【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
突然、玄関が開く音が聞こえ、女性の声が部屋に響き渡った。二人揃って体をビクリとさせ、その方向に目をやる。
「か、帰って来ちゃった……!!」
「え、ええ!?」
(咲子さんが言ってた、同居人!?こ、このタイミングで!?)
口惜しや……実に口惜しい……!!神様がいるのなら、それはきっと、かなりの天邪鬼だろう。もう少し、時間を置いてほしかった。
「咲子ー?いないのー!」
「――は、はーい!今行くー!」
名前を呼ばれた彼女は、一度残念そうに僕の方を見た後に、玄関へと向かっていった。
……僕はそのまま、脱力するように天を仰いだ。
「―――え!?彼氏!?ホントに!?」
玄関からは、同居人さんの驚く声が響く。当たり前だが、女性のようだ。そしてその人は、ツカツカと廊下を歩く音を響かせた。
……至福の瞬間を邪魔した人物の顔……しっかりと拝んでやろうではないか。
そして、ドアが開かれる。
「―――初めまして!私、咲子の姉の――――――え?」
「―――え?」
互いの顔を見るなり、二人揃ってフリーズする。
目の前の人物が信じられず、一度目を擦って見直してみた。だが、間違いなかった。
そして時は動き出し、同時にお互いの顔を指さす。
「「えええええええええええ!!??」」
「のび太!!なんでアンタがここに!!??」
「ま、舞さんこそ!!なんでこの家に!!??」
声を上げる二人。それに続き、咲子さんがリビングへと戻って来た。
「……お姉ちゃん?どうかした?」
「お……お、お……お姉ちゃん!!??」
「……さ、咲子……彼氏って……まさか……!!??」
「………?」
「………」
そのまま、僕と舞さんはしばらく思考が停止した。
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