達の支援の中成長していった。

このまま普通の小学校に入学して、
学力はついていくことは可能かもしれない。
でも、まわりと少し違うハルは
友達と溶け込むこともできず、
孤立していじめにあったりするんじゃないか。
どうしてもそうマイナス思考になってしまう。

ハルの意思を尊重するのであれば、
せっかく適性のある
通常の小学校に入学させるべきなんだが。

何より俺が一番不安だったのは、
ハルの安全面だった。

日課の散歩での出来事。
車道に一匹のカエル。
恐らくそばの池から移動してきたんだろう。

急に俺の手を振り解き、道路に飛び出すハル。
あっ、危ない!
急ブレーキの音で一瞬血の気がひいた。

ハルから僅か2メートル先で車は急停車。
本当に危なかった。

ハルは車が来たことなんて気にせず、
そのカエルを手でもちフラフラと池まで歩いていった。
運転手さんに謝ってハルの元へ。


「ハル危ないだろ? 車にひかれるとこだったぞ。」

ハル
「カエルさん大丈夫だよw」
笑顔で俺を見るハル。


「ハルは大丈夫じゃなかったかもしれないんだよ。
道路に飛び出したら危険なんだからな。
痛いじゃ済まないだろ?」

ハルはキョトンとした顔で俺を見る。

ハル
「カエルさんは痛くてもいいの?」


「よくないよ。 でも、ハルが死んじゃったら
パパ悲しいだろ?」

ハル
「カエルさんが死んじゃってもいいの?」


「パパはハルもカエルさんも死んでほしくないんだよ。」

ハル
「カエルさん死ぬのいやー」
泣き出すハル。

どうやらハルは、昆虫や小動物。
小さな命は守らないといけない。 そう思っているんだ。
間違いではないんだけどな。
ハルはその受け取り方が少し違ってた。

その件以来、トラウマになってしまった。

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